グランドール事件


「アラクネ型・・・だ・・・」

「かしこまりました。ただいまご用意いたします」

俺の言葉に、ルーシーは深々と頭を下げ、俺の視界から消えていった。

完全に拘束されているのなら、ここで無駄に暴れたところで体力を消耗するだけだ。

俺の精液を採取した後、俺の身柄は第一魔力供給質なる場所に移されるらしい。

脱出を狙うなら、そこだろう。

だとすれば、それまでの間は大人しくしていた方がいい。

「・・・・・・」

そんなことを考えながら、俺は天井で輝く蛍光灯を見つめていた。

 

かちゃ かちゃ かちゃ

 

程無く横たわる俺の耳に、何か硬いものが床を突付く様な音が届いた。

視線を音のほうへ向けてみると、そこにはアラクネ型の人形がいた。

先程画像で見せられたのと同じ、胸から下が巨大な蜘蛛となっている人形だ。

「お待たせしました。わたしが貴方の精液採取を担当するものです」

整った顔に笑みを浮かべながら、アラクネ人形はそう言った。

そして俺が何か言葉を返すよりも先に、人形は俺の衣服に手をかけてきた。

抵抗する間もなく、ズボンは下着後と引き摺り下ろされ、上着はシャツごと胸までたくし上げられていた。

「失礼します」

その一言と共に、アラクネ人形が俺が固定されている台に上がった。

横になっていたせいで良く見えなかったその全身が、俺の目の前に晒される。

所々継ぎ目の入った人工皮膚は病的なまでに白く、その豊かな乳房から下に続く蜘蛛の身体は黒く、光沢を帯びていた。

身体を支える六本の蜘蛛の足は細く、長く、その後ろにくっついた一抱えはあろうかという腹部は丸々としていた。

すると、折りたたまれていた蜘蛛足が伸び、大きな黒い腹部が俺の顔の方へ向けられた。

腹部の先端は、窄まっているかのように僅かに尖っていた。

「粘液繊維を分泌します」

アラクネ人形の言葉と共に窄まりが広がり、その奥から白い塊が飛び出した。

塊が俺の胸にぶつかり、べちゃりと粘液が広がる。

「く・・・」

「ご安心下さい、不衛生なものではありません」

腹部を元に戻し、蜘蛛足を折りたたみながら顔を顰めた俺に向けて、彼女は言う。

そして真っ白な腕を伸ばすと、指を広げ俺の胸にくっついた塊を押し潰したのだ。

そのまま、白い粘液をアラクネ人形は塗り広げ始めた。

 

ぐちゅ・・・ぬちゅ・・・

 

