サンプル##氏の第四種接近遭遇




目が覚めた。

やけにすっきりとした目覚めだ。

自分の部屋とは違う白い天井が目に入った。



「起きましたよぉ」



知らない人間の声が耳に入った。

僕は驚いてそちらを向こうとしてもっと驚くことになった。



身体が動かない。

いやそれどころじゃない。



僕は自分が寝ていたのだから、もちろん文字通り寝台に横になっているのだろうと無意識に思っていた。

しかし、僕の身体は斜めになっていた。

斜めになった寝台のようなものに股と腕を広げられ、ちょうど大の字の体勢ではりつけになっていた。

寝台は変わった形で下半分が中程から割れて、強制的に乗っている者の足を大きく広げる仕組みになっていた。

首より下は不思議なことに寝台にピタッとくっいているようで、縛られているわけでもないのに寝台からずり落ちてしまうことはなかった。

かろうじて動く首をフルにつかって状況を確認したところ、僕は最も不穏な事実に気がついてしまった。





僕は全裸だったのだ。







「覚醒予定時間ピッタリだな。あー、もしもし声が聞こえるかね? もし聞こえているなら返事をしてくれたまえ」



先ほどとは違う声がして、反射的にそちらを向くと赤毛の女性が立っていた。

端正な顔立ちに意志の強そうな目元が印象的な美人で、こんな訳の分からない状況でも見とれてしまう自分が情けなかった。



「あ、ああ、はい!!」



僕がうわずった声で返事をすると彼女が満足げにほほえんだ。



「うむ、相互翻訳システムは良好なようだな」



「そりゃー、あたしが作ったシステムですからねぇ」

一番最初にした声が得意げに言う。

今まで気がつかなかったがその声の主は僕の正面にいた。

大きめの眼鏡をかけた彼女は座りながら僕の方をしげしげと見つめていた。

彼女もまた眼鏡とかわいらしい童顔がよく似合った美人だ。

彼女の手元にはキーボードらしきモノが浮いていた。にわかには信じられなかったが、それはSF映画に出てくるような宙に投影された光のキーボードだった。





「こんにちは地球人の君。私はこの調査船アバルア号の船長ラーシャだ。同時にこの地球生命体研究室の室長でもある。

 君の前に座っているのは記録係のアルノ。そしてそちらに居るのが宇宙生物学の権威でありこの研究室の主任、シルツ博士だ。」



「こんにちは」

急に耳元で声がして、そちらを振り向くと黒髪をロングにしたおしとやかな雰囲気の女性がすぐ横にいた。

いつから居たのか分からなかったが、確かなことは彼女も他の二人に劣らない程の美女であるということである。







はりつけになりながら三人の女性に生まれたままの姿を晒すという、ますますよく分からない展開に脳みそは明らかについていってなかったが、

僕は先ほどの自己紹介の中に受け入れがたいワードがあったのを見逃さなかった。







地球人? 調査船? 宇宙?





えー・・・第4種接近遭遇? うっそやーんと言いたかったが、この磁石のようにくっついて寝台から離れられない身体や眼鏡の彼女のキーボード、

何より先ほどから語りかけてくる彼女たちの言葉は、耳に入ってくるのは聞いたこともない言語なのに、なぜか意味は完璧に分かるという超常現象を起こしていた。



しかし、ちょっと待て。もし仮に宇宙人なのだとしたらなぜ人間と同じ姿(それも美女)なのか?





