槍型淫魔兵器 銀ノ二
会議室めいた部屋に数十の人影があった。
その中にはエレジア･テルミドールと、彼女の率いるチーム、そして他のチームのメンバーも揃っていた。
彼女らは椅子に腰掛け、部屋の前方に視線を向けていた。
そこにいるのは九谷二郎と、一組の男女の姿だった。
やや大柄な二十台半ばほどの男と、テンガロンハットをかぶった女ガンマン風の出で立ちの若い女。
二人は部屋の隅に置かれた椅子に腰掛けていた。
おい、テルミドール隊の連中がいるぞ。
エレジアの耳に、どこからともなく他のチームの隊員の雑談が届いた。
あいつら付喪神を取り逃がしたってよ。そのぐらいなら、いつも俺たちが相手している連中と同じじゃねえか。しかも死人が三人もいたらしいぜ。。へへ、無様だな。まったく、あいつらがしくじるから俺たちまでこんなミーティングに呼び出されるんだ。
「･･･」
耳に入るいくつかの言葉に、エレジアは下を向いて唇を噛み締めた。
「皆さん、おそろいですね」
いつの間にか壇上に上り、マイクを手にしていた九谷が声を発する。
「今回皆さんにお集まりいただいたのは、皆さんに捕獲していただく対象の解説と、臨時にテルミドール君のチームに加わることになる二人の紹介です。それでは、」
部屋の照明が落ち、天井から降りてきたスクリーンに光が投じられる。
「槍型淫魔兵器、銀についての解説を始めます」
爪先立ちになり、余計な力を込めることなく駆ける。
コンクリートに覆われた足場に交互に踏み出される足からは、音は生じない。
そして、全身のばねを使って跳躍する。
夜風が頬を撫で、全身を浮遊感が包んでいる。
しばしの滞空の後、右足を前に突き出し着地。と同時に足首、膝、股間節と滑らかに曲げ、衝撃を完全に吸収する。
「･･･ふぅ」
深く息をつきながら、顔を背後に向けた。
視線の先には、跳躍のための助走をしたビルの屋上が、道路を隔てた向こう側にあった。
『なかなか仲？動きがよくなってきたな、ししし』
「いやあ･･･まだ僕実感がないんだけど」
耳元で響いた女の声に、右手の中にある金属の質感に意識を向けながら応える。
『何を言うか、それがお前の実力だ』
「ほんとに僕の力？毎晩身体貸してたけど、ただ座ってじっとしていただけなのに？」
『この銀の言葉が信じ真二？られぬのか？』
「･･･槍が喋って、身体をたまに乗っ取るって言う時点で、だいぶ信憑性ないと思うんだけど･･･」
僕は一つため息をつき、右手に納まる長さ２メートルほどの白銀色の槍に視線を向けながら応えた。
『その槍に身体を貸してやっているお前の言葉も、十分信憑性はないな』
金属製の穂先に映った僕の側で、白の長衣に身を包んだ女が、ししし、と口の端を吊り上げて笑った。
僕の名前は古賀修二。そして僕が持っている槍は、銀という。
数日前、僕が下宿先のアパートで寝ていたところ、僕の部屋のベランダに銀が突き刺さってきたのだ。
彼女は僕に、自分を持ち運びし、なおかつ毎晩身体を貸して欲しいという要求をし、それ相応の酬いもすると言った。
そして僕は、彼女を受け入れた。
槍を携えたまま、数度の跳躍を繰り返し、アパートのベランダに着地する。
「ただいまー･･･」
鍵をかけていなかった窓を開いて、誰にともなく小声で呼びかけながら、部屋に入った。
銀を壁に立てかけ、洗面所へ向かう。
電気をつけて、汗を吸った服を洗濯籠に放り込む。
タオルを手に取り、水で一度濡らしてから身体を拭き始めた。
ふと、鏡に映った自分の姿が目に入る。
「･･･」
僕は手を止め、何気なくタオルを手にしていないほうの手で、腕を撫でてみた。
