魔母




マスター、ビールをお願い…ああ、僕はちゃんと飲める年齢だよ。

ほら、身分証明書。とてもそんな歳には見えない?そうだろうねえ。でも偽造じゃないから安心して。

ングングング…プハー。うん、美味しい…

今の飲みっぷりを見て納得したの?そりゃ、これでも三十路に入ってるし…ううん、不老不死とかじゃないんだ。

ちゃんと歳は取ってるんだよ。ママ…じゃない、淫魔の女の人にこうされたんだ…もう3年くらい前になるかなあ。

聞きたいの?それならなにか奢ってくれないかな。さっきのビール一杯とか言ったら怒るよ。

好きなだけタダ!?マスター、そこまでして聞きたいの?

言っちゃ悪いと思うけど、こんなガラガラの店でそんな事やって大丈夫?僕以外誰も来てないけど…

お金には困っていないって。それならなんで酒場をやってるの?聞いちゃだめ?チェッ。

うん、じゃあ次はブラッディーマリーお願い。セロリスティックもつけてね。

ゴク…胡椒が足りてないよ。うん、これでよし。

それで、だ。僕の話だけど…言っとくけど、面白い保障は無いよ?まあ、出来るだけ面白く聞こえる様には話すよ。







俺はどこにでも居る淫魔ハンター…ではない。自分で言うのもなんだが、かなり高ランクのベテランだ。

イカせた淫魔の数は100を超える。勿論、雑魚淫魔や下級淫魔の数も多く含むが。

この業界はまともな訓練を受けていない新人や己の実力を過信した半人前が毎日の様に淘汰されていく。

不測の事態に巻き込まれたのだろう、と推測された行方不明の連中もゴマンと居る。大抵は二度と戻ってこない。

そんな中俺は正規の訓練を受け、身の丈にあった任務で経験を積み、人並み以上の才能と運を開花させていった。

流石に伝説とか英雄とか呼ばれたりはしないが、自他共に認める一流だ。

そんな俺に、今日もハンター協会から任務が下された。

割と辺鄙な場所にある宿泊街〜街道の沿いにある、大都市と大都市の間の繋ぎにしかならない様な街だ〜が

ゴーストタウンになっているのを旅商人が目撃したらしい。その商人は淫気に反応する魔除けを持っていて、それが

反応を示した途端すっ飛んで逃げ出したそうだ。

小さくても街を一つ食い尽くしてしまう様な淫魔となると、かなりレベルの高い淫魔だと思われる。

上級淫魔であってもおかしくない。俺は覚悟と出来るだけの準備をして、街に向かった。勿論、勝つつもりで。



「あら…やっと私好みの子が来てくれたわ。嬉しい」

それがそいつの第一声だった。

無人の宿の一室を殆ど占領する、明らかに外部から持ち込まれた豪華で大きなベッド。

そこに寝そべっていた女をじっくりと観察する。

尻の辺りまで波打ち伸びる紫の髪と大きくパッチリとした緑の瞳を見てから視線を体の方に下げる。

大柄な女だ。俺より身長が高いのが明らかで、大体180センチくらいだろうか。

紫色のネグリジェに包まれた体はいかにもいやらしい。寝巻きの上からも伺える絞られた腰、

大きいのに理想的な曲線を描く尻、芸術品の様な長くて細い腕と脚。そして何より目を引くのが何カップあるのか

想像したくない大きく丸い胸だ。体格を考慮しても大きすぎるそれは重力を無視して突き出ており、

両方合わせれば人の頭より大きい。それなのに少しも不恰好に見せず、黄金比の一部として存在しているのは

人外のみに許された美だった。

だが。



「…どうしたの?」

きょとんと首を傾げる仕草も、人間なら27、8歳程度に見えるその美貌も、

何よりその聞いただけで安心してしまいそうな甘く暖かい声も俺に猛烈な違和感を感じさせた。

「お前を倒しに来た」

試す様に宣言する。

「やっぱりそう?そんな勇敢な雰囲気を漂わせている子が一般人な訳無い物ね」

優しげに微笑むこいつはやはり淫魔だ。疑いの余地も無い。

なのにその雰囲気、その仕草、その表情。あのいやらしい体つきさえも今まで退治してきた淫魔とは全く違う

何かを感じさせた。もしここがゴーストタウンでなければ、そしてもしこいつが目に見える程の淫気を漂わせてなければ

俺はこいつを人間の美女か、あるいは女神と思っていたかも知れない。勿論女神なんて見た事無いが。



頭を振って雑念を追い払う。目の前のこいつは俺の倒すべき敵だ。それで十分だ。