「君の言いたいことは大体わかる。地球ではどうやら異星生物という物は認知されていないらしいな。

 まあ、信じて貰わなくても結構だが、宇宙生物を十分に認知している私たちでもこの地球という星、いや人間という生物には驚いたよ」



「その説明はわたくしから」

 博士と呼ばれた黒髪の女性があとを引き継ぐ。



「あなた方の母星、地球と私たちの母星はとてもよく似ています。それ自体はさして珍しいことではないのですが、

 その惑星を支配する生命体までもがほとんど同じ形態をしているということは前例がありませんでした。

 そして、こんなにもそっくりなのに一つ、決定的に違う部分がありました」



彼女はそこで一旦話を切り僕の下半身に目をやった。



「雄種の存在です」



「私達が単性による増殖を繰り返すのに対して、あなたたちは雄種と雌種にわかれ交配をすることで世代交代をします。

 こんなにも似ているのに、なぜ地球には雄種がいるのか? 私達にない生殖システムの仕組みとや雄種の生殖器の構造などなど、

 宇宙生物学の研究者としてこんなに興味深い研究対象はありませんわ。だからぜひあなたの体のこととか、性器のこととか、いっぱい調べさせてくださいね!」



彼女は興奮しているようだった。それはもちろん僕の裸を見てと言うわけでもなく言葉通り研究者としての知識欲がそうさせるのだろう。

最初に感じたおだやかな雰囲気とは明らかに違っていた。





「・・・まあそういうことだ。地球の皆様には申し訳ないと思ってはいるが、いろいろと調査させて貰っている。その寝台に乗るのも君が初めてではない。

 通常は意識を喪失させてその間に調査をするのだ。本来は君もそのうちのサンプルの一体に過ぎないのだが、どうやら君の身体は私達のデータと大きく異なっていてね。

 いろいろと説明がつかなくて困っていたのだ。それ故に相互翻訳システムのテストも含めて、君との会話による調査を決断したのだ。

 さて、そろそろ説明もいいだろう。・・・博士、いい加減落ち着きたまえ、彼がおびえているぞ。」



ラーシャは興奮するシルツに苦笑しながら説明を切り上げた。



ある程度の予想はできていたが、シルツの態度の様にこちらの話も穏やかな物ではなくなってきた。

メスで腹を割かれる心配はなさそうだが、このまま事が進めばおそらく僕にとってもっとも触れられたくない部分に彼女たちは土足で踏み込んでくる。





「よし。それではサンプル##の調査を再開する」

彼女の号令に他の二人がはい、と返事をする。

二人ともやっと研究に取りかかれるのがうれしいのか、その気持ちを声に隠すことはしなかった。





「まずは確認からいこう。君の性器は皮に包まれているがこれはホーケイという状態だな」



ぐっ、あまりにストレートな質問。

自分のコンプレックスを目の前につきつけられて平然と受け答えができるほど僕は神経が太くない。



質問に対して沈黙を守る僕にラーシャはあからさまにめんどくさそうなため息をもらした。

彼女の指が手元に現れたパネルに触れる―



「ぎゃっ!」



身体に衝撃と激痛が走る。





「勘違いしてもらっては困る。最初に懇切丁寧に説明してやったのは、これが地球人とのファーストコンタクトだったからだ。

 意思疎通可能な相手に最初から無礼な態度では我々の沽券にかかわる。しかし、紳士の時間ももうおしまいだ。君たちは文明的に我々に劣る下等生命体なのだ。

 さっきも言ったが君はサンプルの一体に過ぎない。我々が君を煮ようが焼こうが自由だが、この空間に君が主張できる権利など塵一つ分も存在しないのだよ」



ラーシャの態度が豹変した。明らかに怒気を含んだ力強い声で死刑宣告にも似た言葉を僕に放った。



ああ・・・最悪だ。目の前が真っ暗になるような思いだった。





