10月31日 トリック・アンド・トリート!




「トリック・オア・トリート!」

近所から、子供達の歓声が聞こえる。

通りの家々にはかぼちゃのランタンを模した飾りが掲げられ、仮装した子供達が家を巡りお菓子を得ている。

10月31日、翌11月1日はキリスト教圏では神聖な日のため、この日に魑魅魍魎が町をうろつくのだ。

奇しくも、この日10月31日は日本中から出雲へと神々が集まる神無月の晦日でもある。

キリスト教圏から、大陸と海を隔てたこの日本においても、10月31日は特別な日なのだ。

そして、俺にとってもこの日は特別な日だ。

予め用意していたお菓子の詰め合わせを、そわそわと幾度も確認する。

この日のために、用意しておいた言葉と共に。











ぴんぽーん



俺のアパートの部屋のチャイムがなった。

今は夕方の6時。秋も深くなり、すでに外は真っ暗だ。



「誰だ・・・?」



こんな時間に訪ねてくる者に心当たりはない。

俺は内心首をかしげながら玄関へ向かい、ドアを開いた。



『トリック・オア・トリート!』



玄関前に立っていた三人の女の子が、かわいらしい声を上げた。

三人とも仮装しており、手にはプラスチック製のかぼちゃランタンが提げられていた。



「あー、ハロウィンね」



おそらく近所の子供達だろう。



「お菓子くださーい」



黒い服に広いつばのついた帽子を被った、『魔女』が言う。

「お菓子くれないと」

「いたずらするぞー」



『魔女』に続けて、目穴の開いたシーツを被った『お化け』と、大きなマスクをつけた『口裂け女』が声を上げた。

なかなか可愛らしい仮装だ。



「あー、ちょっと待ってろ」



玄関をいったん閉じ、部屋を探る。しかし出てくるのは、カップ麺や酒のつまみのような乾物ばかりで、子供が喜びそうなお菓子はない。

ため息を一つつくと、俺は玄関へ向かった。



「悪いな。お菓子、無かったんだ」

『えー』



声をそろえて、三人が不満そうな声を上げる。



「お菓子ないのー?」

「ああ、悪いけれど他の家に回ってくれないか?」



三人は不満そうな顔で俺を見つめた。



「んー、だったらいたずらだね」

『うん!』



『魔女』の言葉に『口裂け女』と『お化け』がうなずく。

俺がその言葉の真意を把握する前に、『魔女』が声をあげた。



「よーし、おさえろー!」

「らじゃー!」



『お化け』が飛び出し、俺に体当たりを仕掛ける。



「うわっ!?」



体重では俺の半分ほどもなさそうなのに、その衝撃は重く、俺はたたらを踏みながら数歩退き、床に倒れこんだ。

『お化け』は俺の上に馬乗りになると、俺の両手首をシーツ越しに掴んだ。



「いたずらだーいたずらだー」



歌うようにしながら、『魔女』と『口裂け女』が部屋に入り、ドアに鍵をかける。

『お化け』の拘束を破ろうと俺はもがくが、少し湿ったシーツ越しの彼女の手を払うことはできなかった。



「何だ、お前ら!何をするんだ!」

「だからー、いたずらだよ。お菓子くれなかったじゃん?」



『お化け』の言葉に、二人はくすくすと笑った。



「それじゃあ、最初は誰にする?」

「あたしはお兄さんを押さえつけてるから、後でいいよ」

「だったら、あっちゃんからね」

「あ、ありがとー」



あっちゃんと呼ばれた『口裂け女』が、その顔の半分を覆うマスクを外した。

マスクの下の口は、以上に大きいとかそういうわけでもなく、桜色の唇が鎮座しているだけだった。



「それじゃ、脱がすね」



『魔女』はそう言うと俺のベルトを緩め、ズボンとパンツに手をかけた。



「ま、待て!何を・・・」



する、と続けることはできなかった。

『口裂け女』がぺろりと舌を出したのだ。ただ、長さが数十センチはあろうかという舌だったが。



「はい、脱げたー」



異様なものを目にし呆然とする俺から、『魔女』はズボンとパンツを脱がしていた。



「な、何だそれ・・・」

「べろだよ」



本物のように蠢く舌を見ながらの呟きに、『お化け』が応えた。



「あっちゃんはね、あかなめっていう妖怪なんだよ」

「あっちゃんはね、体の汚れを取ってくれるんだよ」

「でもこれはいたずらだからね、お兄さんのおちんちんをいたずらするんだよ」



