フェイスハガー娘


 

 「誰が渡すか、お前なんかに――」

 「それは、ロゼットを見捨てるということね……」

 俺の返答に対し、にやりと笑うヴェロニカ――

 「……」

 それまでギシギシと不自然な体勢で歩み寄っていたロゼットの動きが、不意に変わった。

 すたすたと普通の歩き方でヴェロニカに歩み寄り――

 そして、あっさりとノイエンドルフ遺伝子の保存された試験管を渡したのだ。

 「どうした、ロゼット……?」

 「……」

 声を掛けたにもかかわらず、ロゼットは俺の方を向こうともしなかった。

 まるで、感情を持った存在から、ただの機械に戻ってしまったかのように――

 

 「貴方に見捨てられて、絶望したようね……せっかく芽生えた自我を、自分で放棄したみたい」

 「そ、そんな――」

 俺の選択は、ロゼットを全否定するものだったということか?

 そして彼女を絶望させ、感情を閉じさせてしまった――そういうことなのか?

 だとすると、俺は――

 

 「ひどい男ねぇ、貴方……」

 ヴェロニカは目を細めながら、ぱちんと指を鳴らす。

 すると、壁の脇に控えていたロゼット達が一斉に動き出し、俺の方に迫ってきた――

 俺と一緒だったロゼットは、その様子を冷ややかに眺めるのみ。

 「く、くそ……!」

 ロゼット達が俺に体に組み付き、そして怪力で拘束してくる。

 こうして俺は、ヴェロニカに捕えられてしまったのだった――

 

 

 

 

 

 「く……」

 俺は全裸のまま拘束され、指一本すら動かせない状態で床に転がされていた。

 その正面に立ち、不敵な笑いを漏らすのはヴェロニカ。

 その背後には、十体程度のロゼットを従えていた――

 

 「あの小型艇内での、ロゼットとの交接記録を見せてもらったわ……」

 ヴェロニカは、隣に立つ一体のロゼットの頭を軽く撫でる。

 あれは、俺と一緒だったロゼットだ。

 今は感情を失い、ヴェロニカに操られるだけの人形となっているが――

 「ロゼットのお口には、おちんちんを突っ込まなかったのね。そういうプレイは好みじゃなかった……?」

 「……なんだと?」

 その時、俺はヴェロニカの眼に宿る独特の光に気付いた。

 俺は今まで、それを散々に見ている。

 男を嫐り、弄んで悦ぶ――システィリアンと、全く同質のもの。

 俺は、これから性的に嫐られるのだと――自身の運命を直感してしまったのである。

 

 「ロゼットシリーズにはね、こっそり仕込んだ裏のプログラムが幾つもあるの。

  それを見付けた人が、すごくイイ思いをできるようにね……」

 ヴェロニカは目を細め、意味ありげにくすくすと笑った。

 「例えばロゼットXR-7000の口内におちんちんを突っ込むと、歯磨きプログラムが『誤作動』するのよ。

  貴方が一度体験したみたいな舌さばきで、おちんちんを優しく磨いてもらえるの――」

 「なんだと……?」

 俺は、口内をまさぐるロゼットの舌の感触を思い出していた。

 そして悲しいかな、ロゼットの舌で肉棒を舐め回される感覚を想像してしまう。

 股間はぴくりと反応し、肉棒が膨張を始めてしまった――

 俺の肉体の変化を視界に収めながら、ヴェロニカはうっとりと目を細める。

 「ロゼットに欲情したあどけない少年兵が、ある日劣情を催して、とうとうロゼットの口内に幼い肉茎を突っ込んでしまうの。

  すると、誤作動する歯磨きプログラム。舌でレロレロと激しく嫐られて、思わぬ快感に目を白黒させながら射精。

  そしてロゼットの口内に精液を溢れさせ、少年は恍惚に浸ってしまうの――想像しただけで、濡れてしまうわ……」

 ヴェロニカは自らの股間を指でなぞり、くすくすと笑った。

 「人には言えない趣味だな、ヴェロニカ社の令嬢は……」

 「そうよ……貴方みたいに素敵な男が、悶えるところを見るのが大好きなの」

 そう言いながらヴェロニカは、ロゼットの一体に命じて俺の拘束を解放させた。

 そして、俺と一緒だったロゼット――XR-7000をその場にひざまづかせる。

 