「馴れ合うつもりは無いんでな。早速やらせてもらう」

「せっかちね。折角来たんだから話し相手になってくれても良いじゃない」

淫魔の言葉を無視して俺は服を脱ぐ。鍛え抜かれた肉体と自慢のペニスを露にする。

「無愛想。でもそういう子ほど、可愛がりがいがあるわ」

淫魔も優しげな微笑みのままネグリジェを脱ぐ。俺は気を引き締め心のガードを固めた。

淫魔の裸体は見るだけでも危険な兵器だ。特に上級淫魔ともなると、ストリップだけで一般人はおろか

新米ハンターをイかせてしまう事すらある。俺だって油断していたらタダでは済まないだろう。



いかにも触り心地が良さそうな白くて艶やかな肌がどんどん見えてくる。服と言う束縛から解き放たれた体が踊る様に

自らを見せつける。中でも目立つのはやはりあの大きな胸で、重量感たっぷりな外見の癖に美しい丸みを維持して

垂れ下がる事なくゆっくりと揺れ続ける。



ぽよん、ぽよん。



揺れる胸を見ているとそんな擬音が聞こえてくる気がした。実際はしている筈も無いのだが、妖艶な動きを目で

追っていると自然にそんな錯覚がしてくるのだ。最初は音だけだったそれはやがて囁く様な声になり、甘い言葉を

紡ぎだす。頭の中にそっと何かが入ってくる感覚が来た。



おいで、おいで。私の中で休んでごらん。抱っこしてあげるからいらっしゃい。



俺は落ち着いて精神的な障壁を築き、誘惑を弾き飛ばした。俺の心には何ら影響が及ばない。

「乳魔か…それも上級だな」

淫魔の目が僅かに大きくなる。相変わらず微笑みは浮かべたままだったが。

「あっさり見抜かれちゃったわ。流石にこれ一つで堕とせるとは思っていなかったけれど…」

「乳魔とのバトルファックも何回も経験している。胸催眠など効きはしない…今度はこちらの番だ」



淫魔の顔をじっと見据えてから、ベッドに座って向き合ったまま抱き寄せる。



むにぃい。



「ウッ…」

胸と胸がこすれあい、抵抗する間も無く快感が流れ込む。乳房とは張りのある弾力と蕩ける様な柔らかさを

兼ね揃えた不思議な物だが、乳魔の物ともなるとそれは洒落にならない。そう覚悟は決めていたが、

予想以上の心地よさに呻き声が漏れてしまった。暖かいすべすべの脂肪の塊が吸い付く様に俺の胸板を撫でる。

正直言って今すぐ谷間に顔をうずめたい。

「私の胸、気に入ってくれたかしら?」

「まあまあだな。だが口の方はどうかな?」

こっちの反応をさも嬉しそうに見る淫魔から主導権を握る為に、素早く唇と唇を押し付けあう。

「ン…」

淫魔は目を閉じて俺の唇を味わっている。すぐに余裕をなくしてやる。



「ンンーッ」

舌を入れて、唾液を送り込む。相手の口内を緩急をつけて舌で弄り、蹂躙する。

淫魔が今度こそ驚きに目を大きくした。その隙を逃さずペースを上げて音が立つ程激しく攻める。

舌、歯茎、頬、唇。相手の攻撃をいなしつつ出し惜しみなく舌技を使う。

不利を悟ったのか淫魔の方から唇を離そうとする。俺もいきなり舌を疲労させるつもりは無いので逃がしてやる。

「ぷはっ…」

互いに息が荒い。だが顔を蒸気させているのは淫魔の方だ。

「お上手ねえ…坊や、サクランボのヘタを口の中で結べる?」

「淫魔もそんな事をやっているのか?」

「口淫魔は良く練習しているのよ。もっとも、私は人間だった頃からやっているけどね」

サラッと言った一言で、疑問が氷解した。さっきの違和感の原因だ。



こいつは生まれながらの淫魔ではなく、元は人間の女だったのだろう。それが淫魔に犯されて淫魔化したのだ。

よくある話だ。俺も元人間の淫魔を何匹も倒している。そういう後天性の淫魔は大なり小なり人間としての心が

残っており、先天性の淫魔と様々な違いが生じる。大抵の奴は人間としての自我が淫魔の本能に負け、

野獣の様なレイプマシーンになってしまうが、小数ながらそうならない連中も居る。ある女淫魔ハンターは理性が

なくなる前に自害したそうだし、淫魔の本能を神に祈り続ける事によって封印した聖女の存在も確認されている。

噂では淫魔化した挙句人間と淫魔の共存を訴える活動まで始めた奴も居るらしい。これは流石に疑わしいが。



「通りで妙に人間臭いと思ったぞ。だが情けをかけてもらえると思ったら大間違いだ」

