憧れのアステーラ




「あなたはどうしてこの場所がわかったの?なぜここまで来てしまったの?」



目の前にいる美しい女性、ずっと憧れだった女性から質問をされた僕は、夢中になってここまでのいきさつを話した。



だいたいこんな話だ。



    ☆  ☆  ☆



小さい頃、おばあさんからこんな話を聞かされたものである。



森の中に入ったら、決して油断するでないぞ。

森の中には恐ろしい妖怪がたくさんおるのじゃ。

中でも恐ろしいのは、美しい女性の姿をした妖怪じゃ。

外見は美しくても、中身は恐ろしい妖女なのじゃよ。

舌が長く伸びて、人の体に巻き付き、そのまま人を口元に引き寄せて、丸呑みにしてしまうんじゃ。

お前みたいなチビはひと呑みにされてしまうじゃろう・・・



僕と一緒にそんな話を聞かされた子供たちの反応は、だいたい2通りだった。

「こわい!」と言って震える子。

「そんなやつ、いるわけないじゃん!」と強がる子・・・



しかし僕はそのどちらでもなかった。

妙な興奮を覚えたのだ。

食べられるってどんな感じなんだろう。

美しい女の人に食べられちゃうって、どんな気持ちなんだろう・・・



成長するにつれて、そのような恐ろしい妖女の話は出なくなった。

冷静に考えれば、そんな話が真実であるなんて、信じる方が馬鹿げているのかもしれない。

だが、森の中で失踪する人が多いのは事実だ。

いや、事実「だった」と言うべきか。

その妖女が森から消えたのかどうか、最近ではめっきり失踪者は出ないのだ。

いったいどういうことだろう。



「舌の長い妖女」に対して小さい頃感じた興奮は、いくつになっても消えなかった。

それどころか、そんな妖女に食べられてしまう様子を想像して自慰行為にふけるようになっていた。

好奇心が高じて、古い書物なども読みふけるようになった。

他の地域での同様の伝承なども調べるようになった。

まるでひとかどの研究者にでもなった気分で、実地調査に励んだ。

「舌の長い妖女」は本当にいるに違いない。

そう信じて、ことあるごとに情報を収集したのだ。



そして苦節10年、最近になって、興味深いことに気付いたのだ。

僕の村から失踪者が出なくなった後、森林中での失踪事件が次々に西の方で頻発したようなのである。

その分布を地図にプロットすると、まるで誰かが歩いたかのように一本の線で結ぶことができたのである。

そう、はるかアルプスに向かって。

僕は、その「舌の長い妖女」が我が村からアルプスの方に、捕食行為をくり返しながら移動したのだ、という仮説を立てた。



失踪者の分布は、アルプスの山中で途切れていた。

そこで、最後の失踪者が出た場所に行き、詳しい聞き取り調査をした。

すると、ある長老が、こんな話をしてくれた。



あの山が見えるかの?

あの山には恐ろしい言い伝えがあるのじゃ。

一年に一度だけ、大きな城が立つというのじゃよ。

え?儂が見たことあるのかって?