「で、君の生殖器は年齢的に成熟していても皮を被ったままのホーケイで間違いないな」



一瞬口ごもったが、身体が先ほどの痛みを忘れるハズもなく、僕は渋々「はい・・・」と元気の無い返事をした。





「やはりそうか。それでは、それに加え君の生殖器がこんなに小さいのはなぜだ」



まったく思いやりのない言葉のボディーブロウが弱点を的確に攻めてくる。

僕が答える前にシルツが口を開いた。



「あなたの生殖器のサイズは、年齢的に見て我々のこれまでの平均データを大きく下回ります。個体差が激しいのは認識済みですが、これではまるで・・・」



「子供のようだ。いや少し前の子供のサンプルの方が大きかったかもしれんな。さあ、なぜなのか答えて貰おうか。それともホーケイなのと何か関係があるのか?」





はっきりと口に出して言われるとかなりショックだ。小さいのは重々承知していたが、そんなに僕のモノは小さかったのか・・・。



「・・・分かりません。たぶん包茎と関係あるんでしょうが、詳しくはわからないです」





僕が嘘をついていないことが様子から分かったのだろう。それ以上追求されることはなかった。

初めて彼女の聡明さに感謝した。変に疑われ拷問の様に何度もビリッとやられてはたまらない。



拷問といえばこのシチュエーション自体が既に拷問といえばそうなのだが。





「では次だ。」



言うが早いかラーシャが僕の股間に手をのばした。そしてぎゅっと竿を掴むとしっかりとした手つきで揉みはじめた。

その手つきは事務的であったが、その体温の温みと女性的な手の柔らかさは、

せめて人前で勃起してしまうのだけは避けようとしていた僕の努力を無にしてしまうには十分過ぎる程の刺激であった。



この時ほど自分の息子を恨めしく思ったことはなかった。本当にこうなることだけはイヤだったのに・・・。





「よし硬化してきたな」

ラーシャは満足げにうなずきながらも、一向にその手を止める気配はなかった。おそらく限界まで勃たせるつもりなのだろう。



「硬化と共に膨張もします。これは生殖器に血液が集まることで起こる現象でボッキと呼ばれ、雌種の生殖器に挿入して生殖細胞を植え付けるための変化だそうですね」



「まぁ、おっきくなってもやっとこ平常時の通常サイズってとこですけどねぇ。

 あ、やっぱり脳波に変化がみられます。これは快感を感じてるので間違いないと思うのですが」



なんだかさりげなくいじめられた。



「そうか。おい君は今、快感を感じているのかね? どうなんだ? ボッキするのは気持ちいいのか」





「・・・はい・・・気持ち・・・いいです。でも、気持ちいいのは勃起じゃなくて・・・その、さわられるのが」

もう嘘を吐く気もないので、正直に答えてやる。





「そうか、ボッキ自体が快感というわけではないのだな。やはり直接、口頭尋問をして調査すると新たな発見があるな。

 しかし博士、予想どおり快感を感じていたわけだが、なんのためだろうな?」



「やはり生殖という本能に根ざした行為には快感を感じるようになっているのでしょう。おそらくは栄養摂取や休眠にも。

 ねぇ、違いますか?」



「そ、そうですっ。その通りです。・・・あっ、あのもう、その、、さわるのやめてくれませんかっ」

僕は先ほどから自分のモノが限界を超えてしまいそうになるのをこらえていた。

彼女たちに意見するのは少し怖かったが、背に腹は代えられないと勇気を振り絞った。





「ああ、限界まで膨張しているようだな。しかし君、こうしていられるのは気持ちの良いことなんだろう? ならばなぜ、やめてくれだなんてわざわざ言うのだね?」





難しい質問だった。恥ずかしいといえばそうなのだが、しかしそれを言って素直に納得してくれるだろうか? 