『口裂け女』はそう言うと、俺の股の間にかがみこんだ。

次の瞬間、俺のペニスを生温かいものが撫で上げた。



「おぉうっ!?」



濡れた柔らかい舌の感触に、俺は声を上げた。

『口裂け女』は俺の反応を楽しむようにクスクスと含み笑いをしながら、更に二度三度とペニスに舌を這わせた。



「あ、お兄さんからはあっちゃんが何しているか見えないよね」

「見えるようにしてあげるね」



『お化け』が立ち上がり、『魔女』がシーツの裾を捲り上げる。

『お化け』の股越しに、屹立した俺のペニスと、それに顔を寄せる『口裂け女』の姿が目に入った。

『口裂け女』は俺と目を合わせると、にい、と目だけで笑い、その長い舌を見せ付けるかのように蠢かせながら、再びペニスの表面に這わせてきた。

幹の表面を舌がなぞり、いつまでもかすかにざらついた粘膜の表面が刺激し続ける。

幹に巻きつくようにしながら、舌はペニスの根元から表面へと這い登り、カリ首の段差を擦っていった。



「うぉ・・・うぁ・・・」

「あはは、お兄さん気持ちよさそー」



『魔女』が声を上げるが、俺には応える余裕は無かった。

舌は、蛇のようにペニスに絡みつき、ナメクジのようなぬめる表面でもって皮膚と粘膜を刺激し続けている。

ゆっくり、ゆっくりと舌の先端は亀頭表面をくすぐりながら、鈴口へ向けて這い登っていた。

やがて『口裂け女』の舌はペニス全体に巻きつき、さながら蛇のとぐろのようになっていた。



「うぉお・・・ぁあ・・・」



唾液にぬらぬらと輝く舌が、もぞもぞと蠢きながらその下に包まれたペニスを揉み立てる。



「あっちゃんのべろ、気持ちいいでしょー?」

「でもね、もっとすごくなるよー」



『お化け』が声を上げ、『魔女』が続ける。

二人の言葉に合わせたのだろう、亀頭の先端に巻きついていた舌先が解け、威嚇する蛇のように鎌首をもたげた。

そして、舌の先端が亀頭先端に触れ、鈴口を軽くほじった。



「うぁあうっ!?」



すぼまった鈴口を押し広げられ、その内部を刺激されるという刺激に、俺は声を上げた。

しかし『口裂け女』は俺に構うことなく、更に舌先を尿道へ差し込んだ。

普段液体しか通らないはずの穴が、柔らかいとはいえ固体の舌によって押し広げられていく。

敏感な粘膜への刺激が、ペニス全体を揉み立てる粘膜による快感を後押しする。



「おおっ、うぉおおおお!!」



声を上げながら、俺は絶頂した。

濃い、どろどろとした白濁液が、舌と尿道の内壁を潜り抜けて辺りに撒き散らされ、『口裂け女』の顔や服を汚した。











「はあ、はあ・・・」

「あはは、いっぱい出たね」



異質な快感による絶頂によって荒い息をつく俺を横に、『口裂け女』は伸ばした舌で顔や服についた精液を舐めとりながら言った。



「じゃあ次は、かっちー?ふーちゃん?」

「んーどうしよう・・・」

「う、く・・・」



雑談を交わす三人を前に、俺は残った力を振り絞って『お化け』の拘束を解こうとした。



「あれ、お兄さんまだ動こうとするよ?」

「あー、だったらつぎふーちゃんでいいよ。あたしまだ抑えておくから」



『お化け』がそう言いながら、俺の手を握りなおす。



「それじゃあ、あっちゃん」

「うん、ふーちゃん」



『口裂け女』と『魔女』が、ぱちんと手を打ち合わせ、『口裂け女』がシーツの裾を捲り上げ、『魔女』が俺の脚の間に回りこんだ。



「今度はあたしの番だよ、お兄さん」



『魔女』はそう言いながらつばの広い帽子を脱ぎ、向こうを向いて後頭部に手を伸ばした。

髪を掻き分けると、その下から分厚い唇を備えた巨大な口が現れた。



「・・・!!」

「あたしはね、二口女っていう妖怪なの」



『魔女』の後頭部に開いた口が、唇を蠢かせながら、変わらぬ声でしゃべる。



「ふーちゃんはね、このお口でご飯とか食べるんだよ」

「お兄さんも食べられちゃうかもね」

「ひっ・・・!?」



『お化け』と『口裂け女』が言い、俺の反応に笑い声を上げた。



「大丈夫だよおにいさん、これはいたずらだから」



穏やかな声で、『魔女』が言った。



「食べるのはおちんちんだけ」



分厚く、赤い唇が上下に開くとその奥で幾本もの舌が蠢いているのが覗いた。