 「そういうわけで……ケージ・スドウ、ロゼットの口の中に、貴方のモノを挿入してみなさい」

 「ふざけるな、誰が……!」

 立ち上がって怒鳴る俺に対し、ヴェロニカは柔らかな笑みを見せた。

 「このロゼットのメモリーには、貴方と過ごした日々の記録が残っているわ。

  もしかしたら、それがきっかけに失った感情が戻るかもしれない……」

 「なんだと……?」

 それは、本当なのか――確認する術は、今の俺にはない。

 「私の言うことを聞かないなら、ロゼットのメモリーを初期化してしまうわよ。

  貴方にとっても、大事な記憶なんでしょう……?」

 「ぐ……!」

 「肝に銘じておくことね。私に逆らうことは、ロゼットのメモリーを初期化してしまうことを意味すると――」

 そこで言葉を切り、ヴェロニカはくすくすと笑った。

 「でも……本当は、ロゼットのお口に突っ込みたくて仕方ないんでしょう?

  この口に突っ込んで、おちんちんで歯磨きプログラムを味わってみたいんでしょう?

  ロゼットのメモリーを消させないため――そんな、体の良い理由を用意してあげたんだから、感謝しなさい」

 「ふざけるな……!」

 そう言いながらも、ヴェロニカの言葉に逆らうことはできなかった。

 そして、跪いて口腔への挿入を待っているかのようなロゼットの前に立つ。

 これも、ロゼットのメモリーを初期化させないため――

 ――本当にそうだろうか?

 そそり立った肉棒が、俺の本当の気持ちを表しているのではないか?

 ロゼットの口内で、快感を味わいたいと――本音では、それを望んでいるのではないだろうか。

 

 「さあ、そのまま突き入れなさい。とっても気持ちよくなれるわよ……」

 「……」

 俺は、恐る恐るロゼットの唇にペニスの先端を密着させた。

 ぷるんとした柔らかな感触が亀頭に当たり、驚くほど心地よい。

 俺は腰を進め、その口内へと肉棒を根本まで突き入れた――

 「……歯磨きプログラムを作動します」

 無表情のまま、ロゼットは俺を見上げて告げる。

 同時に、彼女の柔らかな舌があの時のように動き出した。

 

 れる、れろれろ……じゅるっ。

 

 「あ、あぐ……!」

 その刺激に、俺は声を漏らしてしまう。

 口の中の肉棒に、ロゼットは舌先をねっとりと這い回らせてきたのだ。

 汚れをこそぎ取るかのように、亀頭の表面を舌が何度も何度もねちっこく舐め回す――

 さらにカリの溝をも舌先がなぞり上げ、裏筋を何度も何度も舐め上げる。

 それは間違いなく、小型艇内で体験した歯磨きプログラムそのままの動作。

 それを、今度は肉棒で受けているのだ――

 「あ、ああぁぁぁぁぁぁぁ……!」

 歯磨きの手順でペニスを磨いてもらう――その背徳感と興奮、そして快感は並外れたものだった。

 舌が蠢くじゅるじゅると口内にペニスを囚われ、俺は天にも昇るような感覚を味わう――

 「あ、あぐぅぅ……! もう、出る……!」

 そして、快感が弾けるのも一瞬だった。

 ドクドクと、俺はロゼットの口内に精液を漏らしてしまったのだ。

 「……」

 口内に精液を流し込まれる事態など想定していないのか、ロゼットは黙々と歯磨きプログラムを続ける。

 「あ、ひぁ……! あぁぁぁぁ……!!」

 射精中のペニスが、舌先でずりずりと舐め回され、いじくり回され――

 俺は、腰も砕けそうなほどの快感を散々に味わったのである。

 

