妖魔の城


 

 「こんな汚い身でマルガレーテ様に捧げるのは失礼。みんな、良く洗って差し上げなさい」

 副メイド長であるメリアヴィスタの号令が、広いキッチンへと響き渡った。

 ここは、石造りの台所。

 周囲に控えているメイドは、メリアヴィスタを除いてちょうど十人。

 いずれも若く、清楚で、見とれるほど綺麗だ。

 そして俺はというと、台所の真ん中のテーブルで寝かされていた。

 当然ながら武器は奪われ、衣服も全て剥ぎ取られているという屈辱的な有様。

 両手両足を大の字に広げられ、まな板の上の鯉そのものの姿なのである。

 「ぐ……はな、せ……」

 そんな声も、おそらく弱々しすぎて、メイドの誰も聞き取れなかっただろう。

 体に全く力が入らず、腕一本とて動かす力もない。

 メリアヴィスタに足で蹂躙された時から――いや、その前にエミリアと交戦したときからこうだった。

 あの戦いで、淫気とやらが毒素のように俺の体を蝕んでいるのだ。

 今の俺に対しては拘束も無用、ただテーブルの上に寝転がされているのである。

 

 「ふふっ……アナタは、綺麗に洗われてマルガレーテ様に捧げられるの。

  何をしてもらえるのかなぁ? 美味しく召し上がってもらえるのか、素敵な拷問をしてもらえるのか……」

 メリアヴィスタは俺の顔をのぞき込み、意地悪げな笑みを浮かべた。

 「羨ましいなぁ……私も、一度でいいからマルガレーテ様の拷問を受けてみたいなぁ……」

 「かっ……うぅ……」

 勝手に受けろ――そんな言葉さえ出てこないほど、体は衰弱している。

 このままマルガレーテの元に送られたところで、何も出来はしないだろう。

 頼みの綱は悔しいながらウェステンラだが、どこをほっつき歩いているのか――

 

 「あの……メリアヴィスタ様……」

 そんな時、台所に一人の若いメイドが現れた。

 ここにいるメイド達よりも、どこか落ち着きがなく頼りない。

 おそらくは、まだまだ下働きなのだろう。

 そんな見習いメイドは、言いにくそうに口を開いていた。

 「メリアヴィスタ様……マルガレーテ様よりご命令です。

  その侵入者を、マルガレーテ様の元に引き立てる必要はないとのこと。

  優れた精の持ち主ならば、今夜の諸侯の晩餐に。それに相応しくなければ……好きに処分せよ、と……」

 「……ええっ?」

 メリアヴィスタは、大きな目を見開いていた。

 「せっかく、私が連れてきた獲物なのに……なんで受け取ってもらえないの……?」

 「マ、マルガレーテ様は……そう仰せで……」

 自分に言われても困る――そう表情で訴えながら、伝令のメイドは主の意向を繰り返すより他になかった。

 呆気に取られていたような顔のメリアヴィスタはというと、腕を組んで大きなため息を吐く。

 「わかった……きっと、エミリアがまた何か告げ口を……」

 「……どうなさいましょう、メリアヴィスタ様?」

 あまり動じない様子で、静かに控えていたメイドの一人が尋ねる。

 どうも、メリアヴィスタとエミリアの確執には慣れっこになっている様子だ。

 「……マルガレーテ様のご意志に従うのみ、よ」

 唇を噛み、メリアヴィスタは静かにそう呟いた。

 その直後、一転して悪戯めいた笑みを浮かべる。

 「そういうわけで、優れた精を持っているかどうか調べないとね〜♪」

 「了解しました、それでは――」

 俺の横に立とうとするメイドを、メリアヴィスタは軽く押しのける。

 「あ、私がやるわ。私が捕まえた獲物だからね……♪」

 そして、あらためて俺の横に立つメリアヴィスタ。

 その綺麗な顔に、猫のように悪戯な笑みが浮かぶ

 「じゃあ、またイかせてあげますね〜♪

  ……こんなことなら、さっき足で踏んであげた時に、精の質を調べておけばよかったなぁ。

  まあ、ここまで来られるほどのヒトなんだから……優れているか優れてないか、目に見えてるけど」

 「う、ぐ……」

 優れた精か、そうでないか――

 ここで俺は、歯に仕込んでいたカプセルの存在を思い出していた。

 ウェステンラからもらった魔術薬で、質の悪い精液に変換する効力があるという。

 このカプセルを噛み潰して飲めば、粗悪な獲物だと連中に判断されるはずだ。

 しかしそれで、状況が好転するのかどうか――

 

