アラウネ・ブルーム


 

 「分かりました、生物室ですね――ふふ、いやらしい実験でもしてほしいのですか、お兄様?」

 すたすたと歩き始める九条さつき。

 俺の身体もツタで持ち上げられ、彼女の後に続く。

 

 生物室には長机が並び、いわゆる理科室と余り変わらない。

 部屋の隅にはお馴染みの人体模型がある位の、ごく普通の大教室だった。

 そして部屋に倒れている女子達――制服の上に白衣を着た女子が4人。

 彼女達の体に植物部分は全く見えず、アルラウネに変異している者はいないようだ。

 それ以外にも、ブレザー姿の女子の姿が20人ほど。

 一体、ここで何をされるのか――恐怖と期待が、心の中に入り混じる。

 

 「この白衣の子達は、生物部部員……それ以外の子達は、部活見学の子達でしょうね」

 九条さつきは、何かの趣向を思いついたようだ。

 俺の身体は長机の上に横たえられ、大の字にされたままツタで拘束される。

 そして九条さつきが指を鳴らすと同時に、4人の生物部部員はフラフラと立ち上がった。

 

 「あれ、ここは……?」

 「どうしたんだろ、凄くノドがカラカラになったような気が……」

 次の瞬間には、たちまち意識を取り戻す4人の少女達。

 「あ、九条会長。おはようございます」

 4人は九条さつきの姿を認め、ぺこりと頭を下げた。

 床や壁には植物が這い、俺の身体が机の上に拘束されている状況――それにも、彼女達は疑問を持っていないようだ。

 「ふふ……おはよう。部活動はどう? 向学心は満たされているかしら?」

 「はい! ……あれ? 九条先輩って、もう卒業されたような……?」

 生物部の少女達は、首を斜めにした。

 彼女達は完全に自我を取り戻しているように見えるものの、色々なところで脳内が錯綜しているようだ。

 そうでなければ、俺が机上で拘束されて女子が何人も倒れている光景を見て平気なわけがない。

 

 「では生物部の皆さん、一つお願いがあるのですが。

  私はこれより生物の実験を行うのですが、その様子を観察して記録してもらえませんか?」

 九条さつきは、生物部4人にそう語りかけた。

 「はい、分かりました!」

 「どんな実験なんですか……?」

 快く了承しながら、少女達はレポート用紙や文房具を取り出す。

 「貴女達が全く知らない生態を持った生物の実験です。非常に興味深いですよ……」

 「わぁ……楽しみです」

 九条さつきは倒れている女子生徒の一人につかつかと歩み寄ると、その頭に手をかざした。

 そして彼女は、俺の方にちらりと視線をやる。

 「私は中級淫魔に匹敵する魔力を持つアルラウネ、人間の身体を別の生物に組み替えることも可能。

  動物、植物、妖魔…… 植物ならば自在ですけど、それ以外は専門外。少し練習させて頂きますね」

 みるみる、女子生徒の身体が縮んでいく。

 彼女が着ていたブレザーよりも小さくなり、変異しながら縮小化していく少女の身体――

 ……そして彼女が変化したのは、30センチほどの長さの蛇だった。

 

 「な……!?」

 ほんの数秒前まで、女子高生であった肌色の蛇――

 その身体にウロコはなく、目や牙もない。

 蛇というよりもむしろミミズだが、その頭部には亀裂のような口が開いていた。

 

 「ふふ……これが下等搾精生物の一種、搾精蛇」

 その搾精蛇とやらを片手に、九条さつきは俺の横に立った。

 「これ、ヘビなんですか? こんなの見た事ないです……」

 「目は退化したのでしょうか? 口はあるけど歯もないし……舌だって……」

 九条さつきの手にする搾精蛇に、興味津々の様子の女子達。

 「この搾精蛇の生態、よく観察しなさい。メモの類は忘れずにね……」

 そう言いながら、九条さつきは俺の胸の上に搾精蛇を放した。

 しゅるしゅるしゅる……と搾精蛇は俺の胸の上を這い、腹の上を進む……

 そして、ペニスの根元にくるくると絡み付いた。

 さらにその身体を絡ませながら、ゆっくりとペニスを這い上がってきたのだ。

 「わっ……! おちんちんに巻き付いちゃった!」

 観察していた女子の一人が、大声を上げた。

 「あぐ、う……!」

 搾精蛇はペニスにぎゅるぎゅると巻き付き、みっしりと締め付けてくる。

 その胴体は微かにヌメり、俺はその感触に声を漏らしていた。

 