さらになぜかということを聞かれるに違いない。それに言葉ではああいったが、本心ではそのまましてもらっていたいとも僕は思っていたように感じる。

思わぬ自己撞着に悩んでいるとアルノが助け船を出してくれた。



「あの〜室長ぉ」



「ん、なんだアルノ」



「えとですねぇ、サンプルが目覚めてからずっと脳波を観測していたのですが、ずーっと恥ずかしく感じてるっぽいんですよねぇ。

 特に生殖器に注目されたり、ボッキしちゃったときなんか、ぐーんと感じちゃってるみたいで」





「どう思う博士」



「どうも私達には無い感覚みたいですね。裸や生殖器はある意味無防備な状態ですから、羞恥心を感じてなるだけそうならないようにしているのかもしれません。

 私達はお互いの裸を見せ合っても何も感じませんが、どうやらこちらは違うみたいですわね」



「文化の違いから生まれてくる感覚の差異かもしれんな。アルノよくやった」



「へへぇー、ありがとうございます」



ほめられたアルノはうれしそうに笑った。

すぐに報告しない時点でどうかと思うが、おそらく褒めて伸ばすがラーシャの部下に対する教育法なのだろう。





「そうかそうか恥ずかしいのか。人前でこんなにボッキしてしまうのは君たちにとって恥ずかしいことなんだな」



彼女は僕の顔を見ながら確認してきたが、いわれたとおりの恥ずかしさから顔を逸らし、小さな声ではい…と言った。

それは彼女にとって十分なほどの肯定表現だったらしく、満足げに「うむ」と頷いた。





「さて、生殖器をボッキさせるまでは、実を言うと君が覚醒する以前に済ませていたことなのだ。しかしそこで私達は大きな疑問にぶつかってね。」

勃起したモノに手を添え少し持ち上げ、僕の顔に近づけるようにして言った。



「我々のデータでは、たとえ成熟した後にも包皮が後退しないホーケイでもボッキしたり、直接引っ張ってやれば、先端部分が露出するはずなのだ。

 しかし君の生殖器はボッキしてもまったく変わらず、こうして引っ張っても」

ぐいっと僕の体側に皮を引っ張った。



「ああっ!」



局部に痛みが走る。



「やはり痛みを感じるか。こちらも先端部分の先程迄しか剥けん。これまでのデータではならこのくびれ部分まで剥けるはずなのだ。」





ついにこの時がやってきてしまった。彼女たちの容赦の無い探求心は僕の最大のコンプレックスを暴き出してしまった。



これまでの人生において僕はなんとかこの事実を他人に知られまいとびくびくしながら生きてきた。

温泉など周囲の目に触れる場面では隠すことに必死で満足に楽しめたことがなかった。

それなのに、なぜわざわざ宇宙人とはいえ他人に注目されながら死ぬほど恥ずかしいことをバラされなければならないのか。



彼女たちが地球を発見しなっかたら、彼女たちが僕たちとまったく違う姿だったら、彼女たちが僕を研究素材に選ばなかったら…。



さまざまなもしもが頭をよぎったが僕にはどうすることもできなかった。





「ここであなたに質問です。あなたのこの生殖器、これは何なのですか? 奇形か成長遅れ? それとも何か文化的な肉体変形?」



シルツの純粋な好奇心が僕の精神を確実にいたぶる。



ちくしょう。もうこうなればヤケだ。全部包み隠さず話してやる。



「これは、さっき話に出た通り包茎です。包茎の一種で真性包茎って言います。皮の入り口が狭くて大人になっても剥けないんです。

 たぶん生まれつきの病気・・・じゃないけど、その、欠陥みたいなものです。聞いた話では100人に1人か2人くらいがそうらしいです。

 僕たちの文化では包茎は恥で、手術で皮を切り取ったりして剥けた状態にすることもあります。

 文化的には、問題のある包茎かどうかにかかわらず全員皮を切り取ってしまうところもあるらしいです・・・。」



とりあえず知ってることを全部言ってやった。

おそらく僕の感情が大きく変化しているのが数値として表れているのだろう。僕が喋っているあいだアルノはしきりに僕の顔とモニターを確認していた。

シルツは納得した様子でふむふむと頷いて言った。



「はあ、そうでしたのね。ということは、この生殖器は生まれた時から皮に包まれたままで、一回も外気にすら触れたことがないのですね。

 どうりで色がこんなにピンク色なのね。小さいのも包皮が成長を阻害しているせいかもしれませんね。

 じゃあ、もう一つ質問ですけど、成長遅れじゃないとしたらこれ、射精は出来るの?」



いまさらだが、僕は彼女の言い方に少し腹がったって「できますよっ!」と吐き捨てるように言った。



しかし、彼女にとって僕の怒りなどどうでもいい様子で、そのまま考え事をしているようだった。





「室長、やはり射精は可能だそうです。でもそうなると・・・」

「うむ、そうだな。やはりあの問題か・・・」



「なんですか?」

なにか疑問があるのだろうか。初めてこちらから問いかける。

すると二人は相談をやめ僕の方を向いた。





「では聞くが君はどうやって交尾をしているのだね?」





問いかけた僕が逆に言葉を失ってしまった。





「君の生殖器は包皮が剥けず、無理に剥くと痛むのだろう? それでは雌種の生殖器に挿入するという作業ができないではないか」



「それが私達最大の疑問なのです。どうやってあなたは生殖活動をしているのですか? まさか人工的に生殖細胞を雌側へ植え付けているとか?」





一度は何でも答えてやると捨て鉢になったはずの僕だが、彼女たちの質問に「いや・・・その・・・・・・まだ・・・」と言葉を濁すしかなかった。





「・・・まだ? まだというのは、交尾をしたことがないということか?」



「そんな、室長ありえませんわ。こちらのデータによるば、サンプルの年齢なら生殖器や生殖細胞の活動のピークはとっくにきているはずです。

 それに伴って、生殖への欲求が高まるはずですから、通常であれば幾度となく交尾しているのが普通です。

 それなのに経験すら無いなんて・・・考えられないです」



「待て、博士。生物学者の悪い癖だぞ。きっと文化的な理由で生殖行為をあえてしていないに違いない。

 彼らにも宗教はある。戒律できつく自戒しているのだ。そうだろう?」



僕は修行僧かなにかか。



「・・・いえ、そんなことはありません・・・。僕が・・・雌にとって魅力的では無いので・・・」

自分で言いながら泣けてきた。



僕の言葉を聞いてシルツは少し驚いたような表情をしていた。

「じゃあ、あなたは今まで自分の体が繁殖に最も適している時期があったにもかかわらずそれをしてこなかったというのですか?