つるりとした、滑らかな肌の感触。
『どうした？自分に見蕩れて看取れて？いるのか、ししし･･･』
洗面所の鏡に、ショートカットに長衣姿の銀が映りこんだ。
「いや、ちょっとね」
鏡越しに彼女と目を合わせつつ、もう一度腕を撫でる。
「こう、体毛が薄くなったなあと思って･･･それにほら」
胸から脇腹、そして太ももまで手を軽く滑らせつつ続ける。
「筋肉というより、脂肪が少し付いたような気がするんだけど･･･」
鏡に目を向けると、全体的にやや丸みを帯びた僕の体が映っていた。
腕も、足も、腹も、あれほどの跳躍を可能にするというのに、筋肉質というよりは女性的なラインを描いている。
そして胸にいたっては、胸板が厚くなったというより、控えめな乳房がついているような印象を与えていた。
『ほう･･･それだけか？』
「･･･え？」
『気づいたのはそれだけか、と聞いたのだ』
鏡の中で、銀が僕の側に歩み寄り、しなだれかかる。
彼女の指が鏡の中の僕の頬を撫で、滑らかな指先の感触が僕の頬に伝わる。
二度、三度と頬を撫でると、彼女は軽く僕の顎を掴むと、まっすぐに向ける。
そして彼女も頬を吊り上げる、特徴的な笑みを消すと、鏡越しに僕の目をまっすぐに見つめた。
「･･･」
鏡に映った僕の顔と彼女の顔を、視線が往復する。
体と同じように丸みを帯び、どことなく女性的な印象を覚える僕の顔。
整った顔立ちでありながら、何となく男性的な印象を覚える彼女の･･･
「あ･･･！」
『やっと、気が付いたかししし･･･』
彼女は僕とほぼ同じ顔で、再び口の端を吊り上げながら笑った。
そしてしなだれかかったまま、僕の股間に手を伸ばすと、ペニスを軽く指先で撫でた。
むき出しのペニスに、彼女の指の感触が触れる。
現実には存在しないはずの刺激に、ペニスに血液が集まり、次第に大きくなっていく。
『ほれ、どうだ？』
彼女は、屹立し小さく脈打つペニスを弄びながら、笑った。
『幾分小さくなったろう？ししし』
彼女の言葉どおり、僕のペニスは少しだけ小さくなったように思われた。
まるで、子供のペニスだ。
彼女は屈みこみ、その小さいながらも懸命に屹立するペニスに顔を寄せると、舌を伸ばした。
舌先がペニスの幹に触れ、裏筋をなぞると、痺れるような快感が湧き起こった。
銀は小さく跳ねるペニスの反応を楽しむように、口の端を吊り上げつつ二度、三度と舌先でペニスの表面をなぞっていく。
「うあ･･･ああ･･･」
快感に足腰の力が抜け、思わず前のめりになり、洗面台に両手をつく。
『反応も子供のようだな･･･ししし』
鏡の縁の陰に入り、姿が見えなくなった彼女が笑う。
そして、舌先がペニスの表面を這い回る感触を維持したまま、続けた。
『舌でこんなに悶えるのなら･･･咥えたらどうなる･･･？』
と、舌先の感触が離れ、ペニスが柔らかな感覚に包まれる。
生温かく、ねっとりとした粘膜が絡みついてくる感触に、空にさらされているペニスが悶えるように跳ね、鈴口に先走りを滲ませる。
「ああ･･･ああ･･･！」
感覚だけしか存在しない銀の舌が、ざらついた表面でもって裏筋から亀頭を執拗に撫でていく。
『ん？まさかもう出そうだというのかししし』
「･･･ひゃぁっ！？」
彼女の言葉と共に、薄くそれでいて確かな二つの乳房の感覚が背中に押し付けられ、僕の乳首が何かにつままれたような痛みを発した。
幾分大きくなったかのように思われる乳首は、彼女の刺激によって屹立し、更に大きくなったかのように見えた。
『ししししし･･･』
彼女が低く笑いながら、二度三度と乳首を抓り上げる刺激を送り込む。