小さな容器の中の無数のドジョウ、イソギンチャクの触手、蠢くミミズの塊。

彼女の口腔はそれらのものを一度に連想させ、その柔らかさや動きを想像させ、俺のペニスを再び屹立させた。



「いただきます」



そう告げると、『魔女』は大きく口を開き、俺の股間へ倒れこんできた。

開かれて口腔へペニスが飲み込まれる。



「うぐぅ・・・!」



熱い。『魔女』の口の中はとても熱く、唾液によって非常にぬめっていた。

差し込まれた硬いペニスに、無数の舌が群がる。

一本一本の舌が、少しでもペニスの表面を広く刺激しようとするかのように争い、ひしめき合って場所を奪い合っていた。

その結果、無数の舌先が幹といわず裏筋といわずカリ首といわず亀頭といわず、ペニス全体をめちゃくちゃに突付き、ねぶることとなった。



「おぉうっ、うぉ・・・!」



嵐のごとき舌の責めに、俺は声を漏らす。

『口裂け女』が面による刺激なのに対し、『魔女』の口は無数の点の集まりでしかなかった。

ただ、『魔女』の口には『口裂け女』にはない動きと勢い、そして熱があった。



「あははー、お兄さんまた気持ちよさそうな顔してるー」

「あはは、ホントだ。鼻の下伸ばしきって、だらしないねぇ」

「あっちゃんのときよりも気持ちよさそうだよー」



『お化け』と『口裂け女』が言葉を交わす。

その間にも、俺のペニスは激しい舌技に曝されていた。

温かい唾液が、唇の間から漏れ、睾丸や肛門を濡らしていく。

柔らかな唇は、流れ出ていく唾液さえもとどめようとするかのように、ペニスの根元をぎゅっと締め付けていた。



「あたしからは見えないけれど、よっぽど気持ちいいみたいね。おちんちんがぴくぴくしてるから、よく分かるよ」



『魔女』が声を発すると、それに合わせて後頭部の唇ももごもごと動いた。

柔らかな唇が、ペニスの根元を揉み立てる。



「ひうっ!?」

「あー、ふーちゃん!お兄さん、すっごい気持ちよさそうな顔したよ」

「えー?お兄さん、あたししゃべっただけだよ?」



一言一言、彼女が言葉を紡ぐたびに、唇が、舌が蠢動する。

その動きがもたらす快感に、俺は顔を歪ませながら喘いだ。



「うわー、返事もできないぐらい感じてるねー」

「よーし、それじゃあ・・・こうだ!」



『魔女』が掛け声を上げると、唇がすぼまりペニスの根元を圧迫した。

そして、閉ざされた口腔内部で、ペニスに群がる舌たちがいっせいにペニスを舐め上げた。



「うぉぉぁあああああっ!」



突然の刺激の変化に、俺はあえなく限界に達し、射精していた。

噴出する精液を、舌たちが争うようにして受け止め、更に搾り取ろうとするかのように裏筋を圧迫する。

精液が搾り取られ続け、やがて勢いをなくし、俺は気を失った。











「はは、お兄さん完全に力抜けちゃったねー」

「うん、これならあたしとふーちゃんだけでも抑えられるね」



『お化け』と『口裂け女』の声で、俺は目を覚ました。

全身を疲労感が支配しており、指一本動かすこともできそうに無かった。



「それじゃあ、今度はかっちーね」

「うん」



『お化け』がシーツ越しに掴んでいた手を離し、代わりに左右の腕に『口裂け女』と『魔女』がまたがる。



「あ、お兄さん、もう大丈夫だとは思うけど、かっちーの体見てもあんまりびっくりしないでね?」



『口裂け女』が俺の顔を覗き込みながら、そう言った。

『お化け』は俺の脚の間に立つと、体を包むシーツを脱ぎ去った。

その下にあったのは、蛙を思わせる緑色の肌。

頭頂部は丸く禿ができており、背中には亀のような甲羅を背負っている。

これは・・・



「そう、あたしは河童でしたー」



両手を掲げて、『お化け』が声を上げた。



「さーて、あたしはどうやっていたずらしようかなー?」



『お化け』は床に座り込むと、俺のペニスに手を伸ばした。

柔らかな手がペニスを掴むが、二度の射精によりペニスからは硬さが失われ、完全に萎えていた。



「うーん、これじゃあねえ・・・」

「あ、かっちーいつもみたいにすればいいじゃない」



眉間に皺を寄せて悩む『お化け』に、『魔女』が声をかけた。



「いつもって・・・ああ、わかった」



『お化け』は俺の腰を掴むと抱え上げ、両足を自分の肩に担ぐようにして支えた。

