カードデュエリスト渚


 

 「『光の封陣』使用、対象モンスターは『泡魔女レイリーン』だ!」

 カードを場に出すと同時に、『泡魔女レイリーン』の足元に魔法陣が出現する。

 これで一ターンの間、『泡魔女レイリーン』の動きは封じられる――

 「……これで、ターンエンド」

 

 「それが正しい選択だね、お兄さん。『泡魔女レイリーン』の攻撃は、絶対に耐えられないから……」

 軽く微笑みながら、ダリアはデッキからカードを引く。

 「あっ、ようやく引いちゃった……でも、遅いよね。もう、勝負はほとんど決まってるのに……」

 「ぐっ……!」

 ダリアは、その切り札らしきカードを手札に控えたままで召喚しようとはしなかった。

 「でも、『純潔のプリースト』だってなかなか上手なんだよ。おちんちんをイかせるのが……」

 あどけない表情で、にっこり笑うダリア。

 やはりその顔は、可愛らしい少女そのものである。

 「ふふ……お兄さんは我慢できるかな? 『純潔のプリースト』、敵プレイヤーに攻撃――」

 『……了解しました。絶頂させれば、それでいいのですね』

 「あっ……」

 いかにも高潔そうな女僧侶は僕の眼前に接近し、優しく抱擁してきた。

 そして滑らかな動作で僕のズボンとパンツを脱がし――その柔らかなローブを、股間にふわりと被せてきたのだ。

 興奮のあまり隆起したペニスがスベスベのローブに覆われ、しっかりとテントを形作っている。

 「な、何を……」

 『私は純潔を誓った身、失礼ながらこれで――』

 そして――その上から、『純潔のプリースト』はローブ越しにペニスを揉んできたのだ。

 白くしなやかな両手で、ローブの中で盛り上がっている箇所を優しく触る――

 「あ、あうっ……!」

 ローブのスベスベ感と女僧侶の手の温もりが合わさった感触に、僕は思わず呻き声を漏らしていた。

 じゅわっと染み出した先走り液が、ローブに微かなシミを作る。

 「『純潔のプリースト』は純潔だから、あそこを使わずに手で男を慰めるんだよ」

 「あ、うぅぅぅ……」

 ローブ越しに、女僧侶の両手がしなやかに動く。

 優しく撫で回し、リズミカルに扱き立て――時には、ぎゅっぎゅっと強めに亀頭やカリを揉んでくるのだ。

 その練達した手淫の技法に、僕はみるみる高め上げられていった。

 あっという間に僕は追い詰められ、早くも射精感が沸き上がってきたのだ。

 

 「あっ、もう……!」

 『出そうですか? どうぞ、そのまま……』

 射精してしまえば、デュエルは負け――それが分かっていながら、僕は快感をこらえきれなかった。

 このまま、高潔な女僧侶のしなやかな手で精液を搾り出されてしまうのだ――

 「意外に早かったね、お兄さん。ボクでも、もうちょっとガマンできるのになぁ……」

 ダリアの言葉も耳に届かないまま、とうとう快感の疼きが溢れ出てしまった。

 「あ、あうぅぅぅぅぅぅぅ……!!」

 『純潔のプリースト』の手さばきに屈服し、僕は肉棒を脈動させてしまう。

 どく、どく、どく、と精液が溢れ出し、その間も女僧侶はペニスをしごき続けてくれた。

 最後の一滴まで搾り出すべく、肉棒を揉み続けてくれるのだ。

 「あぁぁぁぁ……!」

 じんわりとローブに染みが広がっていく――屈服と敗北の証が、べっとりと女僧侶のローブに粘り着いてしまった。

 とろけそうな放出感と恍惚感を味わいながら、僕は敗北の白濁を搾り出されてしまったのだ。

 「出しちゃったね、お兄さん――気持ちいいでしょ?」

 快楽に屈服し、射精の恍惚に浸る僕を見据え、くすくすと笑うダリア。

 その言葉と視線は勝者の優越に満ち、どこか見下すような色さえ浮かべていた。

 それは、まさに堕ちていくような悦楽だったのである――

 

 

 

 

 

 あれから一ヶ月、僕は一度たりとも勝つことができなかった。

 ダリアに屈辱の敗北を喫してから、以降のデュエルでも敗北を重ねてしまったのである。

 あの戦いで大切なものを失ってしまった僕は、もはやデュエリストではなかったのだ。

 では、今もこのS-タウンでデュエルを繰り返している僕は何者なのか――

 

 「うんうん、『魅惑のスライム』に『セクシーエルフ』、『野良ラミア』か……」

 カードショップから出て来た僕は、購入した三枚入りの中身を確認する。

 いずれも平凡なカードだが、これでこのタウンでデュエルを行うことはできる。

 働いて稼いだお金を、僕はひたすらカードの補充に費やしていたのだ。

 ただ、この町でデュエルを繰り返すために――

 

