あり地獄娘




俺は夏季休業を利用して森の中の生物の分布が温暖化で変ってるかどうかを調べるために森に入っていった。

小学の頃調べた頃に比べると数は少なくなっているが分布は変っていないことに安心しながらさらに奥に入っていく。この森は俺にとっては庭同然。

迷うことは無い。・・・はずだったんだが。



「なんだよ・・・これ・・・」

目の前の光景に驚きの声しか出ない。分布図を取り出して見ると昔はクヌギが在って多くの虫がいて蝉時雨が聞こえた場所だ。しかし目の前に広がる光景は。

「まるで砂漠じゃないか」

そう、辺り一体すべて砂地になって視界が開けてるのだ。一応視線の先には森の緑が見えるのだが・・・

「なんでここだけ・・・」

そう言っても分かるわけも無く、仕方無しに調査の為に踏み込んだ。



砂地に踏み込んで周りを見ても虫の姿は無論見当たらない。森との境目にこの砂漠化の現象があると思い戻ろうと足を踏み出した。途端に足元が崩れた。

「うわっ!」

崩れると同時に地中から飛び出てきた何かが性器を咥えこみそれが突き刺さる。

「あぅ」

突き刺さっても痛みは無くむしろ凄まじい快感を受ける。そして何かが吸われて急激に脱力し俺は気を失った。気を失う直前に見えたのはすり鉢状になった砂地。そして耳に聞こえた愛らしい少女の嬉しそうな笑い声だった。





俺が目を覚ますと回りは真っ暗だった。

「あ、お兄ちゃん、気付いた?」

気を失う前に聞こえた愛らしい少女の声がすぐ近くで聞こえる。暗闇に目が慣れるとすぐそばに裸の少女がいた。だがそれは上半身だけ腰から下は異形の巨体だ。その形状とあまりの大きさに

「ま、まさか。くも娘?」

と言うと、彼女は頬を膨らませて

「ひどーい。あんな多くが性格が悪いのと一緒にしないでよ。ちゃんと見てよ足三対しかないでしょ」

「た、確かに・・・ってこれは何だよ。足じゃないのか!」

確かに三対しかないが俺を挟み込むようなものを指して叫ぶ。

「それは大顎よ」

とむくれたまま答えた。そこで俺は考える。昆虫の体。大顎。砂地。そして気を失う前に見たすり鉢状になった砂地・・・昔、寺や神社の境内の下でよく見たものと同じ・・・その全てを統合すると

「・・・ウスバカゲロウ娘の幼生・・・なのか?」

「うん。この状態はあり地獄娘って呼ばれるけど」

一転して愛らしい声で答える。

「だから・・・ね、お兄ちゃんの精液ちょうだい?」

と言って俺を押し倒して動きを封じてキスをしてくる。服を脱がされていたのか直につたわる小振りだが形の良い柔らかい胸の感触に驚いているうちに舌で口内を嘗め回し、腕も回して背中を愛撫でする。その心地よさに心を奪われされるがままになる。

「はぁ・・・気持ち良い・・・あぁ」

「お兄ちゃん・・・」

「ああ、そうだったね・・・良いよ。俺の精液・・・好きなだけ吸いな。でも死ぬまでは吸わないでくれよ」

「もう。くも娘じゃないのにするわけ無いじゃない。私達は女性でも死ぬまで吸わないわよ」

ちょっとむくれて言うと軽く口づけをして身体を下げて大顎を性器に刺して吸い始める。

「あ、あぁ」

「はぁ、美味しい。それに気持ち良い・・・あ。いきそう・・・」

「あぅ。お、俺もだ」

「お、お兄ちゃん・・・い、一緒にいこう」

「あ、ああ」

「ああ、いくぅ」

「ああ〜」

俺と彼女は同時に絶頂して気を失った。



あれから何日ぐらい経ったんだろうか?あの後もきつく抱き合ったり、激しくキスしたり、精液を飲ませたりを何度も何度も繰り返した。俺はあの日から本当に彼女が好きになって彼女の望むままにしている。

「ねえ、どれぐらい経ったと思う?」

ふと精液を吸っていた彼女が聞く、

「こんなに暗いんじゃわかるわけないですよ」

彼女の大顎を撫でながら答えると

「大体二週間ぐらいよ」

と言って大顎をはずすと抱きついてきて

「お兄ちゃん。性行為してくれる?目閉じてて」

と俺の答えを待たず、キスをする、俺はわけも分からず目を閉じる。とたんに彼女が動くのが彼女の肌の動きで分かる。数分後には彼女の肌以外の何かが体にざらつく、更に暫くして懐かしい匂いが嗅覚に感じる。彼女がキスをとき

