妖魔の城
「う……」
目が覚めると、そこは――飾り気は少ないが、上品な内装の部屋だった。
どうやらここは、ノイエンドルフ城ではない。
俺は、まるでリゾート地の別荘のような雰囲気の家にいたのである。
「ぐっ……!」
そして俺は全裸のまま椅子に座らされ、両腕は手錠で封じられていた。
ここは、いったい――
「あっ……起きましたね、ダーリン♪」
「お、お前は……」
メリアヴィスタ――俺を捕らえたメイドが、にっこりと笑い掛けてきた。
その無邪気かつ掴み所のなさそうな振る舞いは、まるで猫のようだ。
「こんなに早く目を覚ましちゃうなら、早めにお洒落した方が良かったですね。
お仕事から戻ってきたばっかりなんで、メイド服のまま……
ダーリンは、こっちの方が好きかもしれませんけど……♪」
「何を言っている……? ここは……!?」
「ここは、私のお家ですよ。
侵入者を捕らえ、ウェステンラ様を保護した功績で、マルガレーテ様からあなたの身柄を貰い受けたんです。
だからもう、あなたは私のモノ……いえいえ、私の恋人で、旦那サマなんです……♪」
俺の前に立ち、メリアヴィスタは上機嫌で笑う。
「くっ、離せ……! この拘束を解け……!」
「駄目ですよぅ。本当は、恋人をこんな風にはしたくないんですけど……
拘束を解いたら、逃げちゃうでしょ? 私が見込んだほどの人なんだから、何をやらかすか分かりませんよね」
そう言いながら、メリアヴィスタは俺の頬に軽くキスをした。
それだけで、この女を愛したくなるような情念が沸き上がってしまう。
「サキュバスの力で、私の虜にすることもできるんですけど……
本当に好きな人には、あんまりそういうコトしたくないんです」
「ぐっ……」
だからと言って――拘束するなんてのはとんでもない話だ。
俺の意志を踏みにじっているという点では、魔力で虜にするのと変わらない。
そんな俺の憤りを無視しつつ、メリアヴィスタはマイペースで話を進める。
「ところで……ダーリンのお名前、なんて言うんですか?」
「ふざけるな……ウェステンラが呼んでいるのを聞いただろう?」
なにが悲しくて、向こうも知っていることをわざわざ教えてやらねばならないのか――
そんな俺の眼前に、メリアヴィスタの顔がにゅっと近付いてくる。
「私は、ダーリンに教えて欲しいんですよ」
そして――俺の頬に、メリアヴィスタは軽くキスをした。
それは、男の心を揺さぶる刻印だったのかもしれない。
「……須藤……啓だ……」
誘惑に抗えず、俺は渋々ながら答えていた。
「啓サマですね。素敵な名前……♪」
メリアヴィスタはにっこりと笑い、そして――
準備は済んだとばかりに、剥き出しにされている俺の股間へと顔を寄せてきた。
「じゃあ、お名前も聞いたことですし……楽しいコトしましょうね♪」
「ぐっ……や、やめろ……!」
「やめませんよ。私が啓サマのことをどれだけ好きか、分かってもらうまでは……」
メリアヴィスタは俺のモノを手に取り、亀頭に軽くキスをする。
その形の良い唇が、先端に優しく触れ――
それだけで、肉棒はむくむくと大きくなってしまった。
「……啓サマのここ、元気いっぱい……可愛い……♪」
そのままメリアヴィスタは、俺の肉棒へと愛おしげに両手を添えた。
そして、まるでじゃれるように頬擦りしてきたのだ。
「ん~~~~ん……♪」
「あうっ……!」
メリアヴィスタの頬の柔らかな感触に、俺は声を上擦らせてしまう。
その表面はすべすべで、頬肉はむにゅむにゅ。
それは、腰が抜けるほどに甘い触感をもたらした。
「ん……これ、大好き……♪」
そのままメリアヴィスタは、まるで上機嫌な猫のような顔で俺のモノに頬擦りを続ける。