 「歯磨きプログラム、終了しました」

 射精の脈動が終わると同時に、ロゼットは口を離していた。

 口内の精液を啜り込む機能はないのか、その口からはだらだらと精液が零れる。

 それが紺の軍服を白く汚し、異常なまでに淫らな光景を作っていた。

 

 「ふふ、良かったでしょう……本来の意図ではない機能で、男性器を刺激される――

  独特の背徳感があるのではないかしら?」

 「うう……」

 快楽のあまりよろける俺を見下ろし、ヴェロニカは満足そうに微笑む。

 「貴方は堅物だから、ロゼットを性処理の対象としては使わなかったようね。

  知っているかしら? 全ロゼットの90%は、男の肉棒を握らされたことがあるのよ……?」

 「……」

 俺とて、何年も軍にいた身。

 ロゼットの様々な機能を用いて、一部の兵が性欲を発散させているという噂を聞いたことはある。

 「ロゼットR-800――つまり最初期のロゼットは、純粋に軍務のみをこなす存在だったの。

  悪名高い『慰安機能』も、まだ搭載されていなかった時代の話ね……」

 「……」

 俺は、ヴェロニカの背後に立ち並ぶ無表情のロゼット達に視線をやっていた。

 彼女達の90%は、男の肉棒を握らされたことがある――ロゼット達は、常にそういう対象として見られてきたのだ。

 

 「初めて部隊に配備された女性型アンドロイド――それがどんな風に見られたか、想像はできるでしょう。

  欲求不満が溜まりがちな兵士達は、みんなロゼットで性処理をしようとしたのよ。

  地位の高い士官なら、自室に連れ込んで。そんな権限のない兵士達は、人目のない時にこっそりと。

  初期のロゼットは股間に何も付いていなかったから、男達はロゼットの手に自分のモノを握らせたのよ」

 ヴェロニカが軽く指を鳴らすと、一体のロゼットが無表情のまま俺の正面に立った。

 その襟章を見ると、R-800――ちょうどヴェロニカの話の時代、最初期のロゼットだ。

 その外見そのものは、現在の最新型ロゼットとなんら変わっていない。

 最初期から、ロゼットは軍用アンドロイドとしてほとんど完成していたのだ。

 

 「ケージ・スドウ。そのロゼットに、ペニスを握らせてみなさい……多くの男達がやったようにね」

 「くっ……!」

 拒む、という選択肢はない。

 ヴェロニカの命令に逆らえば、ロゼットのメモリーは消されてしまうのだ。

 もはや俺もロゼット達と同じく、ヴェロニカの命令に従うだけのロボットに過ぎなかった。

 「……」

 俺はロゼットの手を取り、その腕を自身の股間に導く。

 そして柔らかい掌に、ペニスを握り込ませていた。

 きゅっ、と……ロゼットは肉棒を軽く握ってくる。

 やんわりと男のモノを握らせているだけでも、なんとも心地よい――

 

 「持たされた物は、落としてしまわないよう軽く握る――ロゼットの基本プログラムよ。

  ロゼットに優しく握られているだけでも、気持ちいいでしょう?

  経験の浅い少年兵は、これだけでも射精しちゃったのよ……可愛いわねぇ」

 「あ、あぁ……」

 ロゼットの温かい掌は、優しく俺のペニスを握り込み続けている。

 それでいて、当のロゼット自身は無表情――その視線は、正面に立つ俺に向けられていた。

 彼女自身は、淫らなことをされているなど分かっていない――それ以前に、ロゼットは機械に過ぎないのだ。

 そんな存在にペニスを握らせ、快感を味わっている――そんな背徳感が、俺を高めていた。

 

 「……」

 その掌は、数秒ごとにぎゅっとペニスを握り直し、カリを軽く締め付ける。

 その体温と、非常に控え目な刺激――それは、スローモーな独特の快感だった。

 「ふふっ、感じてきた……? 多くの兵達が、これに夢中になったのよ?

