淫魔の海のオデュッセイア〜冥界編〜






さて、諸事情(「淫魔の海のオデュッセイア」を参照)により冥界に来てしまった僕だが、これで諦めたわけではない。だって、絶対におかしいとは思わないか?現実の世界に、あんな巨人やら魔女やらがいるわけがないだろう。きっとこれは何かの間違いなんだ。何かのきっかけで、空想の世界に入ってしまったのだから、また何かのきっかけで、現実の世界に戻れる可能性だってあるだろう。

別の言い方をしても良い。あり得ないことが起こって死んでしまったのだから、あり得ないことが起こって生き返っても良いではないか。

僕は生還する気まんまんである。



ところで、ホメロスを読むと、オデュッセウスもその旅の途中で一度冥界を訪れている。死んでしまった仲間たちとの再会などはとても印象深いシーンである。僕のこの旅行記も、次はこの冥界からお伝えしたい。



☆ ☆ ☆




そこらじゅう死人である。ここが冥界か。どこに行けば、帰還のための糸口がつかめるのか、皆目見当がつかない。少々怖いが、そこにいる死人に聞いてみようか。よく考えてみたら、自分だって死人なんだ。怖がる必要なんて無いはずだ。

早速尋ねると、その死人は、山の方を指差しながら言った。



「むこうの山に・・・女神様がいらっしゃる・・・聞いたところによると・・・ご神託をくださるそうじゃ・・・」



ご神託とはありがたい。無事、現実・現代の故郷に戻るためにはどうすれば良いのか、教えてくれるかもしれない。

一気に気持ちが上向きになった僕は、すごい勢いでお礼を言って、もっとすごい勢いで山の方に向かって走り出した。



「ただし・・・」



その死人がかすかに何か言いかけたような気がするが、もはや体がその「女神様」のいる山の方へ走り出してしまっているのでしょうがない。



時間感覚がないのでよくわからないが、あっという間に山の頂上にたどり着いた僕は、恐れ多くも、目の前にいる「女神様」の後ろ姿に話しかけていた。これまでのいきさつ、不条理さを訴え、どうすれば帰れるのかを尋ねたのだ。

すると・・・



「あなたが生き返れるかどうかは、あなた自身の神様が判断することよ。あなたの住んでいるところの神様にお尋ねなさい」



しかし、どうやったら「自分の住んでいるところの神様」のもとに行けるのでしょう?



「歩いて行くしかないわ。世界の各地域の"冥界"は地続きだから、ひたすら歩いて行けば大丈夫よ」



なるほど・・・では、どちらに向かって歩いて行けば・・・



「それは知らないわ」



どうにかご神託を賜われないものでしょうか・・・



「わたしの神託を求めるなら、わたしの望みを聞く必要があるわ・・・」



はい、僕にできることなら!



「生け贄をちょうだい」



なるほど、生け贄は何が良いのでしょう?やはり羊でしょうか?



「若くて・・・生きのいい・・・オスの・・・」



冥界に生きのいい動物なんているのだろうか。これは難しい注文になりそうだ。



「オスの・・・人間がいいわ」



え?



「冥界にいると、年老いて腐った魂ばかり・・・たまには若い魂が食べたいわ」



「女神様」がここで初めて振り返った。いくぶん巨大なお体だ。あらわな胸がまぶし過ぎて、どうしてもその谷間に目がいってしまう。しかし、そんな自分のいやらしい感情をお見せするわけにはいくまい。慌てて顔を上げ、「女神様」のご尊顔を拝する。



「自己紹介するのを忘れたわね。わたしの名はデルピュネ。昔はデルポイの神託所を支配していたの。アポロンにやられて、今はこんなところに追いやられてしまったけれど・・・」



女神様・・・いや、デルピュネが体を「もたげた」。その下半身は蛇だった。今までの経験を考えれば、下半身が蛇の妖怪が現れようと、驚くには値しない。

それよりも、「生け贄」を手に入れないといけない。どうしたら所望の品を持ってこれるのだろうか。



「それは簡単なことよ」



え?ふとデルピュネの目を見た。

この目は・・・おとぎ話の女神を彷彿とさせるような慈悲の目でもなく・・・冥界で今までさんざん見てきた冷たい目でもなく・・・獲物を狙う目だ。

僕の本能が、身の危険を知らせた。逃げなくては!