「わかってるわよ。坊やは悪い淫魔を倒してくるぞーって勇ましく出発したんでしょ?黙って犯されたんじゃ

恥ずかしくて恥ずかしくて堪らなくなっちゃうわよね」

くすくすと笑う淫魔。こういうのは多分淫魔の本能と人間の自我が上手く共存しているタイプなんだろう。

元々淫魔らしい人間だったと言うべきか。



僅かなやるせなさを心の奥底にしまい、淫魔の肩を掴んで押し倒す。これ以上胸をくっつけあっているメリットは無い。

「あん、いきなりね」

淫魔を無視し、両足で体重をかけつつ両手を使って上半身を愛撫する。

色っぽく染まった頬と首を始めはゆっくりと、段々早く数回さする。

ワンテンポ置いて肩と鎖骨に移る。美しい形に見惚れず、別の場所の快感を引き立てる為に少し触るだけに留める。

脇を軽くくすぐって反撃を予防しておいてから、腕を軽くマッサージする感じで撫でておく。

次は腰と腹。地道に積み上げた快感が染み込む様に掌全体を使って穏やかに擦る。



「上手…だとは思うんだけれど」

先程よりやや興奮の度合いが高まっている淫魔が腕を使って半身を起こしてきた。

「坊や、なんだか冷たい…」

不満そうに唇を尖らせたその表情は妙に可愛らしく、腹が立った。

「なら暖房でも入れろ」

わざと的外れな事を言ってやる。予想通り、頬を膨らました。一々やる事が淫魔らしくない。

「違うわよ、坊やの態度が冷たいって言っているの。お互いを気持ちよくして悦ばそうとしているのに、坊やったら

まるで私を解体する肉か何かと思ってるみたい」

「当然だろう。お前をイカせてこの世から消し去るんだ。解体と言っても間違いじゃない。お前だって俺を餌として

食おうとしているんだからやっぱり解体じゃないか」

「それはそうだけれど、やっぱり愛のあるセックスの方が気持ち良いわよ?自分だけじゃなく相手にとってもね」

俺は目を合わせてギンッと睨みつける。怯えた様子は無く、困った顔になるだけなのが癇に障る。

「愛だと?ふざけた事を言うな。それともお前は俺を愛しているとでも言うのか?」

「ええ、勿論よ」

即答しやがった。

「好物に対する愛情か」

冷たい視線を投げてやったら、ますます困った顔になって両手を俺の首と頭の後ろに当ててきた。

「違うわよ。相手を気持ちよ〜くしてあげて、一緒に素敵なひとときを過ごす。体だけじゃなくて心も繋がって一つに

なる。素敵な事じゃない。確かにそれが食事にもなっているけど人間だって他の生き物を殺して食べているでしょ?」

「弱肉強食を持ち出すんだったらそれこそ愛なんて何処にも無いだろう」

いかにも悲しそうだった顔が、唐突に慈愛たっぷりの微笑みに戻る。後頭部を撫でてくる手が鬱陶しい。

「あるのよ。気持ちよくなってイキそうになっている顔。絶頂を懸命に我慢している顔。快感で思わず漏れちゃう声。

もっともっとって甘えてくる言葉。イッている時可愛く震える体。素直になって私を受け入れてくれる時の心。

満足しきってぐっすりおねんねしている様子…」

自分の言葉で興奮したのか、淫魔は声を弾ませて目を輝かせる。俺はどんどん冷めていく。

「全部、愛しくて堪らないわ。私が精一杯愛してあげて、坊やも私に甘えてくる。そうなって欲しいから、快楽の

底なし沼にゆっくりと引きずり込んであげたいのよ」

「戯言だ」

一言で切って捨てたが、苛つく笑顔が更に明るくなった。

「坊やにもわからせてあげる。私がどんなに坊やの事を愛しているか」



淫魔の腕が絡みつき、俺の頭を引き寄せてくる。同時にベッドに仰向けになり、重力を味方につけて俺ごと寝転がる。

しまったと思った時にはもう俺の顔面が胸の谷間に捕らえられていた。



一瞬何が起きたのか分からなかった。

脳が与えられた刺激を快楽だと理解するのに時間がかかったのだ。

柔らかい。

暖かい。

滑々している。

単純な感覚に思考が塗り潰された。



「ムァッ…」

快楽の津波に飲み込まれる。とても甘美な何かが俺の理性を締め上げる。反射的に息を吸ってしまった。

甘い、優しい匂い。濃厚なミルクの匂いが鼻を満たし包み込む。もう一度吸うと、更に良い匂いになった。



よしよし。安心して。あなたを守ってあげる。大好きよ。力を抜いて良いのよ。もっと奥にいらっしゃい。気持ち良い?