  手コキですらない、ロゼットのペニス握り。貴方も、そのままイってしまいなさい」

 「あ、あぐ……!」

 それは、決して強制的に俺を追い詰めていくような刺激ではなかった。

 むしろ、もどかしく、非常に緩やかな快感――

 「ロゼットを抱き締めてもいいわよ。

  彼女にペニスを握らせた男はみんな、その体にしがみついて、腰を揺すりながら射精するの」

 「あ、あぁぁ……」

 俺は言われるがまま、無表情のロゼットにしがみついていた。

 それでも彼女はペニスを離さず、優しく握り続けている。

 その感情のない目で、じっと俺を捉えながら――

 「あ、あぁぁぁぁぁぁ!!」

 魂なき機械少女に見据えられながら、俺はとうとう射精に至っていた。

 びゅくびゅくと飛び散った精液は、ロゼットの紺のスカートに振り掛かる。

 白濁がべっとりとロゼットの腰を汚し、紺の布地に白の粘液が糸を引いていた――

 

 「ふふ……満足した? 欲求不満の兵士達が夢中になったのも分かるでしょう?」

 ヴェロニカは目を細め、楽しげに話を続ける。

 「これは主に、ロゼットと二人きりになれる時間が限られた下級兵士のやり方ね。

  自分の部屋を持っているようなお偉方は、もっと大胆なことができたわ――」

 彼女がぱちんと指を鳴らすと、俺のペニスを射精に導いたロゼットがごろりと寝転んだ。

 そのまま仰向けになった状態で、背筋を伸ばしたまま人形のように固まってしまう。

 「こうしてロゼットを寝かせ、その股におちんちんを突き入れたのよ。

  このタイプのロゼットは股間に何もないから、太腿で締めてもらう――要は素股ね」

 ロゼットに命令を出した後、ヴェロニカは俺に対しても当然のように命じた。

 「じゃあ次は、ロゼットの股にペニスを挟み込んで貰いなさい」

 「……」

 俺は、諾々とヴェロニカに従っていた。

 横たわるロゼットにのしかかり、スカートをたくし上げ――そして、その太腿の間にペニスを差し込む。

 ふにゅっ……と、その人工の柔肉は人肌をもって肉棒を包んできた。

 「あぐ……!」

 その太腿には僅かに力がこもり、きゅっとペニスを肉圧で締め付けてくる。

 それは、ほとんど機械的な反応だった。

 腕に持ったものを軽く握るのと同じく、姿勢制御のためにそうプログラムされているのだろう――

 

 「そのまま腰を振るの。ロゼットの素股でイかせてもらいなさい」

 「……」

 俺は命じられるがまま、サルのように腰を振っていた。

 たちまち溢れてきた先走り液で、ロゼットの太腿はぬめりを増す。

 その間を、ぬちゅぬちゅとペニスを抜き差しする――それは、たまらない快感だった。

 太腿の感触は人間のものと全く変わりなく、弾力性と柔らかさ、体温を備えている。

 そしてロゼットは、無表情でじっと俺の顔を見上げているのだ。

 人形を犯している――そんな背徳的な快感が、俺の腰を電流のごとく貫いていた。

 「あ、うううう……!」

 そのまま腰を反らせ、ロゼットのふくよかな太腿に精液を漏らす。

 俺は深く腰を突き入れ、その肉での締め付けを味わいながら射精したのだった。

 