「うぅぅ……」
すりすり、すりすり……と、肉棒が柔らかい頬に何度も何度も擦りつけられる。
きゅっ……と強く擦りつかれると、亀頭部がむにっと頬に食い込んだ。
そのまま、皮膚の表面をなめらかに滑らされる感触がたまらない。
「あ、あぁぁぁぁ……!」
亀頭粘膜と柔らかな頬が、すりすりと擦れ合う。
まるで、猫が肉棒にじゃれているかのような動作――
「や、やめ……あぅぅ……」
「こうしていると……啓サマの脈動が伝わってきます……」
メリアヴィスタは目を細め、頬擦りをやめる気配はない。
それは、両頬で肉棒の感触を思う存分に味わっているかのようだ。
まるで、愛おしくて仕方がないといった風に――
そうされているうちに、俺の快感もじんわりと膨れ上がってきた。
「あ、あぅぅぅ……」
先端から先走り汁が滲み、メリアヴィスタの頬にぬらり……と粘り着く。
それを感じ、メリアヴィスタは目を細めた。
「あは……啓サマ、私の愛を感じてくれたんだ……♪」
そして――頬擦りは、さらに情熱的になっていった。
ペニスをぎゅっと頬に押し当て、すりすり、すりすり……と顔を動かす。
溢れ出した先走りがメリアヴィスタの頬を汚していくが、それでも構わず頬擦りを続ける。
そのぬめりが独特の摩擦感を生み出し、そろそろ限界が近くなってきた。
「うぁ……も、もう……!」
「イっちゃうんですか……? 私のほっぺで……啓サマが……あは、嬉しい……♪」
まるで、俺のモノを抱き締めるかのように――
その両手と頬で、メリアヴィスタは俺のモノをぎゅっと包み込んだ。
「あ、あぁぁぁぁぁ……!」
強い締め付けや圧迫にも似たその刺激が、とどめとなってしまい――
メリアヴィスタの頬を感じながら、俺は果ててしまった。
ドクドクと巻き散らかされた精液は、頬全体に粘り着き、耳の辺りにまで届いてしまう。
「う、うぅぅぅ……」
頬擦りだけで、イかされてしまった――
それでもなぜか、憤りも屈辱も沸き上がって来なかった。
ほんの少しだけ、このメリアヴィスタが愛おしく思えた――
――ような、そんな気もしないでもない。
「えへっ……啓サマが、イっちゃった……♪ 私の愛、分かってくれました……?」
「だ、誰が……」
揺らぎかけていた心を否定するかのように、俺は減らず口を叩く。
メリアヴィスタは目を細めながら、掌に付いた精液を舐め取り――
頬に付着した白濁も指ですくって、ペロペロと舐めた。
その次に、精液で汚れた俺のモノに視線を落とす。
「ん……れろっ……♪」
そして――そのピンク色の舌が、亀頭部分にれろり……と這った。
「あうっ……」
唾液でぬめり、そしてほどよくザラついた舌の感触。
それが亀頭粘膜にぬるり……と擦れ、俺は身をよじってしまう。
「ん、美味しい~♪ 啓サマの味がする……♪」
そのまま、メリアヴィスタは亀頭に何度も舌を這わせてきた。
両手で肉棒の根本を押さえて角度を調節し、先端部のみをぴちゃぴちゃと執拗に舐めてくるのだ。
その様子は、やはり猫を思わせた。
「ん、れるれる……れろり……」
「うぁ……あぐぅ……あぁぁぁぁぁぁ……!」
敏感な先端をザラついた舌で何度も何度も舐め上げられるのは、少々刺激が強すぎた。
まるで、亀頭表面を磨かれているかのような心地だ。
それでいながら、腰の奥底から快感がじんわりと沸き上がってくる。
れろれろ、ぴちゃぴちゃと――ミルクを舐めている猫のような無邪気さ。
そんな風に自分のモノを舐め回され、興奮しないわけがなかった。
「あ、あぅぅぅぅぅぅ……」
「啓サマ、先っちょ舐めに弱いんですね……
えへへ……啓サマの弱点、はっけ~ん……♪」
メリアヴィスタは目を細め、楽しくて仕方がないという様子で亀頭を舐め回してくる。