 「……」

 いや、むしろ逆の可能性が高い。

 質の良い獲物だとされた場合は、諸侯……おそらく淫魔貴族達の晩餐にされるのだという。

 しかし質の悪い獲物だと判断された場合は――好きに処分される。どうなるか未知数だ。

 反撃の機会を待つならば、前者しかない。

 上質の食材である限り、俺の身は丁重に扱われるはず。

 それに、食事として淫魔貴族達の前に引き出される――そんな目立つ状況なら、ウェステンラと合流できるかもしれない。

 その一方で、粗悪な獲物と判断された場合――こちらの方は、かなりまずい。

 不味い獲物だからといって、無事に逃がしてくれるはずもないのだ。

 忌々しいが、今は俺が上質の獲物だという事実にすがりつくのみ――

 

 それでもあえて魔術薬を飲み、粗悪な獲物を装う

 このまま上質の獲物として、反撃の機会を待つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「じゃあ、ぴゅぴゅっと射精して下さいねー♪」

 「あぅ……」

 彼女の小さな掌が、きゅっと俺のペニスを握ってきた。

 柔らかく温かな感触が、サオの部分を包んで揉み込んでくる。

 「うぅぅ……」

 右掌の筒に肉棒を包まれ、俺は弱々しく喘いでいた。

 そんな様子を見て、メリアヴィスタはにぱっと笑顔を見せる。

 「ほ〜ら、イかせちゃいますよ〜♪」

 そのまま、しこしことリズミカルに上下する掌。

 カリを適度に圧迫し、指の輪で引っかけるようにしながらの上下往復。

 単調でリズミカル――その軽やかな動きは、刺激を与えて射精するだけのもの。

 まるで、作業そのものの手さばき。

 それなのに、メリアヴィスタの手淫はたちまち俺を追いやっていった。

 「う、ぐぅぅ……」

 男の意地で、少しでも耐えようとしたが――

 「あはは、ガマンしてるんだ。でも、無駄ですよー♪」

 「う、うぁぁぁぁ……」

 カリを上下にしごきたてる動作に、抵抗の意思が削がれていく。

 もう、メリアヴィスタの柔らかな掌しか感じられない――

 「もうダメなんだ……くすっ」

 「あぁぁぁぁ……」

 俺をフィニッシュに導くべく、扱きたてる動作がどんどん速くなっていく。

 そして、メイド達の無感情な眼差しを受けながら――

 俺は、メリアヴィスタの手の中で果ててしまった。

 びゅくびゅくと飛び散った精液が、メリアヴィスタの手を汚してしまう。

 作業的な刺激で、あっさりイかされた屈辱――

 そして、心地よい脱力感――俺は、何も出来ないまま横たわっているしかなかった。

 

 「ふふっ……じゃあ、味見……」

 人差し指で俺の精液をすくい取り、ぺろりと舌を這わすメリアヴィスタ。

 そして――彼女は、こぼれんばかりの笑顔を浮かべた。

 「美味しい〜♪ 甘くって、まろやかで……深みがあって、上品な味わい……

  妖魔貴族達に供するのも、もったいないくらい……」

 そんな副メイド長の様子を見て、メイドの一人がおずおずと言った。

 「それではメリアヴィスタ様、料理の準備に取り掛かってよろしいでしょうか……?」

 「そうねぇ……じゃあ、始めちゃって。私は、マルガレーテ様のところへ説得に行ってくるから。

  これだけ美味しい獲物なんだから、ぜひともマルガレーテ様に召し上がってほしいもんね」

 そう言いながら、メリアヴィスタは台所の出入り口に立った。

 「誰に食べてもらうにしろ、御馳走の準備はよろしく。

  その人間、あちこち駆けずり回ったみたいだから……キレイに洗ってあげてね」

 「了解しました、メリアヴィスタ様……」

 退出するメリアヴィスタに対し、メイド達は揃って頭を下げる。

 そして彼女が出て行った後――十人のメイドは、テーブルに横たわる俺を囲んできた。

 「では、食材を洗いましょうか……」

 「はい……」

 「……!?」

 メイド達が俺を見下ろす視線に、思わず寒気さえ感じていた。

 彼女達の目は、まさに食材を眺める視線そのもの。

 今から、どんな風に扱われるのか――それを、嫌でも悟らなければいけない視線。

 「あちこちに泥が着いていますね。それに、硝煙の匂い……」

 「全部、洗い落としましょう。せっかくの高級食材も、これでは……」

 そしてメイド達は、それぞれハンドソープを手に取り、自身の両掌で泡立て始めた。

 全裸で横たわり、まな板の上の鯉状態の俺。

 それをぐるりと取り囲み、無表情で掌を泡立てるメイド達――その異様な雰囲気。

 俺は、今から自分が何をされるのかはっきり悟っていた。

 それでいながら、抵抗する力も残されておらず――ただ、その屈辱を受け入れるしかないのだ。

 