そのたびに僕の中で電撃のような快感がはじけ、刺激に反応したペニスが、先走りを噴き出しながら彼女の口の感覚の中で跳ねた。
『もうすぐ、といったところか？』
銀が予想を口にするが、射精はまだ遠い。
ペニスを包む粘膜の感覚は、僕に射精直前の快感を与えてはいたが、乳首に走る痛みが射精を妨げていた。
「いぁあっ･･･！ひぐぅっ･･･！」
しかしそれでも、喘ぎ声を上げ、全身を震わせるたびに、乳首に走る痛みが変質していく。
痛みが快感に、刺激が心地よさに。
「ぁあっ･･･！ああっ･･･！」
絡みついた舌の感触が、蠢く口内の粘膜の感覚が、背筋に押し付けられた控えめな乳房と乳首の触感が、僕の意識を、階段を上るように押し上げていく。
そして両乳首を摘む指の感触が緩み･･･
『ここまでだ』
彼女の声と共に、背筋の乳房も、ペニスを包む粘膜も、離れていく。
そして後に、絶頂を迎えることが出来なかった僕の意識だけが取り残された。
「･･･え･･･？」
体内で渦巻く快感をそのままに放り出され、思わず呆けた様な声を上げる。
顔を上げると、鏡の中に物足りなさげな顔をした僕と、少しはなれて笑みを浮かべる銀の姿が映っていた。
『どうだ？苦しいか･･･？』
苦しい。
射精直前の興奮状態のまま、放り出されたから。
『惨めか･･･？』
惨めだ。
屹立したペニスを包んでいるのは、銀の口内の名残である粘液ではなく、夜に冷えた洗面所の空気。
つい先ほどまで激痛に苛まれていた乳首も、今では刺激の余韻さえ宿していない。
体から抜け落ちた感覚の全てが、所詮は幻想であったことを物語っているから。
『我と共にあれば、苦しみから、惨めさから逃れることが出来るぞ？』
鏡の中で、彼女が僕に向けて手を差し伸べる。
『さあ･･･目を閉ざし、我の手をとれ･･･』
言われるがままに目を閉じると、辺りが闇に包まれた。
体を半回転させ、鏡の中で、彼女が建っていたあたりに顔を向ける。
すると闇の中に、一糸纏わぬ姿で銀が立っていた。
「･･･」
僕は手を伸ばし、彼女の差し伸べた手に、そっと重ねた。
瞬間、闇が晴れて洗面所の景色が視界に飛び込んできた。
目は閉じている。目で見ているわけではない。
とっさに開こうとするが、まぶたは縫い付けられたかのように開かなかった。
『さあ、こっちだ･･･』
混乱する僕を導くように、銀が手をとったまま足を踏み出す。
洗面所を抜け、寝室として使っているたった一つの部屋に入る。
彼女は僕の手を離すと、床を指し示しながら命じた。
『横になれ』
言われるがまま、仰向けに床の上に転がる。
すると、銀が僕の体の上をまたぎ、ちょうど腰の上のあたりで仁王立ちになった。
毛一本生えていない、彼女の秘裂が目の前にあった。今夜まで、何度となく挿入していながら、一度も見たことのない彼女の生殖器が、僕の視界の中にあった。
細く、それでいてほどよく筋肉のついた二本の太ももの間、ちょうど股を右と左に分けるかのように、生殖器が口をあけていた。
健康的なピンク色の粘膜が、皮膚の亀裂を押し開くようにして彼女の体奥から姿を現している。
わずかに開いた粘膜の間から、彼女の膣の入り口と、その奥の闇が顔を覗かせている。
そして、開いた口から涎が垂れるかのように、ねっとりと粘度の高い体液が糸を引きながら垂れ落ち、屹立しきった僕のペニスに当たった。
『ししし･･･我も我慢ができないようだな･･･行くぞ･･･』
そういうと彼女はゆっくり脚を曲げ、膝を突き、腰を下ろしていく。
僕の見ている前で、亀頭と、彼女のゆるく開いた女陰が接近していき･･･触れた。
「うわ･･･」
