牛人 其の二 『山海民口伝』より




牛人の力の強さは計り知れない。

地中深くまで根を張った樹木を一人で引き抜き、削って武器にするという。

また身体を覆う脂肪は分厚く、よほど深い傷で無い限り致命傷にはならない。

その力と体躯を武器に大猪や熊、虎などと素手で戦うこともある。

そして牛人は、その身体を自分の手で狩った獣の毛皮で包み、己の力を誇示するのである。

         (『山海民口伝』より)









薄暗い家屋の中、少年は一人の牛人を前にしていた。

牛人は家においてあった卓に腰掛け、正面に立つ少年に向けて股を開いていた。

少年の衣服と牛人の纏っていた熊の毛皮は床の上に脱ぎ散らかされていた。

「さ・・・始めようか?」

むき出しの股間を手で隠し、羞恥と恐怖に耐える少年に向けて、牛人はそう告げた。

「簡単なことさね・・・アタシを気持ちよくしてくれればいいのよ」震える少年に、一言一言言い聞かせるように、彼女は続ける。

「そうすれば、アンタのお父さんお母さんを助けてあげる・・・分かった?」

彼女の言葉に、別な家屋に囚われている両親の姿が彼の脳裏に浮かんだ。

そしてその命が、自信の両肩に掛かっていることを、少年は自覚した。

「・・・う、うん・・・」

生返事ながら、牛人の問いに応じた。

「よしよし・・・じゃあ、好きにしな」

牛人はその太い太腿を左右に広げると、少年を招いた。

少年は恐怖と羞恥に耐えながら、心を奮い立たせて卓の側まで歩み寄った。

むっちりと太い二本の足の間に、彼がはじめて見る女性器があった。

牛人の女性器はその体躯に合わせて大きく、薄く口を開いて、まさに生肉といわんばかりの粘膜を晒していた。

「えぇと・・・」

目の前で口を開く女陰を前に、少年は戸惑った。

どうすればいいのだろう?

