アラウネ・ブルーム


 

 「――では、搾精生物との生殖でお願いします」

 生物部部長は、九条さつきに告げた。

 「分かりました。搾精生物とお兄様との交尾、よく観察しておきなさい……ふふ」

 九条さつきは可笑しそうに笑いながら、またも倒れている女子高生に手をかざした。

 その瞬間、女子高生の姿はみるみる変異し始める。

 その腹部が突き出し、そしてぷっくりと膨らみ――スカートをびりびりと突き破った。

 肩からはもう一組の腕が現れ、その背中からはブレザーを引き千切って羽根が姿を見せる。

 その羽根は、まるで羽虫のような形状――いや、羽根だけではない。

 彼女の下半身は虫――巨大なハエに酷似した形状となっていたのだ。

 「あ、ああ……」

 俺はその余りにも奇妙な異形を眺め、呆然としていた。

 今から少女達の前で、あの生物に犯し尽くされる事になるのだ――

 

 「ふふ……これが、ハエ娘――」

 「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 九条さつきの言葉を、異形の姿に変異した女子高生――ハエ娘の絶叫が掻き消した。

 彼女は自分の4本腕、そしてハエそのものの下半身に視線をやって表情を歪めている。

 「な、なにこれ……!! やだぁ……私の体、こんな……!」

 上半身は、いかにも純朴そうなお下げの少女。

 彼女は醜くなった下半身を嘆き、ひっくひっくと泣きじゃくっていた。

 

 「あらら……可哀想」

 「そりゃショックよね〜起きていきなり、あんな姿だったら」

 生物部の女子達は、いかにも他人事のように同情の素振りを見せる。

 「ふふ……大丈夫、すぐ慣れてしまいます。それに、もうすぐ発情期ですしね――」

 九条さつきがそう告げると同時に、ハエ娘はぴたりと黙り込んだ。

 そしてもじもじしながら、頬を赤く染める。

 「あの、わたし――」

 ハエ娘は自分の主を本能的に理解しているのであろう、九条さつきにすがるような視線をやった。

 「お、おかしいです……か、からだが……」

 紅潮した顔で、荒い息をつくハエ娘――その膨らんだ腹部先端が、ぶわっと広がった。

 昆虫そのものの腹部の先端に開いた、直径20cmほどの穴。

 そこから、白い粘液がどろどろと大量に垂れた。

 