 「締め上げられてるんだ……可哀想」

 「会長、外してあげないんですか……?」

 不安そうな顔を浮かべる女子達。

 うち一人が、興味深そうな視線を蛇に絡まれている俺のペニスに投げ掛けた。

 「蛇は獲物に絡み付いて締め上げ、その骨を砕いてしまいますが……ペニスに骨はありませんよね?」

 「そりゃそうでしょ……早く取ってあげないと、ちんちん潰れちゃうよ!?」

 そう騒ぎ立てる女子達に、九条さつきは言った。

 「……ふふ、よく見てごらんなさい。この搾精蛇は、そんなに強く締め付けていないのです。

  しかしこの蛇がおちんちんに巻き付いてしまうと、男性は外せなくなるんですよ……何故か分かりますか?」

 「え……?」

 女子達は、一斉に蛇の責めを受けている俺のペニスに視線をやった。

 その胴体はぎしぎしと蠢き、俺のペニスに苦痛を与えているようにも見える。

 「そういえば……ペニスの先端も、鬱血しているような様子はないですね」

 「私は、見た事ないから分からない……」

 「でも、この人こんなに苦しそうなのに……」

 少女達は、俺の顔とペニスに交代で視線を這わせた。

 「お兄様、この子達に教えてあげて下さい。痛いのですか? それとも――?」

 「き、気持ちいい……」

 九条さつきの要求に対し、俺はそれだけを言った。

 「えっ……!?」

 「おちんちん、こんなに締め付けられてるのに……?」

 一斉に、俺に問い掛けてくる少女達。

 「気持ちいいって……もしかして、やらしい意味で……?」

 少女の1人がそう口にした後、一同は黙り込んだ。

 何人かは口に手を当て、何人かは吸い込まれるようにペニスを見つめ――

 ようやく彼女達は、俺が何をされているのかを理解したのだ。

 

 「エ、エッチなことされてるの……? それで気持ちいいの……?」

 両手で口を押さえながら、少女の一人が恐る恐る訊いてくる。

 「う、うぅ……」

 屈辱に満ちた質問に、喘ぎ声で答える俺。

 「や、やだ……」

 露骨に嫌悪感を滲ませる――ような素振りをしながら、その少女の視線はペニスに注がれたまま。

 そこから立ち去ろうともせず、好奇心が完全に上回っている様子だ。

 他の二人も同じ。嫌悪感のポーズだけを取りながら、興味津々で俺を観察している。

 「性的な快感を与えているのですか。それは、なぜ……?」

 うち1人……部長らしき理知的な少女だけが、好奇心を全く隠そうとしていない。

 「それは、このまま観察を続けていれば分かります。

  さあ、貴女達は生物部の部員なのでしょう? ちゃんと観察し、研究しなさい」

 「あ、はい……そうですね」

 少女達は、レポート用紙にメモを始めた。

 蛇の絡んだペニスをちらちらと見ながら、そして俺の様子を丹念に観察しながら――

 少女の何人かは、レポート用紙にスケッチまで描いているようだ。

 

 みち、みちみち……!

 俺のペニスを締め上げながら、ぐにぐにと蠢く搾精蛇の胴。

 「あぐ……、う……!」

 俺は身体を震わせ、その甘い刺激に悶えた。

 「男の人が巻き付かれたら自分で外せないっていうのも、気持ちいいから……?」

 レポート用紙にペン先を這わせながら、少女は訊ねる。

 「ええ。おちんちんがとっても気持ちいいから、身を委ねてしまうの」

 くすくすと笑う九条さつき。

 「そうだよね、こんなに気持ちよさそうだもんね……」

 俺の顔をじっと見ながら、少女はそう呟いた。

 「あ、あぁ……!」

 少女達に観察されながら、搾精蛇にペニスを嫐られるという屈辱。

 そんな感情までが性感を助長し、俺はじわじわと高みに突き上げられていく――

 