口には含まない、舌のみでの責め――それでも俺は、たちまち快楽に浸ってしまった。
「あ、あ……あぅ……」
「先っちょから、ヨダレ……舐め取っちゃいますね……」
尿道口から溢れた雫を、ねろり……と舐め取ってしまうメリアヴィスタ。
「あう……」
その快感で、俺はまたも先走りを滲ませてしまう。
そのたびに、メリアヴィスタは雫を舐め取り、また先走りが溢れ――
それを繰り返しているうちに、亀頭部はヌルヌルになってしまった。
味わうような舌遣いに、俺はもう音を上げる寸前である。
「感じてる啓サマ……可愛い……♪」
裏筋を舐め上げるように、尿道口を舐め回すように這い回る舌の動き――
それが、徐々に早くなってきた。
れるれる、ぴちゃぴちゃと……俺を追い詰めていくように、舌の動きが艶めかしくなっていく。
「あ……出る……! そんなに早く舐めたら……」
「いいですよ、このまま……舐められながら、漏らして下さい……♪」
そのまま――いっそう激しい、舌による亀頭舐めが始まった。
ちろちろ、れろれろと亀頭表面を舐め回され、俺をみるみる無抵抗にしいく。
亀頭を味わうような、表面を磨くようなねちっこい舌技。
俺が射精するまで、この舌の動きをやめないつもりだ――
「うぁ……あ、あぁぁぁぁ……」
最も敏感な先端部でメリアヴィスタの舌の感触を味わいながら、俺は射精していた。
粘っこい白濁がピンク色の舌に絡み付き、口の周りをドロドロに汚す。
「えへへ……啓サマのお汁……れろっ」
射精を確認すると、メリアヴィスタは飛び散った精液を全て舐め取り始めた。
白濁で汚れた俺のモノや太股、そして自分の口の周りまで――
大量の精液を、ぴちゃぴちゃと美味しそうに舐め取ってしまう。
そして、満足そうな笑みを浮かべたのだった。
「啓サマのおちんちんを可愛がってると、こっちもこんなになっちゃった……♪」
メリアヴィスタはおもむろに腰を上げ、ゆっくりとスカートをまくり上げた。
そして下着を下ろすと――むわっ、と熱気がこもるほどに蒸れていたらしい。
「ほぉら……早く、啓サマと愛し合いたくて……
啓サマとのおちんちん咥えたくて、こんなになっちゃったんですよ……♪」
そのままメリアヴィスタは、俺の太股の上に腰掛けてきた。
そして俺の手を取り、人差し指を自らの蜜壺内部へと導いてくる。
にゅる……っとその中に指が沈み込み、俺は思わず生唾を呑み込んだ。
「う……」
その中は驚くほど熱く、溶鉱炉のようにドロドロととろけているかのようだ。
かと思えば柔らかな肉がうねり、包み込むように締め付けてくる。
それは、男なら間違いなく骨抜きになるであろう感触だった。
悪魔に魂を売ってでも、この中に自分のモノを挿れてみたい――そう思うほどである。
「入れたいですよね、啓サマ? この中で、啓サマを愛し尽くしてあげますから……」
「だ、誰が――」
サキュバスどころか、世界の誰が見ても分かるであろう俺の虚勢。
しかしメリアヴィスタはあえてそれには触れず、その綺麗な顔を、俺の眼前にまで密着させた。
まるで、俺の目を覗き込むように――
「啓サマ……この中の感触を、おちんちんで味わってみたくないんですか……?」
蜜壺の中の人差し指は、きゅんきゅんと揉みしだかれるような刺激を受けている。
「う、く……」
俺の心が、グラグラと揺らぐ。
この中に、自分のモノを入れたい――そんな欲求が、抵抗の気力を淘汰し始めたのだ。
「この中で、おちんちんが全力で愛し尽くされるんですよ。
私の愛が啓サマのおちんちんを包んで、男として最高の幸せを体験させてあげるんです……」
うっとりするように、メリアヴィスタは囁いてきた。
