妖女による3つの実験
「さあ、始めましょうか」
その娘は我々にそう告げると、真っ白い歯をキラリと覗かせて微笑んだ。細い指をさっと伸ばし、我々3人の中で一番右に繋がれている男をつまんで、試験管の中に入れた。その娘によって10数センチに縮小された我々にとっては、巨大な試験管だ。
哀れな男は必死に這い出そうとするが、滑ってなかなか出られない。少しでも登ると、娘が試験管を振って男を一番下まで落とす。そんなことを何回か繰り返したところで、娘はニンマリと笑った。見ているだけで吸い込まれそうになる魅惑的な唇を、試験管の口にそっと近付けた。唇が微かに開き、ぬめぬめと光る舌が覗いた。口がもっと大きく開いたかと思うと、舌をつたって唾液がダラリと垂れる。試験管の中の男は、それを頭からかぶることになった。
男の腰くらいまで唾液が溜まったあたりで、男の身に変化が起こる。
なんと、唾液に浸かっただけで、男の服は溶けてしまったのだ。男は恐怖のあまり泣き叫んでいた。いや、こんな泣き叫び方があるのだろうか?1つ間違えれば悦びの声にも聞こえかねない。変な男だな。ん?男が変なのではなく・・・
なんと、男はもの凄い勢いで娘の唾液風呂の中に射精し始めたのだ。それは留まるところを知らない。そして、数分後には男は全てを放出してしまった。全て精液になってしまったのだろうか。
娘は試験管を斜め下から覗き込み、男が完全に液化したのを確かめた。そして、試験管を指2本で持って軽く振って、口元まで持ってきたかと思うと、ゴクリ、という音を立てて、一気に飲み干してしまったのである。
我々はもはや「恐ろしい」という感覚を通り越して、茫然としてそれを眺めていた。
娘は我々の方に顔を近づけ、軽く舌なめずりをしながら言った。
「実験成功ね。私の唾液に、衣類だけを溶かして、男を全て精液にしてしまうような細工をしておいたの。今の人、きっと幸せな最期だったと思うわ。とっても気持ちいいの。それに、おいしかったぁ」
口の中で唾液が糸を引いている。柔らかそうな舌が見え隠れする。
「あなたたちも、こういうふうにされたい?それとも・・・」
私の隣の男が突然泣き叫び始めた。それを見た娘は、困ったような顔をして、男を優しく撫でて、持ち上げて、ストン、と試験管の中に入れた。やめてくれ、やめてくれ、と繰り返す男をよそに、娘はスカートをまくり上げた。
「男の人飲んだら、ちょっと興奮してきちゃった。ちょっと遊ばせてね」
娘は試験管を股間に運ぶ。そして、男が入ったまま、ぐちょぐちょに濡れた陰部に挿し込んだのだ。まるで私に見せつけるかのように。次はお前の番だと言わんばかりに。
試験管が陰部を上下するたびに、陰部から透明の液体が滴り落ちる。今度は何が起るのだろうか。
「はああ、はあああああっ」
娘の息は次第に荒くなってくる。試験管がピストン運動を続けているため、中の男の様子はよくわからない。
「ああんっ!」
娘の手の動きが止まった。試験管を陰部に挿入したまま、娘は横になる。中の男は・・・
驚くべきことにその男は、試験管の中を娘の「口」に向かって、はいはいをし始めたのだ。
そして、自ら娘の胎内に頭から潜り込んでいく。巨大な陰部に食べられていくのである。
「ああっ、来るっっっ、ああんっ」
娘の太ももが動く。陰部がきゅっとしまる。男の体はさらに陰部にはまり込んでいく。そして・・・
「んんっ、んんんんんんっっっっっ」
娘の体が大きく反ると同時に、男の体は完全に陰部に収まった。
「はあ、はあ」
娘は呼吸を整えながら、割れ目に指を這わせた。男はもう出て来ないのだろうか。
「また、たべちゃった。んんっ、まだ動いてる。融けるまで相当時間がかかりそうね」
私はどちらの口で食べられるのだろうか。
2人目の「食事」を終えた娘は、残った私に言った。
「さてと、実験は終わったから、帰っていいわ。生き残れてよかったわね。じゃあ、おやすみなさい」
縄が解かれた。自由の身だ。しかし・・・先ほどから何やらわからない興奮を覚えていた私は、この言葉に対して明らかに不満であった。といって、食べてくださいと言うわけにもいかず・・・と迷っているうちに、娘はさっさと眠ってしまった。だいたい、こんな小さい体では、解放されたってどうしようもない。
とりあえず大きさを元に戻してもらわないと。娘を起こすべく、ベッドによじ登る。
やっとのことでベッドの上に到達すると、目の前には・・・
あれ?ここはどこだろう。ベッドの上までたどり着いたはずなのに、娘の姿が見えない。
それもそのはず。娘は真後ろにいたのだ。・・・いつの間に同じサイズになったのだろう。どうも、自分の身体も自由自在にサイズ変更できるらしい。
そんなことを考えている間に、娘はやや太めの試験管を私の股ぐらに近づけてきた・・・かと思うと、なんと私のペニスにそれをはめてきたのだ。そして、私の背中に胸の膨らみを押し付け、後ろから首筋をそっと舐めてきた。
意外と大きい胸。首筋を這う舌の感触・・・試験管の中では大変なことが起こっていた。私のペニスは試験管の中で精一杯膨張している。もうきつくて仕方ない。このままでは・・・
娘は意地悪っぽく言った。
「試験管って案外簡単に割れるのよ。このまま責めたら、あなたのおちんちん、ガラスの破片でケガしちゃうわね」
想像するだけで震えが止まらない。しかし娘の責めは止まらない。まるで恐ろしさに縮こまる私を奮い立たせるようだ。快感が恐怖心を煽り、恐怖心が快感を育む。試験管が割れる前に自分が壊れてしまいそうだ。
娘は私の正面に周り、唇をあわせてきた。私の口の中に、娘の舌が入る。何人もの人間を喰らってきた恐ろしい舌だ。私の喉を、首筋を、娘は舐め回る。もう一度キスしようと娘の顔がまた正面に来た。娘が、その貪欲な唇を開けて舌なめずりをする。舌が次に入ってきた瞬間・・・
パリーン!
という音と共に、私は意識を失った。
気がつくと、私の下半身は娘の胎内に呑み込まれていた。意識の戻った私に、娘は優しく言った。
「ごめんね。まさか本当に割れるとは思わなかったの・・・あなたはもう生きて行けないわ・・・そのかわり・・・永遠に気持ちよくしてあげる」
・・・私は、自分の体が娘に引き込まれていくのを感じた。
(完)
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