 「でも男の人って気持ちよくなっちゃうと、最後には……」

 「……射精、しちゃうんですよね……?」

 少女達は、おずおずと口にした。

 「あぐ……!」

 亀頭を締め上げ、カリをきゅっと締め付ける搾精蛇。

 その刺激で、俺はじんわりと先走り汁を滲ませていた。

 「あれ、射精……!?」

 「違うでしょ、我慢汁よ」

 「そんなに気持ちいいんだ……」

 少女達の声も、徐々に熱を帯びていく。

 熱のこもった視線で、俺の射精を待ちわびる少女達。

 そして、搾精蛇が与えてくる狂おしい締め付け愛撫。

 俺はとうとう、限界を迎えそうになった――

 

 ――すると不意に、搾精蛇の口が開いた。

 そのまま、俺の亀頭をぱくりと口内に収める。

 内部はヌルヌルの粘液が満たされ、亀頭全体にヒダがにゅるにゅると擦り付けられた。

 「あぐぅ――!!」

 俺はその感触の前に、少女達が見ているにもかかわらず快楽の声を上げた。

 「えっ、何……!?」

 「おちんちん、食べられちゃった!!」

 驚きの声を上げる少女達。

 サオやカリは、ぬるぬるの胴部で締め上げられ続けている。

 さらに亀頭が搾精蛇の口内でヌルヌルくちゃくちゃと刺激され、俺は一気に絶頂した。

 

 「あ、あ、あああぁぁぁぁぁぁぁ――ッ!!」

 どくん、どくどくどく……!

 尿道口から溢れ出た精液は全て搾精蛇の口内に吸い立てられたため、外には一滴たりともこぼれていない。

 しかしペニスの根元がびくびくと脈動していることで、少女達は俺の射精を察したようだ。

 「あっ……! で、出ちゃってる……!」

 「蛇が、精子飲んじゃってるんだ……」

 「うわ、イかされちゃった……」

 少女達に射精の一部始終を観察されながら、俺は最後の一滴まで搾精蛇に吸い尽くされてしまう。

 彼女達の眼前で下等搾精生物にイかされるという屈辱感――俺は誰にも視線を合わせられず、ただ天井を眺めていた。

 

 「……さて、こういう事です。どういう生態か分かりましたか?」

 九条さつきの問い掛けに対し、生物部部長は口を開く。

 「つまり――この生物の主食は男性の精液なのでしょうか。

  それを摂取するために男性器を刺激して性的快感を与え、絶頂にまで導く――」

 「その通り、大正解です」

 九条さつきは部長に微笑みかけた。。

 同時に搾精蛇は亀頭から口を離したが、ペニスに巻き付いている胴は離さない――

 そればかりか、再びくいくいと締め上げ始めたのだ。

 「あっ、また締め付けてるみたい……」

 「さっき精子吸い取ったのに、まだ足りないのかな……?」

 「ふふ、この搾精生物は原始的。獲物に栄養を与えながら、じっくり搾精するタイプじゃないんです。

  ただ貪欲に、何度も何度も男性器を責めて精液を吸い尽くすんですよ。獲物が衰弱死するまでね……」

 九条さつきは、俺の方に視線をやって笑みを浮かべた。

 「へぇ、こわ〜い……会長、さっき獲物は自分では気持ちよすぎて蛇を外せないって言ってましたよね?」

 「ええ。この搾精蛇がおちんちんに巻き付いてしまったら、もう自分ではどうする事もできずに死ぬまで貪られるんですよ」

 九条さつきの説明に、少女達は顔を見合わせた。

 「うわ……残酷な生き物だね。死ぬまで精子吸い取っちゃうんだ……」

 「私のクラスにムカつく男子がいるんだけど、そいつのチンチンにこの蛇巻き付けちゃおうかな……?」

 「そんな事したら、そいつ喜んじゃうじゃない」

 はしゃぎながら、そんな会話を交わす少女達。

 

