淫魔転生・中編




「改めて修、合格おめでとーっ! いやー、まさか修が名門の東第一受かるなんてねー?

 中2まで成績ランク中の下をさまよってたってのに、よく受かったもんだね!

 これも全て、麗しき二人の家庭教師のオネエサマのお・か・げ・だ・なっと!」



「わあい突っ込みどころが満載だ! とりあえず遥香からは何一つ学んでねェェ――――ッ! むしろ邪魔!

 人が必死で勉強してる隣の部屋で何で人の積みゲークリアしてるんだ! ご丁寧に実況付きで!

 自分もしっかり一高生で、しかも成績上位だから余計に腹が立つッ!」



「んっふっふー。私には常時心強い援軍がいるのだよ。

 その者こそマイシスター春美ッ! 一高の5傑に名を連ねる超・優等生ッ!

 そんなハイパー教師を貸してあげたんだから、まあ積みゲーの件ぐらい、当然の報酬ってことで」



「ぐ、は……っ。自分の手柄でもないのに、人はそこまで開き直れるというのか……ッ!」



「大丈夫よ、修ちゃん。ちゃんと私が教えたことは理解してくれたんだから、下地はしっかり出来てたの。

 私はほんのお手伝いをしただけ。だから、もっと胸を張って合格を喜んで。四月から晴れて、一高生なんだから」



「ありがとう、春美姉……。その優しさに、涙のダムが決壊しそうー。

 嗚呼神様、何で同じ両親からこんな差のある姉妹が生まれてくるのでしょう……?」



「おおっと、無礼発言感知ですよー! 粛清――――ッ!」



遥香の腰の入った裏拳が、僕の即頭部に突き刺さった。

おぱおっ!? と奇声を発して倒れこむ僕こと神谷修。現在絶好調にハイテンションだ。

まあ今日ぐらい許されるだろう。なんてったって、高校合格だ。テンションが上がらないはずは無い。





さて。

3月某日という今日。高校受験を最高の結果で勝ち抜き、僕は幼馴染の西村姉妹に祝福を受けていた。

西崎遥香、妹。ショートカットが特徴的な元気娘。なんか、常に愉快。顔つきは可愛らしいのに、妙なテンションで損をしているっぽい。

西崎春美、姉。艶やかな黒髪と端整な顔を併せ持つ、才色兼備な大和撫子。なんかもう、涙がこみ上げてくる。

共に今年の春から2年生、1つ年上だ。

双子ではなく、年子。四月生まれと三月生まれ。僕も四月だから、遥香とはほとんど同い年。

なのに学年の違いから、妙に先輩風を吹かしてくる遥香。

そんな妹に対し、常に年上らしく落ち着いて、二人の間を取り持つ春美姉。

多分異性の中では最も仲の良い遥香と、お嬢様チックな和風美人の春美姉。

二人はそれこそ乳児期以来の本当に幼馴染と言える存在で、幼小中高と、12年間に渡って同じ学校ということになる。

もっとも、今回の受験に際しては、自分一人置いていかれたくないという、子供心の顕在だったけれど。

とはいえ一高は、この周辺の高校の中では間違いなくトップクラス、県内でも上位に入る進学校。

並以下の学力でしか無かった僕が志すには余りに不釣合いな目標だったのを、春美姉は懇切丁寧に家庭教師をしてくれた。

春美姉は昔から頭脳明晰で面倒見も良く、出来の悪い生徒にも本当に分かりやすく指導してくれた。

受験勉強のプランから、傾向と対策まで、それこそ予備校さながらの徹底振り。

僕が一高に合格したのは、間違いなく春美姉の手柄だろう。

その上、僕の勉強を見るのに加え、元々の成績は僕とどっこいどっこいだった遥香を、しっかりと成績上位組にまで押し上げている。

それでいて、自分は最上位の成績を常にキープしているのだから、脱帽するほか無い。

もし僕ら二人がいなくて、自分の勉強だけに集中していたら、さぞかし凄いことになっていたに違いない。

更にそれを一切驕ることのない人間性の素晴らしさといったら、もう貴女は女神様でしょうか。





まあ、それはさておき。

現在ここは僕の部屋、遥香が大量に持ち込んできた菓子を囲みながら、浮かれ気分で談笑していた。

うら若き乙女(+1)が男の部屋に堂々といるのはアレだけど、そんなものは今更だ。

両親は何故か『合格祝い』と称し、西崎夫妻を伴い僕を置いて飲みに行ってしまった。

果たして信頼を寄せられているのか、そこまでの甲斐性は無いと判断されているのかは定かではない。でも、多分後者。