そして、彼女は両手で尻の肉を掴むと、左右に広げた。



「さあ、お兄さんのお尻の穴はっけーん!」



言葉と共に、『お化け』は肛門に顔を寄せると、舌先で軽く肛門を突付いた。

一瞬全身に力がこもる。



「!」

「ん、びくってしたね。じゃあこれなら・・・」



俺の反応を面白がり、舌先をぐりぐりと押し付けてきた。

『魔女』の唾液に濡れた括約筋を、丸く円を描くようにして刺激する。



「おぉ・・・うぅ・・・」



じわじわと、腹の奥底から快感が溢れ出し、ペニスに血液が集まっていく。



「ん・・・ん・・・」

「あ、かっちーお兄さんのおちんちん、また大きくなったよー」



『口裂け女』の声に、『お化け』は舌を肛門から離した。



「あ、もう?でもいいや、あたしはおちんちんに触らないでいたずらしてみるから」



そう告げると、彼女は作業を再開した。

舌先が、括約筋をほぐすように、ゆっくりゆっくり肛門を撫で回す。

押し付ける力が次第に強くなっていき、舌先が一周ごとに肛門に沈み込んでいく。

肛門の表面を舐めていた舌は、いつの間にかその先端を埋め、やがて直腸内へ侵入していた。



「う・・・おぉ・・・」



柔らかな舌が体内へもぐりこんでくる感覚に、俺は倒錯した快感を覚えていた。



「ん・・・ん・・・こんなものかな」



不意に『お化け』の舌の動きが止まり、肛門から抜き去られた。

が、直後に彼女の指が肛門を突付いてきた。



「ひぁっ!?」

「うん、十分ほぐれてる。これなら入るね」



『お化け』はそのまま指先を肛門に当て、ずぶずぶと押し込んだ。

舌によって脱力しきっていた括約筋は、彼女の人差し指の侵入を容易に許し、根元まで飲み込んでいた。



「うわー、お兄さんの中すごくあったかーい」

「うぉおおっ・・・!」



ぐるぐると指先を、円を描くように動かすことで、腸内の異物感が強まる。

だが、指先が腸壁を刺激する感覚は決して不快なものではなく、むしろ心地よくさえあった。

指の腹が、優しく粘膜を撫でるたびに、俺の目の前でペニスがビクビクと脈打っていた。



「えーと、確か・・・ここかな?」

「おうふっ!?」



腸内で指がくの字に曲げられ、腸壁の一部を圧迫する。

その瞬間、異様な快感が腹の奥で生じ、全身に走った。



「ああ、ここだここだ」

「うぁあっ、はぁあっ!」



悲鳴とも喘ぎと持つかない声が、『お化け』の指が動くたびに漏れる。



「えへへ、気持ちいでしょ、お兄さん?」

「うぉおっ、ほぉふっ!」

「ほら、返事しないと、もっと押しちゃうぞー、えいえい」



一際強く、指先が腸壁を圧迫した。

今までより圧倒的に強い快感が、雷のように全身を走る。

ペニスの先端で、先走りを垂れ流しにしていた鈴口が、一瞬大きく広がり、白濁した液体を噴出させた。

遅れて射精の開放感が、俺の全身を支配した。

自分の精液が、自分に降り注いでいたが、全く気にはならなかった。











「あー、力加減間違えちゃった・・・」



頬をかきながら、『お化け』が言葉を漏らす。



「ねー、もう一回いいでしょー?」

「だーめ、みんな一回ずつって約束したじゃん」

「そうだよ、間違っても一回は一回だよ」

「でもー・・・」



『お化け』はしばしの間考えると、何かを思いついたかのように口を開いた。



「そうだ・・・最後にみんなでもう一回しない?」

「それなら・・・」

「うん、それならいいよ」



『お化け』の提案に、『魔女』と『口裂け女』がのった。



「それじゃ、あたしお尻の穴ー」



『お化け』が俺の腰を担ぎ上げたまま、手を挙げる。



「あ、かっちーずるーい。だったら、あたしはおちんちーん」



『魔女』が手を挙げながら声をあげた。



「あー、ふーちゃんこそずるーい」

「あっちゃんは、次のときにおちんちんにすればいいよ」

「うーんだったら、いいよ」



三人の中で交渉が成立したらしく、『魔女』と『口裂け女』が俺の腕から腰を上げた。

そして、『魔女』が俺の腰の横へ、『口裂け女』が俺の胸の側に座った。



「それじゃー、いくよー」

「うん」

「うん」

「せーの」



『魔女』の合図にあわせ、三人は動いた。

大きく口を開き、それぞれの担当場所に顔を寄せたのだ。

