フェイスハガー娘


 

 「冗談言うな。誰が、お前のような化け物に――」

 そう言いながらも、俺はクィーンの口許に視線をやってしまった。

 非常に形が良く、唾液で微かに濡れた艶やかな唇。

 そして、その合間から覗くぬらりとした舌――それは、まるで人体以上の大きさを誇るナメクジのよう。

 その表面の舌粘膜はヌラヌラとぬめり、唾液が軽く糸を引いている――

 あの口唇で責めを受けたいと、俺は一瞬だけ考えてしまったのだ。

 

 『体は快楽への期待に震え、心で抗うか――』

 クィーンの右手が俺に迫り――そして、俺の体はむんずと掴まれた。

 その右掌が俺の体をぎゅっと握り込み、そしてクィーンに掴み上げられてしまう。

 『妾の口を見ていたのう。ここで嫐られたいと――お主の目は、そう言っておるぞ?』

 「ぐっ……!」

 視線だけで、クィーンは俺の情欲を悟っていた。

 そして、ちっぽけな俺の体をゆっくりと口許に近付けていく――

 その艶やかな口腔は、まるで巨大な肉の洞窟。

 そこからは熱い吐息が吹き付けられ、巨大な舌が蠢き、ねっとりと唾液が満ちている。

 ピンク色の口内粘膜を目の当たりにして、俺は興奮に身を震わせてしまった。

 もはや俺は、クィーンの与えてくれるという快感に魅入られてしまったのである――

 

 『ふふ……存分に味わってくれようぞ』

 べろり……と、肉の洞窟から巨大な舌が這い出してきた。

 それは俺の体以上の大きさで、その表面を唾液がぬらぬらと流れ落ちている。

 まるで、人間を丸ごと包んでしまえるほどのサイズをもった巨大ナメクジのようだ――

 「あ、あぁぁぁ……」

 俺の体にその舌が近付いてきただけで、表面の熱気がじっくりと浴びせられた。

 唾液特有の生臭い香りと、システィリアンの甘い芳香が入り交じって俺の鼻を突く。

 そして俺の体に、巨大な舌が迫り――

 べちょり……と、唾液に濡れた巨大な舌が俺の胸に貼り付いてきた。

 上半身を完全に覆いながら、れろり……とじっくり舐め上げていく。

 胸から背中、肩、顔、とヌルヌルの舌が這い上がり――

 そして、軽く一舐めしてから舌は離れてしまった。

 

 「あぅ……」

 ほんの一舐めで、俺の上半身は唾液でヌラヌラ。

 その感触で、俺は早くも恍惚に浸ってしまいそうになる。

 もっと舐められたい――そんな思いは、俺の胸を焦がしていた。

 『心地よいか? 妾の舌は――』

 その大きな唇が僅かに開き、ぐちゅぐちゅと蠢く。

 口内に唾を溜めている――それが分かった時には、唾液をべちょりと俺の体に落とされていた。

 水滴というにはあまりに巨大な唾液の塊――それは糸を引きながら、俺の全身にべっとりと絡む。

 泡混じりの唾液が、頭から上半身、下半身へと流れ落ち――その感触を存分に浴びせられた。

 「あ、ああぁぁ……」

 その温もりとぬめり、そして匂いにさらされ、俺は喘ぐ。

 上から下まで女王の唾にまみれ、甘い気分に浸り――

 そして肉棒は、とうに限界まで大きくなっていた。

 

 『もう抗わんのか? こんな恥辱を受けているというのに……』

 そんな俺の様子を、目を細めて眺めるクィーン。

 その唇が開き、またも巨大な舌が俺の体に迫ってきた。

 べろり……と、舌が俺の上半身を舐め上げてしまう。

 唾液をしたたらせながら、じっくりと這い――

 一度目のようにそれだけでは終わらず、何度も何度も俺の体を舐め上げてきた。

 べろり、じゅるり、ぐりゅり――と、下品で卑猥な粘音を立てて。

 

