『真実の鏡』が叩き割られる音が、王宮に響きました。

ロール姫は、ぱっと顔を上げます。

「ゆ、勇者様……? 私を、元の姿に戻す気はないと……?」

しかしあなたは言いました。

その姿が、自分にとって最も萌える、と。

 

「ゆ、勇者様……!」

ロール姫は目に涙を溜めながら、あなたに抱きついてきました。

大蛇の尻尾をあなたの体に絡ませ、ひし、と抱き締められます。

 

「ここから先は、ワシが説明せねばならんな……」

王様は、ゆっくりと口を開き始めました。

「実は、我が娘には魔王の呪いなど掛けられてはおらん。

その腰から下が大蛇の姿こそが、娘の本来の姿なのじゃ。

あれは、ワシが若い頃の話じゃった。剣の修行に勤しんでいたワシは、美しいラミアに出会い――

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――実はそのラミアが、今のワシの妻なのじゃよ」

王様の隣に座っていた美しい王妃は、柔らかな笑みを見せます。

 

「勇者様! ありがとうございます!」

ロール姫は感謝の言葉を告げながら、あなたの身体をミシミシと締め上げました。

「我が身、貴方様に添い遂げとうございます……!」

 

「勇者様、ばんざ――い!!」

「姫様、ばんざ――い!!」

家臣達から、一斉に巻き起こる拍手と歓声。

楽隊はファンファーレを奏で、周囲には美しい旋律が響きます。

先程までのよそよそしさが嘘のように、彼等は二人を祝福しました。

 

こうして、あなたはロール姫と幸せに暮らしました。

仲睦まじく、永遠に――

 

 

おめでとうございます。

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