淫魔転生・後編<春美編>




「は、春美姉……」



淫魔の肉の誘惑に、肉欲が理性を完全に上回った。

春美姉の腕の中で、優しく弄ばれたい―――。

サキュバスの絶技で、身も心も犯しつくしてほしい―――。



「そう。修ちゃんは、私に初めてを奪われたいんだ。人間相手じゃなくて、エッチな悪魔で、童貞捨てたいんだ……。

 ……後悔はさせないよ? もう人間の女の子と子供作れなくなっちゃうけど、そんなの気にならないくらい、いっぱい愛してあげるんだから」



優しい笑みを浮かべ、春美姉は遥香の身体の下から這い出した。



「ひどいよ、お姉ちゃん……っ。修はあたしの、あたしのなんだからぁっ……!」

「諦めなさい、遥香。貴女は選ばれなかったんだから……。

 男の子は快楽に正直だもの。男の子を気持ち良くすることに特化した淫魔のカラダを、味わってみたくないはずがないの……」

「でもっ! お姉ちゃん、あたしに修をくれるって……。初めては譲ってくれるって、言ってたのにぃ……!」

「そうね。だから先に、修ちゃんのおちんちんをしゃぶらせてあげたでしょう? 遥香、とっても美味しそうだったじゃない。

 遥香のおクチに修ちゃんのおちんちんが食べられてるの見て、私も興奮しちゃった……」



そう言う春美姉の表情は、どこかうっとりとしている。

完全に勃起し、先走りを流す僕のペニスを一度見遣り、妹に対し容赦の無い言葉を投げつける。



「遥香、貴女はこのまま、私と修ちゃんのセックスを見ていなさい?

 大好きな男の子の快楽に狂う顔、たっぷりと見せてあげるから……」

「……っ! 修、修ぅ………」



酷薄に告げられた姉のその言葉に、遥香は泣き出してしまった。えぐえぐと涙を溢れ返らせ、嗚咽をこぼす。

幼馴染のその姿に、胸の奥に僅かな痛みが走る。僕の最後の良心がかすかな悲鳴を上げていた。

―――本当に、淫魔に犯されてもいいのか?

―――自分を慕う少女を、見捨ててしまってもいいのか?

僕の脳裏に去来した一片の逡巡。

その最後の理性も、音も無く近づいて来た春美姉の抱擁によって、瞬時に霧散した。





「あ、あ……」

「ふふ、捕まえた……。駄目だよ、エッチの前に他の女の子のことを考えるなんて」



前面から抱きついた春美姉の下腹部に、僕のペニスが柔らかく押し付けられた。

高めの体温と極上の肌触りがペニスを圧し包み、二人のお腹の間で先走りを吐き出した。

胸には額が、鳩尾にはその豊かな胸がそれぞれ押し付けられ、黒髪から漂う甘い匂いが理性を絡め取り、溶かしていく。

服越しに触られているのに、腰の奥がたまらなく疼く。

甘えかかってくる年上の幼馴染の肉体は、単なる密着だけで僕に揺りかごのような安心感を与えてきた。

無意識のうちに、僕は春美姉の背に腕を回し、強く抱きしめてしまっていた。

更に二人の間で圧迫されるペニスと、一層強くなる春美姉の匂い。

息を荒くしてその匂いを吸い込むと、その度に視界にモヤがかかっていき、何も考えられなくなっていく。

左胸に耳を押し当て、春美姉は僕の鼓動を聴いている。

甘過ぎる恍惚感の中で、腰の奥で何かが弾けた。



びくん、ごぽ、ごぽぽ………



「春美……姉ちゃん……」



春美姉の腕の中で、僕は緩やかに絶頂を迎えていた。

愛撫らしい愛撫など一切無く、恋人同士が交わすような優しい抱擁の中で。

全身を包み込んできて、吸い込むほどに陶酔をもたらす甘い匂いに浸って。

僕は春美姉の首筋に顔をうずめ、胸いっぱいに匂いを吸い込んだ。

甘く甘く淫魔の肉体の秘める魔力に犯される僕。

溢れ出すというより、漏れ出すというような射精。

べったりとなめらかな春美姉のお腹を汚していく精液。

射精の脈動の度に、何かが僕の内から抜け出ていき、身体が脱力していく。

僕はもう、何も考えたくなくなっていた。

このまま春美姉に全てを委ねてしまいたい。そんな想いが心を占める。

もはや、周りのことなど何も目に入らない。

泣き腫らした目で、二人の抱擁を見つめている少女の存在など、どこにも―――。





「あは、イッちゃった。さっき、あんなに出させてあげたのにね……」



僕の腕の中で、くすくすと笑みをこぼす春美姉。

あまりにも早く呆気ない絶頂を嘲るようでありながら、やはりその表情は限りなく穏やか。

春美姉は心地良さそうに目を閉じて、僕の胸に甘えかかる。



「それにしても、『春美姉ちゃん』かぁ……。中学になってからかな、修ちゃんが私のこと、そう呼んでくれなくなったのは。

 懐かしいね、その響き。二人とも、今よりずっと可愛らしかったな……。当然、今の二人も大好きだよ?」



不意に、春美姉の背中から生えた漆黒の翼が、ゆっくりと僕の身体を包み込んだ。

翼の内側には繊毛のような柔突起がたっぷりと敷き詰められていて、それが小さくひくひく蠢き、僕の全身をくすぐった。

翼の中で、上半身の衣類が分解されて、直接に翼は微熱を伴った快感を送り込んでくる。

全身を覆い込む淫魔の翼、その中で包み蕩かされるような快感。

母親の胎内に還ったかのような温もりの中で、僕は幼馴染の淫魔に魂まで愛されていた。





「ほら、修ちゃん。―――キス、してくれる?」



下から覗き込んでくる春美姉の真紅の瞳。紅く瑞々しいその唇に、僕の視線が吸い付けられる。

先程までの姉妹の戯れが思い出された。

舌技だけで涙を流すほどの快楽を遥香に与えた春美姉の舌。

中空で踊り、獲物を捕らえて妖しく絡み付く、まさしく魔性の舌―――。

そんな誘惑に、もはや僕が逆らえるはずが無かった。

期待感に震えながら、僕は自身の初めてのキスを、目の前で目を瞑って微笑む淫魔に捧げていた。



「ん…………」



唇が触れ合うだけの軽いキス。

一度唇が離れると、ぴりぴりとした感触が唇に残っていた。

春美姉は僕に再度微笑みを向けると、今度は春美姉の方からキスをしてきた。

再び繋がれる二人の唇。閉じられた僕の唇を、春美姉の舌がちろちろとくすぐる。

その舌は抵抗も無く唇を割って滑り込み、僕の口中を貪ってくる。



ちゅっ……ちゅうぅ、ちゅるる………



ぬるぬるとした軟体が、甘い唾液を伴い僕の舌に絡みついた。

先の再現をするように、口の中で舌が蠢き、僕の舌が溶けてしまいそうになる。

次々と送られる淫魔の体液を、僕は躊躇無く啜り上げ、飲み込んでいってしまう。

舌が舐め回される度に、唾液が送り込まれる度に、春美姉の匂いが一層強くなってくる。

体内に吸収された淫毒が、血管内を巡り、全身を隅々まで犯していく。

今や僕は、全身を淫魔の肉体に囚われ、体内からも同時に犯されていた。

ギンギンに勃起したペニスがとめどなく先走りを吐き出す。

ペニスは押し潰されて苦しげに震えながら、またしても精液を漏らしてしまいそうになる。

情けない射精を先延ばしにしようと、春美姉の抱擁の中で僕は僅かに身を捩る。

しかし、淫魔の肉体は完全に僕を捕らえ、吸い付くように密着し、僅かな隙間の存在も許さない。

じわじわ、じわじわと射精欲が高まり続け、キスだけで僕はイかされようとしていた。

視界が白く色を失い、腰の奥でもやもやが溢れ返り―――。



ぎちゅっ!