いやいや。

その城を見た者は、誰も生きて帰ってこないのじゃ。

恐ろしい妖女たちが世界中から集まってくるという噂もあるのじゃが・・・



ここまで聞いて、閃いた。

そうか。

「舌の長い妖女」は、その城に行ったのか。



僕はその城に乗り込むことを心に決めた。

どんな苦難があろうと、10年来の憧れの妖女に会うのだ。

そして、僕の願いを聞いてもらうのだ。



「その日」がくると、長老が止めるのも聞かず、僕はひたすら城を目指した。

3000メートル級の山々も物ともせず、正門の前にたどり着いた。

なぜか正門は開いていた。不気味だが、ここまで来たら行くしかない。

内部に侵入すると、美しい女性たちが挨拶に来てくれた。

そこで、「舌の長い妖女」がいると思うので、会わせてほしい、と言った。

すると、彼女たちは、「ああ、アステーラさまのことですね。御呼びしますわ」と言って、奥に下がっていった。



    ☆  ☆  ☆



「なるほどね・・・」



僕の長年の憧れである「舌の長い妖女」、アステーラは腑に落ちないような表情で相づちを打った。



「で、私に用事があるって、どういうことなのかしら?言ってごらん」



アステーラが口をきく度に、その上下のくちびるの間から、ちらちらと舌が見える。

もうそれだけで僕はもう激しい性的興奮に襲われていたのだ。

あのぬめぬめとした舌が飛び出してきて、僕の体を包み込んで、大きな口でひと呑みにしてしまう。

くちびるの奥に見えるその向こうに呑み込まれてしまう。

そんな想像をするだけで、もういても立ってもいられなくなってしまうのだ。



食べられたらどうなるのか・・・もう二度と戻れない・・・

そんな僕の気持ちを見透かしたかのように舌なめずりをするアステーラ。

もう我慢できない!



あの・・・



「あの・・・、だけじゃわからないわ」



その、つまり・・・



「どうしたの?」



た・・・



「うふふ」



食べてください!僕を食べてください!



「あらあら・・・」



・・・とうとう言ってしまった。

旅の目的、すなわち人生の目的が、今果たされようとしているのだ。



「珍しい人ね。自分から食べられにくるなんて・・・」



そりゃそうだろう。



「あいにくなんだけど・・・今夜の私の食事はもう決まっているわ。だから、あなたのことを食べるのは・・・3日後くらいかしら。」



食べてくれるというのなら、待ちますとも!



「ひとり食べると消化するのに時間がかかるし・・・食べ過ぎると太っちゃうからね」



と言って舌をちょっと出したのを見て、僕のペニスからは早くも数滴の液体が先走っていた。



「あら、もう精の匂いがしてきたわ。今、処理してあげるね」



そう言って、アステーラは僕にゆっくり近づいてきた。

そして僕の下半身を露出させ・・・



ペロッ



俊敏な動きで突然舌が伸びて・・・いや、発射されてきた、と表現すべきであろうか。

あっという間にペニスに巻き付いたアステーラの舌。

そして・・・にゅるーん、と蠢くその感触に、僕は10秒も持たなかったのである。



「ちょっと早過ぎじゃない?」



大量の精液を放出した僕はその場にへたり込んでしまった。



「まあいいわ。夕飯の時間になったら招待するから、それまで休んでなさい」



    ☆  ☆  ☆



夕飯の時間になった。

僕の目の前には豪華絢爛なディナーが並んでいた。

アステーラの前には何もないが・・・

ああ、なるほど。



「面白いものを見せてあげるわ。今日の夕飯はとっても活きがいいの。いっぱい暴れると思うわ」



アステーラが指を鳴らすと、扉があき、がらがらと檻が入ってきた。

檻の中では屈強な裸の男が暴れている。

やめてくれ、どうする気だ、俺をここから出してくれ、と騒いでいる。



アステーラは僕に説明した。



「彼が今夜のご飯。美味しそうでしょ?」



同意を求められても困る。



「そうね・・・単に食べちゃうだけじゃつまらないから、隣の部屋で鬼ごっこをしましょうか」



それを聞いた男は言い出す。

食べる?何を言っているんだ?

アステーラは冷たく答えた。



「あなたのことを丸呑みにするの」



馬鹿を言うな、そんなことできるわけが・・・と男が言いかけると、



ペロッ



アステーラの口から舌が飛び出し、男の首筋を舐める。



ば・・・化け物!