 生殖に対しての欲求も高まるというのに、何のためにそんな無意味な我慢を? 私達の価値観からすると非常に無意味で無駄な行為にしか思えませんが。

 子孫を残すということは生物にとってある種の義務ですよ。それをしていないんて、私達からすれば生きている価値が無いのと同じです」 





「ああっ、泣いちゃってますよぉ」



本当に涙が溢れてきた。真性包茎で童貞だってだけでなんでこんなに言われなきゃならないんだろう。

僕だって好きでこんな事になったわけじゃない。





「まあ博士、これにはどうやら我々と異なる文化的な部分が大きく関係しているようだ。これは君にとって少し専門から外れるからな。」

ラーシャがそう言ってなだめたが、それでもシルツは納得がいっていないようだった。





「君が交尾をしたことが無いことは分かった。まあ、こんな生殖器ではしかたないことかもしれんな。

 一つ聞きたいのだが、交尾をしたことがないのならなぜ自分が射精可能だと知っているのだね?」



「それは・・・自分で射精させるからです」



「自分で? それはなぜだね?」



「・・・射精する時に気持ちいいからです」



「どうやって自分で射精させるのだね?」



「さっきあなたがしたみたいに、自分で刺激して出します」



「では、先ほどのように刺激を与え続けていたら君はやはり射精していたのか。

 いや、いつもサンプルを射精させる時はあのようにしているのだが、間違っていなかったようだな。」





単調な受け答えだったためか、ラーシャとの会話を進めて行くうちに自然と涙は止まっていた。





「アルノ、サンプルの精神状況はどうだ?」

「落ち着いてきましたぁ」



きっとさっきの会話は僕を落ち着けるためにしたのだ。

なんだかんだ言って彼女は伊達にトップの座についているのではないらしい。

あいかわらずおかしな状況なことに変わりはなかったが、最初に痛めつけられたのも忘れ、僕はラーシャに対して少し信頼の感情を抱きつつあった。





「それでは続いて口頭尋問を交えた実験に移る」



身体がはりつけられている寝台が少しずつ動き出した。頭の方が下がっていき、足が閉じられていく。

寝台はちょうど床と水平になったところで停止し、今度は本当に仰向けの体勢になった。

これはこれで周りが見えづらくなり、さっきよりも何をされるか分からない恐怖感があった。





「君は先ほど交尾の経験が無いと言ったな。しかし、経験がないだけでつまりは本当に交尾が不可能かは分からんということだな。

 そこで、実際交尾可能かどうか実験してみようと思う。雌種のサンプルもいれば交尾させるところなんだが、あいにく今はおらん。

 そこで、今回は博士に君の相手になって貰おうと思う。

 では博士頼む。」





とんでもないことをさらりといいつつラーシャはシルツを促した。

呼ばれたシルツもこともなげに返事をすると、着ていた白衣の様な服(デザインは地球の物とたいして変わらない)を坦々と脱ぎはじめた。

下に何も着ていない様に見えていたが、本当に彼女は白衣一枚だけだった。

衣服を脱ぎ終えるとそこには人間の女性と変わりない肉体があった。

僕の目は初めて生で見る女性の裸、特にその大きくて柔らかそうな乳房に釘付けになった。



「ちなみに我々の出産器官は君たちの雌種の外性器によく似ているからおそらく問題なく交尾可能だろう。」



一糸纏わぬ姿のシルツが近づいてくる。

彼女は僕を少し見て微笑んだかと思うと、顔のすぐそばに手を置いてそのまま寝台の上によじ登り、僕の身体の上で四つんばいになった。

お互いの鼓動が分かるほどに顔と顔が近い。キスすらしたことのない僕はこんなに近くで女の人のを見るのも初めてだった。



ああ、ついに僕も童貞卒業か。

もしかしたら一生無理なんじゃないかと思った事もあったけど、まさかこんな形になるなんて―。

気持ちいいっていうけど、どんな感じなのだろう? 上手くできるだろうか? できるだけ我慢しなくては。

相手が人間じゃないのはちょっとアレだけど、でもこれだけ美人だったら全然―――













「博士もういいぞ」











――え?