ほうら、可愛がってあげる。じっとしていなさい。良い匂いでしょ。何時までもここに居て良いのよ。良い子ね。



頭の中に声が流れ込んでくる。あの何時までも聞いていたくなる優しい優しい声。とくんとくんと聞こえてくる心音と

共にしみこんでくる。返事もせずに聞き惚れていたら頭まで気持ちよくなってきた。

つつつ…すりすり。頭に当てられた手が頭の表面を滑る。更に深く胸の中に押しつけられる。温もりに包まれる…

「ふふふ…どう、良いでしょ…ずっと坊やをこうやって抱っこしていてあげる…」

声が聞こえた。なんと心地良い声だろうか。愛されていると実感する。もっと話しかけて欲しい…



「〜〜〜〜〜ァアッ!!」

引っ張った。力を掻き集めて頭を一気に引き抜き、勢い余って仰向けに倒れる。

「あん、もう…乱暴ね。そんなに急に飛び退いたら危ないわよ?」

気遣いに満ちた声が聞こえる。しかし俺は返事など出来なかった。出来る訳が無かった。

なんて胸だ…こいつが底無し沼と言ったのはこの上なく的確な表現だった。

ぜいぜいと荒い息をついている今もあの胸に戻りたくて仕方が無い。今度こそ溺れてしまいたい。二度と

浮き上がりたくない。子守唄を聞かされて身を任せたい…

「あらあら、大丈夫?力が抜け切っちゃってるみたいね」

淫魔の言う通り、俺は仰向けになったまま起き上がる事が出来なかった。今も頭の中に入ってくる胸の暗示のせいか

ロクに力が入らない。力をもう一度掻き集めても、首と肩を少し上げて淫魔と向き直る事がやっとだ。

淫魔はすぐそこまで迫っていた。あの愛しい者を見る笑顔と重力によって一層重く大きく見える胸を引っさげて。

ゴクリ。唾を飲んで湧き上がる焦りと恐怖と期待感を押さえつける。だが自分でも分かる程顔が引きつっていた。



「坊やって本当に凄いわね。私の胸から自力で抜け出せた子なんてちょっと思い出せないわ。でも…もう一回して

あげたら、もうダメになりそうね」

俺の頬を撫でながら見下ろしてくる淫魔は明らかに勝利を確信していた。

考えろ。頭を回せ。目で探せ。隙をつくんだ。諦めと焦りを消すんだ。少しでも力を取り戻せ。勝機はまだある。

必死に己に言い聞かせながら淫魔を睨み返した。自分でも嫌になるくらい先程の嫌悪感や苛立ちが消えていたが、

やらないよりは遥かにマシだ。何よりあの桃源郷の胸を見なくて済む。

「強気な子ね…でも」

淫魔の腕が動く。ペニスを掴まれる…!分かっていても、止められない。



きゅっ。ぬち。



「ウゥッ…」

呻き声も止められなかった。もう我慢汁が出ている。冗談じゃない。さっきまでは勃起すらしていなかったのに。

「ここはもう、こんな事になっているわよ?」

淫魔の手が一つの生き物の様に蠢く。人差し指が亀頭の割れ目を塞ぎ、我慢汁をゆっくりと塗り広げる。休む間を

与えずに緩く握ってきたかと思うと、人差し指と親指で輪を作り縦に擦る。カリ首を弄くったら、今度は親指で裏筋を

抑えて軽く震わせてきた。

今度は呻き声を噛み殺す事が出来た。

「あらあ?そこまで我慢強いの?それとも気持ちよくない?傷ついちゃうわあ…」

淫魔は落胆を隠そうともせずに、指で俺のペニスを弄くり続ける。だが俺は耐え続けた。

確かに気持ち良い。流石上級淫魔と言った所だ。だが胸に比べればこいつの指はそれ程恐ろしくない。当たり前の

事だが、一つの分野に特化すればその分他の部分はおろそかになる。それにも関わらず指を使い続け、胸を

持ち出してこないのは油断しているのか、それとも罠を仕掛けるつもりなのか。

どちらにせよここで躊躇していては逆転は有り得ない。少し早いが切り札を出すしかない。相手の予想外の切り札を。



俺は目を閉じて両腕に力を込めた。よし、動く。

「あ、やっぱり胸の方が良かった?焦らしちゃってごめんね」

乳房に向かって突き出されてきた手を見て淫魔は嬉しそうに笑った。俺がもう胸の虜になったと判断したのだろう、

わざわざ自分から胸を寄せてきた。今だ!

