妖魔の城


 

 「う、ぐぅ……!」

 僕は唇を噛んで、必死で耐えていた。

 ペニスを腋でじわじわと締め付けられる、快楽の拷問。

 そんな僕の様子を見据え、マイは不敵な笑みを見せる。

 「ふふ、頑張りますね。じゃあ……」

 腋の締め付けが緩み、次の瞬間にはペニスが解放されていた。

 ぬくぬくの腋から離され、びくびくと刺激を求めて震える肉棒。

 マイはそのまま腰を上げると、軽く指を鳴らす。

 すると僕の体がふわりと浮かび、そのまま仰向けに寝かされてしまった。

 これも、例の縛術とやらの力らしい。

 相手の体勢を自在にコントロールできる――なるほど、サキュバスが重宝がるわけだ。

 

 「今度は、何をする気だ……?」

 そんな僕の言葉も、もはや空威張りに過ぎなかった。

 ペニスは快感を求めるように、先走りを垂れ流しながら揺れ動いているのだ。

 「次は、こうしてあげます――」

 そう言いながら、マイは僕の右側に添い寝をするように横たわった。

 その小さな体が、僕の上半身にひっしりとしがみつく。

 僕の右腕を枕にするようにちょんと頭を乗せ、そしてマイは微笑した。

 「気持ちいいですよ……覚悟して下さいね」

 マイは僕に添い寝したまま、右足をゆっくりと僕の方に伸ばしてきた。

 彼女の肉付きの良い太股が、僕の下腹部の上に乗せられる。

 「膝の裏で締め付けてあげます……」

 「な――」

 そしてマイの膝の裏が、怒張しきっているペニスにふにゅっと触れる。

 まるで肉棒を挟み込むように、くいっと曲げられるマイの右膝。

 たちまちにして、ペニスは柔らかい太股とぷにぷにのふくらはぎの間に挟まれていた。

 「あ、あああぁぁぁ……!」

 ぎゅぅぅぅぅぅぅぅ……!

 温かく柔らかい肉と肉に挟まれ、じわじわと締め付けられる感触。

 それは、さっきの腋下責めと同じくらい甘美な快感だった。

 「ほらほら、どうですか?」

 マイは間近からじっくりと僕の顔を眺めながら、ぎゅむぎゅむとペニスを圧迫し続ける。

 ただ締め付けるだけの、非常に単調な刺激――

 それでも、散々に腋下で嫐られたペニスはあっという間に追い詰められていった。

 「あう……! も、もう……!」

 「ふふ、イきそうですか……?」

 すっ……とマイは締め付けを緩め、僕のペニスを解放してしまう。

 沸き上がってきた生温かい衝動は、所在なさげに消え失せてしまっていた。

 「あ、あ……!」

 さっきと同じだ。

 またもや生殺しにされて、弄ばれるのだ。

 先端から先走り液がたらり……と垂れ、マイの太股を汚してしまう。

 

 「イっちゃいそうな気持ち、醒めましたね? じゃあ、またいじめてあげます……」

 そして再び、ぎゅっとペニスが膝裏で締め付けられていた。

 「あぐっ……!!」

 ただひたすら圧迫される単調な刺激。

 それにこらえきれず、達しそうになる――と、ふっと刺激が消える。

 「ふふ……」

 そして、くすくす笑うマイに様子を伺われながら、再び膝裏で締め付けられるのだ。

 それは、決してイかせてくれない生殺し。

 僕はマイの手玉に取られ、膝裏で嫐られて悶絶するのみだった。

 これが、マイの快楽拷問。

 そしてイかせてもらえる方法は、たった一つ――

 

 「あぐ、ああぁぁぁ……」

 「そろそろ、喋る気になりました?」

 マイはあどけない顔に嗜虐的な笑みを浮かべ、喘ぐ僕の顔を覗き込んでくる。

 「素直に喋ったら、楽になれますよ。

  ぎゅ〜って挟んで、先っぽもきゅっきゅっていじめながら、上下にゆさゆさしてあげます。

  あ〜っと言う間にイかせちゃいますね?」

 「あ、う……」

 射精できない程度の刺激でペニスを圧迫され、僕は自制心を揺るがせていた。

 この城に何人潜入しているかを白状するだけで、一気にイかせてもらえるのだ。

 そして僕はマイに屈服し、後は嫐られ尽くすのみ。

 僕は――

 

 

 マイに屈服する

 耐える

 


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