実際、春美姉にしろ遥香にしろ、家庭教師として何度と無く上がりこんでいたのだから、問題は無いということだろう。

まあ、期待通りというかなんというか。

男女が同じ部屋にいると言っても、することは普段とあまり変わることも無く。

遥香が持ち込んできた格闘ゲームを皆でまわしたり。

落ち物パズルで、春美姉が奇蹟の19連鎖をかましてきたり。

高校での勉強内容などをレクチャーされて、遥香と二人、生ける屍となって床に転がってみたり―――。



そんな中で、いつしか僕は眠気を催していた。

緊張の糸が切れ、安心感から、疲れが一挙に襲い掛かってきたのかも知れない。

それにしても、これは、眠過ぎる―――。

まるで、睡眠薬でも飲んだかのように―――。



「……修、眠いんだったら、寝てなよ。別に片付けは、あたし達でやっとくからさ」

「そうよ、修ちゃん。疲れてるんだろうから、休んでもいいのよ?」

「わ、かった……ちょっと、もう、だめだぁ………」



世界がぐるぐると回った。

半ば気絶するように、僕の意識は急速に途絶えていった。









「ねえ春美、ほんとにやっちゃうの……? あたし、修とはちゃんと付き合って、こういう形に持って行きたかった……」

「駄目よ、遥香。……そろそろ私も、限界みたいなの。精を吸わないと、私も身体がもたない……。

 遥香だって、まごついてるうちに修ちゃんを取られたら、いやじゃないの?」

「だからって、こんな形で……!」

「遥香。……逆らうの?」

「………っ!? ち、違うよ、逆らう気なんて全然無いっ! だから、『おしおき』はやめて―――」

「冗談よ。今日は三人の記念すべき日になるんだから。さ、遥香、始めましょう……」

「や、春美ぃ………」









不意に聞こえてきた微かな声で、僕の意識は眠りの淵から引き上げられた。



「んん……。なんだ、まだ二人とも帰ってなかったのか……?」



暗い部屋の中で頭を振って、壁に掛かる時計を見やる。

午後11時、隣の家とはいえ、そろそろ帰ってもらわないと、色々と困る時間帯。

先程の声は、隣の部屋から漏れてきたようだった。

声を抑えて話しているらしく、内容は分からないが、二人ともその部屋にいる。

声を掛けようとし、横開きの戸に手をかけたところで、僕は硬直した。二人の会話の内容が、耳に届いたからだ。





「ん………っ、や、やめてぇ、声が、出ちゃう……修が、起きちゃうからぁ」

「大丈夫、そう簡単には目覚めないよ。遥香があまり大きな声さえ出さなければ、ね」



誘われるように、僕は僅かに戸を開け、部屋の中を覗き込んだ。

それは、俄かには信じがたい光景だった。

四畳半の部屋の中で、遥香と春美姉が、妖しい行為に耽っていたのだ。

足を投げ出して座っている遥香の背に、春美姉が後ろから抱き着いて、細い首筋に口付けている。

薄い唇が首筋をなぞり上げるたび、遥香は甘い声をあげた。

声が出ないよう、必死で遥香は口を結んでいるが、その抵抗も、春美姉が唇から僅かにのぞかせた舌が這うたび、綻びが生じる。

舌先を尖らせて、鎖骨の窪みから頚動脈、顎の下まで、ちろちろと震わせてくすぐりながら、その舌は遥香の肉体を味わっている。



「可愛い子ね、遥香……。ブラの中で、こんなに乳首、硬くしてしまって……。そんなに私に弄って欲しいの?」

「やめて、やめてぇ……。我慢、できなくなる………ひゃぁんっ!」

「ふふ、コリコリしてる。まだちゃんと触ってあげても無いのにね。エッチな妹、本当に」



春美姉の右手が、遥香のセーターの裾口から這入り込む。

服の内側で、春美姉の手がセーターを押し上げながら動いているのが見える。

セーターの中で手が遥香の柔肌を撫で上げると、遥香は喉を突き出して、一際大きな嬌声を発した。

今まで15年間の付き合いの中で一度も耳にしたことのない、幼馴染の快楽に染まった声。

その声さえも、春美姉は巧みに絡め取る。

遥香のお腹に回していた手、その指を素早く開いた遥香の口に滑り込ませる。

口中に侵入してきた指を、遥香は夢中でしゃぶる。

半開きの唇の中で、白魚のような指と震える舌が絡み合う。



「遥香、どんな気持ち? 隣の部屋では、まだ修ちゃんが寝息を立ててるんだよ?