「私の中で、啓サマが漏らした愛の証は――エサになんてしませんから。
ちゃんと、精子の本来の使い方……赤ちゃんを作ってあげますからね。ふふっ……」
「そ、そんな――」
「さあ……子作りしちゃお?」
きゅっ……と、メリアヴィスタの蜜壺内が収縮した。
そして――とうとう、俺の心は折れてしまった。
誘惑に負け、メリアヴィスタに屈服してしまったのである。
「じゃあ……挿れちゃいますね♪」
俺の心を見透かしたかのように、メリアヴィスタは微笑んだ。
そして、後ろ手で俺のモノを掴み――そのまま、膣内へと導いてきた。
「あ、あぁぁぁぁぁぁ……」
ぬるぬるぬる……と、狭い肉壺に俺のモノが沈み込む。
さっき指を入れた時そのままの感触――とろけるような熱さ、絡みつき、締め付け。
軟らかな肉にくるみこまれ、俺は快感に身を震わせてしまう。
対面座位のまま、メリアヴィスタは俺の首に両腕を回し――そして、耳元で囁いてきた。
「まだですよ、もっと奥……おちんちんの先っちょ、子宮の中に入れてあげますから」
「え……? あ、あぅぅぅぅぅぅぅぅ……!」
ずぬずぬずぬ……と、メリアヴィスタはさらに深く俺のモノを沈める。
すると、亀頭の先端にコリコリしたものが当たった。
「あ、あぁぁ……なに、これ……き、きもちいい……」
それに亀頭を密着させているだけでも、腰が震えるほど気持ちが良い。
「それが、子宮口です……もっと奥、子宮の中にどうぞ……♪」
くいっ……と、メリアヴィスタは腰をひねるような動きを見せた。
「あ――!」
俺のモノが、そのコリコリした子宮口を分け入り――
狭い穴を通り抜け、にゅるん……と内部に滑り込んでしまった。
「あ――! ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……す、すごい……」
そして――カリから上、亀頭全体が異様な感触に包まれてしまう。
不思議なほどにヌルヌルで、とろけそうなほどヌメヌメした粘膜の感触。
入れているだけでも細やかな肉が絡みつき、亀頭にぴったりフィットするように包んでくる。
それは、たちどころに射精に導かれる類の刺激ではなく――
凄まじい快感ではあるが、どこか心安らかな刺激だ。
男の最も敏感な部分が、夢のように生温い快感に包まれてしまい――
俺は、メリアヴィスタにしがみついたまま脱力してしまった。
「どうですか、私の子宮……サキュバスが精液を吸い取るときの刺激とは、まるで違うでしょう?
だって、赤ちゃんを育てるとことなんですから……男の人のおちんちんにだって、ひどい事するわけないじゃないですか」
「あ、あぅぅぅ……気持ちいい……」
俺はメリアヴィスタの体を抱き締め、幸福感に浸っていた。
男性器が、まるで甘い安らぎに包まれているかのよう。
どこか懐かしささえ感じる温もりに、ペニスが浸され――そして、優しく溶かされているかのようだ。
男として最高の幸せ、というメリアヴィスタのさっきの言葉に嘘はなかった。
俺のペニスは、メリアヴィスタの中で慈しむように愛され尽くしていたのだ。
「あぁ、すごい……きもちぃぃ……」
俺は幼児のように呟きながら、メリアヴィスタに身を委ねるのみ。
「あはっ……啓サマが、赤ちゃんみたいになっちゃった……」
メリアヴィスタは、そんな俺の頭を優しく撫でた。
「早く、啓サマの愛の結晶が欲しいですけど……
そんなに気に入ってくれたのなら、もう少し浸っていても良いですよ……♪」
「あ、うぅぅぅぅ……」
それは、いつまでも味わっていたい安らぎ。
亀頭全体が、柔らかな粘膜でにゅるにゅるとマッサージされているかのようだ。