「ひ、んっ!?」

「駄目だよ………。男の子の精液は、女の子のお腹の奥に出すためのものなんだから………」





突然に、ペニスの根元に衝撃が走った。

涙を浮かべて、二人の間、股間の部分に目をやる。

そこにあったのは、黒い紐状の物体が、輸精管を遮断し、きつく締め上げている光景。

細く細く形状を変えた春美姉の尻尾が、根元に絡み付いて、射精の脈動を阻害した―――。

むずがゆさと言いようの無い苦痛を感じながら、それでも絶頂はやってくる。

僕を抱きしめる春美姉の腕に力がこもり、翼も全身をぎゅっと締め上げ、蠕動する。

全身が更に深く淫魔の肉体と密着して、全身から射精しているような感覚の中で、僕は身を震わせた。



「姉ちゃん……姉ちゃん………っ! 出させて、射精させてぇ………」



しかし、本当の絶頂はやってこない。

射精を封じられたペニスがびくびくと震え、先走りだけを垂れ流す。

下腹部が燃え上がる。肉欲の高まりが、理性もプライドも粉々に粉砕する。

涙を流しながら、僕は春美姉に射精を懇願していた。

快楽と苦痛の狭間で悶える僕の表情を、春美姉はじっと見つめている。

真紅の視線に魂の奥底まで見透かされているようで、その視線から目を背けることが出来ない。

何度も身を震わせ、淫魔に全身を犯され―――。

僕の精神は、とっくに春美姉の肉の檻の中に閉じ込められてしまっていた。



穏やかな絶頂が終わりを迎えた。

全身を包み込んでいた蝙蝠の翼が開いていき、やっと身体が解放された。

僕の汗と柔突起からの分泌液とで濡れた身体が空気に晒され、背筋がぞくりと震える。

媚薬そのものである淫魔の匂いと体液に犯された肉体は、空気の流れさえも敏感に快感として感じてしまっている。

もはや自分の身体すら支えられず、へなへなと僕は膝をついた。

目の前には春美姉の豊かな胸と白い下腹部。

先程放った精液は、既に皮膚から吸収されてしまったようで、元のなめらかなお腹だけがそこにあった。



春美姉は僕の頭に腕を回すと、僕の顔をその胸の谷間に埋めた。

顔中を覆う柔らかな弾力と、僅かに汗で濡れた肌から漂う甘い匂いが、僕を虜にしていく。

とくん、とくんという春美姉の鼓動が脳内に染み渡る。

無意識のうちに、僕は淫魔の肉体に舌を這わせていた。

谷間の汗を舐め取り、柔らかな乳肉に強く吸い付き―――。

舌が這った跡に唾液の筋を残しながら、這わせた舌に吸い付いてくる甘美な肌にうっとりとしてしまう。

聖母のような慈愛の笑みを浮かべ、春美姉は僕の頭を優しく撫でてくれている。

不思議な安堵感に包まれながら、夢中になって僕は春美姉の胸を味わう。



「ふふ。お姉ちゃんのおっぱい、そんなに美味しい? 修ちゃん、子犬みたいだね………。

 ねえ、知ってる? もっと美味しいごはんが、もう少し下の方にあるんだよ………?」



そう言うと、春美姉は一歩後ろに下がった。

身体の支えが急に無くなり、思わず身体が前へと倒れ、四つん這いの体勢になってしまう。

次の瞬間、目の前に春美姉のアソコがあった。柔らかな陰毛が僅かに陰唇を覆うだけの、楚々とした春美姉の女性器―――。

肉の誘惑に、僕は容易く屈服する。しっとりと濡れた割れ目に、僕は震える舌を挿し入れた。

強烈な甘みを伴い、愛液がとろとろと溢れ出す。舌を伝い、僕の口中へと流れ込む。

蜂蜜のような粘度でありながら、意志を持った流水のように食道を滑り落ち、胃の底へと溜まっていく愛液。

その瞬間、全身が燃え上がった。一瞬で思考回路をショートさせられ、性欲が爆発する。

一心不乱に、僕は猛毒の蜜を啜り上げた。口周りをべたべたに汚しながら、魔性の媚薬を嚥下していく。



びゅうっ! びゅるっ! びゅるるっ!



「ん―――! んん―――――っ!」



射精と見紛うほどの勢いで、ペニスから先走りが噴き出した。

透明な雫をぼたぼたと垂らしながら、びくんびくんと暴れ馬のように跳ね回る。

その根元には、未だにぎっちりと尻尾が巻き付いていて、完全に射精を封じている。

それなのに、射精に匹敵するだけの絶頂感が全身を貫いている。

秘部を啜れば啜るだけ、愛液は割れ目から絶え間無く湧き出してくる。

愛液を飲み込めば飲み込むだけ、擬似的な射精感を無理矢理味わわされる。

視界で星が弾けた。拷問じみた快楽に、脳が沸騰しそうになる。





「美味しいでしょう? 私の膣内も、もっと味わってもいいんだよ……?

 おちんちんを食べちゃう前に、修ちゃんのベロ、私の中で溶かしてあげるから………」



にゅるり、と。

僕の舌が、吸い込まれるように春美姉のアソコに沈み込んでいく。否、実際に吸い込まれている……!

灼熱の快楽が、膣内に飲み込まれた僕の舌を出迎えた。

膣内をびっしり埋めたヒダが舌全体をぎゅっと圧し包み、蠕動し、奥へ奥へと引きずり込む。

舌頭に触れる柔らかい肉が妖しくうねり、回転するようにしながら、先端部を蕩かす。

麻薬のような中毒性の甘さの愛液が、舌の粘膜を覆い、味蕾を侵食していく。

熱く滾る膣内、その内部は、まさに魔の肉洞だった。

僕は四つん這いで限界まで舌を突き出した無様な体勢のまま、顔を更に淫魔の秘部にうずめてしまう。

稲妻のような絶頂が何度も全身を打ち抜く。

既に舌の感覚は消え失せ、ただただ蜜の甘味と途方も無い絶頂感しか感じられない。

射精の感覚を無理矢理に舌で疑似体験させられて、快楽の涙が頬を伝う。

口中に溢れ返る蜜のため、声を出すことさえままならない。

そしてこの段階に及んでも、未だ尻尾の拘束は解けない。

先走りだけを延々と垂れ流して、ペニスはとうに破裂しそうになっている。

射精したい、射精したい、射精したい―――。

僕の表情には、そんな切実な想いがきっと見え透いているだろう。



「これ以上虐めちゃったら、修ちゃんおかしくなっちゃうかな。……じゃあ、そろそろ射精させてあげようか?」



僕の頭を両手で押さえ、春美姉は腰を引いた。

ぬるりと淫裂から舌が抜け出て、性器のように敏感にさせられた舌の粘膜にぴりぴりと痺れが残る。

春美姉はそのまま座り込み、綺麗な肉付きの両足を広げ、改めて陰部を晒した。

僕の目の前で、ひくひくと蠢き、蜜を垂らす淫魔の蜜壺。

先の誘惑の言葉には嘘も虚言も全く無い。

ペニスとは太さも長さも段違いの舌ですら、凄まじいとしか言いようの無い肉の責めを受けたのだ。

その孔の中にペニスを挿入すれば、一瞬たりとも我慢など出来るはずが無い。

尻尾の締め付けが緩む。操られるように、僕は春美姉に圧し掛かった。

僕の身体の下、春美姉は僕の耳に顔を近づけると、最後の一言を囁いた。



「おいで、修ちゃん。―――私の膣内で、搾ってあげる」





その甘い誘惑に、今さら抵抗なんて出来るはずが無かった。

春美姉に圧し掛かったまま、亀頭を割れ目に押し付ける。

にちゅりと粘着質の水音が響き、その感触だけで、またしても先走りが噴き出した。

僅かに亀頭が膣の中に埋まり―――その瞬間、ペニスが熱い肉の中に一気に呑み込まれた。



「ひ」



にゅる、にゅるにゅる、ちゅくちゅくちゅくちゅくちゅく………



言葉も無かった。

春美姉は、優しげに微笑んだまま、何も動いていない。

しかしその灼熱の搾精器官は、一瞬でペニスの根元までを体内に迎え入れると、

――――瞬時、僕を天国へと誘った。



どくんっ! どく、どくどくっ!