手で覆いきれない巨大な胸を下からすくい上げる様に掴む。指が吸い込まれる様にめり込んでいった。

「……………!!」

「あぁんうっ!?」

二つ声が上がった。一つは俺の歯軋り越しの声ならぬ声。そしてもう一つは淫魔が感じている悲鳴だ。



ほら、柔らかいでしょ。もっと触って良いのよ。この胸は全部、あなただけの物なのよ。好きなだけ揉み解しなさい。



指と掌が独りでに乳房の誘いに乗り、快感に浸ろうとする。俺はそれに逆らわず、そして流されずに手の動きを

コントロールする。

すくい上げた乳房を外側から回り込む様にして持ち上げてから、乳房の上部を上から押さえる形に持ち替える。

指の間から零れた様に乳房が跳ねたら、谷間に手を滑り込ませて再びすくい上げる様に持つ。速度に緩急を

つけながら数回繰り返す。

なんと美しい乳房だろうか。触り心地が良すぎて手を離せない。俺の手によって踊り狂う姿を凝視する。

「ああっ…嘘…気持ち良いっ!!」

驚愕と混乱、そして歓喜が入り混じった表情で淫魔がよがる。脇の下から乳輪に向かって螺旋状に愛撫してやると、

息を詰めたまま震えだす。中心に辿り着いたらまず乳輪を何周か人差し指で擦ってから親指と人差し指で乳首を

摘み上げる。淫魔が全身をガクガクさせて火照らせた。瞳が潤み、呼吸が速くなり、涎が一筋垂れる。

俺は夢中になって乳首を完全に起つまで責めた。完全に乳房に魅了されていた。もう自分から揉むのを止める事は

出来ないだろう。だが作戦は成功だ。



「こ、こんなのって…どうして?」

やっと淫魔の表情に怯えと焦りが混じった。初めて自分が負けてイカされるかも知れない、と思い当たったのだろう。

「乳魔の胸をわざわざ責めようとするバカは居ない…普通ならな。自滅するだけだからだ。しかしその分他の所ばかり

責められて生き残ってきた位の高い乳魔の胸は何時しか快感への耐性が薄まる。相手への攻撃には使っているから

中途半端に開発された状態でな…最強の剣を磨き上げている間に盾も鎧も捨ててしまったんだよ。お前はな」

淫魔はますます怯え、慌て始めた。心底良い気味だ。様を見ろ。



淫魔の胸が俺の手の中でいやらしく形を変える。痛みを与えない限度を見極めつつ、強く激しく揉みしだく。

やたら大きい分歪むと随分迫力がある。俺がこの胸に魅了されているのも大きいだろうがどんな形になっても美しく

見えるのは不思議だ。

「ぃ、やぁっ!気持ち、良いよぅ…は、離してぇ!」

淫魔が身を捩り俺の手から逃れようとする。そうは行くか。こんなアドバンテージを逃す気は無いし、俺はもっと

揉んでいたいんだ。



腰を引こうとした淫魔を両脚で捕まえる。淫魔の太ももを膝の裏に挟み込み、尻の下で足首を組み合わせる格好だ。

「必殺、カニバサミ…なんてな。膣淫魔によく使われた手だ」

「あぅ…そんなあ!」

俺の挑発で淫魔はますます取り乱す。チャンスを逃がさず乳首を人差し指と中指の間の根元に滑り込ませて

包み込む様に圧迫してやった。

「ぃいーっ!そ、そんな事するんだったら私だって…!」

ぶるぶる震えつつ淫魔が再び俺のペニスを手に取る。また指技か?と思ったのも束の間、腰を下ろしてきた。

そう来るか。だが。



くちゅ…じゅぼっ。



「ぐっ…」

「あああっ!」

結合した瞬間、俺は唸り、淫魔は甲高く鳴いた。

俺のペニスはさっき淫魔の指で我慢汁を塗り広げられていたが、淫魔の膣も今までの愛撫が功を成してとろとろに

蜜を流していた。十分な潤滑で一気に深い挿入になった。

とてつもなく暖かい。きつく締め付けられているのに痛みは無く、淫魔が腰を上げるとすべすべのヒダが名残惜しんで

一斉に嘗め回し引っ掻いてくる。再び腰が下げられると歓迎の愛撫と共に奥に吸い込まれていく。ぐちゃぐちゃと

音がたってとても卑猥だ。

「す、凄い…坊や、凄いわぁあ…!」

淫魔が腰を動かし続ける。それに応えて俺も下から腰を動かす。時に上下に、時に回す様にと。

胸にも注意を分け、乳首を、乳輪を、谷間を、乳房を手を変え品を変え責め続ける。

全身を赤く火照らせた淫魔がギュッと目を瞑って耐えようとしたが、抑えきれない喘ぎ声が唇から漏れ出てきた。



勝った。

性器のぶつけ合いでは騎乗位を取られている分俺がやや不利だが、俺は同時に胸を責めて二箇所から快感を

与えられる。残している余力も明らかに俺が上だ。単純な計算だ。

淫魔もそれが分かったのだろう、いよいよ切羽詰った顔になった。

「うっくぅ…ま、まだよ。まだ、あふっ、私には切り札が…ああっ!あるん、だからぁ…っ!」

「そいつ、は重畳だ…なら、それを出せない、うちに一気に、決めてやる…!」

こいつの切り札とやらが何なのかは分からないがわざわざ使わせてやる義理は無い。そろそろペースを上げて一気に

決めてやる。俺はぐにっ、ぐにっと音が立つ程力を込めて乳房を揉み解した。



ぶしゅぅうっ。



「あふっ…ふ、ふふふ」

何?手の平にぬるぬるした暖かい感触がする…?

突然の変化に戸惑ったのも束の間、淫魔が両腕を俺の腕の間に割り込ませて俺に向かって倒れこんできた。

俺の手があれほどしっかりと掴んでいた筈の胸からあっさりと滑って外れる。母乳を出してきた、と気付いた時には

白く彩られた胸が視界を埋め尽くしていた。



ばふっ。むにゅぅう。



「むはっ…!」

あっと言う間も無く、また俺の顔が淫魔の胸に捕らわれた。さっきより遥かに濃くなったミルクの匂いに包み込まれる。

鼻が勝手にくんくんと嗅ぎ始め、どんどん匂いが甘く優しくなっていく…!



お帰りなさい。待っていたのよ。もう出ていっちゃ駄目だからね。ここがあなたのお家なのよ。ほら、暖かいでしょ。

もう休んでいいの。もっと良くなってくるからね。素直な子にはご褒美をあげる。美味しい美味しいお乳を飲みなさい。



ぬるぬるした乳房の感触がそのまま音無き言葉となって俺に囁きかけてくる。ずっとこうしていたい…駄目だ!

加速度的に減っていく力を首と肩に集めて必死にもがく。動け、動け、動け!