 「くそ、やめろ……」

 わしゃわしゃと激しく泡立つメイド達の両手。

 彼女たちの掌はすっかり泡にまみれ、白く染まっている。

 それが、ゆっくりと――まず最初に、俺の胸に伸びてきた。

 メイドの一人が、俺の胸を洗い始めたのだ。

 

 にゅる、ぬるぬる……

 

 「あ、あぅ……」

 それは、ぬめりを帯びたくすぐったい感触。

 メイドは無表情のまま、作業的に俺の胸へと泡を塗りたてていく。

 肌の表面を、優しく撫でるように。泡をまぶしながら、じっくり擦るように――

 「う、うぅぅぅ……」

 メイドの掌の柔らかい温もり、そして泡のぬめった感触――それが胸を這い回り、俺を甘美に酔わせてきた。

 

 にゅく、ぬるぬるぬる……

 

 「あうっ……!」

 さらに、別のメイドが俺の右肩を泡まみれの掌で擦ってくる。

 にゅるにゅるにゅると、泡を塗り広げるように――その手は脇の下にも侵入し、ぐちゅぐちゅとさすられる。

 優しくマッサージを施すように撫で、汚れをそぎ落とすように擦り――

 「あ、あぁぁぁぁ……」

 さらに左肩も、別のメイドが同じように洗いたててくる。

 そればかりか――左右の腕も、そして掌まで――泡立て終わったメイド達が、次々と手を伸ばしてくるのだ。

 俺の両掌は、まるで恋人同士が指を絡めて組むような形で洗われていく。

 首筋を、泡にまみれた掌が優しく撫で――そして、鎖骨に沿ってなぞられる。

 腹にもメイドの掌が無数に這い、脇腹から下腹に至るまで執拗に撫で回す。

 泡にまみれながら、わしゃわしゃ、ぬるぬると――

 俺の腰から上は、たちまちのうちに白い泡まみれにされていった。

 「や、やめ……あぅぅ……」

 制止の懇願にも、まるで耳を貸さない――いや、聞いてさえいない。

 非常に作業的で、全く無駄のない動き。

 私語も全くない、まさに業務そのものの洗い作業。

 

 「う、うぅぅぅぅ……」

 ヘソのところにまでメイドの手が伸び、指先でほじるように洗ってくる。

 脇の下や指の間なども、丹念に擦られ、徹底的に汚れが落とされているのだ。

 そう――これは、作業的清拭以外の何でもない。

 食材の野菜や魚を洗っているのと同じようにされているのだ。

 魚をさばく前に、ウロコを落とす――そういう作業と全く同じ性質。

 メイド達の無表情さを見れば分かるとおり、これは作業そのものなのだ――

 「あ、あぅぅぅぅ……」

 それなのに、その快感は凄まじかった。

 背徳的で屈辱的な快感――しかし身をよじろうにも、体はわずかしか動かない。

 体をびくびく揺らす俺の上半身を、淡々と洗い続ける――

 泡まみれの手で体中をさすられれば、股間が反応し始めてしまうのも無理はなかった。

 

 「……」

 下半身の周囲を取り巻く複数のメイドが、いきり立ったモノに視線をやる。

 その目に、特別な感情は何一つ見られなかった。

 洗っていれば、こうなるのは当然――といった風な目だ。

 そして――とうとう下半身にも、容赦なくメイド達の手が伸びてきた。

 「あ、あぁぁぁぁぁぁ……」

 足の裏が、臑が、ふくらはぎが、太ももが、内股が――容赦なく、泡まみれの掌で愛撫される。

 股間を除いて――俺の全身が泡まみれにされ、ヌルヌル、わしゃわしゃと撫で回される。

 足の裏に掌が押しつけられ、回すように撫で上げられる――指の間の汚れも丹念に擦り落としながら。

 両掌で大きな輪を作り、臑全体を扱くように擦り洗う。

 太股に泡を塗りつけるように、そして足の付け根をじっくりなぞるように――泡まみれの掌が這う。

 「ひぁ……あぐ、あぁぁぁぁ……」

 メイド十人がかり、二十枚の掌で全身を洗われる――その快感に、俺は弱々しく身をよじるのみ。

 ペニスはすっかり張り詰め、ビクビクと震えていた。

 そして――最も不潔であろう肉棒を、洗われないはずがない。

 早く、ここも洗って欲しい――いつしか、精神が摩耗した俺はそう考えるようになっていた。

 そして――いよいよ、ペニスにもメイドの手が伸びてくる。

 

 「あ、あぅぅぅぅ……」

 びくびく震えるペニスを、メイドの一人がふんわりと握った。

 泡まみれの掌で、包むように――まるで、蠢く小動物を捕らえるかのように。

 体温が伝わった泡の温もりが、焦れた肉棒を包む感触。それだけで、俺は腰を揺すってしまう。

 「あ、あぁぁ……あぁ……!」

 

 にゅくっ、にゅくっ、にゅくっ――

 