 「さて……」

 九条さつきがパチンと指を鳴らすと、搾精蛇は俺のペニスから離れた。

 それどころか、みるみる蛇は姿を変えていき、元の女子高生の姿に戻ってしまう。

 彼女は俺の身体の上で横たわり、その口からはたらりと吸い取ったばかりの精液を垂らしていた。

 「あ、戻った……」

 少女の1人はそう呟いたものの、その異常な現象に対して何の感慨も疑問もないようだ。

 やはり九条さつきに、なんらかの暗示を掛けられているのだろう。

 

 「皆さん、他の搾精生物の生態も知りたいですか?」

 「はい!」

 「ぜひお願いします」

 九条さつきの言葉に、少女達は頷く。

 すると九条さつきは、俺の上で横たわっている少女に手をかざした。

 「搾精動物への肉体変換はやはり難しいですね。原始的なものから訓練を積んでいきましょうか……」

 九条さつき自身の修練を兼ねた、生物実験という名目の狂宴。

 女子高生の身体は、先ほどと同じようにみるみる縮んでいく。

 「この娘をベースとするなら、30匹程度に分割可能ですね」

 そう呟く九条さつき――女子高生の身体は、たちまち小さなナメクジの姿となっていた。

 それも1匹ではなく複数……九条さつきのさっきの言葉からして、30匹。

 外見も大きさも普通のナメクジと変わらず、それが30匹も俺の胸の上に乗っている――そんな、おぞましい光景。

 少女達も絶句した……と思いきや、生物部だからなのだろうかまるで平気そうだ。

 

 「このナメクジも、精子が主食なんですか……?」

 「ええ、原始的な搾精ナメクジ。見た目はただのナメクジですが、やはり搾精に適した体を持っているんです」

 九条さつきはそう説明した。

 「搾精に適した体だって……」

 「おちんちん気持ちよくしちゃうって事……?」

 少女達は、好奇の目を輝かせる。

 同時に、ナメクジたちはぬらぬらと俺の身体の上を這い始めた。

 その目指す先は、やはり俺の股間。

 ナメクジ達は、一斉にペニスに取り付いたのだ。

 「うわ、おちんちんに集まっちゃった……!」

 「これから、また気持ちよくされるんだよね……?」

 その様子を観察しながら、はしゃぎ始める少女達。

 ナメクジはざわざわと俺のペニスにくっ付き、ぬらぬらと粘液を分泌しながら亀頭やカリなどを這い回った。

 ゆっくりと、スローモーに敏感な部分を這い回られる感触に、俺の全身は総毛立つ。

 そのナメクジ1匹1匹が、俺を射精に導かせるという明確な意思を持って蠢いていたのだ。

 「あぐッ……!」

 裏筋を這われて、表情を歪ませる俺。

 すると、数匹のナメクジが集まって重点的に裏筋を嫐ってくる。

 尿道口をにゅるにゅると刺激されて反応してしまえば、複数のナメクジがみっちりと尿道口を覆ってしまう。

 搾精ナメクジの集団での責めに、俺はみるみる追い詰められていった。

 

 「や、やらしい……おちんちんに、ナメクジが這い回ってる……」

 「あの出っ張った部分、ずっとくにゅくにゅされてるね……」

 「あっ、オツユが出てきた……!」

 ナメクジごときに喘がされる俺を、じっくりと観察する少女達。

 彼女達は俺の悶える様子をメモし、ナメクジの這い回るペニスをスケッチしている。

 その屈辱感は半端ではなく、まさに恥辱そのもの。

 そして俺は、早くも限界を迎えようとしていた。

 

 「……あ! あああああぁぁぁぁぁ……!!」

 ナメクジに覆われてしまった亀頭。

 その先端の尿道口から、びゅくびゅくと精液が溢れ出る。

 ナメクジは一斉に尿道に襲い掛かり、その小さな体でじゅるじゅると精液を吸収していった。

 「あ、すごい! 射精した……!!」

 「ナメクジにイかされちゃったんだ……ちょっと情けないかも」

 「だってヌルヌルにされてたんでしょ? 凄く気持ちよさそうだったよ?」

 俺の射精をきっかけに、はしゃぎ始める少女達。

 すでに俺の男としてのプライドは打ち砕かれ、カケラも残っていなかった。

 

