グランドール事件


目を覚ますと、相変わらず梅宮は鋏に捕まったままだった。

「お目覚めですね」

聞き覚えのある高く細い声に、彼の視界が焦点を結んだ。

薄暗いコンクリート打ちっぱなしの倉庫に、黒髪の少女の胴と頭が宙に浮いていた。

いや、違う。少女の肩口からは太く巨大なカニの鋏のような腕が生え、胴体は床を踏みしめる象のように太い足によって支えられていた。

正確に言うと、二本足で立つカニの胴体に、少女の胴と頭をくっつけたような姿だった。

ただし、先ほど胸元を覆っていた装甲は外れ、やや小ぶりの乳房と白い肌が露になっている。

「ここ・・・は・・・?」

「第一資材庫です」

呻くような梅宮の呟きに、間髪いれず重機人形が応じた。

「あなたの身柄はこれから一時間、わたしの管理下にあります」

彼の現状を説明するように、人形は付け加える。

「何か質問があればどうぞ」

「・・・えぇと、他の皆は・・・?」

「その質問に対する回答は出来ません」

「じゃあ・・・一体何が目的で施設の封鎖を・・・?」

「その質問に対する回答は出来ません」

「なら・・・この事態の首謀者は・・・?」

「その質問に対する回答は出来ません」

梅宮の問いは、ことごとく却下された。

この調子では自分の武装に関する質問も却下されるだろう。

そう考えていたが、彼は念のために問いかけた。

「・・・僕の武器は?」

「危険性のある物は全て回収し、危険物管理庫に保管してあるます」

以外にも回答が返されたが、彼の力だけではどうにかできるものではなかった。

「質問は以上ですか?」

「あ、うん・・・あーいや、ちょっと待って・・・」

時間を稼ぐつもりで、彼は懸命に頭脳を回転させ、質問を絞り出した。

「・・・緊急事態ケース2の、詳細は?」

「緊急事態ケース2は、『人形工房』で発生しうる緊急事態をパターン化したものの一つです」

間髪いれず、回答が返された。

そして、それに続く言葉は梅宮を驚愕させた。

「特にケース2は団長、もしくは幹部職員の死亡を意味します」

「・・・え?」

間の抜けた声を漏らす彼に、人形は続ける。

「ケース2の場合の対応としては団長、もしくは幹部職員の死因が特定されるまで、調査委員が全ての権限を担います。質問に対する回答を終了し、わたしに与えられた時間を活用します」