とりあえず、少年は指で触れることにした。

一方の手を女陰に近づけ、残る一方で股間を隠す。

彼の伸ばした指先が、ビラビラと広がった襞に触れた。

「!?」

予想以上の柔らかさに、少年は一瞬動きを止めた。

牛人の豊満な肢体や乳房の柔らかさは容易に想像できる。

だが、陰唇の柔らかさは彼の予想を超えていたのだ。

「ん?もしかしてココ、はじめて見た?」

彼女の指摘に我に返ると、少年は握っていた手を広げ、掌全体で陰部に触れた。

そのまま力を込めれば潜りこんで行きそうな柔軟さを味わいながら、彼はゆっくりと撫で始めた。

「んー?そんなんじゃ気持ちよくなんないよ」

少年のおっかなびっくりの愛撫に、牛人が不満を漏らした。

「え・・・でも・・・どうすれば・・・」

「何?お手本見せて欲しいの?」

戸惑いの声を漏らした少年に、彼女はにやりと笑みを向けた。

「じゃあ、見せてあげる」

彼の返答も待たず、牛人は手を伸ばすと少年の細い肩を掴み、持ち上げた。

「うわ・・・!?」

突然抱え上げられ、少年は手を振り回しながら羞恥を忘れ声を上げた。

彼女は少年の驚愕に構うことなく、少年の腰を掴むと頭を下にして抱きかかえた。

少年の視界がひっくり返り、直後顔が肉付きの良い腹に押し当てられた。

「こうすんのよ」

そう言うと、彼女はむき出しになった少年の股間を、口に含んだ。

牛人の大口に、恐怖に縮こまっていた陰部が包み込まれる。

「んぅぅっ!?」

股間を包み込んだ生温かい感触に、少年は声を上げた。

牛人は縮こまった肉棒を舌で絡め取ると、唾液をまぶすように舐めた。

「ひぅっ!」

未知の感覚が、少年の脳髄に届く。

だが彼女は構うことなく、肉棒を舐り玉袋を舌で弄っていく。

縮こまっていた陰部が、舌の蠢動に合わせて柔らかくなっていく。

そして、加えられる刺激に肉棒は膨張し、屹立していった。

「んぅ・・・んじゅ・・・」

「ひぁぁぁ・・・!」

肉棒や睾丸にまぶされた唾液が、彼女の口の動きにあわせて音を立て、強烈な刺激が少年を襲った。

牛人の身体から立ち込める汗の香りと、背筋を伝わって届く快感が、少年の意識を塗りつぶしていく。

「ひゃあああ・・・あぁ・・・!」

快感に少年の身体が力を失い、熱を帯びた牛人の肉体に埋もれていく。

彼女の汗の香りが、鼻腔から脳を侵し、興奮を高めていく。

そして、

「んじゅ・・・じゅずずずずず・・・」

「・・・っ!?」

音を立てながら、牛人が口内の唾液を肉棒ごと啜った。

細かな振動が生じ、強い刺激が彼を襲う。

瞬間、少年の意識がはじけた。

「っぁぁぁあああああっ!!」

大声を上げながら少年は全身を震わせ、初めての絶頂に達した。

尿道をどろどろとした精液が駆け上り、牛人の口内に迸っていく。

「ひぅっ・・・あぁ・・・」

「・・・ん・・・」

嬌声と共に放たれる精液を、彼女は肉棒を含んだまま受け止めた。

やがて少年の全身が弛緩し、精の迸りが止まる。

牛人は唇をすぼめると、少年の腰に手をやって口を陰部から離した。

「はぁはぁはぁ・・・あぅっ・・・!」

唇が肉棒を扱く感触に、彼は声を漏らす。

だが彼女は少年を抱きかかえると、上下を元に戻し床の上に少年を横たえた。

彼から手を離すと、彼女は口内に止まる少年の精液に意識を向ける。

ぷりぷりとした弾力のある、半ば固形化した精液の生臭い香りが、口いっぱいに広がった。

「ん・・・ん・・・」

彼女は苦味と微かな塩味をたたえた、彼の人生で初めてであろう精液をたっぷり味わうと、数度に分けて嚥下していった。

そして、最後の一滴を口内で転がしてから嚥下すると、彼女はようやく口を開いた。

「今のがお手本、分かった?」

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

初めて体験した絶頂に脱力する少年には、応える余裕が無かった。

「ん?もう止めたい、って言うのなら別にいいけど・・・」

「あっ・・・や、やります・・・!」

捕らえられている両親の顔が脳裏をよぎり、少年はふらふらと身を起こした。

慌てた様子の少年に、彼女は薄く笑みを浮かべた。

「あぁそう・・・だったら、ね・・・?」

そう言って、彼女は再び少年に向けて足を広げた。