瞬殺。まさに、その言葉が相応しい。

快楽を理解するより先に、激しい射精が始まった。

溶鉱炉のような熱を持った膣内が、ペニスを一気に焼き尽くした。

ペニスが強烈に締め付けられ、ヒダが蠕動し、全体を無数の舌で舐め尽される。

亀頭を覆った肉が渦を巻き、尿道口・カリ・傘裏と、男の急所を高速で舐め溶かす。

ペニスから一切の感覚が消失していた。喘ぎ声さえ出せないまま、精液が淫魔の膣へと迸る。

僕の背には春美姉の腕が回され、きゅっと抱きしめられる。

おっぱいが僕の胸板で柔らかくひしゃげ、細胞自体が融けてしまうような心地良さが脳天を突き抜ける。

もはや、『キモチイイ』という感覚さえもが不明瞭。

春美姉に完全に体重を預け、ほとんど肉体の反応だけで、僕は精液を垂れ流す―――。





「……、………ぁっ!」



脈動が収まらない。

既に三度射精に至っていることなど忘れたように、ペニスからは白濁が流れ出る。

思い返せば、一度目の射精にしたって、普段の自慰での射精よりも遥かに多くの精液を流していた。

淫魔の魔力によって、肉体の限界を無理矢理に超越させられているのだと本能的に察する。

人間の精を喰らう悪魔、サキュバス。

ならばこのまま射精が続けば―――その先にあるのは、死?

だからと言って、もはやこの快楽の檻から自分から逃げ出すことは出来ない。

否、自分は期待していたのではないのか。淫魔の肉体に、精を吸い尽くされることを―――。



びゅくん、びゅくん、びゅくん………



「ん……。修ちゃんの精、美味しい……。これで修ちゃんも、遥香と同じ、私から離れられなくなっちゃったね」



そんな春美姉の言葉も、どこか遠く聞こえる。

逃げるだなんてあり得ない、いつまでもこの天国の搾精を味わっていたい―――。



「ふふ、じゃあ、動いてあげる―――」



にちゃ、ぐちゅぐちゅ……



僕の身体の下で、春美姉が下半身を揺らした。

すると、搾精の運動が、より過酷さを増す。円を描く腰の動きに、膣内のペニスが弄ばれる。

ぎゅむぎゅむと緩急を付けて膣肉の締め付けが変化し、ペニスを包み込んだヒダが根元から先端までを舐め溶かす。

春美姉に、熱く柔らかい肉を跳ねる腰で強制的に掻き混ぜさせられて、よりねっとりと先端に肉とヒダが絡みつく。

射精の脈動が更に勢いを増した。間欠泉のように、何度も大きく振るえ、熱い精液が尿道を焼きながら春美姉の胎内へと消えていく。

ぎっちりと膣の最奥まで咥えこまれたペニスの先端に、何か硬いものが当たった。



「ん……。修ちゃんのおちんちんが、お腹の奥に当たってる……。

 ねえ、もっと出していいよ? 私の子宮に、修ちゃんの白いおしっこ、もっといっぱいかけて……?」



耳元で囁かれる甘い誘惑。

僕の耳をしゃぶりながら、春美姉は息を耳の中に吹き入れてきた。

脳髄を直接揺らす魔力を秘めた吐息に全身が総毛立ち、頭の中に霞がかかる。

全身の力が抜けて、春美姉の身体に全てを委ねる僕。

人一人の重みなどまるで感じていない様子で、春美姉は下から腰を動かし、僕を搾り続ける。

搾られるがままに、僕は精液を吐き出す。射精の量とタイミングさえも、春美姉によって完全に調節されている……!