『お化け』は肛門へ、

『魔女』はペニスへ、

『口裂け女』は胸へ。

それぞれの口が寄せられる。



「・・・!!」



肛門に舌が突き込まれ、ペニスを再び無数の舌が包み込み、胸板を長い舌が這い回る。

一度に与えられた刺激と快感に、俺は全身を硬直させて息を漏らした。



「・・・!!・・・!」



先ほどより深く差し込まれた舌が、腸内を舐りまわす。

唇はペニスどころか睾丸さえも飲み込み、無数の舌が群がる。

蛇の動きとナメクジのぬめりを持った舌が、胸板を撫で回し唾液を塗りつける。

一度に襲い掛かってきた快感に、俺は悲鳴すら上げられず、ただ息を吐き出しては吸っていた。



「うわー、お兄さんのお尻のあなすっごいゆるゆるー。これなら指も二本ぐらい入るね」



『お化け』が舌を引き抜き、代わりに揃えた二本の指を突きこんできた。



「あはは、お兄さんのキンタマ、舌で少し虐めてやったら縮こまったよ。もぐもぐしてあげるね」



唇が、食物を咀嚼するように蠢く。



「あれー?お兄さんのおっぱいの先っちょ、女の人みたいに固くなってるよー?これなんだろうねー?」



舌が乳首を這うように撫で、ざらついた表面で擦り挙げる。



「・・・ぁっ!・・・っは!」



目を見開き、のどの奥で声のような音が僅かに発生する。

『お化け』の指は、腸粘膜を擦りたてながら、射精しない程度に前立腺を圧迫していた。

『魔女』の口は、咀嚼するように蠢くことで口腔内の舌さえもが、ペニスと睾丸を揉み立てていた。

『口裂け女』の舌は、両の乳首を撫でながらも、その先端は脇腹や腹筋をたどり、へそをくすぐっていた。

全身を一度に責め立てられ、俺の意識は限界に達していた。

だというのに、立て続けに射精してしまったせいで、なかなか絶頂しない。

後一押し。後一押しの刺激さえあれば絶頂できるのに・・・



「あれ?お兄さん泣いてるよー?」

「ホントだ」

「ホントだー」



誰かが声を上げ、誰かが続く。



「いけなくて辛いんだよ、きっと」

「辛いんだねー」

「みんな手加減してるからねー」

「ねえ、お兄さん」



誰かが、俺に声をかける。



「来年お菓子を用意してくれるんだったら、出させてあげるけど、どうする?」

「約束する?」

「しない?」



誰の言葉かは分からないが、俺は無意識のうちに頭を上下にがくがく振っていた。



「約束するって」

「絶対だね」

「約束だよ」

「それじゃあ、みんな・・・」

「うん」

「うん」



腸の中の二本の指が、腸壁越しに前立腺をはさんで圧迫する。

ペニスと睾丸を咥える唇が口腔ごと強くすぼまり、押し付けられた無数の舌が暴れ回る。

両の乳首と脇腹、そして腹を包むようにとぐろを巻いていた舌が、一度にその表面を蠢動させる。

瞬間、俺の意識がはじけた。



「・・・っああああああああああ!!」



獣の咆哮めいた絶叫を上げながら、全身を反らせ、精液を放つ。

一回心臓が脈打つたびに、一回精液が吹き出る。



「ああああ、ああああ、あああ」



体内に存在する水分が、すべて精液として出て行くかのような錯覚を覚えるほど、射精は続いた。



「ああ、ああ、あ・・・」



そして、最後の一滴を搾り出すと、俺は意識を失った。















「トリック・オア・トリート!」



近所で、子供達の声が聞こえる。

去年の10月31日、俺が目を覚ますとすでに日付は変わっており、三人の姿は無かった。

俺は、三人に与えられた快感のとりこになり、少しでもそれを真似しようとしたが、かなわなかった。

そして一年間、この日を待ち続けたのだ。

この日に備え、飴やスナック菓子、チョコレートの詰め合わせを用意している。

意識は朦朧としていたが、した約束は果たさなければならない。

チャイムが鳴った。

俺は、お菓子の詰め合わせを手に玄関へ向かい、ドアを開いた。



『トリック・オア・トリート!』



魔女、口裂け女、シーツお化け。

変わらぬ仮装の三人が、そこには立っていた。

俺は、彼女らに向けて、こう言った。





「トリック・アンド・トリート!」





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