 そして、あの敗北から一ヶ月――

 ダリアに屈辱の敗北を喫してから、僕は一度たりとも勝つことができなかった。

 その戦いで大切なものを失ってしまった僕は、もはやデュエリストの資格を返上していた。

 それでは、今もこのF-タウンでデュエルを繰り返している僕は何者なのか――

 

 「うんうん、『魅惑のスライム』に『セクシーエルフ』、『野良ラミア』か……」

 カードショップから出て来た僕は、購入した三枚入りパックの中身を確認する。

 いずれも平凡なカードだが、これでまたデュエルを行うことはできるのだ。

 残りカード十二枚でデュエルを行えなくなっていたが、これで総数十五枚、三回負けても大丈夫なのである――

 ――こういう風に、働いて稼いだお金を、僕はひたすらカードの補充に費やしていた。

 ただ、この町でデュエルを繰り返すためだけに――

 

 「あ……お兄さん。今日も会ったね」

 「必死で私達――いいえ、ダリアを探し回っていたんですね」

 僕の姿を見付け、あの双子の姉弟はくすくすと笑っていた。

 あのカードショップの前に毎日足を運べば、三日に一度はこの二人に会えるのである。

 「デ、デュエルを……」

 「分かってるよ、お兄さん。今日もイジめてあげるね」

 「ふふ……もう、ダリアの虜ですね」

 僕はこくこくと頷き、期待に胸を膨らませる。

 おそらく物欲しそうな視線を、ダリアに送っていただろう。

 今日の彼は、どんなデッキを組んでいるのか。

 どんなカードで、僕を嫐ってくれるのか――

 どんなカードで、僕を嫐ってくれるのか――

 「ふふ……お兄さん、すっかりドローンになっちゃったね」

 「無様な『元』デュエリストの成れの果て――哀れなものですね」

 ドローン――すなわち、「溺れた者」。

 このF-タウンにおいて、勝つ気もないのに快楽目当てでデュエルを繰り返す者のことだ。

 その数はかなり多く、ひたすらカードを買っては快楽目的のデュエルを繰り返している――僕もその一人。

 事実上カードを貢ぐだけの存在であり、まともなデュエリストとしては扱っても貰えないのだ。

 「じゃあ、デュエルを始めようか。今日もお兄さんの精液とカード、吸い取ってあげるからね……」

 あの見下したような微笑みを浮かべながら、ダリアはデッキを抜いたのだった。

 

 

 

 「『純潔のプリースト』、プレイヤーを攻撃……はい、今日のご褒美だよ」

 「あ、あぁぁぁぁぁぁ……!!」

 最初に僕を堕としたモンスターで、ダリアはとどめを刺してきた。

 あの高潔な女僧侶は、穏やかな表情を浮かべながら僕へと迫る――

 そして『純潔のプリースト』は、ローブ越しにペニスを優しく刺激し始めた。

 「ふぁ、あぁぁぁぁぁぁ……」

 ローブのスベスベ感と、ぎゅっぎゅっと揉みたててくる柔らかな掌の感触が合わさる。

 女僧侶に優しく扱かれ、清潔なローブ越しに手指で弄ばれる肉棒。

 このまま、なすすべもなく精液を漏らしてしまう――その屈辱感と、服従感。

 

 「今日も、女僧侶に搾られちゃうんだね……お兄さん」

 嘲るようなダリアの言葉が、さらに僕の興奮を煽る。

 そしてペニスをローブで覆ったまま嫐りたてられ、僕は耐えることもできず追い詰められていった。

 「はい、純潔な僧侶の手でおもらししちゃってね」

 「あ、あぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……!」

 ダリアに嘲笑されながら、僕はびゅるびゅるとローブの中にたっぷり射精していた。

 こうして今日も精液を漏らし、屈辱に満ちた敗北を迎えた――そんな僕の浮かべている表情は、恍惚そのもの。

 デュエルで敗北し、強制的に射精させられてしまう――僕は、その屈辱感と屈服感の虜になってしまったのである。

 ドローン――「溺れた者」と呼ばれる理由が、そこにあった。

 

 

 

 ――こうして僕は、今日も敗北の味を愉しんだ。

 屈服の快楽を味わいたいがためにデュエルを重ね、カードを失っていく。

 そのカードがなくなった後は、稼いだお金をカードに変えて、それを奪われていく――快楽の代償として。

 僕はもう、奈落の底に堕ちていくしかなかった。

 デュエルで犯される快感に身も心も委ね、僕はひたすらF-タウンに溺れていくのである。

 

 

 −BAD END−

 

 



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