「あん、暴れないでよボク。ママがおっぱいあげるから…ね?」

脂肪の塊で視界が塞がれていても分かる。今の声は満面の笑みを浮かべているあいつの物だ。

誰がママだ誰が。何時俺がボクになった。

怒りが俺に力と冷静さをくれた。淫魔は体重をかけて全身を俺に押し付けてきている。しかも何時の間にか両腕を

使って俺の頭を抱きこんでいた。この状態でもがいても淫魔を押し返してさっきの体勢に戻すには力が足りない。

性器で結合しているから離れるのも無理だ。ならば。

「むむぅぐぐぐぐ…!」



ぐぃいっ。どたっ、ばたっ。



「きゃっ」

腰に力を入れて横に転がり、上下を逆転させる。今度は俺が淫魔にのしかかっていたが、それでも頭は深い深い

谷間に捕らえられたままだった。

「あぶないわねえ、もう。ベッドから落ちる所だったじゃない」

お前は別にケガなんかしないだろ、と軽口を返す事も出来ない。淫魔はますます俺の頭を強く抱きしめ、ずぶずぶと

柔らかな牢獄に引き込んでいった。母乳で濡れた肌が頬を撫でるのがたまらなく気持ち良い。

俺の目論見は外れた。急に転がしてやればその弾みで腕を離し胸から逃げるチャンスが出来ると思ったが、淫魔は

よほど胸に抱きこむのが好きなのか何があっても離さないと言わんばかりに絡めた腕を緩めない。

今責められるのは相手の膣だけだ。だが胸に体力も気力も吸い取られた状態では上に乗っていても俺の方が不利。

しかも相変わらず頭の中にはあの胸の声が響いている。最早囁き等ではなくあやし声だ。精神力で撥ね退けるのも

限界がある。俺が完全に虜になってしまう前にこいつが果てる保障は何処にも無い。

どうする。どうする。どうする。



「ほーら、ママのおっぱいよ。いっぱい飲んでうんとお漏らししましょうねー」

俺が必死に考えている間に淫魔は勝手に盛り上がっていやがった。俺の顔を胸の間から持ち上げ、俺の口に

生娘の様なピンク色の乳首を咥えさせようとする。母乳に触れた唇が反射的に開き始めた。

これだ。

俺は自らの意思で淫魔の乳首を咥えこみ、口を窄めて吸った。母乳が俺の口の中で噴出し、淫魔が快感に呻いた。



甘い。

口も舌も喉も何もかも甘さしか感じない。

そしてそれら全てが悦びに打ち震え、もっともっととせがむ。

俺は欲求に逆らわず、更に強く吸い始めた。窄めた唇がちゅるぅっと音を鳴らす。



「あん!あう!ボ、ボク、お乳の飲み、方も上手、ねぇうっ!ママ、嬉しいぃいわぁ!」

淫魔が嬌声を上げる。乳魔らしく母性本能が強いのだろう、授乳と言うシチュエーションに興奮している。勝手に

盛り上がっていろ。その間に決着をつけてやる。

時折乳首を甘噛みしつつ程よく粘る母乳をゴクゴクと飲む。胃に入るよりも早く吸収され体中に浸透していくのが

分かる。神経や血管がぬるま湯に浸かっていく様なその感覚は極上の酒が回っていくのと似ている。

だがそれだけだ。予想通り体が今以上に熱くなったり敏感になったりはしない。



「ふ、ふふぅ…沢山飲んでね、ボク。とっても良い事っ、が起きるから…」

淫魔が腰を動かしつつ囁きかけてきた。俺もそれに応えて騎乗位を活かしてペニスを突き出す。同時に舌で乳首を

包み込み、全力で吸ってやる。淫魔の喘ぎ声と噴水の様な母乳が出てきた。躊躇なく飲みこむ。

淫魔の体液は殆どが媚薬となる物で、乳魔の母乳は特にその傾向が強い。並の男なら一滴飲んだだけで勃起し、

プロのハンターでも数回吸っただけで体中が燃え上がる様な快感に満たされるだろう。俺も男である以上例外では

ないが、幸いこの淫魔と対峙する直前に飲んできた薬が効いている。肉体に媚薬に対する免疫をつけ、体が勝手に

興奮する事を予防してくれる有難い薬だ。結構な値段がつく代物だが、今こうして淫魔の言う“良い事”が起きなく

してくれるのだから備えあれば憂い無しだ。



相手とリズムを合わせて腰を突き出し、膣の上側を擦りあげる。再び両手を使って馬鹿でかい乳房に指を食い込ませ

快楽で侵食する。乳首を乳輪ごと頬張り貪欲にしゃぶる。

「んんんっ!良い、良いわぁ…ボク、もっと吸って。ママのおっぱいはボクだけの物よ…」

まだ余裕があるのか、幸せそうな淫魔の声が聞こえる。わざわざ俺の頭まで撫でてくる。だが、そうやっていられるのも

後僅かだ。このまま一気にイカせてやる。



ちゅうっ、ちゅう。ぐちっ、にゅぷっ。むにょっ。



「あああん…上手、本当に上手よボク…」

膣と乳房と乳首の三点攻めで快感を積み上げていく。勿論俺自身も徐々に射精が近まっていくが、さっきまでの

淫魔の感じ方と俺自身の忍耐力を計算すれば絶対に淫魔の方が先にイく。胸の虜になって脱力さえしなければ

俺の勝利は動かない。

しかし本当に癖になりそうな味だ。いくら飲んでも飽きが来ないどころか飲めば飲む程もっと欲しくなる。媚薬の効果は

無力化しても、母乳の魅力自体は変わらないらしい。こいつを倒した後、しばらくは母乳飲みたさに悩まされるだろう。

だったらせめて今のうちに精々楽しんでおくか。

頭の片隅で母乳に魅了された事を自覚しつつ、更に乳首を精一杯吸う。少し口が疲れてきたが、もう止めようとしても

止まらないのがむしろ幸いだ。舌と唇でねぶりつつ不規則に歯を立てる。母乳の味を楽しみながら手で胸を掴み、

腰を突き出しペニスと膣で濡れた音を立てる。

「んんっ!ぐっ…」

積もってきた快感でとうとう声が抑えきれなくなってきた。思ったより早く俺も出したくなっている。だが淫魔の方は更に

限界に迫っている筈だ。最早イきそうで声も出なくなって…



「ふふっ。気持ち良い?出したくなったら何時でも出して良いのよ」

何!?