 そのまま、無造作に上下運動が繰り出された。

 泡まみれの掌で、肉棒をしごくように擦りながら――いや、それはしごいているのと同じ動き。

 表面の汚れを落とすための動作は、ペニスを手で愛撫する動作とほぼ同じなのだ。

 「あ、あぁぁぁぁぁぁ……」

 泡に満ちた掌の筒に肉棒をくぐらされ、何度も何度も上下される。

 カリがにゅくにゅくと上下に擦られ、その滑らかさを散々に味わわされる。

 その快感に押し流され、たちまち絶頂してしまいそうになる――

 「あぁ……えっ……?」

 射精寸前まで追い詰められ、先走り汁を垂れ流す亀頭――そこを、別の掌がきゅっと握った。

 サオをしごいているのとは別のメイドが、泡をたっぷり盛った掌で亀頭を揉み洗いしてきたのだ。

 ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、と……射精寸前なのも、まるで関係ないかのように。

 「あ、あぅぅぅぅぅぅぅぅ……!」

 その容赦ない快感に、俺はあっけなく射精していた。

 亀頭を包む掌の中へと、精液をたっぷりと発射してしまう――

 「あぁぁぁぁ……う、うぁぁ……」

 当然、ペニスを洗っているメイド達は、その脈動を掌で感じているはず。

 それなのに、彼女達は洗う動作をやめない。

 泡と精液が混じり、にちゃにちゃと音を立て――それでも、肉棒を洗う二人のメイドは手を休めないのだ。

 「あっ……! あぁぁぁぁ、あぁぁぁ――!!」

 射精していることも無視され、ペニスをひたすらに洗われ――

 そして、全身にも泡にまみれた無数の掌がにちゃにちゃと這う。

 その凄まじい快感に、俺はのたうち回るしかなかった。

 「や、やめ……あぅぅ……」

 さらに、泡をたっぷりと盛った掌が陰嚢を優しく握ってくる。

 そのまま、くにくにと揉み洗い。掌で転がされ、至福の快楽を受けてしまう。

 そればかりか、会陰部にもアナルにもメイドの手が伸びてきた。

 いかにも汚れが溜まっているかのように、会陰部をにゅるにゅると擦り洗い。

 アナルにも泡まみれの指が侵入し、くりくりとほじるように洗ってくる。

 それは、まるで陰部のあちこちをヌルヌルの手でまさぐられるような感覚。

 股間周辺が容赦なく洗われる快感に、俺の頭は白く染まっていく――

 

 「あ、あぁぁぁぁ――!!」

 どくどくどく……と、俺はメイドの手の中でまたしても絶頂していた。

 「……」

 白濁を掌で受けながら、メイドは眉一つ動かさない。

 そして、洗う動作もいっさい中断しない。

 サオはしこしことしごかれ抜き、カリの溝ににゅるにゅると指が這わされる。

 亀頭は柔らかな掌で、まるでいい子いい子をされるように撫で回される。

 これでは、もう一度射精しろと言われているようなものだ。

 「あぅぅ……あ、あ、あぁぁぁぁぁ……」

 こらえることなどできず、ドクドクと漏れてしまう精液。

 亀頭を撫でるメイドの掌に、粘った白濁をたっぷりと吐き出してしまう。

 それでも、全くお構いなしで洗い責めは続行されるのだ――

 ペニスを泡まみれにされながら、丹念に、丹念に――

 

 「あ、あ、あ……あぁぁぁぁぁぁぁ――!!」

 無表情のメイド十人に囲まれ、容赦なく全身を洗われる悦楽。

 首にも、肩にも、胸にも、腹にも、股間にも、太股にも、足にも、腕にも――頭以外、泡にまみれていないところはない。

 メイド達は洗う箇所を分担し、徹底的に汚れを落としてくる。

 泡まみれの愛撫に、俺は喘がされ、のたうち回るのみ。

 亀頭もサオも、さらに根本も――陰毛も、わしゃわしゃと泡をまぶされ洗われる。

 「ひ、ひぁぁぁ……あぁぁぁぁぁ……!」

 特に、共同で肉棒を洗っている数人のメイドは執拗だった。

 射精するたびに精液が洗い流され、また亀頭に泡がまぶされて揉み洗い。

 その刺激で、また射精してしまう――その繰り返し。

 カリの溝も指でなぞられ、ほじくられ、強烈な性感が与えられているのである。

 ペニスの汚れを、完全に落としてしまうように――泡にまみれ、じっくりと磨かれているのだ。

 「あぐ……あぁぁぁぁ……」

 泡で弄ばれるたびに、ドクドクと射精してしまう。

 それにも表情一つ変えず、淡々と洗い続ける――その容赦のなさ。

 射精させるのが目的なのではないから、それも当然だ。

 洗い作業で、俺が勝手に漏らしてしまうだけのこと。

 それは天国の快楽を伴う、悪魔の清拭だった。

 