 「どう、ロゼットの素股は? 癖になっちゃいそうだったでしょう……?」

 ヴェロニカは、荒い息を吐く俺を艶めかしく見下ろす。

 「こんな風に、欲求不満の軍人達がロゼットを散々に汚したのよ。

  そんな用途に使うためのアンドロイドじゃないのに……ふふふっ」

 そして彼女が指を鳴らすと、別のロゼットが進み出た。

 その襟章からして、ロゼットR-2000――初期型であるR-800の次にあたる世代だ。

 「ロゼットは、初期型から非常に完成度が高かったの。ほとんどの軍務は問題なくこなすことが可能――

  荷物を積み下ろししたり、救護を行ったり、穴を掘ったり、皿まで洗ったりね。

  軍隊稼業で必要なスキルは、初期型の時点でほぼ備えていた――それでも、次世代型を売り込むのが私達のビジネスなのよ」

 何が可笑しかったのか、自分で言った言葉に対してヴェロニカはくすくすと笑った。

 「ロゼットR-2000のセールスポイントは、新たに実行可能になった2500種類もの新プログラム――

  実は、そのほとんどは一生使う機会もないようなものだったのだけれどね。

  全状況型サバイバル機能と称して、マキ割り機能とか、芝刈り機能とか――

  使わない機能ばかり増やして、新製品として売るのはこの業界の基本なのよ」

 ヴェロニカは真横に立ったロゼットR-2000の頭を撫で、楽しそうに笑う。

 そんなものは、近世から珍しいことではない。

 電化製品、ソフトウェア――市場主義下では、当然のごとく行われていること。

 軍用アンドロイドのロゼットでさえ、それは例外ではない――軍でもそのぐらいは周知の事実だ。

 

 「でも……男が快感を求める執念っていうのは、サキュバスの私でさえ驚くほどね。

  そういう使う機会のないプログラムを上手く『悪用』して、オナニーのお手伝いをさせるというケースが続出したのよ。

  私、開発者として純粋に感動したわ。そこまでして快楽を貪るなんて……男って、なんて浅ましい生き物なのだろうってね……」

 そう言いながら、ロゼットR-2000を俺の正面に正座させるヴェロニカ。

 ロゼットは膝を揃え、非常に礼儀正しく座り込む。

 「ケージ・スドウ、その膝の上に座りなさい。ロゼットの体を背もたれにするみたいにね……」

 「……」

 俺は言われるがまま、ロゼットの膝に座り込んでいた。

 ヴェロニカの言うことを聞かなければ、メモリーを消されてしまう。

 何より……次に何をしてもらえるのか、大いに期待していた。

 そして俺は、ロゼットの体にもたれかかる――彼女の力は強く、俺一人程度ではびくともしない。

 その柔らかい胸が背中にふにょっと当たり、なんとも気持ち良かった。

 

 「じゃあロゼット、火起こしを行いなさい。棒はそこにあるわ――」

 「了解しました――火起こしプログラムを開始します」

 ロゼットは不意に両腕を前方に回し、俺の腰を抱くような形になった。

 その両掌が、そそり立った肉棒を挟み込むように迫ってくる――

 「ま、まさか……」

 「ふふ……今から何をされるのか、悟ったかしら?

  このプログラムを『悪用』して、多くの兵が自分のモノをたっぷりといじってもらったのよ」

 板に火起こし棒を押し当て、その棒を両掌で挟んでキリのように回転させる――

 確かに、普通ならば使う機会は皆無であろうプログラム。

 しかし火起こし棒の代わりに、俺のペニスをロゼットは柔らかな両掌で挟んでいたのである。

 

 「安心しなさい。ロゼットは火起こし棒の強度を確認して、壊れないように力を調節するから。

  おちんちんだったら、ちょうど良い力加減になるはずよ……」

 「あ、あぁぁ……」

 「火起こしを開始します――」

 しゅこしゅこと、ロゼットは両掌を左右から激しく擦り合わせてきた。

 それは独特の感触で、普通の手コキとは全く違う。

 非常に心地よい掌圧でペニスを揉み潰されるような、そんな感触。

 しかもロゼットは、黙々と俺の棒をごしごしと擦り続ける――こんなことをさせている、その背徳感。

 温かい掌で肉棒が擦り回され、俺は腰をガクガクと揺さぶってしまった。

 