あれ?周りの風景が違う。



「やっと気付いたのね。もうあなたは逃げられないわ」



デルピュネの、大蛇のような体が僕の周囲を取り囲んでいる。どうやら逃げることはできないようだ。



「素直に・・・わたしに食べられてくれればいいの。そうすれば、あなたの神様がいる"ヨミノクニ"までの行き方を教えてあげるわ」



そんな・・・食べられてしまったら元も子もないじゃないか。生きて帰るのが目的なのに。



「馬鹿ね。あなたはもう死んでいるの。ここでわたしに食べられたって、何も変わらないわ」



そういうものなのか。



「悩む必要は無いわ。生け贄になるのを拒めば、あなたはただわたしに食べられるだけ。生け贄になることを受け入れれば、進むべき道を教えてあげるの・・・」



・・・どうやら悩む必要はないようだ。

戦って勝てる相手とは到底思えない。生け贄になるしかないのだ。しかし・・・



「まだ悩んでいるの?はやく食べたいわ・・・」



デルピュネが舌なめずりをすると同時に、その口から大量のよだれが垂れ、それが豊満な胸まで濡らした。

これ以上悩んでいたら、その食欲を満たされるだけで終わってしまうかもしれない。



よし、生け贄になろう。



「ようやく決心がついたのね。なら、進むべき道を教えてあげるわ」



詳細な説明が始まった。やはりかなり遠いようだ。しかし、帰るためならばこれくらいの苦労はいとわない。今は、その長く苦しい道のりよりも、もうすぐ食べられてしまうことの恐怖の方が強い。もちろん、食べられるのは初めてではない。だからこそここに来てしまったのだ。しかし、2回目だろうが何だろうが、怖いものは怖い。それに、この威厳、絶対性は初めてだ。



デルピュネは、その上半身だけを見れば、通常の女性の2倍程度の大きさだろうか。その顔かたちには、毒々しさと美しさが混在する。細くくびれた腰の下は大蛇となり、ぬめぬめと光っているが、そのことが妖艶さを引き立てている。



「こんな若くて見事な男性を食べることなんて、久しぶりだわ・・・もう体が我慢できない・・・」



一応ほめられているのだろう。しかし、それを喜んでいる場合ではない。この上ずった声は、デルピュネの食欲以外の欲をも感じさせるのだ。

デルピュネの腹部の下、蛇となった部分にスリットがある。あそこが、「あそこ」なのだろう。そっちの「口」からも、よだれのごとく液体が溢れている。

どうやら、これから僕は、目の前にいる蛇のような女神様の、性欲と食欲を満たすことになるようだ。



デルピュネが巨大なその陰部をにちゃにちゃと弄り始めた。

それに見とれていた僕は、自分の体が長い尾に完全に巻き取られてしまっていたことに気付くまでに少々時間がかかった。自分の足が地面についていないのを見て、事態をようやく理解することができた。



デルピュネは自慰に耽りながら僕の体をだんだんとその口元に引き寄せる。いきなり食べられてしまうのだろうか。



「ああん・・・ああっ」



突如激しく喘いだデルピュネ。それと同時に、ねっとりとした大量の唾液がその口から溢れ出し、僕の全身に降りかかる。

一瞬にしてべとべとになってしまった僕の体を、デルピュネは両手でとぐろから持ち上げる。そしてその長い舌で全身を舐め回してきたのだ。



べろり。べろり。



ゆっくりとした動作で、二股に分かれたその舌が僕を味見する。

さっきまで恐怖のあまり縮こまっていた僕の一物がだんだんと元気になってきた。

長い舌をつたって、ねっとりとした唾液が僕の体に塗りたくられる。



ますますべとべとになった僕の体を、デルピュネは抱き寄せた。

僕はその巨大な胸の谷間に挟まれてしまう。

柔らかい両胸に挟まれて、僕の一物はいよいよ主張を激しくする。

そして・・・



うにゅ



突然、足の裏が柔らかい感触を得た。頭が胸に挟まれているのでどういう状況かがよく見えない。

さらに息の荒くなったデルピュネが、その胸から僕を解放する。

そこで初めて状況を把握することができた。

デルピュネの陰部が口を開いて僕の足を捕らえたのだ。

その中身は、まるで生き物のように蠢いている。

あんなところに全身呑み込まれたら、どうなってしまうんだろう・・・そう思うだけで、もう先走りの液体がぽたぽたと垂れてきてしまう。

デルピュネは少しずつ僕の体をその陰部の中に導く。



「はあああああんっ」



そう叫ぶとデルピュネは下の口で僕の下半身を一気に呑んだ。

その瞬間・・・



びゅるるるるるるるる・・・・



僕は全身が勃起してしまったかのように身震いして、全身から射精してしまった。

それはもう止まりそうになかった。



デルピュネの陰部は僕の下半身を捕らえると、激しくうねり、僕を咀嚼し始めた。僕はその陰部の感触に絶望的なほどの快感を味あわされ、口から涎だか精液だかよくわからないものを吐き出しながら何度も絶頂を迎えた。

デルピュネも激しく喘ぎ、僕の体にそのねっとりした唾液をこぼし続ける。



「ああ・・・入ってくるわ・・・ああああ・・・もっと・・・」



デルピュネの陰部が大きく開いて、僕の胸あたりまでを全て収めてしまう。

しなやかな蛇の肉体が、僕を飲み込んだ部分だけ膨らんでいるのが見えた。



「もうだめ・・・い・・・いく・・・っ」



いくと同時に、デルピュネは僕の頭を陰部に押し込んだ。

ぬるり、と僕はその長い体の中に入り込んでいった。

陰部にペニスを差し込んだ時の感触を、全身で感じているような、破滅的な快感に襲われて、僕の意識は射精のごとく消し飛んだ。



しかしそれは僕の、帰還へ向けた長い旅の始まりでもあった。






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