男はアステーラが人間でないことに初めて気付いたらしい。

そして、自分の命の危険が現実味を帯びてきたことに否応なく感づいてしまったらしい。

やめてくれ・・・やめてくれ・・・と泣き叫ぶしかなかった。



アステーラは男を解放し、隣の部屋に送り込んだ。

おそらくその部屋でアステーラが男を追いかけ回して、最後には食べてしまうのだろう。



「あなたはここから見てなさい」



その部屋には観客席のようなものがあり、部屋の様子が一望できた。



昔ローマという国に、円形闘技場と呼ばれる施設があった。

キリスト教徒などが猛獣に食べられる様子を観客たちは喜んで見ていたという。

アステーラは、自分の部屋に小さな円形闘技場を設け、猛獣ではなく自らがその主役となり獲物を食べてしまう様子を公開しているのだ。



獲物に狙いを定めながら、アステーラは言う。



「どこから食べてほしい?」



男は、やめてくれ、やめてくれ、と狂ったように叫ぶ。

一歩ずつ距離を縮めるアステーラ。

腰を抜かしながら、這うように逃げる男。



狭い部屋の中だ。

逃げるところなどどこにもない。

部屋の隅っこにまで追いつめられた男は、意を決したようにアステーラに立ち向かった。



たくましい右手の握りこぶしを、ガンッとアステーラの美しい頬に食らわせると・・・



パクッ



アステーラはそれを避けるどころか、口を大きく開けて拳を呑み込んでしまったのだ。

男は必死に引き抜くが、その拳には舌が巻き付いたままである。

右手に絡んだ舌を引きはがそうとして左手を添えると、今度は左手も一緒に舌で絡めとられてしまった。



両手が舌で縛られてしまった男の運命は、もはや決まっていた。

唯一自由だった足でアステーラに蹴りを入れようとするが、軽く避けられてバランスを崩し、男はそのまま床に転がってしまう。

両手を縛られて仰向けになった男を、アステーラは少しずつ口元に引き寄せる。



パクッと男の両手を口の中に入れたアステーラは、そのまま男を呑み込み始めた。

逞しい腕が、ずにゅる、ずにゅるとアステーラの大きく広がった口の中に入り、今度は頭が丸ごと呑み込まれた。

そして、胸も腹も暗黒の中に消えた。

その間男が射精したのが見えたが、それが男の最後の「生きた行為」だった。

5分もたたないうちに、下半身まで全てアステーラの胃袋に収まってしまう。

大きくふくれたアステーラのお腹はしばらく蠢いているようにも見えたが、やがてたぷん、たぷんと揺れるだけになった。



「どうだった?」



僕は呆然としていた。

これが・・・食べられるということか・・・



恐怖心が芽生える一方で、ペニスが元気になっている。



「彼、もう溶けちゃったわ・・・デザートに、あなたのエキスをちょっといただこうかしら」



アステーラの舌が伸びてきて、僕のペニスから液体を搾り取った。



    ☆  ☆  ☆



それから3日。

いよいよアステーラが僕を食べる日だ。



この3日間、期待と後悔が入り交じった日々が続いていた。

あんな美しい女性に食べてもらえるなんて、それも、快楽の中で丸呑みにしてもらえるなんて、どんなに幸せなことだろうか。

その一方で、生きて帰ることができないという現実、自分の人生はここで終わりであるという現実が脳裏をよぎると、今更ながら、本当にいいのだろうか、という気持ちも湧いてくるのである。