亀頭を濡れぼそった柔らかな粘膜が包んでいく。
粘膜は僕を迎え入れるかのようにやわやわと蠢きつつ、何の抵抗もなく亀頭を受け入れていく。
「ああ･･･あ･･･」
カリ首まで飲み込まれたところで、不意に粘膜の質感が変わった。
単に柔らかかっただけのものが、かすかな圧力と、柔らかいながらもしっかりとした襞の感触を与えてきたのだ。
亀頭は襞のついた粘膜を、圧力に抗して押し開きながら、奥へ奥へと進んでいく。
「うぁ･･･ああ･･･ぅ･･･」
奥に進むに連れ、膣の粘膜の圧力が強くなっていく。
粘液にまみれた膣の襞が、圧力によって亀頭に密着し、まるで亀頭表面を磨き上げ、カリ首に溜まった汚れをそぎ落とそうとしているかのような錯覚を覚える。
「うぁああ･･･あぅ･･･うぅ･･･」
すでにペニスの半ばまでが彼女の膣に飲まれつつあった。
幹の表面が、彼女の粘膜の歓待を受ける。
皮膚一枚隔てているとはいえ、彼女の襞がペニスにもたらす触感は極上のものだ。
一方亀頭は、もはや侵入を阻もうとするかのような膣の締め付けを、強引に押し開きながら更に奥へ奥へと進んでいく。
「ああああぁぁああ･･･ぅああ･･･」
亀頭、カリ首、裏筋、幹、八割がた飲まれたペニスのうち、前半分までが、襞に覆われた彼女の膣の粘膜の締め付けを受けていた。
そしてペニスの根元と、彼女の膣の入り口が触れると同時に、亀頭に円形の強い弾力を持った何かが触れた。
おそらく、子宮口だ。
『奥まで入ったな･･･ししし』
彼女の笑みに合わせ、子宮口がその径を広げる。
と、亀頭の半ばまでが広がった子宮口の中へ飲まれていった。
子宮内は温かな粘液に満たされており、その内壁に膣のような締め付けはなかった。
しかし、膣との締め付けとの対比が、ぞくぞくするような快感を僕に与えていた。
「うぁ･･･あぅ･･･」
僕を見下ろしながら、彼女が腰を動かす。
丸く円を描くように腰を回すと、結合部から粘着質な水音が生じる。
彼女の動きにあわせ、ペニスの幹に愛液を塗りこむかのごとく襞が蠢く。
痺れがペニスから背筋を駆け上り、脳髄に快感が叩き込まれる。
「ひぁ･･･！」
ペニスへの熾烈なまでの粘膜による刺激に、僕は思わず大声を上げていた。
銀は愉悦に満ちた表情で、僕にまたがったまま腰を振り続ける。
そして、口による責めを中断されていたせいか、限界はすぐに訪れた。
「あ、ああ･･･あうっ･･･！」
全身に力がこもり、体奥で溜まりに溜まっていた欲望が、白濁した粘液となって尿道を駆け上り、鈴口から噴き出す。
『ししし･･･そうだ･･･もっとだ･･･』
腰の動きを止めながらも、膣を蠢動させつつ銀が言う。
襞がペニスの幹を、裏筋を、更に精液を搾り取るかのように揉み上げ、子宮が放たれた精液を余すところなく受け止め、更に吐き出させようと吸い付く。
その感覚が呼び水となり、更なる射精を僕に促した。
「あああ･･･ああ･･･」
やがてペニスの脈動が小さくなり、興奮が醒めていく。
そして、最後に搾り出すかのように精液を吐き出すと、ペニスは完全に射精を止めた。
『ししし･･･一杯出したな･･･』
急速に暗くなっていく視界の中、銀が口の端を吊り上げながら笑う。
『さあ、交代だ･･･』
彼女の言葉を聴きながら、僕は眠るように気を失った。
腰の下から、頭頂部へ抜ける軽い衝撃が、周期的に僕を襲う。
『ん･･･』
暗闇が急速にはれていき、意識が覚醒する。
「おう、目が覚めたか」
頭上から声が降ってくる。
目を開くと、銀が腰を振りながら僕を見下ろしていた。
『･･･え？』