少年は床の上に膝立ちになると、卓に腰掛ける牛人の股間に顔を寄せた。

そこは先ほど触れたときとは異なり、じっとりと湿っていて、赤く艶々した肉がひくひくと動いていた。

「・・・」

彼は意を決すると口を開き、突き出した舌で濡れた陰部に触れた。

敏感な舌先が、柔らかさと微かな塩味を少年に伝える。

彼は必死に、先ほど自分の陰部にされたことを思い出しながら、下を動かしていた。

何度も舌先をつばで濡らし、露出した柔肉に唾液を塗りこむように舐める。

やがて唾液に混ざって磯の香りのする粘液が、肉襞の奥から滲み出してきた。

「ん・・・初めてにしては、上手いね・・・」

微かに頬を紅潮させながら、彼女はそう漏らした。

だが、その顔には余裕のある笑みが刻まれていた。

「でも、まだまだ・・・!」

牛人の巨大な掌が少年の後頭部を捉え、彼女の陰部に押し付けた。

突き出していた舌はもちろん、唇から鼻先までが柔らかな肉に埋もれた。

「んぅ!?」

「ほら・・・舌だけじゃなくて、口や鼻も使って・・・!」

抗議のうめき声を漏らす少年の頭を掴んだまま、彼女はぐりぐりと掌を動かした。

柔らかな唇が膣口を擦り、鼻先が充血した陰核を摩擦する。

「んっ・・・!」

少年の顔面がもたらす快感に、彼女は小さく声を漏らした。

彼女はすう呼吸の間快感を楽しむと、ひとまず満足することにした。

力を緩め、少年の頭部を解放してやる。

「っくはっ、がはっ・・・!」

彼は陰部から勢い良く顔を引き離すと、床に崩れ落ちながら激しく咳き込んだ。

「わかった・・・?」

主語の無い問い掛けに、少年は涙を滲ませながら激しく首を上下に振った。

牛人は少年の様子に、目を細めた。

「じゃあ、もう一度ね」

彼女の言葉に、少年は再び女陰に顔を寄せた。

口を大きく開き、左右に広がる肉の亀裂に唇を埋めた。

喋るように口を動かし、突き出した舌を上下左右に操る。

微かに塩味のする粘液が、女陰の奥から溢れて彼の顔を濡らしていった。

「んっ・・・」

亀裂の上端で膨れる陰核を鼻先が擦るたびに、牛人は甘い声を漏らし小さく身体を震わせた。

上目遣いに彼女の顔を窺うと、眉根を寄せ、微かに紅潮した顔が彼に見えた。

牛人の様子に、彼は一つの確信を得た。

「ちゅ・・・ぶちゅ・・・」

唇を女陰から離し、その上部の小指の先ほどの大きさのふくらみに吸い付いた。

唇をすぼめ、口内に突き出した突起の先端に舌先を軽く当てる。

すると牛人の手足が一瞬強張った。

「んんっ・・・!」

両目を閉ざし、口を結んで微かに声を漏らした。

少年は彼女の様子に確信を得た。

口に含んだ陰核の先端を二度、三度と舌先でくすぐり、すぼめた唇でその側面をぐにぐにと揉む。

彼の口技にあわせ、牛人は小さな痙攣と共に嬌声を漏らした。

そして、女陰の奥から溢れだす粘液は、彼の顎から胸を濡らし、いつの間にか屹立していた彼の陰茎に滴っていった。

「ちゅぷ・・・んちゅ・・・ん・・・」

「くふっ・・・んっ・・・」

少年と牛人の顔は紅潮し、部屋の中には水音が響いていた。

やがて少年は空いていた手を、彼女の女陰の縁に這わせていた。

溢れだす粘液をねっとりと指に絡め、塗り広げるように擦っていく。

彼の指に合わせて、女陰はひくひくと蠢いた。

「そこ・・・ん・・・もっと、奥・・・」

女陰に触れる指の感触に、彼女はそう呟いた。

少年は言われるがまま、指先を女陰の縁から滑らせ、奥へと挿し込んでいった。

柔らかな肉が左右に広がり、彼の指を飲み込んでいく。

温かく柔らかな襞が彼の指を擦っていき、彼の屹立は小さく脈打ち始めた。

「ん・・・そのまま・・・かき回して・・・ん・・・」

円を描くように手を動かす。

指と粘膜の隙間から空気が入り込み、粘液と混ざってぐちょぐちょと卑猥な音を立てた。

溢れ出した粘液が淫猥な匂いをかもし出し、彼の鼻腔をくすぐる。

「・・・・・・・・・!」

彼女が何事かを呟くが、少年の耳の奥ではごうごうと激流のような音が鳴っていた。

だが、それでも彼は彼女がどうして欲しいかを本能的に悟っていた。

人差し指をくわえる女陰に中指を挿入し、さらに大きく手を動かす。

「・・・っあ・・・!」

牛人が大きく仰け反り、女陰から粘液が少しだけ迸った。

だが彼は驚くことなく、薬指、小指と指を増やしていき、ぐちゅぐちゅと亀裂の中をかき回していた。