快感で、もはや何も考えられなくなっていく。

全身が痙攣し、呼吸さえもままならなくなって、意識が朦朧としていく―――。





「はい、じゃあ一度休憩」



不意に、ペニスを弄っていた膣内の蠢動が治まった。

最後に数度震えて精液を吐き出し、ようやく射精も止まった。



「はぁ、は、は――――」



互いの性器は繋がったまま、多少なりともまともな思考を取り戻し息を荒くする僕の口に、そっと春美姉は口付ける。

快楽を与えるためのキスでなく、恋人同士の愛を確かめ合うような軽いキス。

触れ合う唇から、ぞくぞくと背筋を這い上がるような気持ちよさが伝わる。

口付けをしつつ、優しく僕の頭を抱いて、幼児をあやすように数度撫でる春美姉。

そうしているうちに、眠気を誘うような安心感が僕の全身を包んでいた。



「可愛いね、修ちゃん……。ふふ、ちょっと変わった形で犯してあげるね……?」

「姉ちゃん、姉ちゃん………」



春美姉の綺麗な両足が、僕の腰へと回された。腰をロックされ、腰を後ろには引けなくなり、ペニスがさらに深く膣に埋まる。

すると、亀頭が少し強く締め付けられた。その刺激に、尿道に残った僅かな精液までも搾り取られる。

熱い愛液が、亀頭を優しく覆う。と、開いた尿道に、その愛液が逆流を始めた。



「あ……。あったかい………。きもちいいぃ………」



とろとろと、尿道を逆流してくる愛液。

出すべき穴から異物を入れられる感触は到底良いものではないはずなのに、とろけるような内部の感覚がたまらなくキモチイイ。

下から上へと、徐々に徐々に愛液は上ってくる。尿道がじんわりと熱を帯び、むずがゆい感覚に腰が震える。

先の搾精とは打って変わって、とてつもなく穏やかで優しい快感が脳を蕩かす。

尿道を満たした愛液は、そのまま睾丸の方へと流れていく。

内容物を出し尽くした陰嚢に、再び疼くような熱がこもっていく。

亀頭の先に、こつんと硬い物が当たった。春美姉の子宮、その入り口―――。



ちゅく、ちゅく、ちゅるるる………



唇のように尿道口に吸い付いた子宮口が吸引を開始した。

尿道内の愛液が、春美姉の胎内へと戻っていく。

尿道を熱い愛液が流れていく、その奇妙な快感が、再び僕の射精本能を揺さぶった。

作られたばかりの精液が、どろどろと輸精管を這い上がった。

僅かなペニスの脈動とともに、精液が愛液と交じり合い、春美姉の子宮へと流れていく。

あくまで穏やかに、あくまでゆっくりと、春美姉は僕の精液を吸い上げる。



「いいよぉ……ねえちゃん………」

「どう、溶けちゃいそうでしょう………? ほら、とろとろ〜っ………」

「ああ……また、はいってくるぅ………」



全てを放出した尿道に、再び愛液が流れ込む。

そしてまた尿道を満たすと、子宮口が吸い付き、ペニスをちゅるちゅると吸い上げる―――。



「はい、ちゅう〜っ………」

「でる……でてるぅ………」

「ふふふ、とっても気持ちいいよね……? もう一度、とろとろ〜っ……ちゅう〜っ……」

「あ……ああ……。きもちいいよぉ……。ちんちん、とけちゃうぅ………」



もはや僕の脳は幼児レベルにまで退行してしまっていた。

注入と吸引のサイクルが、僕の精神を溶かしていく。

一度に流し込まれる愛液の量も徐々に増え、吐き出される精液の量も、徐々に増していく。

淫魔の魔力が、僕の身体を内部から犯す。僕の身体が、淫魔に都合のいいように変えられていく―――。



とろとろ、とろとろ……

ちゅるちゅるちゅる……



春美姉の首筋に顔を埋め、安心感に包まれながら、眠りに落ちるように、僕は意識を手放した。









「修……っ! 修ぅ………っ!」



この部屋にいるもう一人の人間―――西崎遥香は、姉と想い人のセックスを、ずっと見せ付けられていた。

抱き合う二人、舌の絡み合うキスシーン、姉の愛液を啜る姿、そして―――姉の膣内で、何度も絶頂する少年の顔。

もはや涙も涸れ果てて、少女は哀れを誘う姿で嗚咽をこぼし続ける。

そんな妹の視線の先で、くったりと意識を失った少年のペニスを、春美は膣内から抜き出した。

大量に注ぎ込まれたはずの精液は一滴たりとも流れ出すことは無く、全てがこの淫魔の糧となってしまったのだ。

愛しげに少年の頬にもう一度口付けると、春美はもぞもぞと少年の下から這い出した。



「ご馳走様。……遥香、修ちゃん、とっても美味しかったよ?

 もし遥香のお腹の奥で射精してもらえてたら、きっと可愛い子供が出来たんだろうけど……。

 でも、もう駄目。修ちゃんはもう、私のもの。―――サキュバス相手じゃないと、射精できなくしちゃったから」



笑顔でそう言ってくる姉の言葉に、遥香の中で悲しみが渦巻いた。

けれど、それは言葉にはならない。少女もまた、目の前の淫魔に完全に篭絡され、逆らうことは許されていないのだから。

唯一、視線のみで非難の意を示しながら、遥香は姉の美しすぎる肢体を見上げた。

同性から見ても、淫魔の肉体は果てしない劣情を催す魔性の魅力を持っている。

男性である修にすれば、自分ではなく姉を選んだのも仕方ないのかもしれないと、理性は告げる。

しかし、感情はそんなことでは決して納得しない。

遥香の心の奥底に眠る強い独占欲が、遥香にその決断を促した。



「お姉ちゃん……あたし、お願いがあるの」

「何? もしかして、遥香もサキュバスになりたいの?」



妹の心情を完璧に見透かして、春美は告げた。

言葉を先読みされた驚きも、もはや遥香はあまり感じていない。

全ては、姉の掌の上―――。ようやく実感を伴って、少女はその事実を悟る。

しかしそれでも、もう構わなかった。

人間のままでは、永遠に少年と愛し合うことが出来ないのなら。

淫魔になれば、少年の精をこの身に受けることが出来るのなら―――。



姉の言葉に、遥香はしっかりとうなずいた。

ある意味で悲壮な決意を固めた妹を、春美は優しく押し倒す。

無抵抗のままに、遥香は姉の真紅の双眸を見上げる。

その美貌に、遥香は魂までも絡め取られるような錯覚を抱く。

両の手の指が絡み合い、二人の肉体が密着し、遥香の小振りな胸が春美の豊かな胸に押し潰される。

甘美な感触に、身体の奥がびりびりと響いた。

一週間の間、ずっと嗅がされてきた淫魔の甘い体臭を胸いっぱいに吸い込み、遥香の秘部がひくりと震えた。



「じゃあ、遥香。遥香の処女は修ちゃんに譲るけど―――代わりに、後ろの処女、私が貰っちゃうよ?」

「え―――? ……やぁんっ!?」

「大丈夫よ、遥香……。

 絶対に痛くはしない、最高の快感の中で、貴女を生まれ変わらせてあげるからね……?」





淫魔の尾てい骨から伸びたうねりくねる尻尾が、遥香の性器の下、肛門をつついていた。

ぴゅっ、ぴゅっと先端から淫液を噴き出しながら、その照準を窄まりに合わせる春美。

ぬるぬると淫液が塗りつけられ、周辺部位の痛覚が麻痺し、快感だけを増幅して感じさせる効能を発揮する。

疼きとも痒みとも取れない熱が、遥香のアナル周辺から沸き起こる。

そして―――とうとう、その膨らんだ先端が、遥香のアナルに沈み込んだ。



にゅちゅ、ぬぷぷ………



ほとんど抵抗も無く、滑り込むように腸内に侵入していく尻尾。

腹の中の得体の知れない異物感に、遥香の顔が僅かに歪む。

それを和らげようと、春美は妹の身体に淫魔の愛撫を開始した。

唇を合わせ、ねっとりと舌を絡ませ―――。

お互いの乳首を擦り合わせ、押し潰し―――。

秘部に指をやり、指の腹でクリトリスをこね回し―――。

姉が責めの手をあちこちに伸ばす度、遥香の表情が蕩け、恍惚に浸っていく。

括約筋の締め付けも緩み、更に容易く尻尾が腸内を動けるようになる。

頃合いを見計らって、春美は妹の腸内を犯し始めた。

尻尾が腸壁を擦り上げる。抉るように奥深くに挿入されて、遥香の腰がびくりと跳ねる。

ぐりぐりと尻尾が捻られ、人間の男性器では不可能な動きに、腸壁が爛れそうな快感が遥香を襲った。

不意に、自分が淫魔に犯されたときのことを思い出して、春美は僅かに目を細めた。

無理矢理に人間としての生を奪われ、はしたなくも連続で絶頂して『堕ちて』しまった過去の自分。

淫魔となった今でも、妹に対する愛情は変化していない。ただその表現方法が、一般的な人間のそれとはまるで異なるだけである。

偽りの無い愛と淫魔としての技量の全てを以って、春美は妹の肢体を愛撫する。

妹の快楽に悶える顔はとても彼女を悦ばせ、自分の中の苦い記憶を、姉妹二人の愛の記憶としてすり替えていく。



そうして、とうとう遥香の肛門がひくひくと痙攣を始める。

絶頂のサインを敏感に読み取り、淫魔はその責めを加速した。

かつて自分が淫魔にされたように、妹の手を取り、自らの胸へと導く。

遥香は無意識のうちにその膨らみを掴むと、ふにょふにょと弄び、その心地よい弾力に酔っていく。

春美は顔中に舌を這わせ、妹の顔に唾液を塗りつける。

そのまま舌を妹の首筋に向かわせ、首筋から頚動脈、鎖骨のラインまでをちろちろと舐め回した。

まるで嫌がる素振りを見せず、くすぐったそうに身を捩る遥香。

完全に淫魔の肉の快楽に溺れ、依存し切った人間の末路がそこにあった。





括約筋の締め付けがその強さを増した。

きゅっ、きゅっと、女性器が男のモノを搾るように、尻尾を奥へ奥へと吸い込み、引きずり込もうとする遥香のアナル。

ただの人間であるはずなのに、もしかしたら、下級淫魔のそれに匹敵するかも知れないだけの妹の淫肉。

それは、まさに名器としか言いようのない淫らさだった。

自分が淫魔でなく、先に手を付けておかなかったら、幼馴染の少年も、この肉の誘惑には逆らえなかったかも知れない。

この娘が淫魔となることで、更に水準が底上げされれば、どれだけ魔性の搾精器官として生まれ変わるのか―――。

レミエと名乗ったあのサキュバスが自分を襲ったときの真情を、春美はここにきて理解した。

実の妹に対する新たなる興味。自分と同じ存在、仲間としての実力―――。

そのことに心惹かれ、理性で押さえ込んできた淫魔としての春美の劣情がとうとう爆発した。

腰椎を熱く焦がし、尻尾の中を熱い淫液が駆け上ってくる。

尻尾の根元から、徐々に先端の方へと向かい、括約筋を押し拡げ、先端の亀裂にまで淫液は至る。

そして―――灼熱のシャワーが、遥香の直腸内にぶちまけられた。



ぶしゅうううううっ! どぷ、どぷどぷぅっ! びゅるるる――――――っ!