違う、天井を背景に僕を見下ろしているのは、銀ではない。
僕だ。
僕が、屹立したペニスで持って、僕の腰を抱え込むようにしながら、僕を犯しているのだ。
そこまで悟ったところで、急にリアルな感覚が襲ってきた。
規則正しい突き上げの衝撃は、火傷する錯覚を覚えるほど熱いペニスが、僕の体内をえぐるものに変わった。
張り出したカリ首が、引き抜かれるのにあわせて粘膜の表面をえぐっていき、挿し込む動きにより膨れ上がった亀頭が粘膜を強引に押し開いて進入してくる。
そしてペニスの出入りのたびに、焼け付くような感覚が、快感と共に脳に注ぎ込まれてくる。
『あああああっ！？』
妙に甲高い、先ほどまでの銀の声が、僕の代わりに叫び声を上げる。
「お？急に締め付けがきつくなったな、そんなに自分のがいいのか？ししししし」
留守電で何度か聞いた覚えのある、他人が聞く僕の声が、特徴的な声で笑う。
その間もペニスの動きは止まらず、体奥の粘膜をえぐるように出入りしていた。
『あああっ！？ああっ！？』
絶え間なく快感が意識に襲い掛かり、そのたびに短く悲鳴めいた嬌声を上げる。
「ししし･･･出すぞ･･･！」
数十回の律動の後、銀がうめくように言い、ペニスが更に膨れ上がった。
そして、激しい脈動と共に体奥に熱い液体が叩きつけられる。
『あああっ、ああああああっ！』
体内に射精されるという初めての感覚と、快楽の果ての絶頂に僕は声を上げていた。
快感は射精のときのような断続的なものではなく、延々と続くかに思われるほど長く連続したものだった。
『ああああああっ！』
意識内に電光と火花が散り、思考が蝕まれていく。
このままだと戻ってこれなくなる、と脳裏のどこかが警鐘を鳴らし始めたところで、射精の勢いが収まり、やがて止んだ。
『はぁ･･･はぁ･･･はぁ･･･』
嵐のような快感の余韻に身を浸らせつつ、僕は荒い息をつく。
「ししし･･･女の身体は、どうだったか？」
すごく、気持ちよかった。
呆然としつつも、心中でそう答える。
むしろ、射精よりも気持ちよかったくらいだ。
連続した一塊の快感が、延々と脳髄に注ぎ込まれ、意識が蝕まれていくのがあれほどに心地よいものだったなんて。
もう一度、味わいたい。
「お？積極的になったなししししし」
ふと気が付くと、僕は銀の肩に手を伸ばしていた。
そのまま身を起こしつつ、銀の体を押し倒す。
僕の物だったペニスと、銀のものだった秘裂とで繋がったまま、僕は銀の上にまたがっていた。
つい先ほどと全く同じ体勢で、つい先ほどと真逆の位置で。
そうだ僕の下にいる銀は、えらそうな顔こそしているが、ペニスを勃起させることしか出来ないただのオスなのだ。
『･･･ししし･･･』
自然と頬が吊りあがり、笑みがこぼれる。
僕の体内、膣に包まれた幾分柔らかくなった肉の塊に意識を向ける。
腰を左右に小さく振りながら、肛門を締める。すると膣の括約筋も収縮し、体を左右に振ることで襞も蠢く。
記憶ではなく、体に染み付いた動作に意識を任せ、思うが侭に膣の粘膜を操る。
射精直後で固さを失っていたペニスに、再び血液が集まり始め、熱と固さが戻ってくる。
膣の締め付けを押しのけるかのように、ペニスが膨れ上がり、その体積を増して存在感を僕に訴えかけてくる。
「う･･･く･･･」
敏感な状態のペニスを弄られたからか、銀が顔をしかめる。
しかし僕は構うことなく、ペニスを締め付け、その表面を襞で持って撫で回した。
表面に血管を浮かび上がらせた幹を締め付け、裏筋を根元から先のほうへくすぐり、亀頭を丹念に揉み解す。
次第に高まってきた興奮のためか、銀のペニスははちきれんばかりに膨張し、小さく脈動していた。
