溶姫リベンジ




塀に寄り掛かる女。眼の大きな凄い美人だ。

首から下は継ぎ目のないすべすべした黒い膜で覆われていて、粘液で濡れている。

異様にエロチックで、何か変な雰囲気だ。

あ、僕の方を見て片目を閉じた。挑発しているのかな。僕の股間は硬くなった。

ふと横を見ると、デート中の郁子は不機嫌な表情を露わにしている。

「知っている人?あの女、変ね。」

「いや、全然知らない。行こう。」

僕は無関心を装って、郁子と先を急ぐように通り過ぎた。



その晩夢を見た。

甘いむせる様な香りに包まれて僕は郁子の後ろを歩いていた。

「郁子。」

僕が呼びかけると振り返ったのは昼間のあの女だった。

「あなた私を見て反応したでしょ。」

女は僕にねっとりとまとわりついて来た。女の身体はアメーバのように溶けていく。

「気持ちいいでしょ。溶けてしまいなさい。」

僕は、絶頂の快楽の中で、溶けた女の身体の中で果てた。



眼を開けると、脚元に誰かいる。

「だ、誰だ。」

身をくねらせながら、人影は答えた。

「私は、溶姫。溶ける姫と書いてヨウキっていうの。溶かす姫なんて悪口を言う友人もいるわ。」

「何の用だ。」

昼間の女だ。夢の中でも感じた絶え間ない快感が股間に押し寄せて、僕のペニスは隠しようがないほど怒張していた。

「あっ。」ジュクジュクと白い液体が股間からほとばしり出るのを感じた。眼の前で身をくねらす女を見ただけで、仰向けになったまま射精する僕。全身をとろかすような感覚の中で、僕は、屈辱的な気持ちになった。

「何の用だなんて。私の媚薬粘液の蒸気でそんなに股がグチョグチョになっているのに随分なご挨拶ね。さっきは、私を無視して行っちゃうなんて。そんな侮辱、我慢できないわ。」

身をくねらせる女を見て、熱い快感が押し寄せ、僕の股間からどくどくと精液がまた流れ出した。気を失いそうに気持ちがいい。溶けてしまいそうだ。

「あっ、うぅっ。どうしたんだ。射精が止まらない。」

「それは当り前よ。私の媚薬粘液の蒸気を嗅いだら、ちょっとした刺激で気が狂うような快楽になるの。私ってそんなに魅力ないかしら。あの女より。」

女が身をくねらせると、女の黒い身体の表面の粘液が擦れて、クチュクチュと厭らしい音をたてた。音を聞いただけでも、エロチックな興奮が僕の身体の芯を貫いた。

「あっ、や、やめて。きみが身体をくねらせるのを見ると、どうかなりそうだ。」

「ほんと、どうなっちゃうの?ほうら、私の身体くねくねよ。」

女の挑発的な肢体のくねりと粘液の音が、熱い棒となって僕の身体を蕩かしながら貫いていく。また股間に液体がほとばしった。

「やめてくれ。あぉっ。身体が崩れそうだ。」

「そんなに悶えたら、股が服にすれて余計ひどいじゃない。あ、そうか。気持ちいいからそうしたいんだ。いいわよ、もっと悶えさせてあげる。もっと悶えて精液をだして。ほうら、私の身体がくねるのを見ただけでそんなにとろとろになってくれて嬉しいわ。」

身体が、どこかに触れるたびに、そこから恐ろしい程の快感が全身に浸みわたっていく。溶けそうだ。そのたびに僕の股間からドロドロした液体が溢れ出て来る。

「と、溶けてしまいそうだ。あ、あっ、と、溶ける。溶けてしまう。」

溶姫は、残忍な笑みを浮かべた。



「これから、あなた溶姫の本当の恐ろしさを味わわせてあげるわ。あなたの恋人はどうなったと思う?」

「い、郁子がどうかしたのか。」

「私の媚薬粘液はあなたには極限の快楽をもたらすけれど、精液を出さない女にはただの強力な消化液なの。さっき、たっぷりとかけてやったわ。」

「と、溶かしたのか。」

「跡形も無くなったわよ。」

「そ、そんな酷いことを。う、あ、あっ、僕も溶かされてしまいそう。」

すこしでも動けばたちまち全身をとろかすエロチックな興奮に股間から粘液が噴き出した。

「恋人がドロドロに溶かされたっていうのに、こんなに欲情しちゃって薄情ね。」

溶姫は手を伸ばすと僕の口に粘液を1滴垂らした。

「う、あっ、ぐぶっつ。な、なにを。」

突如、さらに全身が沸き立つような快楽が攻めてきた。

「媚薬粘液を飲ませてあげたのよ。蒸気を嗅いだだけで、そんなにとろとろになっちゃてるのに、飲んだら凄いわよ。」

気が狂いそうだ。身体中が泡になって、滑らかな手のひらで拡げられていくようだ。もう耐えられない。気を失いそうだ。

「うわっ。うっ。なんだ。ぜ、全身がかき混ぜられそうだ。い、息ができない。溶ける。溶けてしまう。」

「まだまだよ。かりに、あなたの全身が全て精液になっても許してあげない。わたしを侮辱したんですもの。地獄の快楽を与えてあげるわ。」

溶姫は身をくねらせながら言った。

「うっ。と、溶けた郁子は。」

「ひっどい。まだ、あの女のことを言うの。こんな屈辱初めてだわ。溶姫の一番残酷な技をたっぷり味あわせてやるわ。」

溶姫は口から夥しい量の白いドロドロの液体を吐き出した。泥は、たちまち布団や服を溶かして、僕の身体を這い廻りはじめた。媚薬粘液を飲んで、少しの刺激でも蒸発してしまいそうになっていた僕の身体は、白い泥に股から太腿から擦りまわされて、地獄の興奮にさいなまれた。

「うわっ。な、なんだ。この白い泥は。あっつ、気が狂いそうだ。や、やめて。た、助けて、溶ける。溶かされる。」

「どう、白い泥に身体中を這いずり廻られるのは。媚薬粘液を飲んだから息もできないぐらい気持ちいいでしょう。この世では味わえない快楽よ。この技はね、ピラニアっていうの。その白い泥はあなたの身体を全部ドロドロに精液に変えちゃうの。」

「うっ、あっ、あぁぁぁ。」

身体がドロドロに溶けていく。もう殆ど残っていないかもしれない。

「もうひとつ、教えてあげる。その白い泥、あなたの恋人よ。いっしょにしてあげて、私って優しいでしょ。」

「ぅ。」

極限の快楽のなかに、銀の針が1本刺さった。そのまま僕の意識は溶解した。

「すっかり溶けちゃったわね。こんなにたくさんの御馳走久し振りだわ。ピラニアは私を無視してくれるカップルがいないと出来ないから滅多に出来ないの。みんな私の事残酷だっていうけど、気持ちいい思いもさせてあげたし、恋人とも一緒にしてあげたんだからそんなことないよね。あぁ、嬉しい、戴きます。」



溶姫は黒い粘液になって溶け崩れると、悦びにふるふると震えながら白い液体を残さず吸収していった。






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