アラウネ・ブルーム


 

 「……リョウ!」

 俺はすかさず、囚われのリョウに向かって駆け出した。

 腰からナイフを抜き、彼の体を拘束しているツタを切断しようと――

 その茎に駆け登り、リョウの前に立った瞬間――彼の体は、ばらばらとツタ状になって崩れてしまった。

 

 ――間に合わなかった?

 いや、最初からこれはリョウではない。

 ツタで形成された、リョウの形をした人型だ。

 つまり――偽者!!

 

 「ふふ……おばかさん。簡単に引っ掛かるのですね」

 九条さつきは右腕をこちらに向け――

 「ちッ……!!」

 俺は茎を蹴り、九条さつきに向かって飛翔した。

 同時に九条さつきの右腕がしゅるりと解け、数本のツタとなって襲い掛かってくる。

 腕に、足に、胴に絡みつく無数のツタ。その拘束を受けながらも、俺は九条さつきの頭部にナイフを突き立てた――

 

 「……!!」

 ――浅い。

 

 背後に飛び退く九条さつき――その綺麗な髪の一部が、はらはらと散る。

 「ぐ、ぐぅッ……!」

 それと同時にツタが俺の全身へと絡みつき、立ったままの姿勢で拘束されてしまった。

 九条さつきの右肘から先が無数のツタとなり、俺の全身にぐるぐると巻き付いているのだ。

 

 「私の、髪を……」

 微かに呆けたような表情を浮かべる九条さつき。その眼が、みるみる鋭くなっていく。

 「……よくも、髪を……許しません」

 九条さつきは、きっと俺を睨んだ。

 その瞬間、全身に絡み付いているツタがぎゅっと締まってくる。

 「あぐ……!」

 ぎしぎしとツタに締め上げられ、俺は苦悶の声を漏らした。

 腕や足、腰や胴にみっちりと巻き付いたツタは、九条さつきの怒りをそのまま伝えてくる。

 

 「あが…… あああぁぁ……!」

 「ふふ……どう、苦しい? もっと締め上げてあげます」

 ぎち、ぎちぎちぎち……!

 「ぐあ…… あああああああッ!!」

 まるで、大蛇に巻き付かれて締め上げられているような感覚。

 体がきしみ、服がバリバリと引き裂かれる。

 どれだけもがこうとも、苦痛からは逃れられない。

 

 「ほら、ほら、ほらぁ! どうです、苦しいですか……?」

 ツタに締め上げられる俺を、サディスティックな表情で見据える九条さつき。

 「締め上げるのは身体だけではありませんよ。ここも――」

 すっ……と、九条さつきは左手を俺に差し伸べた。

 その腕がばらばらと解け、またも複数のツタとなって俺に向かってくる。

 同時に、腰の部分を締めていたツタが緩み――服も引き裂かれていたので、萎縮した股間が少女の前で露出する。

 「ここも、たっぷり締め付けてあげます……」

 「ああ…… やめろ、やめろ――!!」

 男の弱点を苦痛にさらされるという、本能的な恐怖。

 しかしどれだけもがいても、全身を締め上げるツタはびくともしない。

 そのまま、俺の肉棒に九条さつきの左腕であったツタが触手のように巻き付いていく。

 柔らかい異物が、ペニスに絡み付いてくる感触――悲しいかな、徐々に肉棒は硬さと大きさを増していった。

 

 「ふふふ…… お兄様のおちんちん、巻き付かれてしまいましたね……」

 狼狽する俺の表情を眺め、妖艶な笑みを浮かべる九条さつき。

 完全に怒張したペニスには、ツタがみっちりと絡み付いていた。

 そしてペニスを襲ったのは、四方から圧迫される激痛ではない。

 苦痛ではなく、性感を喚起する刺激――

 「ふあ、ああぁぁ……!」

 痛みに身構えていた俺は、不意打ちのような甘い刺激で恥ずかしい声を上げてしまった。

 ペニスに巻きついたツタは、きゅっ、きゅっ、と優しく肉棒を締め付けてきたのだ。

 「ふふ……なんと情けない声。おちんちん締められるの、そんなに良かったのですか?」

 九条さつきはくすくすと笑う。

 さらにツタは、ぎゅーっとペニスを締め上げてきた。

 女性の蜜壷よりも、激しく、優しく、甘く。

 

 「私はサキュバス、おちんちんを痛め付けたりはしません。たとえ罰でも、快楽を味わってもらいます……」

 ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ……!