『ひし、ししししし･･･』
ペニスの熱さと固さがもたらす、ぞくぞくするような期待感に笑みを浮かべつつ、僕は腹筋の更に奥、一度も意識を向けたこともない場所から力をゆるめた。
膣の更に奥、亀頭の発する熱と弾力を味わっていた子宮口が、次第に弛緩し、その径を広げていく。
かすかに浮かし気味だった腰を下ろし、膣口とペニスの根元を密着させると、脈打つ亀頭が子宮内部に侵入した。
本来ならば、精液と己の体液、そして赤子のほかには何も入るはずのない場所に、ペニスの先端が収まっている。
背徳的な事実と、子宮からもたらされるペニスの熱と固さがもたらす快感が、意識に浸透していく。
自然と腰が動き、膣の内壁に屹立したペニスの表面を擦り付け、更なる快感を得ようとする。
「うう･･･あう･･･」
うめき声と共に、銀が顔を左右に振る。
苦しささえ感じさせるような快感を注ぎ込まれているのだろう。
でも、僕はまだ足りない。
膣壁から分泌される愛液を、ペニスに塗りたくるように襞を蠢動させる。
『ししししししし･･･！』
あふれ出る笑みを押さえることなく、腰の動きを回転から、上下運動に変える。
張り出したカリ首が膣壁を長い間えぐるように腰を高く持ち上げ、子宮口に亀頭が叩きつけられるように勢いよく腰を下ろす。
長いストロークでの上下運動が、次第に僕の興奮を押し上げ、銀を追い詰めていく。
「う･･･くぅ･･･あぁ･･･」
顔をしかめ、歯を食いしばりながら銀が快感に耐えている。
『･･･ししし･･･！』
ふと思いつき、僕は腰を止めることなく銀の上半身に覆いかぶさり、唇を強引に重ねた。
力のこもった唇を押し開き、舌を挿し込む。
歯茎をくすぐり、頬の内側を探り、彼女が力を抜いた隙に舌を歯列の内側に押入れ、銀の舌と絡ませる。
そして、興奮により粘度の高くなった唾液を注ぎ込み、口内を刺激されたことで溢れ出した彼女の唾液を啜る。
初めての唾液交換による興奮で、膣内からもたらせる快感が否応なしに高まっていく。
そのまま彼女の口内を貪るように舌を操りつつ、かすかに膨らんだ乳房を彼女の胸に押し当てる。
固く膨張した乳首同士が接触し、擦れることにより新たな快感が生まれる。
「んん、んん〜〜〜！」
口を離して逃れようとする銀の顔を両手で押さえ、接吻を強引に継続させる。
膣とペニスが奏でる水音は、かなり激しく、大きなものとなり、先走りと愛液の混合物が泡立っている様子まで想像できる。
「んんっ、んんんんん〜〜！！」
くぐもったうめき声を銀が上げると、膣の中のペニスの脈動が不意に激しいものに変化した。
ペニスの中に心臓があるかと思わせるような脈動に、僕は口の端を吊り上げた。
そして腰をペニスが膣から抜け出るかと思うほど高く持ち上げ、一気に叩きつけるように腰を下ろした。
粘度の高い愛液にまみれた襞が、幹を裏筋をカリ首を亀頭を擦りたて、開ききった子宮口が鈴口に吸い付く。
瞬間、破裂するほどペニスが膨張し、子宮内部に熱く沸騰した粘液が放たれた。
「あああああああ！」
思わず僕がのけぞったせいで唇が離れ、銀の口から叫び声が溢れ出す。
「あああああああああっ！」
ペニスが心臓の鼓動にあわせて膨れ上がり、ペニスの脈動にあわせて精液が子宮の粘膜に叩きつけられる。
「あああああああああっ！」
興奮により煮えたぎった白濁液が、赤子の納まるべき神聖な場所を蹂躙し、その内壁を灼く。
「あああああああああっ！」
汗と体液にまみれた体が接触し、穏やかな心地よさを発する。
「あああああああああっ！」