 あの子は寝起きはいい方だから、少し大きな声を出したら、すぐに起き出しちゃうかも知れないよ。

 もしかしたら、もうそろそろ起きだしてしまっているのかも……。そうしたら、遥香の恥ずかしい姿、見られちゃうよ?」



春美姉の視線が、ついっとこちらに向けられる。

その視線に、何もかもを見透かされているような感じがして、思わず一歩退く。

しかし幼馴染の姉妹の媚態が、誘蛾灯の如く僕を惹きつけ逃がさない。

妹の羞恥を煽る春美姉の声、そして遥香のくぐもった声と唾液の攪拌される音だけが、居間の中に響く。

涙すら浮かべて女の快楽に耽る遥香と、巧みに妹を快楽の淵へと追い込んでいく春美姉。

二人の秘め事を、僕は息を荒くしながら、引き戸の隙間から覗き見し続けていた。



「やめてぇ……。恥ずかしいよう、春美ぃ……、ふあぁっ!?」

「違うでしょう、遥香。エッチの時は、『お姉ちゃん』もしくは『お姉さま』。

 こういう時ぐらい、昔みたいに呼びなさい。いつも私の後にくっついて歩いていた、昔の遥香のように……」

「ご、ごめんなさいぃぃっ! 乳首、乳首つねらないでぇ、お姉ちゃぁんっ!」



遥香の喉から再び嬌声が発せられた。

見れば、セーターの頂を覆った手が、間断なく動いていた。

時に優しく、時に激しく、春美姉は遥香の胸を執拗にこね回す。

もはや遥香は、声を抑えることがほとんど出来なくなってしまっていた。

甘く男の官能を揺さぶる女の声が、僕の股間を刺激し続ける。

沸き起こる性衝動に、僕はズボンを下げて、自分のモノを取り出し、扱き始めていた。

食い入るような僕の視線の先で、二人の宴は最高潮を迎えようとしていた。





「ほら遥香、わかる? 貴女の下着、完全にアソコに張り付いちゃってる。いつもより、ずっとぴったり……。

 ねえ、どうしてこんなになってしまったのか、私に教えてもらえるかしら?」

「そ、れはぁ……お姉ちゃんが、ずっと私を苛めるから……。う、嘘です!あたしがエッチな女の子だからですっ!」

「ふふ、そうね。遥香は本当にいけない子。……でも、それはいつものことでしょう?

 遥香ってば、いつもはこんなに感じることはないよね? 私の愛撫だって、普段とあまり変わらないよ?

 じゃあ何で、今日に限ってこんなに濡らしているの? はっきり答えないと、おしおきしちゃうよ?」



その問いに、遥香は傍目にも動揺していた。

顔を真っ赤に染めて俯き、下唇をかみ締めて羞恥に耐えている。

それでも、春美姉からの催促と手淫により、叫ぶように言葉を吐き出した。



「こ、ここが修の家だからっ! 修が、隣で寝てるから、すっごく興奮してるの……っ!

 こんな格好見られたら、軽蔑されるかも……っ! そんなの怖い、でも、でも気持ちいいのぉ!

 修にちゃんとあたしを見てもらいたい、普段の姿も、エッチな姿も、全部……っ!