カリの部分は、無数のヒダで優しく撫で回されているような感触。
俺とメリアヴィスタはしっかりと繋がり、しばしその悦びに浸り続ける――
「啓サマ……私のこと、好き?」
「す、すき……あぅぅ……」
こんな快感を味わわせてくれる相手を、拒絶できるはずがない。
子宮の中はねっとりと、俺のモノにまとわりついてくる。
しかし、いつしか安らぎの時は過ぎ――その蠢きが、徐々に激しくなってきた。
亀頭を包み込むような愛撫も、どんどんとねちっこくなっていく――
「あ、あぅぅぅぅ……!」
「もっと、このままでいようと思ったんですけど……私のカラダが、啓サマの精液を欲しがっちゃって……
早く出して、って子宮がきゅんきゅん疼いちゃって……イかせちゃいますね、啓サマ……♪」
「あ、あぁぁぁぁぁぁぁ……!」
ねちっこく、絡みついてくるような粘膜刺激。
子宮に包まれている亀頭全体が、艶めかしく揉みしだかれる。
やわやわと締め付け、精液を搾り取ろうとする。
そして――子宮口自体が、まるで精液を吸い取るかのように収縮してきた。
それはペニス全体をマッサージする刺激となり、俺はたちまち昇り詰めてしまう――
「あぁぁ……もう、出る……!」
「そのまま、種付けして下さい……啓サマの赤ちゃん、孕んじゃいますから……♪」
俺にしがみついたまま、ゆっさゆっさと腰を揺するメリアヴィスタ。
子宮の中で俺のモノを可愛がる動きに、激しいシェイクが加わる。
その快感の前に、俺はとうとう限界を迎えてしまった――
「あ、あぁぁぁぁぁぁ……!」
メリアヴィスタにしがみついたまま、俺はドクドクと射精していた。
男の悦びに浸らされ、溜まった欲望を抜き取られる――そんな充足感。
強制的に快楽を与えられ、種汁を吸い取られてしまう――そんな屈服感
体を重ね、愛し合い、そして果ててしまう――そんな充実感。
それらが混じり合いながら、俺はメリアヴィスタの子宮に大量の精液を注ぎ込んでしまったのだ――
「いっぱい出てる……啓サマの、愛の証が……」
自分のお腹をさすりながら、メリアヴィスタは呟いた。
そして――俺の口に、ねっとりと唇を被せてくる。
「ん、んぐ……」
メリアヴィスタとキスを交わしながらの膣内射精に、俺は酔いしれていく。
最後の一滴を出し尽くすまで、メリアヴィスタの子宮はキュウキュウと収縮し続けた。
まるで、俺の放った白濁を一滴も残さずに吸い取ってしまうかのように――
「あはっ……受精しましたよ♪ 可愛くて元気な女の子です♪」
メリアヴィスタはようやく唇を離し、にっこりと笑い掛けてきた。
そして俺をしっかりと抱き締めながら――俺の額に、優しく右手を乗せる。
「それじゃあ……啓サマの記憶も、書き換えないといけませんね」
「き、記憶……? そんな、まさか……」
突然の言葉に、俺は戦慄した。
俺の記憶を、書き換えてしまうなんて――
「大丈夫。つじつまを合わせる程度で、啓サマの頭の中をメチャクチャにしたりはしませんから。
啓サマが啓サマでなくなるような、ひどい記憶改変はしません」
「や、やめろ――」
メリアヴィスタの手が、薄い光を放ち――俺の頭の中に、何かが入ってきたのが分かる。
俺の記憶が、人生が、思い出が探られているのだ。
幼き日の、あの惨劇の記憶さえも――
「……なに、これ? 変な記憶……こんなの、いりませんよね」
「やめてくれ……や、めて……」
俺の中の何かが、消去されていく。
消され、奪われ、そして――
「大丈夫ですよ。啓サマには、私がいますから……」
そんなメリアヴィスタの声を最後に、俺は何かを失ってしまった。
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