そして、すべての感覚が、快感となって僕の意識をはるかな高みへと押し上げた。
もう何も考えられない。
脈打つペニスも、子宮を灼く精液も、銀の叫び声も、全てが僕を忘我の極みへと導いている。
射精しているのは銀のはずなのに、自分が射精しているような気分になる。
ふと目をあけると、僕の上にまたがり、目を閉じたままのけぞる銀の姿が見えた。
僕ののどはいつの間にか叫び声を発しており、猛り立ったペニスからは噴水のように精液が溢れ出しているのが分かった。
銀が目を開き、僕を見下ろす。
そこには僕の体の下で、射精の開放感に身を任せ、だらしなく顔を弛緩させている銀の姿があった。
僕は腰を動かし、精液を放ち続けるペニスでもって、銀の膣の内壁にペニスを擦り付けた。
銀が射精中のペニスに更なる刺激を受け、涙を流しながら射精の勢いを増す。
もう、分からない。
射精しているのが僕なのか、銀なのか。
またがっているのが僕なのか、銀なのか。
責めているのが僕なのか、銀なのか。
もう分からない。
やがて永遠に続くような錯覚さえ覚えさせた、僕と銀の絶頂は、射精が収まることによって止まった。
そして、僕と銀のどちらからともなく、絶頂の終わりと同時に眠るように気を失っていった。
「･･････」
目を覚ます。
たった一人で部屋の真ん中に転がっていた。
股間はおびただしい量の体液にまみれている。
夜の空気に冷え切った体を起こし、軽く鈍痛のする頭を振る。
どうやら結構長い時間気を失っていたらしい。
かすかに足元をふらつかせつつ立ち上がると、壁に欠けてある姿見が目に入った。
「･･････」
そこに映っていたのは、黒のショートカットに整った顔。
細い肩から続く控えめな乳房に、引き締まった腹と腰。
そして股間にぶら下がる小さめのペニスに、無駄な肉のついていない細い脚。
「･･････」
だれだ、これは。
鏡に映っていた銀、というには髪は短すぎるし、何しろペニスがついている。
古賀修二というには、顔つきが女性的過ぎるし、何しろ体格からして違う。
だとしたら、鏡に映る、こいつは誰だ･･･？
『お前は、我だ』
鏡に映る誰かの背後、壁に立てかけられた白銀色の槍が声を発する。
『この数日の身体操作の結果、お前は完全に我となった』
両手を持ち上げ、軽く手を握り、開く。
『お前は我を扱うための体であり、我はお前に扱われるための槍だ』
「･･･だとしたら、お前も我なのか？」
『ああ、そうだ。お前は我なのだからな』
姿見から目を離し、振り返ると壁に立てかけられた槍に手を伸ばした。
手のひらに収まった金属の感触は、どこか安堵を覚えさせた。
「それでは、手始めに魔術師どもを迎え撃とうか、我らで」
ほんの数日前に出合った、我に最もふさわしい槍に言葉をかける。
『ああ、我らで迎え撃とうではないか、魔術師どもを』
我は、この世で最もふさわしい我自身の使い手に応えた。
そして、我らは笑った。
しししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししし
しししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししし
しししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししし
しししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししししし
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