 「うわ……」

 思わず、女子の一人は顔をしかめる。

 「あれが、あの生物の生殖器ですか――?」

 一方、生物部部長はハエ娘の下腹を冷静に観察していた。

 「ええ、あれが生殖孔。繁殖期だから、強い性欲に襲われているのですよ」

 にこやかに答える九条さつき。

 ハエ娘の生殖孔は大きく開き、そして内部で肉がぎゅるぎゅると回転している。

 白い粘液が大量に絡みながら、洗濯機のようにぎゅるぎゅると――

 「あの孔、おちんちん包むには大き過ぎませんか……?」

 「それに、中がミキサーみたいに回ってる……チンチンちぎれちゃうんじゃない?」

 「大丈夫ですよ……ハエ娘はあの孔を男性の下腹全体に押し当て、男性器や陰嚢、会陰部までを包んでしまうんです」

 九条さつきは、女子達の質問に答える。

 「それに彼女は搾精生物、男性器を傷付けるような事は決してありません。

  生殖孔で男性器や陰嚢がグチュグチュに撹拌されて、天国のような快感が味わえますよ――?」

 「う、あ……」

 九条さつきの誘うような言葉は、明らかに俺に向けてのものだった。

 同時に頬を染めながら、ハエ娘が自身の搾精孔に手を伸ばす――

 が、下腹部が膨らんで突き出しているので、腕がそこまで届かない。

 「あ……! さ、触りたいのに……! むずむずして、ぞわぞわするのに……!」

 ハエ娘はもどかしそうな表情を浮かべ、必死で自分の搾精孔を掻き毟ろうとする。

 「だめ……! ここ、狂っちゃうよぅ……! 触って、誰か触ってよぉ……!」

 搾精孔からだらだらと白い粘液をこぼしながら、すんすんと泣き始めるハエ娘。

 繁殖期だからかどうかは分からないが、情緒が非常に不安定のようだ――

 「ふふ……」

 九条さつきは微笑み、俺の方を指差した。

 「どう、もどかしい? その孔にぴったりのものが、あそこにあるわ――」

 彼女が指差した先は、俺のそそり立っている肉棒。

 ハエ娘は俺の姿を認めた瞬間、目を輝かせた。

 「あ、あれ……! あれ、ほしいです……! いいですか……?」

 「ええ、いいわ。存分に頂きなさい」

 「は、はい――!」

 ハエ娘は羽を震わせ、そのまま飛翔した。

 そして俺の真上から覆いかぶさるように迫り、その細い両腕が俺の足首を掴む。

 そのまま、ぐいっと幼児のように左右に開かされたのだ。

 ハエ娘の眼前には、肉棒のみならず玉袋や会陰部までがあらわになっているだろう。

 「これ、ほしい……いいですよね? ねぇ?」

 まるで疼きに耐えられないかのように、必死で迫ってくるハエ娘。

 すでに勃起しきっているペニスへ、びちゃびちゃと白い粘液が垂らされる。

 それは、俺の股間の目前にまで迫った搾精孔から溢れていたのだ。

 まるで肉のミキサーのように、ぐちゅぐちゅじゅるじゅると回転している搾精孔から――

 「あ、あ……!」

 俺は恐怖と期待に震え、情けない声を漏らしていた。

 あんな中に、ペニスを挿入してしまったらどうなるのだろうか……?

 「……」

 生物部員達は唾を飲み込み、期待した目で俺とハエ娘に視線を送っている。

 あどけない少女の上半身と、醜悪なハエの下半身。

 少女達の衆目の中、俺は身の毛もよだつような交尾を強制されるのだ。

 「い、いいですよね……? 入れます、入れますよ……!」

 紅潮した表情で、息を切らせながら呟くハエ娘。

 そして彼女は、俺の下腹へと搾精孔を押し当ててきた――!

 

 じゅぶっ……!

 ぐちゅ、ぐちゅぐちゅ……! じゅるじゅるじゅるるるるるるるるるるるる……!!

 

 「あ、あぁぁぁぁぁぁ――ッ!!」

 その余りにも凄まじい感触に、俺は身を震わせて絶叫していた。

 ペニスが、肉のミキサーにかき回される。

 ドロドロの粘液が絡み付き、内壁で嫐り回される。

 それはまさに、生きた搾精機そのものだった。

 「あ……、いいです……! この棒、好き……! おなかの中でこね回してあげる――」

 「き、気持ちいい……! うぁ、あ、あああぁぁぁ――ッ!!」

 おぞましい交尾は、一瞬のうちに天国の感触と変わっていた。

 ペニス全体にまんべんなく絡み付く、とろけるような刺激。

 また肉棒だけでなく俺の下腹部全体に搾精孔が押し付けられ、陰嚢までが弄ばれているのだ。

 ぐちゅぐちゅのうねりに巻き込まれ、俺の頭の中は真っ白になった。

 甘く痺れるような感触が股間から沸き上がり、そしてふっと力が抜ける。

 

 どくん、どくどくどくどく……!

 

 「あ、あああぁぁぁ……」

 たちまち絶頂に導かれ、俺はぐちゅぐちゅの搾精孔に精液を注いでしまった。

 快楽の波に押し流され、異形の生物の生殖器官へと精を放ってしまったのだ――

 

 「凄い……もうイっちゃったんだ……!」

 「入れた瞬間だったよね……?」

 「おちんちんもタマタマもどろどろにこね回されてるんでしょ? 気持ちよさそー」

 女子達は、一瞬で射精した俺を見てはしゃぎ始める。

 しかし今の俺には、屈辱を感じる余裕もなかった。

 「ふふ……その娘の具合はどうでしたか?」

 にこやかな九条さつきの質問に答える余裕すらない。

 俺のペニスを、ハエ娘の搾精孔は容赦なく嫐り続けていたのだ。

 「なにか、棒から汁が出てきました……これ、何……? おなかがキュンってなって、気持ちいい……」

 おそらく、交尾の意味も把握せずにハエ娘は呟く。

 「このお汁、もっとほしい……。もっとこねてあげたら、もっと出ますか?」

 「うぁ……! あああぁ――ッ!!」

 ぐちゅぐちゅぐちゅ……と、ペニス、陰嚢、会陰部全体を撹拌される刺激。

 肉や粘液がメチャクチャに絡み付いてきて、狂いそうなほどの快感が与えられる。

 「ひぃ、ああああ……!!」

 そして俺は、一瞬の抵抗すらできず二度目の精を彼女の中に漏らしていた。

 あっという間に、射精へと導かれる天国の快感。

 これが、人外の生物との交尾――

 俺はもはや、ハエ娘の醜悪な肉体に溺れてしまっていた。

 