思わず上目遣いで淫魔の顔を見上げる。そこには俺の視線が嬉しくてたまらない、と言わんばかりの顔があった。

今にもイってしまいそうに真っ赤になり、恐怖と歓喜で歪んでいる表情など見当たらない。

こんな馬鹿な。有り得ない。この余裕溢れる声も表情もやせ我慢による演技に決まっている。化けの皮を剥いでやる。

ペースを上げて腰を早く動かす。返ってきた感触は一層俺を高ぶらせたが、向こうだってダメージは貯まっていって

いるんだ。その筈なんだ。

「くううっ…うむぅうぅ」

最早無視できなくなった射精欲求を懸命に押さえ込みつつ腰を突き入れ、引き離す。間髪入れず手と口で援護

する。もう呻き声等気にしていられない。いられないのに。

「頑張りやさんね、ボク。そういう所も大好きよ」

淫魔の声は化けの皮が剥がれたどころか、さっきよりも落ち着いている。まるで緩やかな自慰を楽しんでいるかの様な

穏やかな声と表情だ。我慢の限界を騙し騙し遠ざけている俺とは差がありすぎる。



今更ながら異変に気付いた。挿入した途端きつく締め付けてきた膣は、今はぴったりとくっついてきながらも緩やかな

圧力しかかけてこない。柔らかく包み込んできて俺には快感を与えながら自分は快感に溺れない様にしている。

更に異様なのは胸が膨らんだ事だ。元々俺の手ではとても覆いきれない程巨大だった乳房だが、今はもう下半分を

掴むのがやっとだ。全体を握り締める事など出来やしない。

まさか、こいつ。自分の胸と膣を拡大したとでも言うのか?それで俺の責めをかわしていたのか?

「あら、もうそろそろ頑張れなくなった?もう出ちゃいそう?」

動きを止めていたら淫魔が起き上がってきた。俺に乳を与え続けながら身を起こし、対面座位に持ち込んでくる。



ちょっと待て。

確かに大柄な淫魔だが、それでも男の俺の方がずっと重い筈だ。上からのしかかっていた俺ごと起き上がるなんて

出来る訳が無い。しかも両方とも背筋を伸ばした状態になったのに、俺の顔はこいつの胸の位置にある。

何がどうなっているんだ!

「気付いた?これがさっき言ってたとっても良い事よ…ほら、向こうを見てごらん」

淫魔が俺の顔を横に向けた。口に乳首を含んだまま横を向いた俺が見た物は化粧台の鏡だった。



淫魔が映っている。やはりその美貌には絶頂の気配など微塵も無い。これは分かる。認めたくないが分かる。

だがそいつに抱かれているのは誰だ。淫魔より頭一つ分以上小さく、細い頼りない体の持ち主。男じゃない、

少年だ。いや、少年と言うのも憚れる。どんなに贔屓目に見ても精々12歳じゃないか。

あれは誰だ?淫魔に乳を与えられ、頭を撫でられ、太ももの上に乗せられて繋がっている子供は誰だ?

「どう?ボクがとっても可愛くなったのよ。ママのおっぱいで生まれ変わってママの子になったのよ。嬉しい?」

嘘だ!そんな事は有り得ない!あって堪るか!

鏡に映る淫魔が年端も行かない子供をより近くに抱きしめる。挿入が深くなったのか、子供の顔がさぞ

気持ち良さそうに歪む。同時に何故か俺のペニスが絶頂へのカウントダウンを始めた。もう抑えきれない!

淫魔が体全体を揺らす様にして鏡の中の子供との結合を速く速くしていく。子供が口を大きく開けて叫んでいる。

俺の絶叫が耳に入ってきた。おかしい。犯されているのはあの子供であって、俺じゃないのに。

何故だ?何故俺は震えが止まらないんだ?何故俺はこんなに気持ち良いんだ?何故俺は射精しかけているんだ?

