カードデュエリスト渚


 

 「『光の封陣』使用、対象モンスターは『純潔のプリースト』だ!」

 カードを場に出すと同時に、『純潔のプリースト』の足元に魔法陣が出現した。

 これで一ターンの間、『純潔のプリースト』の動きは封じられる――

 「……これで、ターンエンド」

 

 「あれ……? お兄さん、なんで『純潔のプリースト』の方を封じたの?

  『泡魔女レイリーン』の方が攻撃力が高いって分かってるよね?」

 首を斜めにしながら、ダリアはデッキからカードを引く。

 「あっ、ようやく引いちゃった……でも、遅いよね。もう、勝負はほとんど決まってるのに……」

 「ぐっ……!」

 ダリアは、その切り札らしきカードを手札に控えたままで召喚しようとはしなかった。

 「分かってるよ、お兄さん。『泡魔女レイリーン』に、おちんちん泡まみれにしてほしかったんでしょ?」

 あどけない表情で、にっこり笑うダリア。

 やはりその顔は、可愛らしい少女そのものである。

 「ふふ……お望み通りに、シてあげるね。『泡魔女レイリーン』、敵プレイヤーに攻撃――」

 『了解しました、マスター。この者を昇天させればよいのですね』

 「ひっ……」

 妖艶な黒衣の魔女は、ゆっくりと僕の眼前にまで歩み寄り――

 口許に艶やかな笑みを浮かべながら、杖を振っていた。

 たちまちズボンや下着が張り裂け、股間が露出してしまう――その肉棒は、すでに隆起していた。

 「や、やめてくれ……!」

 「降参は受け付けないよ、お兄さん。あわあわで漏らしちゃうまで、デュエルは終わらないからね」

 「あ、あう……」

 『私の泡魔術に耐えられた人間はおりません。あなたならば、私の前で十秒持たないでしょうね――』

 後ずさりする僕の股間に向かって、『泡魔女レイリーン』は杖先を向けた。

 まるでスプレーで吹き付けられたかのように、肉棒をしゅわっと泡が包んでしまう。

 たちまち僕のペニスは、真っ白に染まってしまったのだ――

 「あ、あぅぅぅ――!!」

 それは、驚くほど細かなヌルヌル感。

 ペニスの根本から先端までが泡に包まれ、その一つ一つの粒子が肉棒の隅々にまで這う。

 尿道や亀頭全体、カリやサオの部分にまでくまなく浴びせられる不思議な感触――

 それはソフトな刺激でありながら、扱かれたり揉まれたりする以上に心地よい快感だった。

 「き、気持ちいい……!」

 僕は表情を歪め、立て膝を着いて『泡魔女レイリーン』の前に跪いていた。

 しゅわしゅわぶくぶくと泡が溢れ、その感触をペニスで味わわされる――

 これが、レイリーンの泡魔術。

 こんなの、我慢できるわけがない――

 

 「気持ちいいでしょ? そのまま泡の中に出すと、気持ちいいよ〜」

 くすくす笑いながら、ダリアはそう囁いてきた。

 「あ、う……あ……」

 もはや、我慢することなどできない。

 射精すればデュエルは負けになることが分かっていながら、快感は出口を求めていた。

 このまま、泡の中に射精してしまいたい――

 『さぁ……泡にまみれて、お逝きなさい』

 黒衣の魔女は僕を見下ろし、その魔術でペニスを弄び続けている。

 そんな涼やかな視線を受けながら――ぶくぶくと肉棒を滑る泡の感触に、とうとう限界を迎えていた。

 「あ……あぐっ!!」

 

 どく、どくどくどくん……

 

 泡に包まれているので射出した白濁は見えないが、びくびくとペニスが射精の脈動を行っているのが外からでも分かる。

 「あ、あぁぁぁぁぁぁ……」

 泡まみれでの射精は、驚くほど心地よいものだった。

 とろけそうな放出感と恍惚感を味わいながら、僕は敗北の白濁を漏らしてしまったのだ。

 「出しちゃったね、お兄さん――気持ちいいでしょ?」

 快楽に屈服し、射精の恍惚に浸る僕を見据え、くすくすと笑うダリア。

 その言葉と視線は勝者の優越に満ち、どこか見下すような色さえ浮かべていた。

 それは、まさに堕ちていくような悦楽だったのである――

 

 

 

 

 

 そして、あの敗北から一ヶ月――

 ダリアに屈辱の敗北を喫してから、僕は一度たりとも勝つことができなかった。

 その戦いで大切なものを失ってしまった僕は、もはやデュエリストの資格を返上していた。

 それでは、今もこのF-タウンでデュエルを繰り返している僕は何者なのか――

 