 友達じゃない、幼馴染じゃない、一人の女の子って! 修のことばかり考えて、気持ちよくなっちゃってるのぉ!」



それは僕にとって、完全な不意打ちとなる言葉だった。

生まれてこの方、遥香を性の対象として考えたことは無かった。

女性らしい女性と言える春美姉とは違い、元々あっけらかんとした性格の遥香だ。

中学高校と学年が上がっても、そこまで大きく体つきも変わったわけでもない。

その上昔からの付き合いからしても、遥香はどうしても、『女』である以前に『友達』だった。

性の対象としても憧れの対象としても、先ず第一に浮かぶのは春美姉だった。

しかし。

今こうして、二人の饗宴を見、今の遥香の想いを聞いて。

―――僕の中で、遥香への愛しさが急速にこみ上げてきたのもまた、1つの事実。

妹の告白を聞き、春美姉は優しげな笑みを浮かべた。



「そう……。遥香は、修ちゃんのことを考えて、こんなに感じちゃったの。ふふ、ちょっと修ちゃんに嫉妬してしまいそう。

 いいわ、ちゃんと言えたご褒美をあげるね。―――私の手で、天国まで連れて行ってあげる」



左手が、とうとう遥香の下腹部に向けられた。

胸からお腹までを撫で回しながら、ゆっくりと手を降ろしていく春美姉。

緩やかな責めに遥香は感じ入っているようで、断続的に甘い声を発しながら震える。

細い指が、遥香のへそのラインを優しくくすぐると、そのこそばゆさに、いやいやをするように遥香は首を振った。

顔を赤く染めて快感に堪える妹の表情を見、春美姉は微笑んだ。

慈愛と母性に満ちた、穏やかな笑み。自らの技で身悶える妹の姿は、彼女の琴線に触れるものであるようだ。

また春美姉が、遥香の耳元で何かを囁いた。春美姉は舌を少し出し、何かを催促している。

春美姉の腕の中で、遥香は僅かに体勢を変えた。完全に背中を預けていた状態から、少し半身になった体勢へと―――。

自分の方を向いた遥香の唇に、春美姉は自らの唇を重ねた。

もごもごと舌を差し入れながら、妹の口内を深く味わう。

恍惚として、されるがままに快楽に身を任せてしまっている遥香。

決して性急にならない姉の指責めに堪え切れず、更なる快楽を望み、蜜の垂れる腿に、遥香は指を這わせた。否、這わせようとした。

しかしその手も春美姉の手に優しく阻まれ、抵抗の力を失ってしまう。





「やだよぉ……焦らすの、いやだよぉ……」

「そうね、ごめんね遥香。遥香が可愛過ぎて、ついいじわるしたくなっちゃったの。

 今から、遥香のココ、たっぷり弄ってあげるから。存分にイッちゃいなさい」



そう耳元で囁いて、春美姉は遥香のジーンズの中に手を伸ばした。

ジーンズの股の部分は、遠目にも分かるほどにシミが浮かんでいた。



「もう大洪水。ほら、指で掻き混ぜてあげる……」

「ん、んん……」



くちゅ、くちゅくちゅくちゅ………



「今度は、指を二本、三本って増やして、入り口を拡げてみたり……」

「お姉ちゃん、す、スースーするぅ……」

「ちっちゃなお豆を、ぎゅうっ! て押し潰してみたり……」

「や、アァンっ!」



ぷちゅぅっ!



「あらら、軽くイッちゃった? 指にすっごく熱いお汁がかかってきたよ?

 結構強く弄ってみたはずなのに……遥香、痛いのも好きなの?」



そう言いながら春美姉は、二度、三度と指先で遥香のクリトリスを弄る。

春美姉の指が下着の中で踊る度、遥香はあられもない声を発して喘ぐ。

春美姉は多彩な責めを繰り出しながら、耳元で囁き続けて、一層羞恥を煽る。

あくまでその指はジーンズの内側に消えているので、細かい動きはさっぱり見えない。

けれどその声と遥香の淫らに乱れる姿に、春美姉の指技を夢想し、例えようもない興奮が沸き起こる。

春美姉の声は囁き程度でしかないのに、妹の声にかき消されることもなく、不思議と僕の耳へと届く。





宴の終わりへと向けて、春美姉はその責めをとうとう加速した。

セーターが捲り上げられ、遥香の小ぶりな胸が露わになる。

その膨らみの頂を、春美姉はぴぃんと爪で弾いた。その衝撃に、遥香はまた身体を震わせる。

尖りきった乳首に春美姉は指を添えると、二本の指で乳首を挟み込んだ。

そうして、くすりと笑った。



「ひいんっ! あ、あ、あ、ああぁぁ!」



視線の先で、春美姉の指がブレた。

ピアノの連弾のように、そそり立つ突起を捕らえた指が、微細な振動を高速で送り込む。

硬いしこりを激しくいたぶられ、遥香の声が可聴域を超えた。

淫らな連弾は、両の乳首を絶え間なく襲った。

そしてそれは、下着の中に滑り込んだ左手でも―――。

乳首とクリトリス、女性の二大性感帯が壮絶な愛撫に曝され、遥香はとうとう絶頂へと駆け上がる。

絶頂直前の妹の耳元で、春美姉はトドメの一言を放った。



「ねえ、遥香……気付いてた? 修ちゃん、さっきからずっとそこの戸の向こうにいるよ―――?

 遥香のエッチな姿、全部修ちゃんに見られちゃったね。

 修ちゃん、遥香の姿に興奮して、オナニーまでしてるんだよ……?」



その言葉に、背筋が凍りついた。やはり、全て見透かされていた―――。

得体の知れない恐怖が身体の芯を貫いた。しかし、もう僕も止められない。

遥香のよがり顔を凝視しながら、激しく自分のモノを扱き上げる。

最後の時が訪れた。



「しゅ、修ぅ……。見て、見てぇ、もっとあたしを、あたしだけをぉ………。

 あぁんっ! イく、あたし、イッちゃううぅぅ!! あ、あ、あああぁぁぁァァァァ――――――ッ!」

「………………っ!!」



どく、どくどくどく…………



遥香の絶叫と共に、僕も絶頂を迎えた。

強く握り締めた肉棒から、白い欲望の証があふれ出す。

いつに無く多い精液が吐き出され、ぼたぼたと床へと垂れていく。

罪悪感と倒錯に後押しされた、最高の快楽を伴った射精。

その余韻に浸りながら、ぼんやりと二人の方を見遣る。

視線の先で、遥香も完全に身体の力が抜けて、春美姉の腕の中で荒く息を吐いている。

ジーンズの青い生地が、股間の部分だけが濡れて、紺色となっている。

それだけの潮を噴くだけの、至高の快楽の果ての絶頂であったということだろう。







妹の身体を抱えながら、春美姉は僕の方を微笑みを浮かべながら見つめている。

それは、普段の春美姉からは想像もつかないほどに淫靡な笑み。

その視線が僕を禁断の快楽の世界へと誘う。



「修ちゃん。いつまでもそんなところにいないで、こっちにおいで?