 「ふふ、搾精ナメクジはどうでした? 原始的とはいえ、良かったでしょう……?」

 九条さつきが指を鳴らすと、搾精ナメクジはみるみる女子高生の姿に戻っていく。

 その体は俺の寝かされている机からずり落ち、どさりと床に転がった。

 九条さつきはその女子高生を放置し、別の女生徒に目を向ける。

 「さて、原始的な搾精生物への変換技術は、ほぼマスターしましたね。それでは、次に人体改造を――」

 別の女子高生のそばにかがみ、その口元に手をかざす九条さつき。

 その女子高生の口が開き、べろりと舌を出し……その舌が、みるみる長くなっていった。

 それだけではない。その少女の口の中から、十本を超える無数の舌が這い出したのだ。

 「あ、はぁぁ……」

 少女は顎を開き、数十本もの舌を露出させながら苦しそうな息をつく。

 その舌の一本一本が20センチほどに伸び、だらだらと唾液が滴っていた。

 これが、九条さつきの言う肉体改造――?

 

 「……!!」

 口から複数の舌を垂らしながら、ふらふらと近寄ってくる女子高生。

 俺はそのおぞましさに表情を歪め……

 そして、何の罪もない少女を躊躇なくこんな姿にしてしまう九条さつきに怒りすら覚えた。

 「うわ、舌がいっぱい……」

 「ちょっと苦しそうだね。息がしにくいのかな……?」

 少女達は同情の様子を見せながらも、根本的な疑問点などは持っていない――いや、持たないようにされている。

 そして醜い姿となった女子高生は俺のすぐ近くまで迫ってきた。

 

 「どうですか、お兄様? 搾精生物とは違いますが……言ってみれば、私のオリジナルと言ったところでしょうか。

  この舌で可愛がられるのは、とても気持ちよさそうでしょう――?」

 「……!?」

 俺は九条さつきにそう言われて初めて、彼女が何をさせようとしているのかに思い至った。

 無数の舌で埋め尽くされた口腔――これは、男を悦ばせる為の人体改造。

 それを受けるのは、俺しかいないのだ。

 「はぁ、ああぁ……」

 荒い息をつきながら、女子高生は俺の股間に口を寄せてくる。

 れろれろと蠢き、イソギンチャクの触手のように動き回る無数の舌。

 それが、俺のペニスに向けられる――

 

 「う、うわ……!」

 「あれでフェラするの……? ちょっとエグいけど、気持ちよさそう……」

 少女達は目を輝かせ、これから繰り広げられる狂態を待っている。

 そして、女子高生の無数の舌がぎゅるぎゅるとペニスに絡み付いてきた。

 ピンク色の触手がみっちりと巻き付き、とぐろに包み込まれたかのような俺のペニス。

 当然ながら、そのぬるぬるに締め上げられる感触は尋常なものではない。

 「あ、ああああぁぁぁぁぁ!!」

 俺は少女達の前なのにもかかわらず、無様に絶叫していた。

 「わっ、すごく喘いでる……」

 「ベロでぐるぐる巻きにされちゃった……やらしい……」

 声を弾ませる少女達の様子も、まるで気にならない。

 さらに女子高生は、舌で包まれた俺のペニスを一気に咥えてきた。

 その口内では無数の舌が蠢き、締め上げ、絡み付き、強烈なまでの蹂躙を受ける。

 じゅるじゅる、れろれろ、くちゅくちゅと凄まじい音が周囲に響く――

 

 「あ、あぐっ……!?」

 さらに舌のうち数本が陰嚢や会陰部、アナルの方に伸びた。

 陰嚢に舌がぎゅるぎゅると巻き付き、会陰部やアナルを滅茶苦茶に舐められる。

 それも、唾液のどろどろに滴った複数の舌が――

 「あが……が……! ああああぁぁぁ……!!」

 彼女の両頬は、口内で蠢き回る舌によってぐちゅぐちゅと蠢いている。

 そんな口の中に咥えられている俺のペニスは、もはや何をされているのかも分からない。

 とにかく舌でもみくちゃにされ、陵辱され尽くした――

 