「もう大丈夫。目を開けて」

と言って、目を開けると明るかった。思わず上を見上げると満天の星空。地上に出たのだ。

「ん・・・」

彼女の声に振り返れば、彼女は目を閉じて自分の身体を抱きしめて悶えてる。そして手と背が長くなり髪も徐々に長くなって顔つきも大人びたものになる。そして背中からウスバカゲロウの羽が生えるとあり地獄の背中部分が割れてすらりとした足を晒し、羽を震わせて浮かぶとゆっくと俺の前に降り立ち目を開ける。その姿は同年代19歳ぐらいである。そしてその股間にはしっかりと女性器も見える。

「お兄ちゃん・・・どうかな?」

お兄ちゃんと呼ばれる声変わりした女性のものだがちょっと調子が狂うが俺は素直に感想を述べる。

「すごく・・・美しいよ。綺麗だ」

月の光に照らされる。白い肌と黒い髪は誰の目にも美しく綺麗だと思える。

「ありがとう。お兄ちゃん。・・・ねえ、性行為してくれる?」

しなだれかかりながら押し倒すのを素直に受け止め

「いいよ」

と言って彼女の性器に自分のを入れる。

「あ、気持ち良い・・・」

「うあ、すごいよ・・・」

彼女は俺のが入った途端、快楽の声を上げる。俺も彼女の膣内が与えてくれる凄まじい快感に声を出す。恐らく人間以上だろう。彼女の羽を傷つけないように抱きながら腰を振るう。

「あ、あ、あ」

「くう」

俺の行動によって快感を感じたのか彼女も腰を揺らして膣内を締め付けて俺に快感を与えてくれる。彼女の胸もその快感を高めてくれる。俺が口づけをすれば彼女は答えるように舌を絡めてくる。俺達は時間が経つのも忘れたようにキスを繰り返し淫らに抱き合い続けた。夜明けの直前に俺の射精と同時に互いに絶頂の声を上げて気絶した。







俺が気付いた時彼女は俺に服を着せて去っていた。俺は家に戻った。



俺の行方不明は大騒ぎになって山狩りもされたが見つからなかったことについて俺は『おそらく運が悪くてすれ違ってばかりだったんでしょう』と言い、彼女の事は決して言わなかった。そして数日後の夜、ベッドに座ってると窓を叩く音に不審に思って窓のほうを見ると彼女がいた。俺はすぐに鍵を開けて彼女を招き入れる。

「久しぶり。元気だった?」

優しく抱きかかえて聞く俺に彼女は微笑んでくれるがその微笑に力がない。

「精液がいるのか?なら・・・」

「ううん。違うの・・・もう。寿命なの」

「え・・・」

驚く俺にもたれかかりながら

「私たちはね。成体になったら数日間しか生きられないの。だからその間に交尾して産卵するの。それでね、お願いがあるの」

「私と貴方の娘達に貴方の精液を上げて、それで娘達が成体になった時気に入った人がいなかったら娘達の夫になってそれを続けて、お願いあなた」

そういって口づけする。彼女にほれ込んでいた俺は

「わかった」

と言った。それを聞いて彼女は微笑んでそのまま眠るように寿命を終えた。その身体は塵のように砕け散った。俺は声も上げずにただ泣いた。







次の日俺は彼女と会った場所に向った。娘たちはそこにいると確信して、俺が着くと砂の中から次々現れて、

「お父さん、精液ちょうだい」

と可愛く言い。順番よく待っている。俺が性器を出し

「おいで」

と呼ぶと、行儀良く順番を守りながら大顎を性器に突き刺して精液を飲む。俺はそれを見ながら娘達が気に入った人がいなければ、死ぬまで彼女の子孫と自分の娘達に精液をあたえ続けるのだと確信した。たとえ結婚しても変わらず。そして結婚しても彼女の膣内の快感が凄まじく人間の膣内には出せないであろう事も、だが俺はそれでもかまわなかった。すでに俺はウスバカゲロウ娘に心を奪われていたのだから、精液を吸うあり地獄娘達―自分と彼女の娘達―を見て微笑んだ。






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