言葉を断ち切ると、一方的に人形は宣告した。

「それでは、淫魔の生体パーツへのエネルギー補充を開始します」

SH-06は空いている鋏を彼の腰元に近づけると、その先端で器用にズボンの裾を掴んだ。

そして力を込めてズボンを下ろし、彼の下半身を露出させる。

「や、やめて・・・!」

じたばたと梅宮の足が空を蹴り、爪先が幾度か彼女の露出した白い肌に当たる。

だが、彼女は躊躇することなく巨大な腕を自分の方に寄せ、彼の股間に顔を近づけていった。

口を開き、上下の唇をねっとりとした口腔潤滑液の糸で繋ぎながら、縮こまった彼のペニスを受け入れる。

「あ・・・・・・!」

不意に股間を包んだ柔らかく、温かな感触に彼は呆けた声を上げた。

亀頭が、彼女の弾力のある唇に擦れ、どんどん彼女の口内に入っていくのだ。

口内の人工粘膜は不自然さを感じさせないほどに柔らかく、温かだった。

亀頭が滑らかな口蓋を擦り、微かにざらつく舌が膨らんだ裏筋を這っていく。

そして、ペニスの半ばほどを口に含んだところでSH-06は腕の動きを止め、唇をすぼめた。

ぷりぷりとした唇がペニスを締め、口内の粘膜が密着する。

そして、彼女の舌がもぞもぞと動き、口内に溢れる潤滑液をペニスに塗りつけ始めた。

「うぁ・・・」

舌がゆっくりとペニスの表面を這い回り、粘度の高い液体が塗りつけられていく感触に、彼は思わず声を漏らしていた。

人形の口内の潤滑液はなくなるどころか、舌の動きに促されるようにどんどんあふれ出していく。

やがて、彼女の口内は潤滑液に満たされ、その中で舌がペニスの表面を撫で回しているようになっていた。

「あぅ・・・あぁ・・・」

「・・・・・・」

情けない嬌声を上げる梅宮をよそに、彼女は口内を満たす液体を嚥下した。

舌が、頬の内側が蠢き、ペニスを擦っていく。

やがて口内の潤滑液がなくなったが、彼女はなおも嚥下を続けていた。

ただ、飲み干しているのは潤滑液ではなく、梅宮のペニスから漏れ出す先走りであった。

「あぅ・・・!」

さらなる先走りを要求するように、ペニスを軽く吸って刺激する。

すると、薄い塩味のついた粘液が、彼の嬌声と共に鈴口から流れ出してきた。

人形は先走りを口内にある程度溜めると嚥下し、ペニスを吸って先走りの分泌を促した。

「あぁ・・・ああぁ・・・!」

自分の身体を挟む巨大な鋏に手を掛けながら、彼は身悶えしていた。

心地よい、下半身を蕩かすような快感が彼を襲っていた。

だが、それは絶頂に達するには少々物足りない。

弾力のある唇がペニスを締め、頬肉が左右から圧迫する。

「あぅぅ・・・!」

(あぁ・・・早く・・・!)

寄せては返す快感に、いつの間にか彼は心中で射精を懇願していた。

だが、SH-06は淡々とペニスを吸い、先走りを嚥下し続けていた。

「も、もう・・・うぁぁ・・・!おね・・・が・・・あぅ・・・!」

「・・・・・・・・・」

彼の訴えが彼女の耳に届いた時、彼女の舌が動いた。

微かにざらつく舌が柔軟に動き、パンパンに膨張しきった亀頭を軽く撫でたのだ。

僅かな痛みさえ伴う愛撫に、彼の意識が白くなった。

「あ・・・!」

小さな声と共にペニスが大きく脈打ち、どろどろの白濁が迸った。

彼女は放たれる精液を、唇をすぼめて全て口内に受け止めた。

そして、口内を満たしていく精液を少しずつ嚥下していくのであった。

「あぁ、それ・・・!」

頬の内側や舌、口蓋が嚥下のたびに動き、射精中のペニスを刺激していく。

加えられる刺激に、彼の肉棒は更なる精液を迸らせた。

「あぁ・・・あぁ・・・!・・・・・・っ、はぁはぁはぁ・・・」

引き伸ばされた射精が終わり、彼は荒い息をついて射精の余韻に浸った。

だが、彼女の舌の動きは止まらない。

「・・・・・・」

放たれた一滴を嚥下すると、人形は無言のまま裏筋を舌で圧迫し、尿道に残る精液を搾り出していく。

やがて、股間に走る鈍い快感に身悶えしながらも、梅宮は精液の残滓を啜り上げられていった。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