 「あ……! き、気持ちいい……! あぅ……!」

 「ふふ、気に入った……? ロゼットにこんな事ばかりさせるなんて、浅ましいわよねぇ」

 ロゼットにこしゅこしゅとペニスを擦り続けられ、速くも限界が近付いてくる。

 それは決して暴力的ではないが、なめらかに激しくペニスを擦り続け――

 「う、うあぁぁぁぁぁ……!!」

 そしてロゼットのしなやかな掌に、そのまま精液を撒き散らしてしまった。

 その膝に座ったまま肉棒を機械的に擦られ、あっけなくイかされるという屈辱――

 「あ……! ううぅぅぅぅ……!」

 ロゼットは俺が射精していることなど認識できず、火起こし棒のごとく両掌で擦り合わせ続ける。

 それは、射精中のペニスに浴びせる執拗な責めそのもの――

 俺は精を出し尽くすまで、ロゼットの無機質な責めを受け続けたのだった。

 

 「あ、あううぅぅぅ……」

 ロゼットの膝から解放され、俺は凄まじい脱力感に襲われていた。

 そんな俺に対して、ヴェロニカは容赦なくロゼットでの責めを続行する。

 「他にも、ロゼットのプログラムを『悪用』したオナニーはあるのよ。次は、四つ這いになってみなさい」

 「……」

 そんな屈辱的な命令をも受け入れ、俺はその場で四つ這いになった。

 「ロゼット、乳搾りプログラムを実行しなさい」

 「了解しました――」

 ロゼットは、四つ這いになっている俺の隣に移動する。

 そしてその場にしゃがみ込み、下を向いているペニスを逆手で握ってきた。

 「あう……!」

 何をされるのかは、もう明らか。

 乳搾りという、おそらくは使う機会など皆無のプログラムに従い、ペニスを搾られてしまうのだ――ミルクが出るまで。

 

 「こうして見ると、驚くほど惨めな姿ね……ロゼットの乳搾りを、人間が受けるなんて」

 「あぐ、あうぅぅぅぅ……」

 ロゼットは、親指と人差し指の輪で肉棒の根本をきゅっきゅっと締め付けてくる。

 さらに中指、薬指、小指と軽く力を込めて肉棒を刺激し、リズミカルに力点を移動させてきた。

 「あひ……! ひぃぃぃ……!!」

 それがカリのくぼみや亀頭を的確に刺激し、我慢できないほどの快感を伝えてきた。

 その動作を、搾り下ろすように何度も何度も。

 やわやわと五本の指を器用に動かし、何度も何度も何度も繰り返す――

 あまりに心地よいロゼットの手さばきに、俺はうっとりとした気分に浸っていた。

 このまま、ミルクを搾り出されてしまうのだ――

 

 「多くの軍人が、ロゼットの乳搾りのとりこになったのよ。家畜扱いされて、オチンチンミルク搾り出されちゃって……」

 「ふぁぁぁぁぁ……」

 俺はロゼットに家畜のように扱われながらも、腰をひくつかせて悶えるしかなかった。

 こんな格好でペニスをマッサージされ、男のミルクを搾られてしまう――それは、とてつもない屈辱。

 そして当のロゼットは、乳搾りのプログラムを実行しているに過ぎない――それで快楽を得てしまうという背徳感。

 それが限りなく興奮を高め、屈辱や背徳も快感にすり替わっていく――

 「ダメだ、もう……! で、出る……!」

 「……」

 ロゼットはミルクが放出される前兆を感じ取ったのか、ペニスの真下で牛乳瓶を構えていた。

 あの牛乳瓶で、精液を採取されてしまう――そう考えてしまっただけで、興奮が頂点に達してしまう。

 「あ、あぐぅぅぅぅぅぅ……!!」

 びゅー、びゅー……と、まるでミルクのように精液が迸った。

 五本の指を駆使し、ぎゅうぎゅうとペニスを搾りたててミルクを吐き出させるロゼット。

 白濁は少しの漏れもなく牛乳瓶で受け止められ、最後の一滴まで搾り抜かれたのである。

 「……ミルクを搾り終えました。量は少なめですが、濃度は非常に高いです」

 底に精液の溜まった牛乳瓶を片手に、ロゼットはそう宣言したのだった。

 

 

 