 ――――遥香も、貴方をずっと待ってたんだから」



惹きつけられるように、下半身を露出したまま、僕は部屋へと入り、二人の傍へとふらふらと近づいていった。

何かに操られるように、逃げようとか疚しいとかいう思いはどこかに掻き消されてしまっていた。

二人に近づくにつれ、何か甘い香水のような香りが漂い、一度萎えたはずのペニスが徐々に屹立する。



「ふふ。修ちゃん、おちんちん、ぴくぴく震えちゃってるね。

 興奮してるの? そんなに私達のエッチ、いやらしかった?

 ……聞くまでもないよね。硬くなったおちんちん握り締めてオナニーして、射精までしちゃってるんだもの」



普段の清楚な春美姉からは想像もつかない言葉。

声を出すことも出来ず、その好色さを帯びた視線に晒され、顔が熱くなる。



「見て、遥香。修ちゃんのおちんちん、私達のエッチを見てて、あんなに大きくなっちゃったんだよ……。

 ほら、目を逸らさないで。おちんちん、白い液で汚れちゃってる。遥香のせいで汚れたんだから……綺麗にしてあげなくちゃ、ね?」

「き、綺麗、に……?」

「そう。遥香の舌で、白いの全部、舐め取ってあげるの。

 男の子はそうされると、とっても喜ぶのよ? ―――修ちゃんだって、期待してるんだから。さあ、服を脱いで―――」

「修に……ふぇらちお………」



命じられるがままに、遥香は胡乱な目をしたまま春美姉の腕から抜け出し、のろのろと服を脱ぎだした。

初めて男の前で露わになる幼馴染の未成熟な肢体を引きずって、遥香は僕の目の前で膝立ちになった。

誘惑に負け、遥香の目の前に肉棒を突きつける。

既に表面の精液は乾き始めていたが、期待感から流れ出す先走りがその上を流れた。

薄い唇を割って突き出された震える舌先が、僕の亀頭に軽く触れる。

その感触に、僕の腰が震えた。

そのまま遥香は、ゆっくりとペニスに舌を這わせていく。

亀頭から傘の裏を中心に、ざらつく舌が妖しく動く。

こびりついた精液の残滓を、猫のように舐め取っていく遥香。

拙い舌遣いながら、その幼馴染の少女が自分のモノを舐めているという視覚的な興奮が快感を後押しする。

あまりの快感に、僕は思わず目をつぶって震えてしまう。



「駄目よ、ちゃんと目を開けて……。女の子が目の前に跪いて、好きな男の子に奉仕してるんだから。

 遥香、あまり上手くないけど、その分頑張ってるんだから、ちゃんと見てあげなくちゃ……」



耳元で甘い声。いつの間にか、春美姉は服を脱ぎ捨てて僕の背中に取り付いていた。

僕より頭1つ背の低い春美姉の身体が、柔らかく僕を抱きしめた。

背中に大きな胸が押し付けられ、すべすべの掌が僕の脇腹を撫でる。

責めるでもなく、くすぐるでもなく、ただただ触れられているだけの掌。

それなのに、春美姉に触れられているだけで、例えようもない心地よさが身体の心から巻き起こる。



「ほら、真っ赤になった修ちゃんの亀さん、遥香にぺろぺろされて、震えてる……。

 先端のワレメも、傘の部分も、舌先を尖らせて、よだれをいっぱいまぶして、れろれろ〜って………。

 見て、遥香の顔。もう精液はほとんど綺麗に舐め取っちゃったのに、まだうっとりしながら舐め続けてる……。

 あは、もうおちんちん、遥香のよだれでべたべただね。洗ってもニオイが落ちないかも」



