妖狐




キツネが出る。

そう聞いてやってきた侍がいた。



キツネと言ってもただの獣ではない。人を化かし、魅了し、精気を吸い取る

物の怪だ。

 

だが侍は簡単にキツネの術中にはまっていた。



「ああ……可愛いなぁ、可愛いなぁ、御前は」



 侍は一心にし愛撫し、口や、耳、それに首筋に口づけをしながら愛おしく

思っていた。



「えへへーっ♥ そうなのー? 侍様」



「ああ、可愛いよ。可愛くて仕方ない」



 狐は女の姿をしていた。十代半ばの少女の姿。短い髪に可愛らしい童顔を

した少年のようなあどけなさと、いやらしくも艶っぽい体を持つ少女だった。



 侍は最初は警戒した。物の怪の被害にあったものはたくさんいる。だがまず

少女と出会った瞬間、そのあどけなさに心ときめき、話して打ち解けるうちに

懐柔され、色っぽい誘惑とささやきを前にとうとう色欲に突き動かされてしま

った。



「可愛い……可愛いよ……」



「えへへっ♥ ボクはキツネだよ? 侍様がキツネに恋をしちゃっていいのか

なー?」



 ぴょこぴょこと頭の上のきつねの耳を動かしてみせる。だがその動きさえ

も小動物に対する愛おしさのように、胸を強く締め付ける……



「いい。俺はお前がいいんだ……」



「えへへっ♥ ホントーにボクと一緒でいいの? でもでも、ボクと一緒に

なったら、侍さんはこの世とさよならすることになっちゃうよ?」



「それでもいい。それでもいいんだ」



「くすくす……おバカさんっ♥」



 きつねは、ふくよかな胸に侍の頭を導いて、深い谷間で顔を包み込むと

優しくなでていった。



「魔性のものに虜になったらどうなるか、分かるよね? それでもいいって

言っちゃうキミは本当におバカさんっ♥ だって正確には――ボクはきつね

じゃないんだよ? ボクは――」



 柔らかい双乳の感触が、さわさわとした、気持ちのよい毛皮の感触へと変

わる。目を上げてみれば先ほどまで愛おしく抱きしめていた少女の姿は一つ

の大きな毛の房――それはまるできつねのしっぽによく似ていた。



「ボクはキミが退治しに来たきつねの尾のひとつなのっ♥」



 毛の房が先ほどの少女の姿へと変わる。



「好き好きって言ってくれてもボクは所詮しっぽのひとつ……どんなにボクに

せーえき捧げてくれてもボクは子供は埋めないし、キミのせーえきはみーんな

キミが退治しに来たきつねの力になっちゃうんだゾー? それでもいいの?」



「ああ、いいんだ……」



 魅了されているのか、それとも別の理由があるのか、もう侍に迷う理由など

ない。その答えを聞くと、少女はくすくすと笑って――



「本当、大バカクンだなぁ、キミはっ♥ でもー、ボクはそんなおバカさんが

大好きなんだけどねっ♥」





 さわさわさわ……

  さわさわさわ……



 肌触りのよい毛並みが侍の体を愛撫する。

 着ていた着物はあっという間に脱がされて、体の全てをさらさわと少女の姿

をした尻尾に包まれてなでられていく……



 笑いがこみ上げてくるようなくすぐったさはない。

 ただただ、幸福で愛されているのだという感覚に包まれて全身をなでられな

でられ、まるで天にも昇るような心地だ……



「ふっ、ふわぁ……?」



 あまりの快感に優しく体が蕩けてしまうような感覚に包まれていると、後ろ

からも包み込まれてしまう。それもまた、自分が愛しいと思う少女の姿をした

尻尾だった。



「えへへーっ♥ 歳を得たキツネは数多くの尻尾を持つって、聞いたことある

よね?」「ボクたちみんなで、侍様のこと愛してあげる」「だから、ボクたち

の体にせーえき頂戴……♥」



 少女の形を保った尻尾が更に増える。

 頭の後ろをふわんふわんと胸のかたちを保ったままの毛並みが包み込み、舌

のねっとりとした感触を残した二つのしっぽが全身を舐め上げていく。ひとつ

はまた情熱的な口づけを交わし、二つは目の前で妖艶な舞を踊り、甘く脳が蕩

けていくような香りを出し続ける……



 人間の女性で決して味わえない、魔性の快楽が、侍の魂を愛おしさと妖艶さ

の中に包み込み、蕩けさせていく……!

「…あ、ああ………っ!」



 優しく、体中に愛撫され、更に自分の最も敏感な男根まで優しい毛並みの中

に包み込まれてしまう……!



「あああああああああああああああああっ!」



 どくんっ! どくどくどくどくどく……っ!!! どくん、どくどくどく

どくどく……! どくん、どくどくどくどくどく……っ!!!

 どくんっ! どくどくどくどくどく……っ!!! どくん、どくどくどく

どくどく……! どくん、どくどくどくどくどく……っ!!!



 心地良い! 心地よすぎる! 心地よすぎてもう何もいらない! 何もいら

ない! ずっとここにいたいもう何もかもどうでも良い、この少女たちと共に

ずっと一緒に――



「侍様ぁ……もっとボクたちにせーえき出してぇ……」「もっともっとボクた

ちにせーえき頂戴……」「ボクたちのことを愛してるって言ってぇ……」「え

ーっ、ボクにもボクにもぉっ♥」「ボクも大好きだからね……」「ずっと傍に

いるんだから……」「最後の一滴まで出してぇ……♥」



「ああ、何度でも何度でも出してやる! 何度でも何度でも! 何度でもっ!

 あ、あああっ! ああああああああああああああああああああっ!」



 どくんっ! どくどくどくどくどく……っ!!! どくん、どくどくどくど

くどく……! どくん、どくどくどくどくどく……っ!!!

 どくんっ! どくどくどくどくどく……っ!!! どくん、どくどくどくど

くどく……! どくん、どくどくどくどくどく……っ!!!

 どくんっ! どくどくどくどくどく……っ!!! どくん、どくどくどくど

くどく……! どくん、どくどくどくどくどく……っ!!!

 どくんっ! どくどくどくどくどく……っ!!! どくん、どくどくどくど

くどく……! どくん、どくどくどくどくどく……っ!!!



 侍はもはや、完全に生への執着を手放した……



 魔物に魂を食われたものは常世にはたどり着けない。永遠にその妖怪の中で

永遠にしゃぶられ続けるという……だがそれは侍にとっては幸福なのかもしれ

ない。






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