 「あぁ……」

 俺はもはや抵抗の心を失い、その快感に酔いしれていた。

 れろり、れろれろとクィーンの舌が俺の上半身に這う。

 胸や背中、肩はもちろん、首筋やうなじ、脇の下までを丹念に――

 まるで、自身がアイスキャンデーになったかのような幻想にとらわれてしまった。

 このまま、舐め溶かされてもいいくらいの悦楽を与えられ――そんな快感に身を任せる。

 

 『ふふ、幼子のような顔よのう……少し舐めてやれば、たちまちこうなってしまうか』

 クィーンは俺の上半身から舌を離し、淫らな笑みを浮かべた。

 そして、今まで俺の下半身を握っていた――その握り位置を変え、今度は上半身を掴んでくる。

 『……では、下も舐めてやろう』

 だらりと垂れ下がった両足を、クィーンは指先でつまんで強引に広げる。

 掌に少しだけ余る程度のサイズである俺、その体を弄るのは、まるで人形遊びのよう。

 股を開かされることによって、ペニスから陰嚢、肛門までがクィーンの視線にさらされた。

 そこに、温かく湿った息が吐きかけられる。

 「ひぁ……」

 その感触だけで、俺は体を震わせてしまう。

 そして――べろりと、その巨大な舌が俺の下半身に這った。

 まず尻に舌先が当たり、ぬらぬらと肛門から会陰を這っていき、陰嚢とペニスに絡み、そして下腹部へ抜ける――

 そんな、股間全体をべろりと這う一舐め。

 「あぐぅ……!」

 そのぬめった感触と、舌粘膜のザラザラ感だけで俺は表情を歪ませてしまった。

 

 『ふふ、良い声よの……では、果てるまで舐めるとしよう』

 「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ――!!」

 再び尻に舌が当てられ、股間の上を一気に這った。

 今度は舌を離さず、べろべろと何度もその往復を繰り返す。

 その表面粘膜のぬめりとザラつきにアナルがひくつき、ペニスが溺れ、陰嚢が震える。

 男の弱点を、まとめて何度も何度も舐め上げられ――

 そして俺は、一気に絶頂へと達していた。

 

 「あ、ああああああぁぁぁぁ……!」

 十数回ほど舐め上げられた末に訪れた、クィーンの舌の感触を味わいながらの射精――

 すると激しく動いていた舌がペニスのあたりにとどまり、射精中の肉棒をれろれろと舐め回してくる。

 「ひぃ……! あう、あぁぁぁぁぁ……!!」

 その重点的な攻撃に、俺は哀れなまでに喘ぎながら精液を舐め取られてしまった。

 射精が終わるまで、その壮絶な責めは続いたのである――

 

 「あ、あぅぅ……」

 壮絶な舌愛撫を受け、俺はクィーンの手の中で緩みきっていた。

 そんな俺を見下ろし、クィーンは淫靡な笑みを浮かべる。

 『軽く舐めてやった程度でその体たらくとは……情けないのう。

  これから、口で吸ってやるというのに――』

 「え……?」

 俺の体は、そのままクィーンの口許に持っていかれる。

 そしてだらけた両足が、温かくぬめった唇に挟まれた。

 「あ、あぁぁ……!」

 これから行われることを察し、恐怖と期待で俺は身をわななかせる。

 口内に含まれた足先からは、クィーンの体温がじんわりと伝わってきた。

 ヌルヌルのぬかるみに、足を漬けてしまったかのような感触――

 これを、俺は全身で味わうのだ。

 

 『ふふ、察したか? では、啜ろうぞ――』

 じゅるじゅるじゅる……!