「あ、ああ……。遥香ぁ、は、春美姉ぇ……」







「遥香、今度は下の袋も舐めてあげて……。

 玉を1つずつ口に含んで、ツバを溜めてじゅぷじゅぷしゃぶってあげるの……。分かった?」

「うん、お姉ちゃん……」



春美姉の淫らな指示に遥香は何の抵抗も無く従った。

更に僕の股間に顔を近づけると、ペニスの下、垂れ下がった玉袋に躊躇無く吸い付く。

ブドウの実を食べるように頬張ると、姉の指示通り、口一杯に唾液を溜め、その中で睾丸を泳がせる。

熱い唾液の海の中に浸かった玉を舌でいたぶられ、腰が砕けそうになる。



ぴちゃ……。ちゅぷちゅぷ、じゅるるっ……



膝の力が抜け、崩れ落ちてしまいそうな僕の身体を、春美姉の両腕が支える。

体中を弛緩させて、春美姉の肉体に全てを預けてしまいたくなるような恍惚感。

僕に対して奉仕を続ける遥香の口元から、溢れこぼれた唾液と先走りの混合液が流れ落ちる。

口の端を伝い、顎から細い首筋へ、そして胸元へと、水の跡を残していく。

下腹部の奥深くで、射精欲が燃え盛る。

もう、出してしまいたい――――。



「そろそろ我慢できない? ならもう、いつでも出していいよ、修ちゃん。

 元気なおちんちん、これから遥香のお口でちゅーちゅー吸われて、もぐもぐ食べられちゃうんだから。

 遥香はエッチな子だから、嫌な顔なんてしないで、君の精液、ごっくんしてくれますよ……。

 ね、遥香。修ちゃん、もう射精したいって。遥香のおクチ、とっても気持ちいいって言ってるよ?」



耳元に囁かれる春美姉の声。

春美姉が責めに回っていないなんてことは全く無かった。

春美姉はその優しい声と肉体の密着だけで、僕と遥香の官能をひたすらに昂ぶらせているのだ―――。



「修、気持ちいいの……? あたしなんかで、気持ちよくなってくれてるんだ……? 嬉しいよ、修、修………!」



遥香の唇が僕のペニスをくわえ込んだ。唾液の滴る口中で生暖かい遥香の呼気が先端を包む。

敏感な先端だけを遥香は口に含み、そのまま勢いよく吸引した。

熱い舌をぐりぐりと押し付け、拙くはあるが、情熱的にペニスを貪る。

一心不乱に奉仕を続けるその姿に、僕の限界が徐々に近づいてくる。

不意に、首筋にぞわりと何かが這った。見れば、春美姉がつま先立ちになって、僕の首筋に吸い付き、舌を這わせていた。

遥香を骨抜きにした春美姉の魔性のテクが、ここに来て猛威を振るった。

細い指先が、僕の身体を這い始める。乳首にへそ、脇腹に、あの微細な高速振動が襲い掛かった。

連弾が襲う部分から沸きあがる凄まじいくすぐったさと、爆発的に高まる性感。

目の前で星が弾け、今度こそ完全に全身の力が抜けた。

崩れ落ちる僕の決して軽くは無い身体を、春美姉の細腕は巧みに捕らえ、支えた。

射精への階段を駆け上る僕と情熱的に口唇奉仕を行う遥香を、春美姉は優しげに見つめた。



「二人とも、可愛い……。遥香、まだ処女なのに、そんなにエッチにしゃぶっちゃうなんて……。

 修ちゃんも、よだれ垂らして、がくがく震えて我慢してる……。私、やっぱり二人のこと、大好きだよ……?」



もう、限界だった。

姉妹の肉体に前後から責められて、僕は今日二度目の精液を放っていた。



びゅくっ! びゅくびゅくびゅくっ……!