 「あぐ…… ああぁぁ……!」

 ペニスの表面ににゅるにゅるとツタが這い回り、断続的に締め上げられる感触。

 強制的に与えられる快感に、俺はみるみる昇り詰めていった。

 「気持ちいいのですね。ツタなんかに、おちんちん弄ばれて……」

 九条さつきは嗜虐的な笑みを浮かべた。

 「アルラウネの妖花は、お兄様には使ってあげません。ツタで嫐り回して、搾り尽くしてあげます。

  私を怒らせたんだから、ツタ程度で十分ですよね……?」

 「あ、ああああぁぁぁ……!」

 「ふふ、もう出るんですか? ツタで弄ばれて、我慢できなくなった?」

 「あぐ……!」

 九条さつきは俺の眼前に立ち、ツタでがんじ絡めにされているペニスを覗き込んできた。

 「いいですよ……お兄様がツタでイかされるところ、じっくり見て差し上げます」

 「あ、あ、ああぁぁ……!!」

 少女の眼前――俺のペニスはぴくぴくと震え、快楽の証を吐き出した。

 ぎゅるぎゅるとツタに絡まれ、締め付けられたまま……

 ツタの隙間から姿を見せている尿道口から、白濁液がびゅくびゅくと飛び散る。

 

 「はぁ、はぁ……」

 「ふふ、ツタにイかされた気分はどうですか?」

 開放感と脱力感で弛緩する俺に、九条さつきは言った。

 「次は…… 葉でしてあげますね」

 「え……?」

 しゅるしゅると、俺のペニスから離れていく無数のツタ。

 そして今度は、俺の掌の3倍は大きな葉がペニスに当たる。

 その葉の表面は、妖しい粘液でねっとりと潤っていた。

 「ふふ、この葉で包んであげます。ヌルヌルだから気持ちいいですよ」

 「あ、あ……!」

 その葉は俺のペニスにべっちょりと貼り付き、するすると肉棒の輪郭に沿ってすぼまってきた。

 たちまち、俺のペニスはぬめった葉に包み込まれる。

 「う、うぁ……!」

 その葉全体がくにくにと蠢き、俺は妖しい蠕動にさらされた。

 

 「どうですか? 普通はツタも葉も搾精には使わないんですが…… お兄様なら、この程度でもいいでしょう?」

 「う、うぁ……!」

 くちゅくちゅ、うにうにうに……!

 葉は優しく俺のペニスを押し包み、ぐにぐにと揉み込んでくる。

 その刺激で、俺の頭は真っ白になった。

 「あ、うぁ…… もう――!」

 「ふふ、イくんだ? 葉っぱでおちんちんぐちゅぐちゅされて、イっちゃうんだ……?」

 軽蔑に満ちた九条さつきの声、それすら俺の興奮を増加させる。

 「あ、あぐぅぅぅぅぅぅ……!!」

 どくん、どく、どく、どくどく……!

 みっちりとペニスを包む葉――その中に、俺は精液をドクドクと放出してしまった。

 

 「うふふ、出しましたね……」

 葉はしゅるしゅると広がり、俺のペニスを解放する。

 亀頭付近に当たっていた箇所には、ゼリー状の精液がねっとりとこびり付いていた。

 「こんなに漏らしちゃったのですね。気持ちよければ、葉でもツタでも構わないんだ……節操なし」

 九条さつきはくすくすと笑う。

 「――次は、またツタで可愛がってあげます」

 ぎゅるぎゅるぎゅる……!

 再び、俺のペニスに絡みついてくるツタ。

 「その次は葉で、その次はツタで――交代に犯してあげますね」

 ツタはぎゅるぎゅると絡みつき、ペニス全体を妖しく愛撫してくる。

 「あ、ああ……!」

 「屈辱じゃないですか? こんなツタや葉なんかでイかされるなんて――ふふふ」

 どくん、どくどく……

 九条さつきに嘲笑されながら、俺はまたもツタの刺激によって果てた。

 その次に、俺のペニスをくるみ込んでくる葉。

 そこに射精したら、またもやツタが巻き付いてきて――

 

 「うぁ…… あ、あぁぁぁぁぁ!」

 どくん、どくどくどく……!

 「人間で言えば、足で弄ばれるようなものなのに……それで悦ぶなんて、無様ですね」

 「あ、あ、うぁぁぁぁぁ……!!」

 ツタで、葉で搾精を受ける俺を眺め、冷笑を浮かべる九条さつき。

 彼女の冷たい視線を受けながら、俺は何度も何度も精を漏らした。

 

 九条さつきの髪をほんの僅かでも切ってしまった事――その代償は、余りに大きかった。

 俺はこうして妖花の餌食になった訳でもなく、彼女にツタや葉で弄ばれ続けるのだ。

 九条さつきの気の済むまで、延々と、延々と、無限に近い時間を――

 

 −BAD END−

 

 

 



この娘さんに搾られてしまった方は、以下のボタンをどうぞ。




前の場面に戻る

一覧に戻る