 クィーンは俺の体を、一気に口内へと啜り込んでしまった。

 膝から下半身、そして上半身の大部分もクィーンの口に引き込まれてしまう。

 そこは、唾液に満ちた甘い口内粘膜の洞窟だった。

 息の熱気と唾液の温もり、蠢く肉、ぬめぬめの舌――その感触を、全身で体験する。

 唇は俺の肩あたりを締め付け、そこから下の全てをクィーンの口の中に含まれてしまったのだ。

 俺はぴっちり閉じた唇から首だけを突き出し、喜色に満ちた表情を浮かべていた。

 

 ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅ……!

 

 その状態で、クィーンは口内をすぼめて吸い上げてくる。

 ちゅぱっ、ちゅぱっと口を鳴らし、俺の体全体にフェラチオを仕掛けてきたのだ――

 「あ、あぁぁぁぁぁぁぁ――!!」

 その凄まじい吸引感に、俺はたちまち射精していた。

 すると、舌が口内で下半身に絡み付いてくる。

 太腿を割り、股間をねろねろと舐め回してくる――

 「あ、あひぃ……! ひぃぃっ……!」

 俺がどれだけ悶絶しようが、射精しようが、クィーンの口腔責めは全く緩まない。

 まるでペニスを咥え込んで上下の刺激を与えるように、俺の体をぐぷぐぷと上下させる。

 口内を滅茶苦茶に泳がされ、俺はもがくしかなかった。

 激しいフェラを全身で味わい、時にはきつく吸い嫐られてしまう――

 ドクドクと射精しても、その責めは容赦なく続けられるのだ。

 

 「ひあ……! あ、あぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 唇から覗いた首を振り乱し、俺は大声で喚く。

 

 ちゅばっ、ずちゅずちゅ……! ちゅぅぅうぅぅぅう……!

 ちゅるるるる……、ちゅばっ! じゅるり、じゅるるるるるるる……!!

 

 クィーンの口内からは、信じられないほどに下品で卑猥な音が延々と続いていた。

 体全体が吸い上げられ、舐め回され、啜り尽くすような口内の蠢き。

 吸い立てられるままに精液を漏らし、全身で受けるフェラチオに悶絶し続ける。

 「あがぁぁぁぁぁぁぁ……! ぐぅ、ひぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 クィーンの口内は、もはや俺の精液を一滴残さず啜り尽くす肉壷と化していた。

 その内部では巨大な舌がうねり、ヌルヌルの唾液で満ち、口内粘膜に締め付けられる――

 「おぉぉぉぉ……! あ、あ、あがぁぁぁぁぁ!!」

 もう、何回射精したのかも分からない。

 クィーンの体温と口内の熱気でとろけるような感触を味わいながら、俺の意識も遠のいていく。

 薄れ行く意識の中で、俺は死ぬまでクィーンの口に弄ばれるであろうことを予感したのだった――

 

 

 

 

 

 それから――

 

 『ふふ、すっかり大人しくなったのう。牙を抜かれた獣は、こういうものか』

 「あう……あぅぅ……」

 俺は、今日もクィーンの慰み者となっていた。

 れろれろと体を舌で嫐られ、口に咥え込まれて吸い嫐られる――

 もはや俺は、クィーンの口で弄ばれるだけの奴隷に過ぎない。

 

 「ああ、あぅぅ……!」

 そんな惨めさにもかかわらず、俺はクィーンの口内に屈服の証を吐き出していた。

 それをじっくりと味わい、クィーンは口内に含んだまま全身をたっぷりと舐め回してくれる。

 この偉大な存在に、オスの機能だけとはいえ、確かに愛されている悦びを俺は感じていた。

 その悦びにうちふるえながら、俺は何度も何度も果て続ける――

 

 『ふふふ……惨めよのう。餌という身の上に甘んじてしまうとは……

  妾の与える快楽に悶えながら、オスの蜜を存分に吐き出すがいい……』

 「あ、あぁぁぁぁぁ――!!」

 クィーンに嘲笑され、その嗜虐心を満たしながら――

 今日も俺は、ねちっこい口唇愛撫を全身で味わうのだった。

 

 

 −BAD END−

 

 



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