やっと止まった彼女の舌の動きに、彼は荒い息を重ねた。

しかし、休息は数秒と続かなかった。

SH-06の腕に力がこもり、彼の腰を少しだけ引き寄せたのだ。

射精で僅かに柔らかくなったペニスが、彼女の口の奥へ潜り込んでいく。

「え・・・?なにが・・・あぅっ!」

「・・・・・・」

緩めにすぼめられた唇が竿を擦り、ざらつく舌が裏筋を撫でていく。

ペニスの先端では、唾液に塗れた亀頭が彼女の喉の奥へ入り込んでいった。

呼吸を必要としない彼女の喉は、押し入った亀頭を迎えるように収縮し、刺激する。

唇と舌と口蓋、そして新たに加わった喉の粘膜が、彼に甘い快感を与えた。

「こんな・・・おく・・・うぁあ・・・」

亀頭を締め付けては緩めるを繰り返す喉粘膜の感触に、彼は目を閉ざして身を震わせた。

その姿を、彼女は上目遣いで観察していたが、彼には知る由も無かった。

「・・・・・・」

快感を堪える彼の顔を一通り確認すると、彼女は停止していた舌と唇、そして頬肉の動きを再開させた。

唇で竿を締め付け、舌で裏筋をくすぐり、吸い込むように頬肉でペニスを圧迫する。

「・・・っ!?」

亀頭に加えて襲ってきた柔らかな粘膜の刺激に、梅宮は身を引きつらせた。

窄まった唇が、ペニスの根元をぎゅうぎゅう締め付ける。

波打つ舌が、膨れ上がった裏筋をにゅるにゅる撫でる。

密着する頬肉が、血管の浮かんだ竿をぐにぐに圧迫する。

そして、収縮を繰り返す喉が先走りを漏らす亀頭を揉んでいた。

唇と舌と頬肉と喉。このたった四つの粘膜が織り成す刺激は、彼を容易に押し上げていく。

「あぁ・・・ぁ・・・!」

靴の中で足の指が丸まり、全身の筋肉が強張っていく。

腹の奥で熱いものが渦巻き、勢いを増していく。

「・・・・・・」

びくんびくん、と大きく脈打ち始めたペニスに、彼女は責めを加速させた。

唇と頬肉が竿をぐいぐいと締め上げ、舌が裏筋を愛撫し、喉の粘膜が一際強く収縮した。

「あぅっ・・・!!」

胴を掴む金属製の鋏を握り締めながら、梅宮は短く呻いた。

同時に、体奥で渦巻いていた欲望が変わらぬ勢いで、SH-06ののどの奥に迸っていく。

「・・・・・・」

体内に直接注ぎ込まれる精液を受け入れながら、彼女は無言を保っていた。

 

 

 

 

 

 

やがて射精が終わると、彼女は腕を動かして彼の腰を顔から遠ざけた。

窄めた唇が尿道を搾り、射精の残滓を搾り出していく。

「ちゅぷ・・・ん・・・」

「あぁ・・・」

扇情的な音を立てながらペニスについた潤滑液を舐め取り、口中から引きずり出していく。

最後に亀頭を軽く一舐めすると、ペニスは完全に解放された。

「・・・通常口腔による精液の提供、ありがとうございました」

口中の彼の体液を嚥下すると、彼女は口を開いた。

その言葉に、彼は疲労を覚えながらもほっと息をついた。

だが、続く言葉は彼の安堵を裏切るものだった。

「それでは残り五十分間、粘膜換装による特殊口腔にて精液を採取させていただきます」

「・・・え・・・?」

その一言の後彼女は口を閉ざしてしまい、彼の問い掛けは空中で霧散していった。

少量の水でうがいでもするように、彼女の口がもごもごと動く。

「・・・換装、完了・・・」

口の動きが止まると同時に、微かにくぐもった声が彼女の口から漏れる。

大きく開いた口の中は、異様な状態になっていた。

口中から歯が一本残らず消え、代わりに無数の細長い舌がひしめき合っていたのだ。

人差し指ほどの舌が口中潤滑液に滑り、互いに擦り付け合いながらぐちゅぐちゅと蠢いていた。

「・・・うぁ・・・あ・・・」

蠢動する無数の舌を見つめながら、彼は声を漏らしていた。

「それでは、第19型特殊口腔による精液採取を開始します」

口の奥深く、無数の下の間から僅かに見え隠れする穴から彼女の声が響いた。

同時に、彼を捕定する腕に力が篭り、引き寄せられていく。

「あぁ・・・あぁ・・・!」

抵抗の片鱗も見せず、彼は声を漏らしながらペニスに接近していく口腔を凝視していた。

粘膜が近づくにつれて、彼の期待と興奮が高まっていく。

そして―

 