 じゅる、じゅるぎゅるぎゅるじゅるじゅるじゅるるるるるる……

 どぷっ、どく、どく、どく……

 

 「また出た、こねたら出てくるんだ……」

 熱に浮かされた表情で、ハエ娘は呟く。

 「ふふ……貴方、その男の人を犯しているのよ?」

 九条さつきの言葉――そこで初めて、ハエ娘は自分の行動が何であったかを悟ったようだ。

 「え……そんな!?」

 みるみる、戸惑いの表情を浮かべるハエ娘。

 「私、初めてなのに……男の人をレイプしてるなんて……」

 ぐちゅちゅちゅちゅちゅ……!

 それでも、ハエ娘の生殖孔は俺のペニスを巻き込んで刺激し続けている。

 結合部からは白い粘液がじゅぷじゅぷと溢れ、俺の腹や太腿までを汚していた。

 「あ、でも……止められないよぉ! これ、気持ちいい……!」

 「あぐ……! うぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 さらに俺はハエ娘の責めに屈し、容赦なく射精させられてしまう――

 「もっと……精子、私のおなかの中に注いで……! 精子、精子……!」

 ハエ娘はそう囁きながら、体内のペニスをぐにゅぐにゅとこね続ける。

 俺はその中に、何度も何度も射精するのみ。

 この中に注ぎ込んでしまえば、おぞましい生物との子ができてしまうのに……

 それが分かっていても、搾精孔の感触は俺に一切の我慢を認めなかった。

 じゅるじゅるじゅるじゅるじゅるるるるるるるるるるるる……

 「ああ、また出るぅぅ……!」

 「これ、全部受精しちゃうよ……!? 孕んであげるから、もっともっと出してぇ……!!」

 どくん、どくどくどく……

 甘い甘い感触に、あっという間に精液を搾り取られてしまう。

 おぞましい交尾で、俺はハエ娘に精を吸い上げられ続けるのだ。

 

 「うわ、すご〜い……他人のセックス見るの初めて」

 「でも、ちょっと気持ち悪いよね……違う種族同士のセックスなんて……」

 「そうかな? 愛があれば、異種族だって関係ないでしょ? むしろ素敵かも」

 そんな事を囁く少女達に観察されながら、俺はハエ娘の体内に射精し続けた。

 

 あまりの快感に、意識が遠くなる。

 下半身が溶けたような感覚、朦朧とする意識――

 そして俺は、気を失っていた。

 

 

 

 

 

 それから――

 

 俺の体は、顔以外は全て水槽に漬けられていた。

 その水槽を満たしているのは水ではなく、搾精ウジ――ハエ娘の産んだ娘達だ。

 彼女達は人差し指の先端ほどの大きさしかないが、しっかり少女の上半身とウジの下半身を供えている。

 水槽には、そんなウジ娘がみっしりと満たされていたのだ。

 

 「あ、あう……! あああぁぁ……!」

 ウジ娘は、俺の汗や排泄物、そして精液を糧にする。

 中でも精液が彼女達の主食らしく、俺のペニスは常にウジ娘達によって刺激され続けていた。

 亀頭やカリを這い回られる感触で、俺はただ精液を漏らすのみ。

 それをウジ娘達は大喜びで吸い取り、そして次の絶頂へ導く――

 

 「はい、また産んでくれたよ。子沢山だね〜」

 水槽の脇に生物部の少女が立ち、大型ビーカー一杯に詰まったウジ娘を水槽に注ぎ込む。

 ハエ娘の繁殖期は週に一回――そのたびに、俺は彼女との交尾を強制されるのだ。

 そしてハエ娘は大量のウジ娘を産み、それによって俺は責め続けられる。

 三ヶ月ほどでウジ娘はハエ娘に成長し、ひとしきり俺を犯した後で新たな獲物を求めて巣立っていく。

 その頃には新たなウジ娘が産まれ、俺は常に水槽一杯のウジ娘に責め続けられるのである。

 

 「どうですか、お兄様……? 娘達に愛される生活、幸せですよね……?」

 九条さつきは水槽の前に立ち、くすくすと笑う。

 「あ、あ……」

 俺は、ただ呻き声を漏らすのみ。

 九条さつきや少女達に観察され、搾精ウジ――自分の娘達の苗床にされるという日々。

 俺は生きているという事の意味も忘れ、ただハエ娘とウジ娘の繁殖の道具となった。

 

 −THE END−

 

 

 



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