アラウネ・ブルーム


 

 「バ、バナナで――」

 俺は、極めて屈辱的な懇願をしていた。

 バナナを用いたオナニーなど、聞いたことがない。

 それを、どう用いてくれるのか――俺は、九条さつきが与えてくれるであろう快感の虜になっていた。

 

 「そう、バナナでイかされたいんだ――」

 九条さつきはバナナを取り出すと、ゆっくりと皮を剥き始めた。

 しかし皮を全部剥いてしまわず、いずれも半分ほど剥いた状態にする。

 そして、頭を出している実の部分を折った。

 「この部分は使いません。勿体無いので、食べてみますか? ふふ……」

 笑いながら、九条さつきは上半分の実の部分をゴミ箱に捨てた。

 よく見ればその実の部分は黒くなっていて、少し古くなっているようだ。

 「バナナのオナニーは、少し古くなっているほうがいいんでしたよね?

  ねちゃねちゃして、とろけるように柔らかいから……」

 そう言いながら、九条さつきは皮の下半分に残った実の部分をぐちゅぐちゅと揉み潰す。

 皮の中には、ドロドロに潰れた実の部分が詰まっているはずだ。

 あれを、そのまま……?

 「これ、ローションとかいらないんですよ。皮の内面がヌルヌルだから……」

 不安そうな俺の顔を見下ろし、九条さつきは微笑んだ。

 

 「ふふ、覚悟はよろしいですか?」

 九条さつきは、バナナを俺の股間の上まで持ってくる。

 「では、たっぷり解剖して差し上げますね――」

 にゅるり……!

 俺のペニスは、バナナの皮に包まれた。

 

 「あぅ……!」

 ぬるぬるした感触の上、ぐちょぐちょに溶けたバナナが纏わり付いてくる。

 「予想外に良いでしょう……? ぬるぬるのぐちゅぐちゅですから……」

 九条さつきは、そのままバナナを上下に動かしてきた。

 ぐちゅ、ぬちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぬちゅ……!

 扱けば扱くほどにバナナの皮の内壁が溶け出し、ヌルヌル感が増していくばかり。

 「あ、気持ちいい……!」

 カリ首や亀頭がぬるぬると擦られ、俺は思わず喘いでしまう。

 ぐちゅぐちゅに溶けた実の部分が絡んでくるのも気持ちいい。

 「ふふ、バナナでイかされちゃうんだ……みっともない」

 九条さつきは、快感で震える俺の顔を眺めて目を細めた。

 ぬちゅぬちゅ、という音が響き、俺の我慢も頂点に達する。

 ぬるぬるの内壁がペニス全体に密着し、それを九条さつきの腕が皮越しに締めてくるのだ。

 その巧みな責めに、俺は押し上げられていった――

 

 「あ……、そろそろ……!」

 体をびくんと震わせ、俺は言った。

 「ふふ……どうぞ」

 にちゅ、ねちゃぬちゃねちゃねちゃねちゃねちゃねちゃ……!!

 上下に激しく手を動かしてくる九条さつき。

 「も、もうダメだ……! あ、あぁぁぁぁ!!」

 俺はヌルヌル感に耐え切れず、そのまま腰を突き上げて射精していた。

 ドクドクと溢れた精液が、バナナの内壁をぐちゃぐちゃに汚す。

 射精が終わった後で、九条さつきにバナナでイかされたという屈辱に思い至る。

 そして少女は、横たわったまま息を荒げる俺を嗜虐的な表情で見下ろしていた。

 

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