アラウネ・ブルーム


 

 「た、食べて――」

 ――ほしい。

 「ふふ、そうですか……」

 ぺろり……と、唇を舐める九条さつき。

 最後まで言葉を発せなかったが、その意味は完全に伝わっている。

 九条さつきは二人の女子高生を下がらせ、横たわる俺の前に立った。

 

 「ふふふ、では――」

 すっ……と差し出された、九条さつきの右手。

 それがしゅるしゅると解け、植物の茎やツタと化していく。

 その植物がぎゅるぎゅると空中で渦をなし、そして巨大な壷状となった。

 人間が一人すっぽり収まるほど大きい、肉と植物で織り成された異形の巨大壷。

 その底部は九条さつきの右肩へと繋がっており、壷の口はまるで女性器のようにきつく閉じている。

 これが、九条さつきの胃嚢。

 この中で、今から自分が――

 

 「……」

 俺は、恐怖と期待の入り混じった目で異形の胃嚢を凝視していた。

 それは壷状でありながら、ミミズやヒルといった軟体動物のようにも見える。

 だとすれば……壷の口は、そのまま軟体動物の口。

 肛門のようにも女性器のようにも見える、きゅっと閉じた入り口。

 

 「じゃあ、頂きますね……お兄様」

 自分の体よりも大きな胃嚢を、腕一本の力で支えている九条さつき。

 そして、ゆっくりと近寄ってくる彼女の胃嚢。

 その口が、くぷ……と開く。

 腕が一本なんとか入るほどの、極めて狭い口。

 あれで、本当に人を呑みこめるのか――

 俺はなぜか他人事のように、迫り来る胃嚢をぼんやりと見ていた。

 

 「まずは、ここから食べてあげますね……」

 「……?」

 俺を頭から丸呑みにするのかと思いきや、胃嚢は下半身に向かってきた。

 そしてその口腔が、びくびくと震えているペニスに――

 「え……!? あ、あぁぁぁぁぁ!!」

 

 ――ぐぷ、じゅぷぷぷぷぷ……!

 

 俺のペニスだけが、九条さつきの胃嚢に包み込まれてしまった。

 「くす……お兄様のおちんちん、食べちゃったぁ」

 九条さつきは、微笑を浮かべる。

 「お兄様のおちんちん、私の胃に呑み込まれちゃったんですよ?

  これからゆっくりと消化されて、じゅるじゅるに溶かされるんですよ……?」

 俺のペニスは胃嚢に咥えられ、甘く温かい締め付けに囚われた。

 「うぁ……え……?」

 しゅる、しゅる……と、胃嚢内で何かが蠢いてくる。

 無数の触手のようなもの、その先には何か柔らかいものが――

 「それが、消化吸盤。お兄様のおちんちんに貼り付きますよ……」

 「うぁ……! や、やめ……!」

 俺は、本能的な恐怖を感じていた。

 腰を引こうとするが、ペニスはぱっくりと咥えられていて抜くことができない。

 「ふふ、もう駄目ですよ。お兄様のおちんちん、もう私の胃嚢に入っちゃったんですから。

  そのまま、ねっとりと包み溶かして差し上げますね……」

 

 しゅるる……ちゅぷちゅぷちゅぷちゅぷ。

 「い……! いぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――ッ!!」

 無数の消化吸盤が、俺のペニスに密着してきた。

 くちょくちょと蠢き、妖しげな粘液をぶちゅぶちゅと分泌する小さな器官。

 そんなものにペニスが覆い包まれ、俺は地獄のような快感を味わう。

 「ひあ……! あぐぅ、がぁぁぁぁぁ……!!」

 くちょ、くちょ、くちょ、とペニス全体が嫐り立てられ、俺は一瞬で達した。

 どぷ、どくどくどくどく……!

 九条さつきの胃嚢の中に精液を撒き散らし、あっという間に搾り出される。

 

 「あ……もう、漏らしてしまったのですか? 私の胃嚢、そんなに良かったんだ……

  ここ、搾精器官ではないのに――」

 九条さつきは、くすり……と笑みを漏らす。

 「ほらほら、消化されてしまいますよ……? 悦んでいる場合ではないでしょう……?」

 「ひぃ……! あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 胃嚢の内壁が、きゅっと締まってペニスを包み込んでくる。

 そしてうねうねと蠕動して、揉み込んでくる。

 これは搾精の動作ではなく、純粋な消化運動だ――

 「あ、あ、あぁぁ……! あぁぁぁぁぁ……!!」

 にもかかわらず俺は快感に翻弄され、二度目の絶頂を迎える。

 

 「ふふ……捕食されてるのに、またイっちゃいましたね。そろそろ、全部頂きましょうか」

 「あ、ああぁぁ……!」

 胃嚢の口腔が柔軟なゴムのようにうにぃ……と広がり、一気に俺の下半身をばっくりと咥え込んでしまった。

 「あぐ……あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 俺の体は宙に持ち上げられ、その下半身がむぐむぐと貪られる。

 胃嚢内では、下半身にびっしりと消化吸盤が密着してきた。

 それはくちょくちょと蠢き、また内壁全体がぐじゅぐじゅと蠕動し、下半身を揉み解す。

 「いぁぁぁぁ……! あぐ、あぐぅぅぅ……!」

 どく、どく、どく、とペニスから溢れ出る精液。

 またしても、九条さつきの胃嚢で漏らしてしまった――そんな屈辱を味わう暇すらない。

 今度は、上半身が一気に胃嚢の中へと啜り込まれたのだ。

 

 「あ、あがぁぁぁ……!」

 ドクドクと射精しながら、俺は胃嚢から顔だけを出した状態にされた。

 顔以外の全身が胃嚢に包まれ、消化吸盤に貼り付かれて溶かされている。

 くちょくちょと揉み溶かされ、じゅるじゅると蠕動を受けている。

 これが、九条さつきの消化――

 

 「あ、あああぁぁぁぁ……!!」

 植物と軟体で構成された消化壷、そこから顔だけを出して快感に悶え苦しむ俺。

 そんな俺の口に、九条さつきは強引に唇を押し付けてきた。

 むしゃぶりつくような、甘い甘いキス。

 「……私を感じながら、とろけて下さい」

 「ん、んんんんんーッ!!」

 九条さつきにそう囁かれながら、俺は精を漏らす。

 俺の口は九条さつきの舌に貪られ、全身は胃嚢に貪られる。

 甘く甘く嫐られながら、ねっとりと溶かされる快感――

 俺は、もう何度射精したかも分からない。

 このまま俺は、九条さつきの胃嚢に漬けられて消化されてしまうのだ――

 

 

 甘い、甘い消化壷の中。

 俺は、ねっとりとその中で包み溶かされてしまう。

 天国のような快感を味わいながら、いたぶられながら、弄ばれながら。

 俺は――

 

 「美味しかったです、お兄様」

 そんな九条さつきの声が、遠くから聞こえた。

 

 −THE END−

 

 

 



家庭科室で搾られてしまった方は、以下のボタンをどうぞ。



 

この娘さんに食べられてしまった方は、以下のボタンをどうぞ。




前の場面に戻る

一覧に戻る