 それからも俺はこの一室に監禁され、ロゼットの様々な機能で嫐られ続けた。

 俺が迸らせた精液は全て採取され、何かの実験に使われている――それが分かっていながら、我慢などできはしない。

 今日もヴェロニカは、ロゼットをけしかけて俺を容赦なく射精させる――

 

 「ロゼットR2500シリーズは、マッサージ機能も搭載しているの。

  ほとんどの男は、真っ先に自分の肉棒をマッサージさせたのよ――」

 

 くにゅっ、にゅぐ、くにゅ……

 

 「あ、あぁぁぁぁぁ……!」

 ロゼットは両掌で俺のペニスを包み込み、念入りにマッサージを施していた。

 その心地良い刺激に、たちまち俺は射精を余儀なくされる。

 ロゼットの柔らかな掌は、たちまち精液で汚れてしまった。

 

 「手洗い機能が搭載された時は、みんな自分の肉棒を洗わせのよ。

  そんな風に泡でヌルヌルにしてもらって、洗われながら射精したの」

 「あぐ、うぐぐ……」

 ロゼットの泡まみれの両手が股間をわしゃわしゃと這い、ペニスを揉み込まれて果ててしまう。

 

 「救護モードのロゼットには、ウミを口で吸い出すっていうプログラムがあってね……

  これをペニスにやってもらうと、白いウミを吸い出して貰えるのよ」

 ちゅぅぅぅぅぅぅぅ……!

 亀頭にキスをするように唇を当て、一気に吸い出そうとするロゼット――

 「うぁぁぁぁぁぁ……!!」

 俺は強烈な吸引にさらされ、たちまちロゼットの口内に精液を撒き散らせてしまった。

 そんな、ロゼットの機能を「悪用」した責めが延々と続く――

 「良かったわねぇ、大好きなロゼットにいっぱい気持ちよくしてもらえて……」

 ヴェロニカはそんな俺を眺め、可笑しそうに笑うのだった。

 

 

 

 「耳掃除を行います。力を抜き、身を委ねて下さい――」

 「あぅぅ……」

 俺はロゼットの耳掃除プログラムに身を委ね、正座した膝の上に乗せられて喘ぎ声を漏らす。

 しかしロゼットの膝に載っているのは、俺の頭ではなく腰――非常に屈辱的な体勢を取らされていた。

 うつ伏せになった俺の両足を大きく広げさせ、その股の間に正座したロゼットの膝を割り込ませる。

 ちょうど勃起した肉棒を、正座したロゼットの太腿の合間に挿入する形になる。

 するとロゼットの膝の上には、うつ伏せになっている俺の尻が肛門丸見えの状態で乗せられているという体勢。

 こんな屈辱の極みのようなポーズで、アナルを耳かきで優しく刺激されているのだ。

 「あ、あぁぁぁぁ……!」

 非常に繊細な動きで、ロゼットは俺の直腸を刺激する――

 肉棒はびくびくと脈動を続け、ロゼットの柔らかい太腿に挟まれたままドクドクと射精していた。

 それも、この責めが始まってからもう三度目の射精である。

 「ふぅ……」

 ロゼットは軽く肛門内に息を吹き込みつつ、アナルをじっくりと刺激し続ける。

 まるで、優しく耳掃除をしているかのように――いや、それを行っているロゼットには区別が付いていない。

 俺はその刺激でひたすらに喘がされ、ロゼットの太腿の合間に精液を放ち続けているのだった。

 

 その責めが終わっても、ロゼットを用いた狂宴は続く。

 時には複数のロゼットと同時に責められ、十体以上のロゼットの手で肉棒を揉みくちゃにされることもあった。

 俺はロゼット達に犯され、ロゼット達に溺れながら――ロゼット達のとりことなったのである。

 こうして採取された俺の精液が何に使われているのか――もう、どうでもよくなっていった。

 

 

 −BAD END−

 

 



この娘さんに搾られてしまった方は、以下のボタンをどうぞ。




前の場面に戻る

メインストーリーの分岐点に戻る

一覧に戻る