「あああああぁぁぁァァァァァ―――――――ッ!!」



腸内に溢れかえった灼熱に、遥香は絶叫とともに達した。

性器からは大量の潮を噴き出し、姉の尻尾と二人の結合部を熱く濡らす。

姉の乳房をきつく握り締め、姉の首筋に顔を埋めて、淫魔の匂いを淫気と共に吸い込んでいく。

尻尾を咥え込んだアナルは、断続的に尻尾を締め付け、更なる淫液の放出を促している。

遥香の直腸内で次々と淫魔の体液が吸収され、それと共に、遥香の淫魔化が始まった。

見開いた双眸が真紅に輝き始め、肌の質感までもが今までとは違う輝きを帯び始める。

薄かった体臭も、身体の奥底から発散されつつある自身の淫気と混じり、男を惑わす魔性の媚香となって強さを増していく。

絶叫を封じ込めようと、春美は妹の唇を再度奪った。そしてまた、舌での交尾を行う。

誘いに応え、遥香も拙いながら積極的に舌を絡める。がっぽりと咥え込んだ互いの唇の間で、熱烈な唾液の交換が行われる。

その唾液にも、淫魔としての魔力がこもり、互いの情欲をヒートアップさせていく。



「遥香、遥香っ! 気持ちいい、気持ちいいのっ!?」

「いいよ、いいよぉ、もっともっと熱いの出してぇ、春美おねえちゃぁんっ!」



アナルの締め付けが一際強さを増し、姉の尻尾から淫液を搾り取っていく。

それに応えるように、春美もより大量の淫液を尻尾から吐き出し続ける。

互いの肉体を強く抱きしめ合って、淫魔2匹は快楽に狂う。



「あ、あ、あ、あ―――――ッ!!」



ぷしゅううっ! ちょろ、ちょろちょろ………



最後に一際の絶叫を上げて、とうとう遥香は気絶した。

白濁した愛液とこぼれだした淫液、琥珀色の尿に股間を濡らしながら――――。









「まさか、ね……。私、遥香にイかされちゃったんだな……」



腕の中で眠る妹の頭を軽く撫でながら、春美はぼんやりと感慨に耽っていた。

それは、この少女が淫魔となってからの初めての絶頂。

男性器の形状を模した尻尾は、一級品の性具であると同時に、淫魔の肉体の中でも一際敏感な器官でもある。

しかしそれでも、淫魔が淫魔である以上、快楽への耐性はかなり高いものだ。

春美が絶頂へと至ったのは、肉体的な刺激よりも、精神的な充足によるところが大きかった。

そうとは言っても、やはり遥香の肉体が与えてきた快感も、相当なものだった。

二重の意味で、遥香は最上級のサキュバスを絶頂へと導いてしまったのだと言えるだろう。



「こんなに可愛い顔してるのにね……本当にエッチな子。ねえ、遥香?」



慈愛に満ちた言葉を春美は妹に語りかけ続ける。

新しく淫魔へと生まれ変わった遥香は、格で言えば上級淫魔かそれより僅かに劣る程度。

それもそのはず、春美が心底愛し、大量の魔力を注ぎ込んで淫魔化したのだから、格がひどく劣るはずは無い。

遥香の身体からは、今はもうそれほど淫気は発散されていない。

その淫気は体内でより熟成され、一層男を惹きつける魔性の魅力を新米の淫魔へと与えてくれるのだ。

穏やかに微笑みながら、腕の中で身を捩る遥香の頬を、春美は優しくつついた。



「……遥香、遥香。起きなさい、遥香ったら」

「ん、ん―――。おはよう、春美ぃ……」



寝ぼけ眼をこすりながら、遥香はむっくりと起き上がった。

その瞳はまた黒い色を取り戻し、別段普段と変わった様子は無い。

遥香は身体をさすってみたり背中に触れてみたりと、人間との相違点を探すが、結局何も見つけられなかったようだ。



「んー、これであたし、もうサキュバスになったの?

