フェイスハガー娘


 

 俺の選択は、ブランデンと共には行かないことだった。

 そしてブランデンも俺の意志を尊重したのか、無理に連れて行こうとはしなかった。

 

 「……」

 俺は、その場から去っていく宇宙船をぼんやりと眺めるのみ。

 そして、たった一人で発着口へと向かった。

 脱出用の小型宇宙艇が用意されている、その場所へと――

 

 

 

 

 

 ――あれから、数日。

 

 俺は抜け殻のようになりながら、小型宇宙艇で漂流の日々を送っていた。

 行き先など、どこにもない。

 ただ、誰かが見付けてくれるのを待つだけの毎日――

 そんなある日、通信チャンネルが開き、スピーカーからは男の声が流れてきた。

 

 『こちら星間パトロール。貴船の航行ルートは事前許可を受けていない。

  これより強制臨検を行う。クルーは全員手を挙げ、無抵抗の状態で我々の入船を待て』

 「あぁ、見付かったのか……」

 ついに、俺の乗った宇宙艇は軍に発見されたようだ。

 この艇に乗り込んでくる武装兵員達を、俺はぼんやりと眺めていた。

 

 「動くな! 両手を上げろ!」

 そんな警告に大人しく従い、俺は無抵抗のまま連行される。

 この程度の連中を撃退するのは簡単だが、そんな気さえ起きなかった。

 もう、どうでもいい――どうせ俺は、軍どころか社会から見捨てられた身なのだ。

 帰る場所など、どこにもない――

 こうして俺の身柄は確保され、そして――

 

 

 

 

 

 暗闇。

 眼前に広がる、深遠の暗黒。

 そんな闇から、あの少女――ブランデンが現れた。

 なぜか彼女は全裸で、椅子に座っている俺の上にまたがってくる。

 

 「あ、ブランデン……」

 彼女の中は俺の肉茎を優しく迎え入れ、そして安らぎと快感を与えてきた。

 軽く吸い立てられるような刺激に、俺はそのまま射精してしまう――

 放出の快感を味わう俺の視界が、徐々にクリアになってきた。

 ちょうど、夢から醒めるように――

 

 

 

 「気が付いたかしら……?」

 いかにも上品そうな美女が、俺の顔を覗き込んでいた。

 後ろで束ねた黒髪に、艶やかな唇、そして白衣――

 彼女の顔は、TVで見覚えがある――確かヴェロニカ・ユカワ社の代表、ミス・ヴェロニカ。

 

 「う、うぅ……?」

 周囲は、なんらかの実験施設のような光景。

 用途の分からない機械や端末などが所狭しと並んでいた。

 そして俺の体は、様々な測定機器が取り付けられたチェアーに固定されている。

 また股間部を奇妙な器具が覆い、すっぽりと下腹を包み込んでいるのだ。

 ちょうどペニスの位置からノズルが伸び、大型タンクのような場所に繋がっていた。

 

 「ここは……?」

 「ヴェロニカ・ユカワ社の研究所よ、ケージ・スドウ」

 ミス・ヴェロニカは、目を細めて言った。

 股間には生温い感触が渦巻き、ペニスがずるずると吸引され続けている。

 それに加えて、バイブレーションのような刺激が驚くほど心地よい――

 「あ、うぅぅ……」

 俺はその刺激に屈し、ドクドクと精を漏らしていた。

 わけの分からない機械で射精させられてしまう屈辱感――それも、快感に流されてしまう。

 

 「ふふ……貴方は、ここで精液を採取され続けるの。

  生きたプラントとして、人造の女性器に精子を吸われ続けるのよ……」

 くすり……と、ミス・ヴェロニカは笑みを見せる。

 「そ、そんな……」

 抗おうとも、指一本とて動かない。

 そうしている間にも心地よい吸引は続き、俺はまたしても絶頂していた。

 ドクドクと溢れた精液は、ホースを伝わってタンクに採取されていく。

 「あ、あぁぁ……」

 「ふふ、気持ちいいでしょう? 夢心地のまま、淫らな感覚を楽しみなさい……」

 ミス・ヴェロニカは、俺の頭に取り付けられたバイザーを降ろしていた。

 再び視界が遮られ、俺の妄想から姿を現したようなブランデンが跨ってくる。

 そして彼女の中に、たっぷりと精液を注ぎ込んでしまう――

 

 「果てて果てて、果て続けなさい。良い夢を見ながらね――」

 「あ、あぁぁぁぁぁ……」

 俺は幻のブランデンと絡み合い、淫らに交わり続けるのだった。

 その実、無機質な機械に精液を吸われ続けているに過ぎないのである――

 

 

 −BAD END−

 

 



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