ラーシャの声を聞いてシルツは分かりましたと返事をするとなごり惜しむ様子もなく、さっさと寝台から降りてさっき脱いだばかりの白衣に再び袖を通し始めた。





「やはり、生殖器や身体への直接的な刺激がなくともボッキ反応は起こるのだな」



ラーシャは納得したように頷いた。

たしかに僕の下半身は初体験の期待に応え、痛いほどに自己主張をしていた。



「ふふ、まさか本当に交尾できると思ったのですか? そんな簡単に異星生物と接触するわけないじゃないですか。

 あ、ちなみに私達の身体の周りには、透明な膜状の防護服が全身を覆っているので心配なさらなくて結構ですよ」



してねえよ。ちくしょう、簡単に宇宙人なんかを信用するんじゃなかった。

先ほどのラーシャへの信頼はすぐに打ち砕かれる事になってしまった。

しかし心は落胆しても体の変化はすぐには収まらず、相変わらず皮を被ったまま勃起するという醜態を晒していた。



「それに、交尾本番になればもしかしたら剥けるかもしれんと思ったのだがな。無駄だったな。

 おいもういいぞ。早く生殖器を萎ませろ。」



そんな秘めた力みたいなものは僕にはないし、自分の意志で萎ませるのも無理だ。



「無理です」



「なんだ無理なのか。ではしょうがないな」



「ぎゃっっ!」



久しぶりの激痛が体を襲った。

そこは「じゃあ一発ヌいてやろう」じゃないのか。

ことごとく期待を裏切られた反動かショック攻撃のおかげか分からないが、大きくなったモノも少しずつ萎え始めた。









それ以降も体のさまざまな部分を触られたり、音声やよく分からない音楽を聴かせられたり、性器にさまざまなと刺激を与えるなどして、

彼女たちの勃起するかどうかの実験は続いた。





一つの実験が終わる度にビリッとやられては仕方がないので「自分で治めます」と言って、ひたすらに素数を数えたりもしたが、

「遅い」の一言と共に結局ショック攻撃で萎えさせられるはめになった。







「これで勃起に関する実験は終了とする」



・・・やっと終わった。

何度も何度も射精を伴わない勃起をさせられ、そのたびに痛めつけられていたので僕は心身共にボロボロだった。



安堵している暇も無くまた寝台が動き始めた。

今度は足の部分だけが動き、大きく僕の股を広げさせた。

いまさらだがこの格好はかなり恥ずかしい。性器が相手から丸見えなのもそうだが、前に立たれると自分の性器越しに相手の顔があるのだ。



「では始める」

最初に勃起させられた様にラーシャが僕のぐったりとしたモノを扱く。

さんざん勃起させられた後だが、一度も射精していないのですぐにむくむくと大きくなり始めた。

薄い膜に覆われていると言ったが伝わってくる感触と体温はそれを感じさせない。相変わらず手つきは単調だが、自分で扱くのが惨めに感じられるほど気持ちいい。

本当に自分の亀頭を包んでいる皮が憎らしく思えてきた。これさえなければ直に感触を味わえるのに・・・。

それはどんなに気持ちいいのだろうか。それを想像することでさらに性器が大きく膨らんでゆく。



既に股間はパンパンに勃起しきっていた。

しかし、ラーシャの手が止まることはない。アサガオのつぼみのような先端から滲み出た透明な体液が性器を包む彼女の掌を湿らせる。

ぬるぬるとした感触が加わり、ネチネチとエロチックな音が部屋に響く。

三人とも一言も喋らずに僕の股間に注目している。他人に見られているという感覚が快感を加速させる。

急激に体の奥からあの独特の感覚がこみ上げてきた。

陰嚢がきゅっと持ち上がって、「あ、出る」と思った瞬間には僕は我慢の限界を超えていた。



びゅっびゅ〜〜っ、びゅびゅっ、びゅっ、びゅっ―――



扱かれたままの僕の愚息は彼女の手の中で果て、情けない包茎の先端から大量の精液を吐き出す。

何度も我慢させられていたせいか、普段ではあり得ないほど大量に射精した。



「んっ」

「あらっ・・・」

「えぇっ〜〜」



三人が同時に声を上げたのに驚いて、絶頂の余韻に浸るまもなく僕は顔を上げてまわりをうかがった。



「もう射精したのか」

ラーシャが信じられないという表情で、いまだにドクドクと脈動する手の中のモノを見つめながらつぶやいた。



「これはもしや最速記録じゃないですか? サンプル取る容器出す前に出ちゃうなんて最初以来ですよぉ」



「きっと刺激に慣れてないせいね。これはこれで無防備な交尾時間が少なくてすむから有用なんじゃないかしら。

 ・・・まぁ、交尾できないのですから意味無いのですけれど」



シルツの考察は微妙にズレていたがそんなことを教えてあげるつもりもなかった。

出させるつもりなら最初から言って欲しい。また心に一つ傷を負ってしまった。





「とりあえず放出された体液は回収しておこう」

細い管がついた機械を持ち出すとじゅるじゅると僕の精液を吸う。

体や彼女の手についた精液を吸い尽くすと、そのまま無造作に機械の先端を包皮の先端から突っ込まれる。



「あああっ」

尿道内や皮の隙間に残った精液が根こそぎ吸われてゆく。味わったことのない刺激に思わず声が出る。



「おお、またボッキしてきたな」



一度出したばかりだというのに、僕の身体は再び射精の準備に入ろうとしていた。



「・・・室長、すみませんがちょっと代わって貰えますか?」

僕の勃起しかけたモノと吸引器がシルツの手に渡る。



「あなた、これがなんだかわかりますか?」

シルツは僕に自分のモノに吸い付いている機械を見せた。意図がつかめず「えっ?」と聞き返すと



「これは機械ですよ、機械。あなたをボッキさせるための機械じゃなくて、ただの放出された体液を集める機械です。

 生物の私達に触られてボッキするなら理解できます。意識がないなら単純刺激で反応してしまうのもしょうがないでしょうけど―――。」



そう言いながら彼女は吸引器で、尿道口をぐりぐりと小刻みに刺激し始めた。もちろんその間も吸引したままである。

正直少し痛いがそんなことはお構いなしとばかりに僕の愚息はグングンと膨張しつづける。



「ああ、また大きくなってきてる・・・。いいですか? もしあなたがこのまま射精したとしてもあなたの生殖細胞は、

 この機械に吸われて雌の体内どころか、私達の研究材料になるだけです。恥ずかしくないんですか?