 なんか全然実感が湧かないし、身体も特におかしいところ無いんだけど……」

「心配しないの。まだ実感は無くても、貴女はもう完全な淫魔。

 ちゃんと淫気だって出てるし、前よりずっと魅力的になってるんだから」

「そうかな。そう言えば、肌とか指先とかがすべすべのもちもちになったような……。あ、ココとか、どうだろ? 」



そう言って、遥香は自らの秘所に指を這わせた。

爪の先だけを僅かに挿入し、ちゅくちゅくと掻き混ぜる。するとその指先が、自身の肉にきゅうっと締め付けられた。

そのまま動かすと、指先に柔らかくヒダが絡みつき、奥へ奥へと導くように蠕動する。

姉のそれよりも粘度が低く、さらさらと流れる愛液が、指に纏わりつき、ぽたぽたと垂れる。

ひとしきり弄った後、遥香は指を引き抜いた。

自らの指に与えられた熱烈な歓迎に、どこか陶然としながら、生まれ変わった少女は呟く。



「うわ……凄い、こんなに柔らかくて、絡みつくようになるんだ……。

 こんなトコにおちんちんが入っちゃったら、きっと我慢なんて出来ないんだろうね。修、喜んでくれるかな?」

「大丈夫よ。男の子はね、気持ちいいのを我慢なんてできないの。

 しかも、自分が好きな相手が搾ってくれるなんてことになったら、それこそ本当に、絶対に我慢なんて出来ない―――。

 喜んで、私達のために射精してくれる。そう保障するよ?」



自分で言うのもなんだけどね、と春美は笑って付け加えた。

その一方で、『好きな相手』というくだりに、遥香はまた赤面していた。

淫魔となっても、この少女の根っこのところの純情さは変わっていないらしい。

ぶんぶんと頭を振り、顔の熱をどこかへやろうと四苦八苦する妹を春美は眺める。

ようやく赤面治まったのか、不意に顔を上げて、遥香は姉に問いかけた。





「そういえば、あたし、羽とか尻尾も無いんだけど。その内生えてくるものなの?」

「大丈夫よ、ちょっと集中して、自分自身の淫魔としてのイメージを強く思い描けば、翼や尻尾も生えてくるから。

 でも、そうね。今ここで変身してしまうより、修ちゃんに直接、見せてあげなさい。その方が、きっと驚くよ?」



姉妹の視線がぐったりと眠っている少年へと向けられた。

既に限界以上に射精しているからか、ペニスは萎えてしまって、力無くうなだれている。

その横に春美は歩み寄ると、少年のペニスを口に含み、もごもごと口中で弄んだ。

熱い唾液をたっぷりと溜めて、その中で亀頭を泳がせ、ふやけるくらいに舐め回す。

亀頭やカリに舌が這うたび、眠ったままの少年の腰が振るえ、海綿体が再度膨張を始める。

その傍ら、春美は少年の丹田の部分に掌をかぶせると、きっと意識を集中した。

するとその掌に魔力が集まり、僅かな光を帯び始める。

そのまま掌で丹田を撫で回すと、その光が少年の体内へと吸い込まれるように消えていった。

それは、淫魔の魔力を人間の生命力に変換する上級魔法。春美がそれを難なく用いると、少年の身体に再度力がみなぎり始めた。

口を離すと、ペニスは完全にもとの姿を取り戻し、ぴくぴくと震えていた。

そうして春美は、妹とアイコンタクトを交わした。その目は語る。さあ、今からは貴女の出番だと――――。



「うー、何か複雑な気分。結局、全部春美がお膳立てしちゃっててさぁ……。

 修も修で、あんだけ出してたのに、すぐにまた元気にしちゃってるし……」



不意に、悪戯っぽい遥香の目に光が輝いた。

奥底で燃え上がる嗜虐性を秘めた目で、少女は幼馴染の勃起を見遣る。

そして口の端を吊り上げて、にやりと笑う―――。



「……どうしよう、何だか無性にイライラがこみ上げてきましたよ――――!?」









「…………きなさい」



誰かの声に名を呼ばれ、僕の意識が眠りの底から引き上げられる。

後頭部には柔らかい感触。まどろみから抜け出して、うめきながら目を開けようとして、



「起きなさい、修っ!」



股間に走った衝撃に、眠気が一瞬で吹き飛ばされた。

目を開けると、仁王立ちになった遥香が、仰向けに寝転がされている僕を見下ろし、その足で僕のペニスを踏みつけていたのだった。

遥香の柔らかい足裏が勃起したペニスをぎゅうぎゅうと押し潰し、その刺激に、ペニスは浅はかにもびくびくと振るえてしまっている。



「は、遥香!? お前、一体何を―――!?」

「う、うるさいよっ! 春美にばっかり、何度も何度も何度も何度も汚い精液出しちゃってさぁ!

しかも、何よ! 女の子に足蹴にされて、ちんちんでっかくしちゃうなんて! この……変態っ!」



激しく僕を罵りながら、遥香はその足でペニスを踏みつける。

ぐりぐりぐりぐりと、指先でカリを引っ掛け、土踏まずで裏筋を揉み解し、かかとで睾丸を刺激する。

覚醒直後の、あまりにもわけが分からない状況下で、それでもその刺激に、ペニスは完全に勃起してしまった。

けれど言葉は乱暴ながら、遥香の足技は決して痛みを伴わず、確実に僕の感じるところを責め弄る。

先端から湧き出した先走りを足の指先で掬い、ぬるぬると塗りつけながら、遥香は足での責めを続ける。



「どう、修ちゃん……? 遥香の足、とっても柔らかくて、すべすべでしょう?」



頭上から春美姉の声。僕に膝枕をしながら、春美姉は僕の顔を覗き込んでいた。

今まで意識していなかった後頭部の感触と、意識してしまった春美姉の蟲惑的な匂いに、僕の顔が熱くなる。

そんな僕の反応に遥香は気を悪くしたらしく、足に体重をぐっとかけてきた。

尿道が圧迫され、ぶちゅりと先走りが漏れ出す。遥香はそれをまた掬い、ペニス全体をぬるぬるにしていく。



「う、ああ………」



堪らず快楽の声を漏らす。

快感に歪む僕の顔を見下ろし、サディスティックな笑みを浮かべて、遥香は一層強くペニスを踏みつける。



「おしおきだよ、修……。ずっとあたしを無視して春美とサカってた、そのおしおきなんだよ………!

 だから、このまま、あたしの足でイかせてやるんだから!」



小刻みに足を震わせて、遥香は肉棒を刺激していく。

僕もまた、幼馴染の少女に急所を足蹴にされるという倒錯的な状況に、言い知れない興奮を覚えつつあった。

足裏全体をペニスに密着させると、遥香は根元から亀頭までを激しく往復させる。

先走りによって摩擦係数を減らされ、滑らかに往復する遥香の足。

次から次へと先走りがあふれ出し、その動きがより活発になっていく。

腰の奥で、何度目か分からない射精欲の高まりが沸き起こった。

睾丸が収縮し、射精へのカウントダウンが始まる。



「もう、限界なの……? 修ってば、早漏なんだ……。

 あんなに春美の中にどくどく漏らしてたの、春美のカラダが気持ち良過ぎるからってだけじゃなさそう……。

 ―――いいよ、出しちゃえば? 女の子に踏みつけられながら、白いの、ぶちまけちゃえっ!」



ぐりっと親指と人差し指の間で亀頭が挟みこまれた。

にちゅにちゅと泡を立てながら、小刻みに指先を震わせて、執拗に振動を送り込む。

じっくりと、ねっとりと僕を弄び、緩やかに絶頂へと追いやった春美姉の責めとは違い、

遥香の責めはもっと直接的で容赦が無く、一気に快感を高め、射精へと導くもの。

遥香の足に押し潰されながら、僕は呆気なく絶頂を迎えた。





どくん、どくん、びゅくびゅくびゅく……



狭められた尿道を、熱い精液が無理矢理に押し広げ、外へと漏れ出していく。

僕の腹に密着したままの射精だったため、精液は主に僕の下腹部を白く汚した。

遥香の足にも、精液はべったりとこびりつく。自分の下で顔を歪める僕の顔を、遥香は嘲笑を浮かべながら見やる。

足だけでイかされた屈辱感と幼馴染の少女が与えてくれた射精の快感に、僕は目を硬く瞑り、歯を食いしばる。





「あは……。ホントに男の子って、足でも気持ちよくなっちゃうんだ……。みっともないね、修?」

「こら、遥香。そんなに虐めちゃだめでしょう。 度が過ぎて露骨なツンデレは、逆に退かれるよ?」

「うっさい! ツンデレ言う、な………ごごごごめんなさい冗談です口が滑りました、

 だから謝る謝りますから翼を広げないでどうかそんな満面の笑顔を浮かべて小首を傾げないでーっ!」



僕の頭の上で、春美姉は蝙蝠の翼を大きく広げ、にっこりと微笑んでいる。

すると威勢の良かった遥香が、急に怯えだして謝り始めた。

僕にしてみれば、春美姉に『とても優しい美人のお姉さん』以外の感想はあまり持っていなかったのだが、

遥香の場合、妹を16年間やっているだけあって、僕の知らない春美姉の裏の部分も良く知っているのかも知れない。

そんな妹の姿に嘆息しつつ、春美姉は膝の上の僕の頭を撫で、髪を細い指で梳いてくれた。

そして、その微笑を僕に向ける。



「ねえ修ちゃん、面白いもの、見せてあげようか? ……遥香、さっき教えたとおりに、ね?」

「う、うん。……修、ちゃんと見てなさいよ?」



ぷいっと僕から顔を背けると、遥香は目を閉じ何やら集中を始めた。視線の先で、うなりながら身を屈める。

瞬間、遥香の背中から、何か真っ黒いものが飛び出した。

見覚えのあるそれは、間違いなく蝙蝠の翼と尻尾、春美姉のものと全く同じ―――。

遥香の日本人としては一般的な黒い瞳までもが紅く輝き、春美姉のそれとはどこか違う、情欲を掻き立てるような匂いが新たに漂った。

そこにいたのは、紛れも無い淫魔。

一瞬のうちに変貌を遂げた幼馴染の凄艶な姿に、思わず僕は息を呑んだ。



「遥香………! お、お前まで淫魔に―――?」

「そうよ、修。あんたさっきあたしを無視してくれたけど、これならもう、文句は無いでしょう?