 「うんうん、『魅惑のスライム』に『セクシーエルフ』、『野良ラミア』か……」

 カードショップから出て来た僕は、購入した三枚入りパックの中身を確認する。

 いずれも平凡なカードだが、これでまたデュエルを行うことはできるのだ。

 残りカード十二枚でデュエルを行えなくなっていたが、これで総数十五枚、三回負けても大丈夫なのである――

 ――こういう風に、働いて稼いだお金を、僕はひたすらカードの補充に費やしていた。

 ただ、この町でデュエルを繰り返すためだけに――

 

 「あ……お兄さん。今日も会ったね」

 「必死で私達――いいえ、ダリアを探し回っていたんですね」

 僕の姿を見付け、あの双子の姉弟はくすくすと笑っていた。

 あのカードショップの前に毎日足を運べば、三日に一度はこの二人に会えるのである。

 「デ、デュエルを……」

 「分かってるよ、お兄さん。今日もイジめてあげるね」

 「ふふ……もう、ダリアの虜ですね」

 僕はこくこくと頷き、期待に胸を膨らませる。

 おそらく物欲しそうな視線を、ダリアに送っていただろう。

 今日の彼は、どんなデッキを組んでいるのか。

 どんなカードで、僕を嫐ってくれるのか――

 どんなカードで、僕を嫐ってくれるのか――

 「ふふ……お兄さん、すっかりドローンになっちゃったね」

 「無様な『元』デュエリストの成れの果て――哀れなものですね」

 ドローン――すなわち、「溺れた者」。

 このF-タウンにおいて、勝つ気もないのに快楽目当てでデュエルを繰り返す者のことだ。

 その数はかなり多く、ひたすらカードを買っては快楽目的のデュエルを繰り返している――僕もその一人。

 事実上カードを貢ぐだけの存在であり、まともなデュエリストとしては扱っても貰えないのだ。

 「じゃあ、デュエルを始めようか。今日もお兄さんの精液とカード、吸い取ってあげるからね……」

 あの見下したような微笑みを浮かべながら、ダリアはデッキを抜いたのだった。

 

 

 

 「『泡魔女レイリーン』、プレイヤーを攻撃……はい、今日のご褒美だよ」

 「あ、あぁぁぁぁぁぁ……!!」

 最初に僕を堕としたモンスターで、ダリアはとどめを刺してきた。

 あの黒衣の魔女は、妖艶な笑みを浮かべながら僕へと迫る――

 その泡魔術で次々と僕の雑魚モンスターを包み込み、愛撫して撃破してしまったのだ。

 そしていよいよ、その攻撃を僕も受ける番になった――

 「はい、今日もお兄さんのおちんちんは泡まみれ――」

 「あう……! あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ――!!」

 あの黒衣の魔女は、僕のペニスをあっという間に泡で包んでしまう。

 そして、ぶくぶくジュルジュルと泡での刺激を与え、僕を追い詰めていくのだ。

 その泡のヌルヌル感と、肉棒の隅々まで滑る流動感は凄まじい。

 このまま、なすすべもなく精液を漏らしてしまう――その屈辱感と、服従感。

 

 「おちんちん、キレイにしてもらえて良かったね。中に溜まってる白いのも、漏れちゃいそうかな……?」

 嘲るようなダリアの言葉が、さらに僕の興奮を煽る。

 そしてペニスを泡で嫐りたてられ、僕は耐えることもできず追い詰められていった。

 「はい、あわあわの中でおもらししちゃってね」

 「あ、あぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……!」

 ダリアに嘲笑されながら、僕はびゅるびゅると泡の中に精液を迸らせていた。

 こうして今日も精液を漏らし、屈辱に満ちた敗北を迎えた――そんな僕の浮かべている表情は、恍惚そのもの。

 デュエルで敗北し、強制的に射精させられてしまう――僕は、その屈辱感と屈服感の虜になってしまったのである。

 ドローン――「溺れた者」と呼ばれる理由が、そこにあった。

 

 

 

 ――こうして僕は、今日も敗北の味を愉しんだ。

 屈服の快楽を味わいたいがためにデュエルを重ね、カードを失っていく。

 そのカードがなくなった後は、稼いだお金をカードに変えて、それを奪われていく――快楽の代償として。

 僕はもう、奈落の底に堕ちていくしかなかった。

 デュエルで犯される快感に身も心も委ね、僕はひたすらF-タウンに溺れていくのである。

 

 

 −BAD END−

 

 



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