いや・・・命を懸けた快楽・・・命と引き換えに味わえる快楽だ。

これ以上の快楽があるだろうか。

そう考えると、緊張感すら生まれてくる。



夕飯の時刻になった。

いつもの部屋に行くと、料理が用意されていない(まあ当然か)どころか、テーブルすらない。

アステーラはどうやって僕を食べるのだろうか。



扉が開いて、アステーラが入ってくる。



「食べられるために待ってるなんて、いい子ね。ごほうびに・・・」



そう言って、つかつかと近づいてきたアステーラ。

突然僕を抱き寄せて、キスをしてきたのだ。

アステーラの舌が入ってきた。

こんなねっとりとした舌、初めてだ。

ディープキスが佳境に入ってきたその時、突然アステーラの口が大きく開き、僕の頭を丸ごと呑み込む。

顔全体をむにむにと咀嚼しているかのようだ。

このまま呑み込まれてしまうのだろうか・・・

と思うだけで、我慢できずに精が漏れてきてしまった。



「あなた、早すぎるわ」



ふいに僕を解放したアステーラは、呆れたように僕の衣服を脱がす。

そして丹念に僕の放出した精液を舐め取った。

僕はされるがままになり、アステーラが精液を啜っていく様子を見ながらまたペニスを元気にさせてしまっていた。



舐め終わったアステーラは、獲物を物色するかのように僕をじろじろと見る。

次は何をされるのだろう。

いよいよ食べられてしまうのだろうか。



するり。



なんと、突然アステーラが脱いだのだ。



何という美しい体だろう。

豊満な胸、くびれた腰、形のよい尻、すらっと伸びた足、・・・

見ているだけで僕は我慢できず、自分の一物に手を伸ばしてしまう。



アステーラが指をパチンとならすと、そこに突然ベッドが現れた。

ベッドということは・・・

つまり、これから、するのだろうか?



戸惑っている僕の腰に突然アステーラの舌が伸びてきて、僕はベッドに強引に引っ張られた。



「私だって、食べることばかり考えているんじゃないのよ」



アステーラの体が僕の上に乗っかってくる。

騎乗位になりそうだ。



ぺろり、ぺろり



アステーラの舌が僕の体を這い回る。

されるがままになっている僕は、ペニスに刺激さえ与えられればまた達してしまいそうだ。



そろそろ次の限界がくることを悟ったアステーラの女性器が、僕にだんだんと迫ってきている。

相手が淫魔であることも、これから食べられてしまうことも忘れて、憧れの女性とひとつになれる悦びが僕の心を支配した。



にゅるっ



あああ!



1秒、自分を保てただろうか。

ほんの一瞬で昇天してしまった。

何が起こったのか、わからないほど。

しかし、アステーラは僕のペニスを解放しない。

そのぬるぬるの女性器の中で、まだ次の射精を求めているのだ。

そしてもちろん僕のペニスはその求めに応じて、次の準備を始めるのであった。



「新鮮でおいしいわ・・・すぐに食べちゃうのがもったいないくらい・・・」



僕はアステーラの中で何度もイった。

永遠にこの快楽の時間が続くようにも思えた。



しかし、アステーラは、僕の体をきつく抱きしめながら、僕の耳元でささやいた。



「どっちから食べられたい?」



僕は何も答えられなかった。

もう声も出ないくらいに精根尽き果てていたのだ。



「ねぇ。頭からと、足からと、どっちがいいの?」



アステーラは僕の目の前でわざと口を大きくあけて見せた。

糸を引いている唾液の向こうには、これから僕が行く世界があった。



「まあ、いいわ。自分が食べられているのをよく見られるように、足から食べてあげるわ」



僕の足の方に移動したアステーラは、舌をにゅるにゅると僕の下半身に巻き付けてきた。

そして、足を口に含み、ふくらはぎの辺りまで一気に呑み込んだ。



ああ、食べられている!



興奮のあまり、僕は一気に射精した。



膝、太ももまでアステーラの口内に入る。

ゆっくり、ゆっくり、僕の下半身がアステーラの口の中に滑り込んでいく。

まるで全身がペニスとなって、巨大な女性器の中に呑まれているようだ。

ペニスまで呑み込まれたところで、また達してしまう。

まるで全身から精液が発射されるかのように。



腰のあたりまで、つるん、と呑み込まれた。

もう足の感触はない。溶けてしまったのだろうか。

胸のあたりまで呑み込まれたところで、僕はたまらなくなって思わずアステーラの髪を撫でてしまう。

何って幸せなんだろうか。



もう、首と手だけがアステーラの口から出ている状態だ。

それすらもだんだん埋もれていく。

アステーラの口が、僕の口元まで迫ってくる。

僕はアステーラの上唇に最期のキスをした・・・



ごくん



最後は一気に呑み込んだ。

僕の体はアステーラの胃袋に落ち込んだ。

下半身はもう無い。

アステーラとひとつになったのだ。



アステーラの声が聞こえた。



「おいしかった・・・私も幸せだわ」






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