「は、あ、ああああぁぁぁっ! は、遥香ぁ……!」

「ん、んん……!? んんんんんんっ!」



突然口中に溢れかえった精液に、遥香の動きが一度止まった。

しかし次の瞬間には、熱い粘液を噴き出す尿道口を、強く強く吸い上げた。

決して美味であるはずが無い精液を、遥香は必死で飲み干していった。

顔をしかめ、涙すら浮かべながら、それでも決して、僕のペニスを吐き出そうとはしない。

けれどそれにも限界はやってきた。

自分でも信じられないくらいに大量に噴き出した精液に、遥香の口がとうとう離れる。

白濁が、遥香の顔に飛び散った。

興奮に赤く染まった可愛らしい顔に、僕の精液が降りかかる。

目を閉じて放心したまま、遥香は粘液のシャワーを甘んじて浴び続ける。

ようやく射精が収まった時、精液は遥香の顔はおろか、胸元にまで飛び散っていた。

精液にまみれ、放心状態で呼吸を荒くする幼馴染の姿は、例えようも無く淫靡だった。







「あ、あああ………」



不意に、春美姉が僕から離れた。

大量射精による凄まじい脱力感で、自分の身体さえ支えられず、ぺたりと尻餅をついてしまう。



「遥香、汚れちゃったね……。ふふ、お姉ちゃんが綺麗にしてあげる……」

「やぁ、取らないで……あたしのために、修が出してくれたんだもん……」



春美姉はそっと遥香に近寄ると、端整な顔を妹の汚れた顔に寄せ、ぺろぺろと舌を這わせてこびりついた白濁を舐め取り始めた。

顔中を這う舌の感触に、くすぐったそうに身をよじりながら、どこか遥香は幼い口調になって、駄々をこねるように首を振る。

そんな妹の様子を、嫣然と笑みを浮かべて春美姉は遥香の顔を舐め清めていく。

何度も何度も胸元の精液を指先で掬い、その度にその指を口に含んでいく。

その喉が動く様子は無く、春美姉は口中に精液を含んだままであるらしい。

悪戯っぽい瞳が僕の方を一瞬向いた。

春美姉は目だけで笑うと、放心状態から未だ回復していない遥香の唇に自身の唇を押し付けた。



「ん、ん――――」



深く結合する二人の口。

遥香は操られるように口を開き、姉が送り込んできた精液と唾液の混じった液体を口中に迎え入れた。

遥香の頬が内側から僅かに膨らむ。春美姉はそのブレンドに更に妹の唾液を混じり合わせ、攪拌しているのだ。

顎を持ち上げられ、次々送り込まれ、口中に溢れ返る液を、こくこくと遥香は飲み干していく。

ちゅぷちゅぷと飲みきれなかった泡だった唾液が口の端から流れるが、すぐにそれを春美姉は舐めとり、貪欲にキスを続ける。

二人の唇が僅かに離れた。その間には鈍くぬめ光る唾液の橋が掛かり、二人をつないでいた。

直接に口付けをしないまま、春美姉は遥香の唇を舌先でなぞる。そうして、遥香の舌を外へと誘う。

蜜にひきつけられる蝶々のように、期待に震えながら遥香は姉に自らの舌を差し出した。

舌一枚分の空間で、二人の舌がねっとりと絡み合う。

春美姉は相当に激しく舌を躍らせているのに、全く隙間が出来ることがない。

よだれに光り、うねりながら、とろとろになって絡み続ける二人の舌。

濃密な舌の戯れに、遥香の表情が甘く蕩けていく。



ぴちゅぴちゅ、ちゅる、じゅるる………



女同士の快楽を求めて、更に突き出された妹の舌を、春美姉は強く啜り上げた。びくん、と大きく震える遥香の肢体。

無防備に曝け出されたその舌を、春美姉が逃がすはずが無かった。

一瞬のうちに自らの口中に迎え入れると、今度は舌の根元までに、魔性の舌技を仕掛けていく。

唾液を啜られ、姉の舌に舌全体を舐め扱かれ、うつろな目から涙をこぼしながら、遥香は姉の身体にしがみついた。

じっくりと、ねっとりと遥香を追い詰めていく春美姉。姉妹の淫ら極まりないキスシーンに、僕の身体は欲望に忠実に反応を起こした。

僕も遥香も、春美姉がくれる途方も無い快楽の檻に囚われ、もはや後戻りなんて出来なくなっていた。







時間の感覚も、既に定かではなくなっていた。

外の明かりもどこか遠く、時々ある車両の走行音もまるで聞こえてこない。

今この部屋で存在を許されたのは、ただただ快楽を追求する行為のみ。



永いキスが終焉を迎えた。。

キスの余韻に恍惚と浸る遥香をよそに、春美姉はゆっくりと立ち上がった。

どこか透明な笑みを浮かべながら、春美姉は僕の目の前に立つ。

薄明かりに浮かび上がるその裸身の美しさは、天使か女神か―――はたまた悪魔か。

優しげな微笑のまま、春美姉は言う。



「ねえ修ちゃん、私、貴方に隠していたことがあるの。

 今からそれを見せてあげる。――――見損なわないでくれると、私、嬉しいな」



そう言うと、春美姉は目を閉じ、何か集中し始めた。

途端、信じられないことが起こった。

春美姉の裸身が、淡く光を放ち始める。それと共に、甘く痺れを伴うような香りが強く漂った。

光の中のその姿が、徐々に揺らぐ。次の瞬間、ばしゅっ! と春美姉の背中と腰から、黒いものが飛び出した。