 「あ、あ、ああああぁぁぁ――ッ!!」

 限界は、あっという間に訪れた。

 俺はガクガクと腰を突き上げ、女子高生の舌で嫐り上げられながら精を漏らす。

 「えっ……!? もうイっちゃったの……?」

 「すご〜い、瞬殺フェラだ!」

 「20本ぐらいの舌に舐められたんでしょ……? そりゃ、おちんちん溶けちゃうよね?」

 メモを取りながら、はしゃぎ始める少女達。

 俺は精液を啜り尽くされ、ようやく口を離してもらった。

 「あっという間に射精しましたね。もっとゆっくり愉しんでもらいたかったのに……

  九条さつきオリジナルの舌少女、気に入ってもらえました?」

 そう言いながら、またもや別の少女に目を留める九条さつき。

 彼女が指を鳴らすと同時に舌少女が俺から離れ、ショートカットの少女が立ち上がった。

 可愛いが、いかにも無愛想な感じの短髪少女――その眼前に、九条さつきは手をかざした。

 また、悪魔のような肉体改造を――

 

 「ふふ、これはどうですか? お兄様……」

 九条さつきがそう囁くと、冷たい目の短髪少女はゆっくりと近寄ってきた。

 彼女には、何も変わった様子が見られない。どういう事なのか――

 「……」

 短髪少女は机に横たわる俺の横に立ち、おじぎをするように頭を下げてきた。

 そのまま、俺の股間に顔をうずめる――

 しかし次の瞬間、ペニスの先端に触れてきたのは彼女の舌でも唇でもなかった。

 それは、左眼――短髪少女のくりくりした眼に、ペニスの先端が当てられたのだ。

 「え……? 冷美、何してるの……?」

 「おちんちんを、眼に……? そんな事したら、痛くない?」

 その奇妙な様子に、少女達は不安そうな表情を浮かべる。

 生物部員の中には、この短髪少女の名を知っている者もいたようだ。

 

 「その娘……冷美ちゃんと言ったかしら? その眼の部分を、搾精できるように改造しました。

  さあお兄様、その眼の中におちんちんを突き入れてみてください」

 「そ、そんな……!」

 俺は、流石に躊躇した。

 冷美は俺のペニスの根元を握り、自分の左眼に亀頭先端を押し当てている。

 俺が少しでも腰を突き上げれば、ペニスを冷美の眼窩に挿入してしまえるが――

 

 「……」

 冷美は冷ややかな目で俺を一瞥すると、一気に股間へ顔を沈めてきた。

 ずちゅちゅちゅちゅ……と、俺のペニスが冷美の眼窩へと潜り込む。

 「あ……!」

 「ね、根元まで入っちゃった!」

 「痛そ〜!」

 少女達は、口々にはしゃぎ立てる。

 当の冷美は俺の股間にぴったりと顔を沈めたまま、まるで動く気配がない。

 だからと言って、痛みを感じている様子もないようだが――

 「あぐ、う……!」

 それよりは俺は、その眼の中の感触に悶えていた。

 その中は非常に温かく、ぷるぷるのゼリーに包まれているかのよう。

 そして――

 

 ――にゅく。

 

 「あぐぅ……!!」

 一瞬だけ、その内部がぎゅうっと収縮した。

 弾力たっぷりの内壁で締め上げられ、俺は快楽の呻きを漏らす――と思ったら、その収縮は一瞬で終わった。

 「あ、あぅ……」

 今のは何だったのか――股間に顔を埋める冷美に視線をやる俺。

 「……」

 冷美の右眼がこちらをじっと見ていて、目が合ってしまった。

 

 ――にゅく。

 「ああっ……!!」

 またしても、一瞬だけの収縮。

 ゼリーがぶちゅっと締まり、ペニスに密着してくるような甘い感触。

 「……」

 そして冷美の右眼は、悶える俺を横目で観察するかのよう。

 