 「あ、あぅぅぅぅぅ……あぁぁぁぁぁぁ……」

 出せども出せども、連続で襲ってくる絶頂。

 そして、全く人間味を感じないメイド達の作業感。

 まるで自分が、本当にただの食材になったかのような気分だ。

 もはや、何回射精したのかも分からない。

 メイド達の手の中で何度も何度も果て、精も根も尽き果て――

 彼女達が俺を洗い終えた頃には、すっかり意識を失っていた。

 

 

 

 

 

 「さて、準備は済みましたね?」

 「はい……料理の盛りつけも終わり、シチューも仕上がりました」

 遠ざかる意識の片隅から、そんな声が聞こえる。

 気がつけば、俺は座椅子のような拘束台にくくりつけられていた。

 全裸のまま、腰を前に突き出させるような――そんな、奇妙な体勢で。

 もはや、俺には逃げようとする気力も体力も残っていなかった。

 

 「うぅぅ……」

 台所には、いつしか良い匂いが立ちこめている。

 テーブルに並んでいるのは、育ちの悪い俺は目にしたこともないような高級料理の数々。

 色とりどりの食べ物が盛りつけられた皿に、各種デザートなど。

 「では、食堂に運びましょう」

 「はい……」

 メイド達はそれらの皿を盆に乗せ、次々と台所を出る。

 さらに拘束された俺をも――二人のメイドが、ゆっくりと運んでいった。

 当然、料理の行き先も俺の行き先も同じ。

 いや――俺も料理の一つなのだ。

 

 「ぅぅ……」

 赤絨毯の敷かれた豪華な廊下を運ばれながら、俺は弱々しい呻きを漏らすのみ。

 これから俺は、淫魔貴族達の晩餐に引き出されるのだ。

 そこで、夕食とされてしまう――実際に肉を食べられたりはしない以上、その意味するところは一つだけ。

 しかし、この弱りきった体で反撃などできるのか。

 指一本、まともに動かせない状況でどうするのか――

 そんな考えもまとまらないままに、俺は大食堂へと引き出されたのだった。

 数十人の妖魔貴族達が並んだ、その狂宴の間へと――

 

 

            ※            ※            ※

 

 

 「ふぅ、やだやだぁ……」

 マルガレーテの部屋を出てすぐ、メリアヴィスタは深いため息を吐いていた。

 ぜひとも、あの素晴らしい獲物を主人に召し上がってもらいたいと懇願したが――主の気は変わらなかった。

 当然ながら、マルガレーテに対する忠誠心に揺らぎはない。

 おそらく、あの忌々しいエミリアに余計なことを吹き込まれたのだ。

 あの嫌な女が、マルガレーテ様を惑わしている――そう思うと、苛立ちが沸いてくる。

 一度、ぎゃふんと言わせてやらなければいけないのかもしれない――

 

 「かわいそーな、わたし――♪」

 自作の変な歌を歌いながら、ぶらぶらと廊下を進むメリアヴィスタ。

 そろそろ、大食堂で晩餐会が始まる時刻だ。

 ノイエンドルフ城は、多くの妖魔貴族の社交場ともなっている。

 そんな貴族連中をもてなすのは、マルガレーテの――ひいては、主人に仕えるメイド達のつとめ。

 今頃、あの侵入者が妖魔貴族達に食事として提供されているのだろう。

 舌の肥えた貴族達とて、あの獲物の味には満足しないはずがない。

 「なーんか、やだなー」

 何が悲しくて、貴族連中を喜ばせてやらねばならないのか。

 メリアヴィスタが給仕をやっているのは、ひとえにマルガレーテのため。

 決して、貴族連中に尻尾を振るためなどではないのに――

 

 「……んん?」

 不意に、メリアヴィスタは視界に妙なものを捕らえていた。

 赤絨毯に映る自身の影――それが、自分の動きとは別の揺らめきを見せたのだ。

 「あれぇ? この影、ヘンなの……」

 その違和感を悟った次の瞬間――影から、無数の腕が伸びてくる。

 それはまるで、意思を持っているかのようにメリアヴィスタへと襲いかかってきた――

 「えっ、ちょっと……きゃあっ!?」

 無数の影腕はメリアヴィスタの体に巻き付き、包み込んでしまう。

 まるで咀嚼するかのように、ぐっちょぐっちょと蠢き、呑み込んでいく。

 「ん、んん……」

 メリアヴィスタの小柄な体が覆い包まれ、じゅるじゅると足下の影に沈み込んでいき――

 そして、すっかり静かになった。

 影の表面から、ずぶずぶとせり上がってきたのは――拘束服をまとった長身の女。

 感情のない瞳を携えた怪物――ネメシアだった。

 