ぱくん

「うぁぁぁあああああっ!!」

 

突然口が閉じられ、彼はペニスを包み込んだ無数の粘膜の感触に絶叫した。

蠢き立つ無数の舌が、一斉にペニスに絡み付いてきたからだ。

尖らされた舌先が、ペニスを満遍なく包み、突付き、くすぐっていく。

平面の粘膜からでは決して得られないダイナミックな刺激に、梅宮は仰け反って嬌声を上げる外無かった。

「あぁぁぁぁっ、あぁぁぁぁっ!!」

猛然と加えられる壮絶なまでの舌の責めに、彼は悶絶した。

与えられる刺激は容易に彼の興奮を引き上げ、絶頂へと押し上げた。

潤滑液と先走りにぬめる亀頭の先端から、精液が迸った。

噴出する白濁は、既に三度目の射精だというのにどろどろと濃く、勢いも強かった。

ひしめく無数の舌の奥へ、熱い粘液が注ぎ込まれていく。

「・・・・・・」

口内に注ぎ込まれる精液に彼女は眉一つ動かさなかったが、異形と化した口内粘膜は表情とは裏腹に狂喜乱舞していた。

亀頭を包む無数の舌が精液を奪い合うように鈴口に殺到し、互いに押し合い圧し合いしながら亀頭を刺激する。

精液のおこぼれに与れぬ竿付近の舌は、口内が精液で満たされるようにするためか、竿に絡みつきながらゆっくりと扱きだした。

「あぁがぁぁぁぁっ!?」

射精と同時に勢いを増したペニスへの刺激に、梅宮は絶頂に押し上げられたままになった。

彼の大きく開かれた口の端からは、だらだらと涎が垂れ流され、目からは涙があふれ出ていた。

(このっ・・・ままじゃ・・・!)

強引に引き伸ばされていく快感に、彼は本能的に恐怖を覚えた。

刺激と快感に眩む意識を集中させ、彼は必死の思いで声を上げた。

「あぁぁぁぁあっ、あっがぁぁぁぁぁぁっ!!」

だが、彼の口から迸ったのは、悲鳴めいた絶叫だった。

本人は懇願しているつもりなのだろうが、絶頂の快楽がそれを許さないのだ。

連続する絶頂に、時折彼の悲鳴が途切れ、声が上下する。

そして人形の口内では、彼の絶叫を無視した搾精が続けられていた。

数本の舌が亀頭に螺旋状に巻き付き、表面を波打たせながら蠢く。

竿に添えられた幾本もの舌が前後に動き、ざらざらとした粘膜が皮膚を擦る。

精液を迸らせながら大きく脈打つペニスが、壮絶なまでの責めに晒されていた。

「あぁぁぁぁぁぁ!っあぁぁあぁぁぁぁぁ!!」

弱々しく顔を左右に振り、痙攣する手足を振って人形の拘束から逃れようとする梅宮。

だが、彼女の鋏は彼の胴を拘束したままであった。

 

 

 

やがて、どれ程の時間が経過したであろうか。

SH-06は舌の動きを止めると、唇を窄めて口からペニスを引き抜いた。

先走りに白いものが混ざった程度の濃度に落ちた精液を啜り終えると、彼女は顔を上げた。

「以上で、淫魔の生体パーツへのエネルギー補充を終了します」

「・・・・・・」

彼女の言葉に、彼は沈黙を返した。

余りの快感に晒され続け、疲弊しきった彼の意識が舌の停止と共に失われたからだ。

「・・・呼吸、脈拍を確認・・・許容範囲内」

返答を返さない梅宮の状態をチェックすると、彼女は淡々と続けた。

「それでは、これ以降のあなたの身柄は第一魔力供給室に移送されます。

ご協力、ありがとうございました」

梅宮の意識に、その言葉は届かなかった。

 

 

 

 続く






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