 機械に吸われて大切な子種が殺されてしまうのがわかってても、それでもあなたは射精するのですか?」



サオを押さえていた片方の手が離され、陰嚢の方に伸ばされる。既にビンビンになったサオは支えが無くとも直立したままだ。

優しく陰嚢が揉みしだかれる。先ほどの勃起実験で陰嚢もまた大きな快感を覚える部分だと彼女は知っていたのだろう。

強すぎず弱すぎない絶妙な陰嚢マッサージと、吸引機による暴力的な尿道責めの二重の快感で、僕は簡単に二度目の射精に追いやられた。



じゅぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ――――



体から飛び出した精液はそのまま空気に触れることもなく、吸引器の中に吸い込まれる。

射精中も吸われ続けるという快感に、頭のなかで火花が散っていた。

声にならない声を発し、半開きになった口からは少しよだれが出てしまった。



「なんてだらしのない顔・・・。やっぱり交尾できないとわかっていてもボッキや射精をするのですね。

 予想していたよりも、地球人はあまり上等な生物ではないようですね」



シルツはみっともなく精液を漏らし続ける僕を軽蔑したような目で見つめた。



二度目とは思えないほど長い射精が終わり、やっと吸引機責めから解放された。

なんだか僕のせいで人間という生物が誤解されつつあると思ったが、反論できる材料が見つからなかったのでそのまま黙っていた。















「―――さて、このサンプルがシンセイホーケイという状態で一度も皮が剥けたことがないのはわかった。

 しかし、なればこそ皮に包まれている本体の先端部分への刺激でどのような反応があるか観察すべきである。

 問題はその方法だ。」



「そうですね。通常ならば生殖器を包むタイプの人工膣で射精させられるんですが、このサンプルでは使用不可かと」



「ならばどうするか・・・」

ホースの付いた筒のような物が出てきた。きっとあれはオナホールというより搾精機だ。

宇宙人の科学がつまった搾精機なんて味わってみたいけど、たしかに僕じゃムリだな・・・。





「はい室長! スライム状の液体をを皮の間に注ぎ込んでクチュクチュしてあげたらいいと思いますっ!」

二人の沈黙を破ってアルノが元気に声をあげた。

「そんなことが可能なのか?」

ラーシャが少し訝しげに部下を見た。



「ハイ、医療用のα粘性流体なら100%の精度で遠隔操作可能ですから、ついでに不純物無しの体液も回収できますと思います。」

アルノの言葉を聞いて、二人は顔を見合わせて納得したように頷きあった。



「よし、それでいこう。お手柄だぞアルノ」





すぐにシルツがどこか別の場所から、透明なパックを一袋持ってきた。



「じゃー博士。こちらで操作しますから、先っぽのほうからちゅーっと注入しちゃってください。」



シルツがパックの中身が移された注射器を、軽く扱いて勃起させた僕の包茎性器の先に差し込む。

次の瞬間注射器の先端から冷たい液体が、敏感な亀頭と皮の間に滑り込んできた。

液体はちゅるちゅると注がれて、あっという間に皮と本体の間を満たしてしまった。

すべてを注ぎ終わったシルツは液体が漏れないように皮の先っぽをつまんで、完了したわとアルノに伝えた。



まるで熱気球の様に膨らんだ僕の性器はいつにも増して情けない姿だった。





「それじゃ、いきますよ」

そう言うとアルノは見たこともない速さで、目の前のキーボードを叩き始めた。

うわあすごいなぁと思った瞬間に、僕は彼女を見ている余裕を無くした。



「うわあぁあっっ!!!」



注ぎ込まれたすべての液体が、一斉にざわざわと動き始めたのだ。

最初は液体の冷たさに身悶えしていたのだが、動き始めた瞬間、亀頭をいくつもの小さな舌がなめ回すような感覚に襲われた。

皮の上から扱かれるのとはまったく次元が違うほどの快感。

腰が寝台に張り付いていなければ、僕はおそらくブリッジのような体勢になってしまっていただろう。



「博士もぉ、手ぇ放しちゃって大丈夫です。

 さーて、どうですかぁ? ぐっちゃんぐっちゃんのぐにぐにで、すぐに射精しちゃいそうですか?

