クチート娘
子供の頃からゲームは好きだった。
特に、ボールでモンスターを捕まえて育てるRPGは何年経っても続けているシリーズだ。
第三世代に登場した、可愛い顔と凶悪な大顎の二面性を持つモンスターは特に気に入って使っていた。
アニメ版主人公と相棒のネズミのようにいつも一緒に連れて歩けたら・・・なんてよく妄想してたっけ。
しかし、これはどういった冗談だ?
今の状況を整理しておきたい、回想スタート。
夕方近く、何の気はなく近寄った地元の公園。
山に面しているためちょっとした洞窟なんかもあったりするんだが、その洞窟の一つに近づいた時、中から声が聞こえてきた。
「・・・・・・・・・た」
「?」
よく聴き取れなかったので声のしたほうへ近づく。その方向には中の薄暗い洞窟しかないので、その中からだということは容易に想像できた。
「・・・久しぶりの獲物だ。」
「!?」
全く理解できない内容だった。
えもの?エモノ?獲物?
声自体は女の子の声だったので、ちょっと好奇心が沸き、洞窟の入り口へと近づいていった。
甘い香りが仄かにしたような気がした。
入り口を覗き込むと、暗がりの中で何かが揺らめいた。
二つの赤い光。
本能的に危険を感じた俺はすぐに振り返って走り去ろうとしたが、時既に遅し・・・
何かに挟まれるような衝撃が身体に走り、次の瞬間には宙に浮いた。いや、その挟んできたモノに持ち上げられてしまったといったほうが正しい感触。そのまま洞窟の中へと引き込まれてしまった。
入り口の光、夕焼けのオレンジがどんどん遠くなっていく。
そして、暫らく小さくなる光を見ていたら角を曲がったらしく、真っ暗になった。
怖くて後ろは振り返れない。悲鳴を上げるどころか半ばぼんやりしてしまっているのがなんともいえない。甘い香りが先ほどより強い。
揺られながら運ばれてきて・・・どのくらいの時間かはよくわからないが・・・やっと地面に下ろしてもらえた。
真っ暗だったが、明かりがつくとそこは一つの部屋のようだった。
あまりよく周りを見ることは出来なかった。
部屋の中心、壁にもたれて座る俺の目の前に立つ女の子は、
とりあえず人間じゃなかった。
回想終了・・・
うーん・・・
先ほど言った俺の好きなゲームのモンスターと人間を足して割ったような姿をした女の子が目の前に居る。
顔と身体は黄色く、腕先や足先、頭の髪の毛のような部分が黒で、眼が赤い。
髪の毛のような、と言ったのは、ポニーテールのようになっているものの、『俺の知っているモンスターでいえば』その部分は角の変形した大顎のはずだ。
ちなみに全裸らしい。顔と身体の色が一緒な上に、胸も隠さずにいるのでそう感じた。
目のやり場に困るところだが、疑問符が頭に浮かびすぎでそれどころじゃない。向こうも全然恥ずかしがる素振りも見せないし。
とりあえず、黙っているのも何なので、話し掛けようと思うのだが、どれから聞いてみたものやら。
「君は・・・?」
それしか口に出せなかった。
「私?」
ちょっと驚いたような顔になったが、すぐにさも当然と言うような顔で、
「私は淫魔。サキュバスって言ったほうが通じる?」
などと言ってのけた。笑顔で。
「ぇ・・・」
サキュバス・・・いわゆるあれか、男を魅了してうんぬんかんぬんという、昔の人がエロい妄想で作り上げた悪魔。凄い偏見だが気にしないでもらおう。
「まあここに呼び出した理由はわかるわね?」
「・・・つまり・・・」
俺だってバカじゃない。
サキュバスに連れてこられた。『獲物』という言葉。つまり。
「食事?」
変に言葉を選ぶと逆に卑猥に聞こえるな・・・言ってから思ったが諦めよう・・・
「正解♪」
笑顔でそう言った少女が首を振り、後ろに垂れていたポニーテール・・・いや、俺の想像通りのものが口をあけた。
赤黒く、濡れそぼっていて、牙がまばらに並んだ異形の大顎。可愛い顔とは裏腹に本当に凶悪そのもの。画面で見る数倍は強烈だ。子供向けのゲームグラフィックとは桁違いの生々しい威圧感がある。しかし、甘い香りを放っていて、なんともいえないギャップだ。
その大顎から突然液体が吐き出され、俺の体中に降りかかった。
「うわわ・・・!?」
しかも、その液体に触れた俺の服がどんどん溶けていってしまう。
心なしか俺の肌も熱くなって・・・
「・・・・・!??!!?」
最悪の展開を浮かべて恐怖に引きつる俺をくすくす笑いながら少女が近づいてきた。
「大丈夫よ、服だけを溶かす溶解液だから。」
溶解液。そんな単語に恐怖心が芽生えるが、一応身体はなんともないらしい。
「さーて。」
ぬるぬるした溶解液とやらの感触を指でいじって確かめたりしていた俺の股間をいきなり少女が足で触ってきた。
「なっ!?」
「ほら、本格的な搾精に入るよ。」
そう言って、俺の目の前に座った。
そして、両足で俺の分身を弄り始めた。
「はぁぁっ・・・」
溶解液の影響なのか?軽く固くなってきていた分身は足で弄られ始めるとすぐに最大まで硬くなってしまった。
すっかり粘液と言ったほうがいいような状態になった溶解液が絡みつき、なんともいえない気持ちよさ。自分で擦ったりする数倍の快感がぁぁ・・・
ぬちゅぬちゅと粘液が絡みつく卑猥な音が辺りに響く。
「裸にされて、ぬるぬるの溶解液で包まれて、女の子に、しかも人間じゃない女の子に足でされて、それで気持ちいいんだ?」
「うう・・・」
屈辱的なシチュエーションであることをわざわざ突きつけられても、身体の方は正直だった。心は沈んでても、下半身は元気です。
むしろさっきより下半身が活発になってきたような・・・や、やばい・・・
「だめだ・・・もう・・・!」
「早っ・・・まあいいわ、仕方ないからこのまま一度は逝かせてあげる♪」
脚の動きが加速する。器用に動く足の責めに、耐えられるわけがなかった。
「うぁぁぁぁぁっ!?」
吐き出された白い欲望が少女の身体にまで飛び散る。今までの人生で一番の快感です、正直な所。
「はい・・・これで終わり。」
「ぇ・・・」
「ふふふっ。」
少女の口元には思いっきりいじめっ子の笑みが浮かんでいた。
「これで終わるわけないでしょ?」
俺に顔を近づけてきて、くすくすと可笑しそうにする。全て見透かしてるような感じだ。
『終わり』と言われた瞬間、咄嗟に口に出てしまった不満・・・
「じゃあ期待に応えて・・・次はどんな方法で逝かせてあげようかなぁ?」
このままじゃ・・・やばいんじゃないか・・・?
こんなペースでされてたら絶対身体が持たない。
それにサキュバスの夢に魅入られたらそのまま衰弱死するって設定をどこかで読んだ気もする。
顔を近づけてる今が最後のチャンスかもしれない。
1. なんとか抵抗する
2. 無謀だから相手に任せる
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