 ――にゅく。

 「あが……!!」

 一瞬だけ揉み潰されるような快感に、俺は身を震わせた。

 おそらく周期的に、3秒に1度くらいの頻度であの収縮がペニスを襲うのだ。

 「……どうしたの?」

 「何かされてるんじゃない? 気持ちいいこととか」

 「眼の中で? なんか変態的だね……」

 少女達は、俺の断続的な反応に目を白黒させている。

 「まばたきですよ」

 不意に、九条さつきは口を開いた。

 「まばたきをすると目が収縮し、ペニスが気持ちよく締め上げられるんです」

 

 ――にゅく。

 「ッ……!」

 「……」

 右目でじっと俺を凝視しながら、淡々と快楽を与えてくる冷美。

 「まばたき……? じゃあ、パチパチしてるだけで気持ちよくなるの……?」

 「うわ、便利。さっきからこの人、悶えまくりだし……」

 好奇の目を、俺と冷美に向けてくる少女達。

 そして九条さつきは、くすりと悪戯気な笑みを浮かべた。

 「じゃあ冷美ちゃん、一気に搾り出してあげなさい」

 

 「……」

 少女は軽く頷くと――連続でまばたきを始めた。

 ――にゅくにゅくにゅくにゅくにゅくにゅくにゅくにゅくにゅくにゅく……!

 「あ……、あああああああぁぁぁ〜ッ!!」

 俺のペニスは、ぷるぷるのゼリーの中でもみくちゃにされる。

 締め上げられ、絡み付き、蠕動し、犯し抜かれる。

 全身を快楽が駆け巡り、脳髄が焼ける。

 「……」

 狂い悶える俺の顔をじっと凝視しながら、ぱちぱちと瞬きを続ける少女。

 「あが……! あああ、あああぁぁ――ッ!!」

 俺は、凄まじい快感に翻弄されたまま精液を冷美の目の中に撒き散らしていた。

 「……」

 冷美はまばたきを続け、射精中のペニスをぐちゃぐちゃと刺激し続ける。

 「あぐ、あ、あ、ああああ〜!!」

 俺はじたばたともがきながら、精液を冷美の目に搾り尽くされてしまった。

 

 「わ、すごい……!」

 「一瞬でイかせちゃったんだ……」

 「瞬殺だったよね……」

 俺の射精を見て女子達は騒ぎ始める。

 「……」

 冷美は俺の股間から顔を上げ、そして両目で俺の顔をじっと――無表情のまま凝視してくる。

 その左眼から、俺の出した精液がとろり……と涙のように垂れた。

 ――この眼で、自分はイかされた。

 ぷるぷるの感触で狂わされ、たちまち果ててしまったのだ。

 冷美が本気になった途端、なすすべもなく搾り出された――

 この眼は、凶器だ。

 男を一瞬で骨抜きにしてしまう、魔性の眼だ――

 

 「あらあら、見つめ合ったりして……お兄様も冷美ちゃんも、お互いに気に入った様子ですね」

 「……!?」

 俺は、思わず九条さつきに視線をやる。

 冷美が、俺を気に入った――?

 彼女は冷たい視線を俺に投げ掛けたままで、そんな様子は微塵も見せないが――

 そして冷美は、無表情のままつかつかと俺の元を離れていった。

 

 「さて、次はどうしましょうか……?」

 九条さつきは俺にではなく、女子4人に顔を向ける。

 「そろそろ、生殖が見たい?」

 「せ、生殖……!」

 「見たいです!」

 女子達は、一斉に目を輝かせた。

 「それとも、粘体搾精生物に捕食させるのはどうかしら?」

 「ほ、捕食……?」

 「お兄さん食べられちゃうの? 可愛そう……」

 「でも、ちょっと見たいかも……」

 興味津々の表情を浮かべる女子達――そして俺は、戦慄していた。

 しかし逃げようにも、体が衰弱しきっていて立つことすら出来ない。

 「人間の形をしていない異形の搾精生物に犯させるのも愉しそうですね。さあ、どうします?」

  九条さつきは、俺の運命を4人の生物部女子に委ねる。

  4人は顔を見合わせて相談し、そして部長が代表して九条さつきに告げた。

 「では――」

 

 人間の形をしていない異形の搾精生物

 搾精生物との生殖

 肉食の粘体搾精生物

 

 

 



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