 ははっ、まーだ序の口のハズなんですけどねぇ。ちょーっと刺激が強すぎですかねぇ?」



アルノの楽しそうな声が響く。

軽くバカにされたような気がしたが、今の僕にはそんな事に構っている余裕なんて無かった。

液体がまるで意志を持ったかの様にぎゅるぎゅると回転したかと思えば今度は上下に激しく動く。

僕の人一倍敏感な部分をグチュグチュグニグニと、アルノの意志が宿ったスライムが弄んでいる。

頭の中では小さなこびとたちと化したアルノが、僕の大事な部分を中心にしてダンスをしている映像がうかんだ。



「それそれそれ! こんな動きをするとどーなちゃうのかなぁ。もしくはこいつをこうして、こうやったりして!!」



「アルノ、遊びではないぞ。まじめにやれ」



「はーい!」

信頼率0%な返事と共にこスライムの動きは一層激しくなった。

スライムは尿道の中まで入り込みペニスの内側からも刺激してくる。

僕には全身が性器になったような快感に任せて女の子のように喘ぐことしかできない



気持ちいい。頭がおかしくなりそうだ、、、



ぁあもう我慢できな―――。



どくっどくっどくっ・・・・・・・・・・・・





ビクンビクンと痙攣しながら僕は絶頂を迎えてしまった。



男性器の先端から勢いよく噴出するかと思われた白濁液は、包皮の先からプクーっと風船のように膨らみながら透明なスライムに包まれて出てきた。



「あはは、出ちゃいましたねぇ」

アルノが笑いながらキーボードを叩く。



快感に比例するように大量に放出された精液を包んだスライム風船がぽろっと落ちた。

それを待ちかまえていたラーシャがダイレクトキャッチする。



「アルノご苦労。それにしてもすごい反応だったな。うん、量も多い」

感心したように頷きながら手の中で精液入りのスライムボールを弄ぶ。



あまりに激しい絶頂にはっきりとしない意識の中で僕はラーシャを見ていた。







「よし、これにて予定していたプログラムはすべて終了した。これにてサンプル##の口頭尋問と実験を終わりにする。

 みんなご苦労だった。」



よかった。確かに気持ちいいのは気持ちよかったけど、これ以上おもちゃのようにいじくり回されるのは勘弁だ。

やっと解放される。





「―――では引き続きアルノは先ほどの方法で体液サンプルの採取にあたってくれ。

 今回は特殊なサンプルだ。通常の倍は必要なので、そのように」



「りょーかいです。あのタンクをいっぱいにすればいいんですよね?」



アルノが寝台の横にあるタンクを指さす。

ちょっと待て。アルノの指の先にある容器はゆうに4リットルは入る大きさだ。



「そうです。あと生殖器は老廃物の排出器官も兼ねているから混じらないようにね」

答えるシルツの手にはタンクにつながった搾精機。その中に僕の大事な部分をさんざん嬲った先ほどの液体が注がれている。

彼女はそれを勃起させた僕の股間に装着させると

「安心してください。必要な分採取したらちゃんと記憶を消して帰してあげますから。せいぜい頑張っていっぱい出してくださいね」

と言ってニコッと微笑んだ。



「それでは後、頼んだぞ」

アルノの「はーい」というバカみたいに元気な返事とともに、彼女の両指がキーボードの上で躍り始める。

待ってくれと言おうとしたが、口から出てきたのは快感に対する悲鳴だった。



これから延々と続く快楽地獄に身もだえる僕には、部屋を後にする二人の足音はすでに聞こえなくなっていた。





























実験服から着替えたラーシャとシルツは、船のブリッジから地球を眺めていた。



「船長。これで今回の地球調査は終了ですわ。最後に面白いデータが採れましたわね。

 サンプル##はいつものように記憶を改竄の後、捕獲した地点にて解放という形でよろしいですか?」

シルツがいつものように確認をとる。



「・・・なぁ博士。君は本当に今回の実験だけでサンプル##を調査しつくしたと考えるかね?」

ラーシャが何かを言い含めるよな口調で、思いがけない一言を口にした。

聡明なシルツはそれだけで目の前にいる上司が何を言わんとしているのかを悟った。



「いえ、やはりまだまだ調査する余地があります。

 サンプル##は今回の調査で、地球の生態系にまったく関与する可能性のない個体だと判明しました。

 このまま母星に研究材料として持ち帰っても倫理上問題ないかと」



優秀な部下の回答にラーシャは不敵な笑みを漏らした。



「母星への帰還までに時間もかかる。その間遊んでいる訳にもいかんからな。我々は調査隊員としての職務を全うしなければならん」

そう言うと二人はお互いの認識を確かめ合うかのようにニヤリと微笑みあった。









―――彼女たちの星が地球を発見して数ヶ月。代わる代わる調査隊を派遣し続け、その調査を進めた。

彼女たちにとって異星調査など幾度も経験済みのことであり、そんな彼女らの科学力とノウハウがあれば、

いくら珍しいとはいえ一生物の一器官などすでに調べ尽くしていて当然である。

しかし、彼女たちはいまだに偏執的とさえ言えるほど熱心に男性器を研究し続けている。

確かにこのラーシャ達が真性包茎のサンプルを目にするのは初めてであったが、おそらくは他の調査船も同じようなサンプルに遭遇しているだろう。



なぜ、彼女たちはこうまで男性器という物に執着しているのだろうか?



彼女たちは自らに芽生えている感情の本質をまだ知らない。

人間の雄を快楽に身悶えさせ、生物としての尊厳を踏みにじる喜び。

そして、彼らを勃起させ射精させる時に感じる妖しい感覚。



おそらくまだ彼女たちは、それらを知識欲の充足感の変種程度にしか考えていないだろう。



しかし、いつか彼女たちがそれこそが自分たちにとっての性的な快感なのだと気づいた時、

彼女達の母星に地球の男性が大量に輸入され、彼女たちの娯楽の道具にされてしまう日がやってくるのかもしれない。






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