 「……」

 先ほど五条すばるを食らった場所から、随分と離れた位置に出てきたようだ。

 影の中から脱出した際、空間の位置がずれたのだろうが――知性の乏しいネメシアには、そこまでは分からない。

 それでも、ターゲットである深山優からずいぶんと離れてしまったことは理解できた。

 このまま目に付く者を食らい、エネルギーを補給しながら追い詰めて――

 

 「なぁ〜るほど。こうやって、獲物を取り込んじゃうんだぁ」

 「……!?」

 不意に響いた女性の声――ネメシアは、思わず周囲を見回していた。

 しかし、姿も見えなければ気配もない。

 この廊下をのんびり歩いていた間抜けそうな淫魔も、さっき食らってしまったはずだ。

 いったい、どこから――

 「確かに、こんな風に不意打ちされたら……下っ端じゃどうにもならないかな?」

 「……!」

 その声は、自身の内部から放たれている――ネメシアは、すぐにそれを悟った。

 自分の体内に、いまだ取り込めていない存在がいる――

 

 「……?」

 次の瞬間、ネメシアの胸から一本の腕が突き出た。

 ずぶり――と、内側から胸部をえぐるように。

 マニキュアの塗られた爪、女の細腕――いったい何が起きているのか判別できない。

 「……! ……!?」

 ネメシアの細身の体が揺らめき、後ずさる――その刹那、ぶしゅりと胸部が弾け飛んだ。

 肺や肋骨が爆砕し、大量の血液と共に周囲へと飛び散る――いや、損傷はそれだけでは済まなかった。

 内部から抉られるのみならず、その衝撃で胸部から背中にかけて肉体が張り裂けたのだ。

 ネメシアの肉体が内部から爆裂したかのように、上半身と下半身が千切れて分断してしまう。

 「……!?」

 唐突に肉体が体内から爆散し、宙を舞う上半身――

 それが地面にびちゃりと転がったとき、ようやくネメシアは何が起きたのか悟った。

 自身の肉体を突き破り、体内から何かが飛び出したのだ。

 そいつは、目の前に立ち――上半身だけになった自分を見下ろしていた。

 さっき食らったはずの妖魔、メリアヴィスタだった。

 

 「あら、まだ生きてるんだぁ……? 生命力旺盛ですねぇ」

 分断されたネメシアを見下ろしながら、メリアヴィスタはそう呟いた。

 彼女の着用していたメイド服はほとんど消化され、ボロ布のように体にまとわりついているのみ。

 しかし肝心のメリアヴィスタの肉体はというと、全くの無傷。

 なぜ、消化されなかったのか――

 低級な頭脳でそんな疑問を抱きながらも、ネメシアの肉体では再生活動が始まっていた。

 分断された上半身と下半身が結合し、はじけ飛んだ際に失った肉片も再生していく。

 三秒も経たないうちに、万全の状態に戻ってしまう――

 

 「……」

 この女は許さない――そんな感情が、ネメシアの中に芽生えていた。

 自身では自覚のないまま、その細胞の一つ一つに怒りが充満していた。

 こいつは、バラバラにしなければ気が済まない。

 その細い体を引き千切り、潰し、そして食らう。

 ネメシアは起き上がるなり腕を振り上げ、触手状にして放とうとした――

 

 「……?」

 その次の瞬間、腕の先からは骨の砕けた感触が伝わってくるはずだった。

 確かに自分は、あの女を捕らえていた。

 しかし伝わってきたのは、鈍い衝撃。

 頭だ。頭を攻撃された。

 視界がおかしい。左側に何も映っていない。

 音も妙だ。いったい、何をされたのか。

 妖魔が使うという、魔術か何かか。

 いったい、何が――

 

 

 「あ〜らら。ちょっとハタいただけなのに……」

 メリアヴィスタは、残った右目を白黒させているネメシアに笑いかけた。

 明らかに、相手は何が起きたか分かっていない様子だ。

 魔術でも何でもない――メリアヴィスタにとって、ただのビンタ。

 触手の攻撃を避けながら、すたすたと近寄り、その左頬を張り飛ばしただけ。

 しかしその一撃は、強烈なインパクトとなってネメシアの顔半分を削っていった。

 頭蓋左半分を砕き、左脳や左眼球ごと爆砕させた。

 今のネメシアは、頭部の右半分のみが残っている状態に過ぎないのだ。

 当のネメシアには、理解できない。

 何をされたのか、全く理解できない――

 