 これでもう、春美のアソコの方がずっといいだなんて、簡単には言わせないんだから……!」

「ふふ、本当にそう。修ちゃん、さっきも教えてあげたけど、遥香のアソコも凄いのよ?

 人間だったときでも、本当に名器と言えるものだったのに、

 サキュバスになって、もっと男の子を気持ちよくしてあげられるようになったんだから。

 しかもね。遥香、修ちゃんを気持ち良くしてあげたい一心で、私に『サキュバスにしてくれ』って頼んできたんだから………」

「は、春美っ!? 余計なこと、言わないのっ!」



突然の姉の暴露話に、遥香は慌てて手を振った。

動揺が丸分かりで、本当に、感情が表に出やすいいつもの遥香と変わりは無い。

その遥香の姿と、一度自分を裏切ったはずの僕のために、自らが淫魔化したという、その経緯―――。

春美姉の与えてくれる快楽に完全に囚われていた心が、再び遥香の方へと傾いた。

目の前で顔を赤らめる幼馴染が、たまらなく愛おしくなり、勃起が再び力を取り戻していく。

その膨らんだ肉棒を、淫魔となった西崎姉妹の視線が捕らえる。

自分の欲望の深さが露呈しているようで、今さらながらの羞恥心がこみ上げてきた。

それでも、二人はその様を見て、くすりと笑った。



「エッチだねー。そんなにセックスばかりしてたら、廃人になっちゃうよ?

 あ、でももう、サキュバスとのセックス中毒なのか……救えないなあ、修」

「大丈夫よ。これからはいつでもいくらでも、私達に精液を吐き出してくれていいんだから……ね?」



にっこりと笑いかけてくる二人の表情に、股間がずきんと疼いた。

快楽の楔を打ち込まれた肉体は、淫魔二人がこれから与えてくれるだろう快感への期待に震える。







「じゃあさ、そろそろあたしのカラダも味わわせてあげる。

 でもね、言っとくけど、あたしは春美みたいに優しくないし、――――まだ、『おしおき』も継続中だよ?」



言って、遥香は僕の腰に馬乗りになってきた。

ギンギンに勃起したペニスをくちゅくちゅと膣の入り口が掠め、刺激にまた先走りが垂れる。

顔を歪めて、甘美なその感触を味わわされる僕に向けて、遥香はまたくすりと笑った。

その笑みは、明らかに以前の健康的な少女の笑みとは異質。

男の情欲を掻き立て本能を揺さぶるような、蟲惑的で妖気を纏った妖艶な笑み。

そして遥香は僅かに腰を浮かし、少しだけ身体を前にずらした。

すると、亀頭は遥香の性器でなく、その更に後ろ―――遥香のアナルに接してしまった。



「え、あ―――!? なあ遥香、まさか、まさか………!?」

「そうだよ、お・し・り。色情狂いの変態さんに、最初からアソコで搾ってあげるなんて、大盤振る舞いが過ぎるよね―――!

 あ、言っとくけど、別に汚くないからね? サキュバスになった時点で、そういうの、ちゃんとキレイになってるんだからね?」



そう言って、遥香はお尻の穴を僕に擦り付けた。ひくひくと震える遥香の肛門が、僕の亀頭をやわやわとくすぐる。

汚いはずの排泄器官、しかし僕の身体を前後から包み込む二人のサキュバスの魔香は、その嫌悪感さえ僕から奪い去る。

僕の頭を膝で持ち上げ、春美姉はペニスが肛門に呑み込まれんとする様を僕に見せ付けた。



「ねえ、嫌なら嫌って、はっきり言った方がいいよ? 遥香のお尻、さっき私も尻尾で味わってみたんだけど、

 ………淫魔になって、初めてかな。私、遥香相手にイっちゃったんだ」



その言葉に、僕はぴくりと反応した。

囁くように、春美姉は続ける。



「気持ちよかったなあ、遥香のお尻……。サキュバスって、肉体的には快感はそんなに感じないみたいなんだけど、

 ―――それでも、遥香は私を気持ちよくしてくれたんだ。淫魔でも何でもない、ただの人間がだよ?

 私の尻尾、きゅうきゅう締め付けられて、奥にまで貪欲に吸い込まれて中でもみくちゃにされて……。

 本当に、アソコ以上に気持ちいいかもしれないよ? 修ちゃん、絶対我慢なんて出来ないよ」

 

春美姉の一言一言が、染み渡るように頭の中に入ってくる。

心を惑わす魔声に、ぴくぴくとペニスがわななき、遥香の肛門を擦る。

吸い付くように亀頭先端に密着したアナルは、どちらかが相手を求めた時点ですぐにでも交合を開始する―――。



「遥香、まだサキュバスになったばかりだし、お尻のお肉ももっとずっと気持ちよくなってるはずだし……。

 入れられちゃったら、遥香、手加減できずに修ちゃんの精液全部搾っちゃうよ……?

 私が控えてるから死んじゃうことは無いけど、私もぎりぎりまで止めてあげるつもりはないし。

 女の子のお尻の中でずっとずっと喘がされて気絶しちゃうなんて、恥ずかしいでしょう?

 だから―――ね? 嫌ならちゃんと、言葉に出して。………それとも修ちゃん、遥香のお尻で犯されたいのかな?」



そう言って、僕の目を上から覗き込んでくる真紅の瞳。

母性と嗜虐とが入り混じったその視線は、容易く僕の願望を見抜いてしまっている。

無論、遥香がこれから先に与えてくれるだろう快楽への期待を、だ。

淫魔すら絶頂に導いた天性の搾精器官。

自らが淫魔となり、更に性能が向上したというその淫靡な肉穴。

そして何より、自分が愛し、また自分を愛してくれている幼馴染の少女からの搾精行為―――。

そんな状況下で、拒絶の選択肢などあり得ない。震える声で、僕は懇願の言葉を吐き出した。



「は、遥香……。お願い、気持ち良くして―――」

「ふふ、いいよ。あたしの中存分に味わわせて、びゅーびゅー射精させちゃうから。

 ……覚悟しなよ? あたし、結構嫉妬深いんだからさ。今度こそ、あんたの目をあたしだけに向けさせてやるんだからね?」





遥香は尻たぶに手をやると、ぐいっと左右に押し広げた。視線の先で、穴の中のピンクの内壁が見えるようになる。

その内壁に、亀頭の先端が僅かに呑み込まれる。互いの身体がぴくんと震えた。

遥香のアナルは、春美姉のアソコのように、一気にペニスを中へと引きずり込みはしなかった。

けれど亀頭だけをくにくにと柔らかく締め付けられ、その刺激に、尿道口から先走りがこぼれ出す。

ぬるぬると亀頭を覆う液体を潤滑油として、遥香は腰を揺らし、ほんの少しだけの挿入を繰り返す。

収縮を繰り返しながら、淫気に犯された僕を焦らし続ける遥香。

その表情には、自分の下で情けなく顔を歪める僕を嘲る色は微塵も無い。

可愛らしい顔に、小悪魔めいた悪戯っぽい笑みを浮かべ、遥香は僕の顔をじっと観察する。



「どう、修。あたしのカラダ、気持ち良さそうでしょ? じゃあそろそろ、挿入れてあげる―――」



にゅちゅ、ずにゅにゅにゅにゅ………



くすりと笑い、とうとう遥香は腰を沈めてきた。

狭い肉洞の抵抗を受けながらも、遥香の体内に埋まっていくペニス。

きついながら、温かくヌメる腸内に根元までが包み込まれ、遥香は僕の腰に腰掛ける形で静止した。

全体がみっちりと柔らかく締め付けられ、それだけで思わず射精してしまいそうになる。

淫魔の本気の搾精に、ただの人間の僕が一瞬でも耐えられる筈がない。明らかに、遥香は手加減している―――。

これから受ける搾精に対し、僕は僅かな恐怖とそれを大幅に上回る期待を表情に浮かべていたことだろう。

そして。

遥香がにやりと笑ったかと思うと―――次の瞬間、凄まじい搾精がペニスへと襲い掛かった。



ぎゅちゅ、にゅるるるるるるる……っ、じゅくくくっ!