それは、黒い蝙蝠の翼と尻尾。黒翼を広げ、日本人としての黒い瞳までもが真紅色に輝く。

そこにいたのは、人間などではなかった。

―――悪魔。御伽噺や伝説の中の住人が、まさしく僕の目の前に降臨していた。







「あ、悪魔………!?」

「―――そうだね。正しくは、淫魔、サキュバスって言うんだけど。

 ……人間にエッチなことをして、相手の精を奪って生きる。そんな化け物には違いないよ」



その声音は、あくまでも普段の優しい春美姉の声。

けれど人外の存在が目の前にいると言うのに、僕の心に不安感はほとんど無かった。

甘やかな芳香が、ぼくから恐怖を奪い、淫魔に目を釘付けにしてしまう。



「突然だったよ。一週間前の夜、サキュバスに襲われて……。

 私、レイプされちゃったんだ。それで、処女まで奪われて、淫魔にまでさせられて―――。

 それから一週間、ずっと遥香のこと可愛がってあげてたの。元々この子もそういう気はあったみたいだし、可愛い妹だもの。

 それでも―――遥香の初めての相手は、私じゃない。出来れば修ちゃん、貴方であってほしいと私は思う」



一度そこで言葉を切る。

尻餅をついた姿勢のまま動けない僕を見下ろし、春美姉はなおも続ける。



「でもね、私もまだ、男の子の経験は無いんだ。全部、『人伝』の知識だけ……。

 初めてもそのレイプだったから。ほら、この尻尾を膣内に挿されて、子宮の奥まで犯されちゃったんだ……。

 だから、私の初体験も、修ちゃんであってほしい。私の苦い記憶を、貴方の精で洗い流してほしいの」



「でも修ちゃん、貴方もまだ、女の子の中は知らないよね? ……だから初めての相手ぐらい、選ばせてあげる。

 どっちもイヤなら、それはそれで仕方が無いけど……ここまで来たら、もう我慢なんて出来ないよね。

 だから、選んで。私か、遥香か―――」



春美姉は遥香の背後に回り込むと、幼児を抱きかかえるように、膝の上に座らせた。

春美姉がその足を開くと、それに従い遥香の足も左右に広がる。

視線の先では、姉妹のアソコが縦に並んでひくひくと息づいていた。



「言っておくけど、遥香のアソコも、相当の名器だよ。指を入れるだけで、中がきゅうって絡み付いてきて、ひくひく震えて引き込むの。

 締め付けも抜群の、男の子を悦ばせる為のエッチなお○○こ……。私がどうこう言うよりも、試してみれば分かるよ―――?」



そう言いながら、春美姉は指先で遥香の秘部をやわやわと撫でた。

人差し指の先だけを曲げて、第一関節までが遥香の体内へと消える。

そのまま指を動かすと、くちゅくちゅという淫靡な水音が響いた。

ひとしきり堪能した後、妹の愛液が付着した指先を、口に含み舐め取るサキュバス。

生唾を飲み込む僕に、また淫魔は誘惑の笑みを浮かべた。



「でも、それもあくまで人間の話。サキュバスのココには敵わない―――。

 私の膣内は凄いよ? 中におちんちんが入っちゃったら、絶対に逃げ出せない。

 全体をぎゅむぎゅむ締め付けて、ポンプみたいに扱き上げて、先端のところの肉だけをぐるぐる〜ってうねらせて……。

 射精したくても、すぐにはさせてあげない。サキュバスは愛液まで操れるから、割れ目からとろとろ〜って流し込んで、蓋しちゃう。

 熱い愛液で、オシッコの穴まで犯しちゃうの。私の体液は全部媚薬になるから、おちんちん、ホントに溶けるみたいに気持ちよくしてあげる。

 大丈夫、おかしくなっちゃう寸前になったら、私の奥で出させてあげる。

 子宮口が先っぽに吸い付いて、精液、全部お腹の奥に飲み込んじゃう。それが、サキュバスの食事……。

 でもね、一度淫魔の肉体を味わっちゃったら、もう人間の女の子では射精できない。貴方は永遠に、私から離れられなくなる―――」



春美姉は指を秘部の両側に寄せ、膣口でむにゅうと押し開いた。

中では柔らかそうな肉がひくひくと蠢き、うにゅうにゅとうねっている。

開いた膣口から、とろとろと愛液が滴り落ちた。太ももを伝い、床へと流れていく。

淫靡過ぎる眺めに、無意識にまた僕は唾を飲み込んでいた。



「遥香を選んだら、二人は人間として結ばれる。私も、ちょっかいは出すけど、遥香から貴方を奪うようなこともしない。

 膣だって、自由に動かせるってことは、人間レベルの名器にまで落とすことが出来るってことだしね……。

 私を選ぶのなら、最高の快楽の中で貴方を愛してあげる。貴方の全てが、私のモノになるの。

 その代わり、永遠の快楽が貴方のモノになる。しがらみも苦しみも何もいらない、快楽だけの桃源郷を見せてあげる……」



「修……。犯して、あたしを、修のモノにしてぇ……」



挑発的な春美姉の真紅の瞳と、怯えと期待の入り混じった遥香の瞳が僕を見据えた。

誘われるままに、僕はふらりと立ち上がる。そして、初体験の相手に選んだ女性の名を呼ぶ――――。









・「春美姉……」

・「遥香……」




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