 「……!!」

 訳の分からないまま、ネメシアは触手状の腕を再度振り上げた。

 脳が半分も破壊され、攻撃本能に従って動くしかなかったのだ。

 この触手を叩きつけ、破壊する――

 その次の瞬間、メリアヴィスタの姿がふっと消えた。

 「……!?」

 唐突に消失した敵の姿――それに戸惑った瞬間、腕が根本から引きちぎられた。

 いつの間にか左方に回っていたメリアヴィスタが、触手の腕を力任せに断ち切ったのだ。

 ぶちぶちと、根本から無造作に、引き抜くように――

 「……!」

 ネメシアの本能が、全力で危険を告げていた。

 とっさに後方に飛び退く――が、メリアヴィスタは軽いステップでその動きについてくる。

 そのままメリアヴィスタは、ネメシアの半分になった顔面を掌で掴んだ。

 「そーれぇ!」

 同時に、足下へと叩きつけられるネメシアの体。

 大理石の床がびしびしと砕け、円形にへこんでしまうほどの一撃。

 床にクレーターができるほどの衝撃で、ネメシアの全身の骨が砕け散る。

 いったい、何がどうなっているのか――

 ネメシアには、何も判別できない。

 ただ地に這いながら、自分を見下ろすように立つメリアヴィスタを見上げるのみだった。

 

 「……あ〜あ、もう。このメイド服を着てないと、お転婆だった頃のテンションに戻っちゃうのに……」

 そう呟きながら、体に絡みつく布片と化したメイド服を引き千切って脱ぎ捨てるメリアヴィスタ。

 露わになったその裸身は、いつしか独特のものに変化していた。

 そのしなやかな体のあちこち――背中や上腕などが、ふさふさとした毛皮に包まれている。

 綺麗な女性のプロポーションを残しつつも、獣人とも言えなくもない外見。

 また人肌を残している裸身のあちこちには、赤い刻印が浮かび出ていた。

 文字のように模様のように――肩や脇腹、腰のくびれなどに深紅のラインが浮かんでいるのだ。

 そしてメリアヴィスタの目も――いつしか、猫科特有の縦の瞳に変貌していた。

 らんらんと赤く輝く瞳は、狂気を帯びているようにさえ見える。

 それは、紅狂姫メリアヴィスタ――そう呼ばれていた頃の姿。

 居城を構え、多くの従者にかしづかれていた。

 気に入らないものは、全て叩き潰した。

 欲しいものは、全てその手で奪った。

 何にも縛られず、ただ楽しむことが信条だった。

 マルガレーテと出会う以前の、そんな自分を――久々に、メリアヴィスタは思い出していた。

 

 「……」

 その一方で、ネメシアは怯えていた。

 怯えという感情の意味も理解できないまま、ひたすらに竦んでいた。

 自身を形作る無数の細胞が――そして、これまで取り込んできた妖魔達の意思が訴えかける。

 この女は危険だ、と。

 ここから逃げろ、と。

 しかし、自身に目覚めた本能的な恐怖――それに対する術を、まだネメシアは知らなかった。

 攻撃本能で、それを抑圧する他になかった。

 地に伏したまま、吹き飛ばされた頭部左側や粉砕された全身の骨が再生していくにつれ――

 怯えの感情が、激しい闘争本能――いや、怒りへとすり替わっていく。

 

 「――!!」

 弾かれるように起き上がり、怒りにまかせてメリアヴィスタに襲い掛かろうとするネメシア。

 しかし、振り上げた腕が眼前の女に届く前に――胴体を、凄まじい衝撃が貫いた。

 ぶしゅりという音と共に、いくつもの臓器が破壊されたのが分かる。

 続けて、頭部に衝撃――ネメシアの体はサッカーボールのように蹴り飛ばされ、無様に吹き飛んでいた。

 そのまま壁を突き破り、隣の部屋へと突っ込んでいく――

 

 「あはははは……っ! まだまだ〜!」

 メリアヴィスタの脚力は、自身が蹴り飛ばして吹っ飛んでいくネメシアに追いつくことさえ可能にしていた。

 空中でその体を殴りつけ、べきべきと骨を砕く。

 そのまま足を掴み、勢いを付けて柱へと叩きつける。

 みしみしと柱が砕け、ネメシアの右腕が千切れ飛ぶ――それにも関わらず、今度は天井へと叩きつける。

 「……!」

 まるで、岩盤に叩きつけられたカエルのように――びちゃりと潰れ、粉砕される肉体。

 砕けた天井の破片と共に、落ちてくるネメシアの体。

 「それそれそれ〜!」

 その顔面をメリアヴィスタは掴み、再び壁へと叩きつけていた。

 がらがらと崩れる壁、めり込む体。

 度重なる衝撃によって肉体は破壊され、腕も足もとうに千切れ飛んでいる。

 「……?」

 何が起きているのか、ネメシアには理解できない。

 圧倒的な力で一方的に打ちのめされているのが、信じられない。

 しかし、その強靱な再生能力は――ネメシアに、なおも倒れることを許さなかった。

 失った腕が、足が、みるみる再生されていく。

 骨が繋がれ、血管が這い、肉が包んで、皮が張る――数秒も経たないうちの再生。

 