粘液が泡立ち、白く濁っていく。

「っ・・・ひっ・・・!」

いつしか手首までが女陰の中に突き込まれ、すぼめるように揃えた指先で粘膜を擦っていた。

膣に刻まれた幾重もの襞が、少年の手に絡みつき、たっぷりの粘液を塗りこんでくる。

手首を伝い、肘を伝い、愛液が床に、彼の身体に滴り落ちる。

牛人の汗の香り。

粘液の放つ香り。

少年の汗の香り。

それらがごちゃ混ぜになり、少年の意識を侵していく。

彼は猛然と口にくわえた陰核を愛撫し、手で膣をかき回しながら、言い知れぬ興奮に飲み込まれていった。

もはや肉棒の脈動は、心臓の鼓動のように早く、力強かった。

「ふひっ・・・んっ・・・!」

牛人が小さなうめきと共に身を捩じらせ、卓の上の巨大な尻が左右に動く。

腰の動きが少年の手に伝わり、彼の手の甲が深く膣壁を抉る。

「んふっ・・・!」

仰け反りながら彼女が声を漏らすと、膣が少年の手を締め付けた。

手首に掛かった強い力に、少年はつい口内の陰核を軽く前歯で挟んでしまった。

「っあああっ!!」

叫びと共にびくんびくんと彼女の身体が痙攣し、膣口と彼の手の隙間から液体が迸った。

無論それは彼女の陰核を咥える少年の胸にも、たっぷりと浴びせかけられた。

「!?」

不意に勢いを増した粘液に、少年は陰核から口を離し、膣から手を引き抜きながらあとずさった。

ずるり、と手の凹凸が襞を掻き分け、膣口から引きずり出される。

「ひぐぅっ!?」

広げられていた彼女の両脚が、上ずった声と共に閉じられた。

彼女の股間に顔を埋めていたため、その太腿に彼の頭部が固定される。

そして、ぽっかりと口を開いた女陰から、絶頂の迸りが彼の顔面向けて放たれた。

さらさらとした粘液が、断続的に彼の顔に浴びせかけられる。

「・・・・・・・・・」

彼は浴びせかけられる体液に構うことなく、眼前で口を開いている女陰を見つめていた。

薄暗い室内でも、その様子はなぜか少年には良く見えていた。

興奮により赤く熟れた肉は、粘膜独特の艶と粘液の照り返しを妖しく纏って、幾重にも襞を連ねながら奥深くまで続いていた。

襞の生えた膣壁は上下左右にうねり、彼女の鼓動に合わせて窄まったり広がったりを繰り返している。

そして一際大きく膣が広がった瞬間、彼は膣の奥の壁と、その上部についた小さく膨れた窄まりを見た。

「・・・・・・・・・」

呆然と、彼は牛人の柔らかい太腿を両頬に感じながら、眼前に晒される彼女の体奥を見ていた。

赤く充血した膣口が、催促するようにひくひくと動く。

うねる膣壁が、折りたたまれた襞を広げ、谷間に溜まった粘液が光を照り返す。

膣奥に鎮座する、小さな窄まりが微かに緩み、小指の先も通らぬほど小さく開く。

彼の耳で音がする。耳の奥から聞こえる彼自身の血流と、耳をふさぐ彼女の太腿の血流の音だ。

彼の頬が火照ってる。彼自身の頬の火照りと、かれのりょおほおを覆う彼女の太腿の火照りだ。

彼の鼻腔を匂いがくすぐる。彼自身の汗の香りと、彼女から放たれる野性的な汗の香り。

そして、彼の全身に浴びせられた、彼女の体奥から溢れ出した粘液の放つ、淫靡な香り。

瞬間、彼は目の前の肉壷に自分の全身が包み込まれているような錯覚を覚えた。

同時に、彼の意識が一瞬白くなった。



びゅるっ ぶびゅるるるっ



へそに届かんばかりに屹立した肉棒から、大量の精液が放たれる。

射精と射精の間が短いせいも重なって、あたかも鈴口から人つながりの白い紐が引きずり出されているようであった。

白濁した液体は、勢い良く彼女の卓からはみ出た尻や、卓の天板の裏側に叩きつけられると、床に溜まる彼女の粘液に落ちていった。

「・・・っはぁ、はぁ、はぁ・・・!」

「はぁはぁはぁ・・・」

やがて少年の射精と牛人の絶頂が終わると、二人は全身を弛緩させ仰向けに倒れこんだ。

少年が固い床に頭をぶつけ、牛人が倒れこんだせいで卓が致命的な軋みとひび割れの音を立てた。

だが、二人は気にすることなく、ただただ荒く息をついていた。

「はぁはぁはぁ・・・」

「はぁはぁはぁ・・・」

淫臭立ち込める薄暗い室内に、二人の呼吸がただ響いていた。






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