括約筋が握りつぶさんばかりに根元を締め上げ、同時、ペニスを覆っていた腸壁の締め付けが強くなった。

ぬめる腸壁が蠕動する。ひくひくと収縮を繰り返しながら、ぺニスを奥へ奥へと引きずり込む―――!



「が、あああ―――――ッ!」



遥香の体内で、ペニスが爆発した。狭められた尿道を熱い欲望の塊が走り抜け、腸壁に叩きつける。

幼馴染のうねりながら絡みつく腸内の感触に、為す術もなく精液を搾り取られていく。

またしても、瞬殺。宣告通り、春美姉の膣内に匹敵するだけの快感が雷のように五体を貫いた。

きゅぽきゅぽと根元から吸引しながら、先端から精液を啜り上げていく貪欲な搾精。

乗られているだけ、呑み込まれているだけで、何もかもを焼き尽くす絶頂が連続して襲ってくる。

ペニス以外にも、淫魔二人に直接触れている箇所がじんじんと熱を持って疼き始める。

強く辺りに漂う二人の匂いに脳の奥まで犯されて、身体の奥底から無限の欲情が湧き上がる……!



「ああぁっ! は、遥香ぁぁぁッ!!」

「んん? 何々、『まだまだ足りない、もっと搾ってくれ』って? もー仕方ないなー、じゃ、動いてあげよっかな」

「ち、ちが、そんなこと……、ひぃあっ!?」



僕のお腹に手をついて、遥香は自身の身体を浮かせた。

ずるずると遥香の腸内から抜け出し、外気に触れる体液に塗れたペニス。

離れていく肉棒を内部に留めようと、また肉壁の吸引が強まり、精液が更に吸い上げられる。

ある程度腰を浮かすと、亀頭の部分で引っかかり、亀頭だけが腸内の責めを受ける。

そしてまた小悪魔の笑みを浮かべると―――遥香は一気に腰を落としてきた!



ずにゅるっ! ぐちゅ、にゅぷぷっ!



「あぎッ! ――――――ッ!!」



再度、射精中のペニスが温かな腸壁に呑み込まれる。

狭くぬめる腸内を掻き分けて、根元までが遥香の体内に消えていく。

ペニスに吸い付いて離れない内壁が、うにゅうにゅと蠕動し、更なる快感を送り込む。

オーバーフローした快感に、射精が限界を超えて加速する―――!





どぷっ! どぷどぷどぷどぷどぷうっ!



今日何度目かも分からない精液が噴き出し、淫魔の糧となっていく。

騎乗位のまま遥香は腰を円に動かし、悪魔の搾精器官で僕をひたすらに責め弄る。

何度も腰を浮かせ、そしてまたアナルでペニスを呑み込む。

カリが内壁を擦り上げ、それに応えるように、亀頭を圧し包み玩ぶ内部の感触が僕を酔わせる。

少女の顔は僅かに上気し、息も荒くなっている。遥香もかなりこの行為に興奮を覚えているらしい。



「美味しい、美味しいよ、修……。

 もっと出して、いくらでも気持ち良くしてあげるから、だからもっと、あたしに夢中になって――――!」



ペニスを小さな身体に咥え込んだまま、遥香は身体を前へと倒した。

可愛らしい幼馴染の顔が目の前に迫る。真紅の瞳が潤みながら僕を見つめている。

遥香の唇が、僕のそれへと押し付けられる。淫魔の舌が口中に這入り込み、口中で踊る。

春美姉のそれとはまた違う甘みと芳香を漂わせる唾液が流し込まれ、僕はそれを迷い無く嚥下していく。

それに伴い、僕の体内で姉妹の魔力が交じり合う。淫魔の魔力が魂を篭絡し、二人が与えてくれる快楽への依存度を強めていく。

情熱的な遥香のキスに応えようと、僕も必死で舌を動かした。

そんな僕の舌を巧みに捕らえ、甘く蕩けるような快感を舌へと浴びせながら、それでも遥香の腰は止まらない。



貪欲に貪欲に精液を啜り上げ、自らの糧へとしていく遥香。

これは生殖ではなく、あくまでサキュバスによる単なる食事行為。

しかしそれでも、僕は遥香のことを愛していて、遥香もまた僕を愛してくれていることに違いは無い。

ならば、それでいいじゃないか。

二人、否、春美姉を含めた三人の関係が、捕食者とその獲物に過ぎないのだとしても―――。

踊るように腰を動かし口中を貪り、情熱的に僕を犯してくれる遥香。

絶対的な優しさと愛情を持って、ゆったりと穏やかな快感で身も心も蕩かしてくれる春美姉。

そしてそんな二人の淫魔のために、及ばずながら精を捧げ続ける僕。

今の僕にとって、この三人だけが世界の全てだった。

快楽以外の何者も求めない、淫魔の快楽に依存し切った人間の末路。

そう言ってしまえばそれまでだけれど、それがどうしたというのか。

二人の少女と相思相愛に結ばれて、互いが互いを求めているのだから。

何も迷うことは無い、二人のために、自分のために、僕は甘い肉の快楽に溺れ続けるだけ―――。



「修ちゃん、そろそろ限界かな? じゃあ私の魔力、ちょっと分けてあげる。

 ふふ、夜はまだ長いんだから、もっともっと私達のために射精してくれるよね?」

「そうだよ、まだやめてあげない、美味しいセーエキ、もっと頂戴……っ!」



春美姉の尻尾の先端が淡く光を放ち、僕の胸を優しく撫でる。

しなやかな尻尾が胸板を這い回り、こそばゆい感触に乳首が勃起してしまう。

そしてへその上で尻尾が静止すると、その先端の光が僕の体内へと吸い込まれるようにして消えていく。

すると、ぬるま湯のような熱が胸に溢れ、全身へと流れていく。

その途端、連続射精により失われつつあった全身の力が復活してしまう。

射精がまた勢いを取り戻し、遥香に甘い声で求められるがままに、腸内をまた精液で染め上げていく。



「いい……。いいよぉ……。遥香ぁ、春美姉ぇ………」



僕は震える腕を持ち上げて、顔中にキスの雨を降らせてくる遥香を抱きしめる。

胸板に小振りな遥香の胸を押し付けると、少女の温かい体温と心音が伝わってきて、また興奮と愛情がこみ上げる。

そう、まだまだこの宴は終わらない。

僕も遥香も、この快楽から自ら抜け出そうという意志など何も持ってはいないのだから。

唯一外部から止められるのは、僕に膝枕をしながら優しげな微笑を浮かべている春美姉だけ。

しかしその春美姉も、二人のアナルセックスを楽しげに眺めているだけで、決して遥香を止めたりなどはしてくれない。

故に、夜明けは未だ遠く。

淫魔の生きる夜の世界は、ずっとずっと続いていく。

そう、三人の快楽への渇望は、決して無くなることは無いのだから………。









GOOD END






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