粘着質な音を立てながら、二つの掌が俺の胸を、腋を、腹を撫でていく。

数秒もしない内に、粘液の質感が変化してきた。

濡れたゲル状の物体から、絹のように繊細な肌触りになったのだ。

人形の愛撫にあわせ、薄布がくすぐるような感触が肌を走っていく。

「・・・いかがですか」

笑みを湛えたまま、アラクネ人形が俺に問いかけてきた。

だがその両手は滑らかに俺の身体を撫で回し続けており、繊維と化した粘液と織り成す愛撫のくすぐったさは、俺に答えることを許さなかった。

「あぐっ・・・ふっ・・・」

「・・・分かりました。次の段階へ移行します」

むず痒さに顔をしかめる俺の表情を読んだのか、人形はそう言った。

そして折りたたまれていた蜘蛛足のうち、後ろの一組をゆっくり伸ばし始めたのだ。

上半身が傾き、その豊かな乳房が俺の胸と接し、反対に腹部が高々と持ち上げられていく。

するとアラクネ人形は、その丸々と下腹部を折り曲げると、いつの間にか屹立していたペニスにその先端を当てたのだ。

窄まった先端に、膨れ上がった亀頭が触れる。

「あぐっ・・・!」

意外と柔らかな先端の感触に、俺は声を漏らした。

「挿入、いたします」

短く彼女が告げると同時に、伸び切っていた蜘蛛足が折りたたまれ始め、それに合わせて腹部先端の窄まりが広がっていく。

広がった穴の奥から溢れ出した粘液が、俺のペニスに垂れていく。

緩く口を開いた腹部の穴が、屹立した肉棒を飲み込んでいく。

「うぉ・・・お・・・!」

穴の内側に幾重にも刻まれた、こりこりと固い襞が粘液越しにペニスの表面を擦っていく。

襞と襞の奥から滲み出す粘液がペニスに纏わりつき、半ば繊維化した粘液の断片がペニスに絡みつく。

同時に襲い来る快感の波に、俺は声を上げていた。

やがて、アラクネ人形の腹部が俺の下腹部に当たり、ペニスがその穴の奥に飲まれて止まった。

そのまま、彼女はしばしの間静止していた。

だがその一方で、俺には一瞬の安らぎも与えられなかった。

穴の内側に刻まれた軟骨のような固さの襞がペニスをほどよく締め付け、ぬめる粘液と繊維がペニスに絡み付いている。

血流によるペニスの脈動により、ペニスの表面がこりこりした襞によって擦られ、粘液と繊維がペニスを愛撫する。

アラクネ人形はじっとしているというのに、俺は射精寸前まで高められていた。

「・・・それでは、攪拌を開始いたします」

快感に悶える俺の表情を楽しむかのように間を置くと、人形はそう告げた。

同時に、ペニスを幾重にも締める襞が左右に、前後に、でたらめに動き出した。

ある一点が圧迫され、別な一点が解放される。

そんなランダムな襞の動きが、ペニスの根元から先端までに襲い掛かってきたのだ。

「ぐぁぁぁぁっ!?」

股間に生じた強い刺激と快感に、俺は絶叫しながら精液を放っていた。

背筋が反り返り、アラクネ人形の腹の奥まで注ぎ込もうとするかのように腰が持ち上がる。

俺のペニスを深くくわえ込んだ穴は、さらに精液を搾ろうとするかのように、その固い襞でペニスをこりこりと責め立てた。

「あぁっ、あぁぁぁ!」

「射精を確認。規定量まで射精の維持を行います」

人形が言葉と共に、全身を前後に揺すり始めた。

ペニスを刺激する膣の動きに加え、彼女自身の全身の動きが興奮を高める。

そして、俺の胸に押し当てられていた乳房も、前後に揺れて俺の肌を擦っていた。

胸板にへばりつく、繊維化した粘液の膜が乳房の柔らかさに、すべすべとした触感を加えていた。

性器への強い刺激と、胸板へのむず痒さを伴う愛撫が、俺の興奮を高めていく。

断続的に放たれていた精液が、次第にその間隔を狭め、一続きになっていく。

連続する射精と、絶頂に留まり続けるほどの快感により、俺の意識が次第に溶けていく。

そして―

「精液が規定量に達しました。搾精行為を終了します」

その一言と共に、アラクネ人形の身体が止まり、腹部内部の襞もぴたりと止まった。

ペニスは戸惑うように数度精液を漏らすと、くたくたと萎えていく。

それに合わせるように、俺の意識もまた絶頂からの解放により、ゆっくりと沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様でした」

朦朧としていた意識に、不意に聞き覚えのある声が飛び込んだ。

目を開くとアラクネ人形の姿はなく、代わりにルーシーが微笑んでいるのが目に入った。

「貴方のご協力により、十分な量の精液が採取できました。感謝いたします」

形ばかりの感謝をする彼女を、俺はぼんやりと見つめていた。

「それでは、貴方の身柄を第一魔力供給室に移送します」

その言葉に合わせるように、部屋の扉が開きストレッチャーを押す人形が入ってきた。

二体の人形は俺の手足の高速具を外すと、俺の身体をストレッチャーの上に横たえた。

「それでは、第一魔力供給室に移動します」

大人しく横になる俺に向けて微笑みながら、彼女は言った。

 

 

 

 

続く






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