 「……!」

 なんとか、はい上がろうとした次の瞬間――頭がぐいと掴まれ、めり込んでいた壁から引きずり出された。

 ボロ雑巾のように転がるネメシアを、メリアヴィスタが左腕一本で無造作に持ち上げたのだ。

 「なんだぁ、まだ生きてるの? 二度と再生できないように、バラバラにしてあげようか……?」

 「……!」

 頭部を掴む右腕を引き剥がそうとした瞬間――ネメシアの体を、鋭い斬撃が一閃した。

 ざしゅっ……と、肩から腰までを斬り下ろす一撃。

 それは、メリアヴィスタの鋭い爪を用いた斬撃だった。

 ネメシアの頭を掴んでぶら下げながら、空いた右手で一撃を食らわせたのだ。

 「……!!!」

 さらに、第二撃。

 続けて第三撃――目で追えないほど速い斬撃の連続。

 どんな刃物よりも鋭い爪での一撃一撃が、ネメシアの体を容赦なく切り裂いていく。

 「ほらほ〜ら、どこまで死なない? どこまで耐えられる……?」

 鋭い爪で、ひたすら刻むという攻撃――それは、百の刃で刻まれているかのようだった。

 「……!!」

 腕が、足が、肉が、ズタズタに切り裂かれて千切れ飛ぶ。

 どうすることもできない。

 反撃どころか、逃げることさえままならない。

 再生した瞬間に刻まれる、嵐のような爪の刃。

 

 「ほらほらほらぁ……あはははははは……!!」

 ちぎれ飛ぶ肉片、舞い散る血しぶき。

 全身を返り血で赤く染めながらも、メリアヴィスタの攻撃は止まない。

 ズタズタに引き裂かれ、再生力の限界まで刻み抜かれ――

 そして一分ほど経過した後――そこに残ったのは、ミンチとさえ言えない肉片の山だった。

 

 「ふぅ……おわり♪」

 左手に残った、ネメシアの髪と頭皮の欠片――それを地面に投げ捨て、メリアヴィスタは息を吐いた。

 敵は文字通り粉微塵、さすがに再生する気配もない。

 「うーん……久しぶりに、カラダ動かしちゃった……」

 猫のような表情で、うにゅっと伸びをするメリアヴィスタ。

 高揚した気分や暴力性、凶暴性も徐々に冷め――ノイエンドルフ城に仕えるメイドとしての自分を思い出す。

 いつしかその肉体も元に戻り、一糸まとわぬ女性の裸体となっていた。

 「わっ……着替え、着替えっと……!」

 思う存分に暴れた影響で、廃墟寸前と化した城の一角――

 それを放置したまま、メリアヴィスタは足早に駆け出した。

 

 着替えた後は、大食堂にて晩餐会のお手伝いだ。

 久々に暴れ狂い、ウサも晴らすことが出来た。

 これで、いけ好かない貴族連中の前にもにこやかな笑顔で現れることができるだろう――

 苛立った気分をすっかり解消し、メリアヴィスタは満足げにその場から駆け去ったのである。

 

 

 

 

 

 ミンチ以上の細切れと化した肉片。

 周囲に飛び散った血しぶき。

 散らばった毛髪――それらが、メリアヴィスタが立ち去った後でようやく再生を開始した。

 細胞同士が結合し、有機的に組み合わさり、女性の姿を構築していく。

 ここまで細分化されてもなお、再生する生命力。

 そして、その生命力をもってしても太刀打ちできなかった、さっきの妖魔の戦闘能力――

 しばらく再生を中止していた理由は、ただ一つ。メリアヴィスタから逃れるため。

 いわば、死んだ振りをして敵が立ち去るのを待ったのだ。

 本能的に、そんな手段を取った自分が――ネメシアは、ひどく不快だった。

 

 「……」

 再生したネメシアは、しばらくその場にたたずんでいた。

 この城に到着して、多くの獲物を取り込み――それを我がものとしてなお、まるで敵わなかった強さ。

 メリアヴィスタを思い出しただけで、今でも寒気がする。

 ネメシアが初めて知った感情――それは、恐れだった。

 いかなる下等生物でも持つ本能的感情。

 その並外れた身体能力故に、ネメシアが今まで知らなかった感情。

 明らかに、向こうの方が生物的上位だった――

 それを悟ったネメシアが見いだしたのは、恐怖と――そして、希求。

 

 「……」

 ネメシアは、あれほどの力を自分も手にしたい――と考え始めていた。

 力への希求も、おそらく本能的な欲求だろう。

 あの圧倒的な力に近づくためには、どうすればいいか――ネメシアは、それを良く知っていた。

 もっと多くの獲物を取り込み、その力を自分のものとすること――

 メリアヴィスタとの交戦によって、ネメシアはより積極的に力を希求するようになったのである。

 

 

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