誰かが俺の頬を押して首を回した。鏡が見えなくなって吸い込まれそうな胸の谷間が見える。そこから更に上を

見ると、淫魔が至福の表情で俺を見つめてきた。

「本当に良く出来ました。ママをここまで気持ちよくしてくれたのはボクが初めてよ…さ、もう我慢はしちゃ駄目。

白いしーしーをして、ママのお腹の中に帰ってきなさい」

額に何かが優しく優しく触れてきた。淫魔の唇だ。その瞬間やっと理解できた。俺はあの犯されている子供なんだ。

頭が途方も無い幸福感で真っ白に染まった。



どぴゅうっ。どびゅるる。びゅる…びゅくっ…



白い。熱い。溶けていく。

ここは何処だろう。上も下も何処までも白い。柔らかい何かに包まれて浮かんでいる。

全然力が入らない。何処かに流されていく。とても安心している。どうしてだろう。

ああ、頭が考えてくれない。一体何時ここに来たんだろう。なんでここに要るんだろう。

どうでもいいや…

あれ、何処かに引っ張られていく。白い白い光がどんどん近付いてくる。大きい…飲み込まれる…



「おはよう、ボク。もうおねんねは終わり?」

それが俺に向けられた声だと気付くのに時間がかかった。

徐々に視界が晴れていき、真っ白な世界が色と形を取り戻す。顎を持ち上げられて上を向かされていると

気付いたのは淫魔と目を合わせた時だった。

大きな緑の瞳が慈しみを込めて細くなっていた。緩やかなウェーブを描く紫の長髪が海流の様に波打っている様に

見えたのは反射された光による錯覚だろうか、それとも淫気の影響で本当に動いているのだろうか。綺麗な形の

鼻は造り物に見える程整いすぎている。艶やかで瑞々しい唇は機嫌の良さを表して僅かに両端が上がっていた。

綺麗だ。とても綺麗だ。見れば見る程見惚れていく。

「ふふふ…」

微笑みが広がり、親しみを込めてからかう様な笑い声を漏らす淫魔。どきりと胸が高鳴る。すると視界からあの

美しい顔が消えて、代わりに何かとてつもなく柔らかそうな物が目の前に迫ってきた。



むにょっ。ぷにぷに。



「わぷっ」

「ほら、いなーい、いなーい」

何かが顔に押し付けられる。すぐに途方もなく気持ちよくなる。何だろう、これは?大きな暖かい物の中に挟まれて

いる様だが、何故こんなに落ち着く匂いがする?それに誰かが何か囁いてきているみたいだ。とても安心する。

「ばぁー」

突然気持ち良い物の中から頭が引っ張り出される。なんでこんな事を、もっとあの中に居たいのに…

目に入ったのは淫魔の綺麗な顔。ニコニコ微笑んでいる。また胸が高鳴り始める。今度はどきどきして止まらない。

「ママとにらめっこしたいの?ボクもとっても素直な良い子になったわね。さっきまであんなにあまのじゃくだったのに」

さっきまで?何の事だろう。さっきまで俺がしていた事は…!!!



頭上から氷水をぶちまけられた気になる。何をしているんだ、俺は!

目が回りそうな程頭が急回転し、意識が鮮明になっていく。俺はさっきイカされたんだ。子供になって。なんであんな

事に。あの母乳だ。とても良い事などと言っていた。まさか若返ったと言うのか。媚薬封じの薬では防げなくて当然だ。

一体今の俺は何歳なんだ。くそ、こんなのありか。待てよ、前に未確認情報として相手を子供にして無効化する

淫魔の話を聞いた事がある様な。今そんな事を考えてどうする。混乱するな。今やるべき事を早く正確に結論にしろ。



黙りこくった俺を見ている淫魔は相変わらず穏やかな表情だ。言い換えれば無防備とも言える。現に今はベッドの

端に重ねた枕にもたれかかりながら俺を軽く抱いているだけで、胸に押し付けてもいないし、性器も繋がっていない。

観察が終わった瞬間に俺の体が動いていた。長年の経験が最適解を思いつくと同時に実践させてくれる。

「まっ。元気ね、ボク。またママを気持ちよくしてくれるの?」

くすくすと降りかかる嘲笑と呼ぶには余りに優しすぎる声を聞きながら俺は無言で頭を下げていく。胸に触れない様

注意しながら前のめりに体勢を崩し、下半身を後方に追いやって顔面を淫魔の脚の間に割り込ませる。

ぷぅんと不思議な匂いが鼻を擽る。乳魔らしいミルクの匂いと女性器の匂いが混じりあい甘酸っぱい匂いはなんとも

形容し難かったが、不快から程遠い事だけは確かだった。

「お乳程じゃないけど、お汁も美味しいわよ。好きなだけ飲みなさい」

淫魔がわざわざ俺の頭を股間に押し付けてくる。まだその油断をチャンスだと思う事は出来た。しかし俺の心が憤りや

軽蔑を感じていないのも分かってしまった。俺は既にある程度魅了されかけている。早くしなければ。



舌を目一杯伸ばしてピンク色の陰唇を外側から舐め始める。複雑な舌触りと味わいに果物を思い出す。

雑念を振り払い徐々に内側に向かって唾液の円を狭めていく。時折息を吹きかけて慣れない様にする。

さっきの情事で淫魔の膣は十分に濡れそぼっていたが、今一度刺激してやれば少なからず効果がある筈だ。

「ん…やっぱり上手ね、ボク。もっと舐めて。ママ、幸せよ」

頭を撫でられて一瞬動きが止まった。慌ててクンニのペースを上げる。すぐに効果が出るとは思っていなかったが、

予想以上に効いていない。もっと直接的に責めるしかない。

犬の様に音を立て、愛液が滴る膣に舐め上げる。3回に1回程クリトリスにも舌を擦りつかせる。段々口中が

甘酸っぱくなってきたが、無理やり無視して膣内に舌を突きいれて啜り上げる。

「ああ、良い…お利口さんね、ボク。どうすればママが気持ち良くなれるか、ちゃんと分かっているんだ」

淫魔がまた頭を撫でてきた。2度3度と繰り返される内に頭が重くなってきた気がする。口と舌が休みを求め始めた。

ダメだ、このままじゃ…!危機感に駆られ、もっと後に弄くろうと思っていたGスポットに向けて舌を伸ばす。

鼻が塞がれる程顔を押し付け、舌が痛くなるまで伸ばして、ようやく先端が届いた。

「あん。無理しなくても良いのよ。そこはボクのお口じゃ届きにくいでしょ?それにもう疲れてきたんじゃなあい?」

労いの言葉が心地よく頭の中に圧し掛かる。考えが上手くまとまらない。もう休んでしまいたい…

震え始めた舌を必死に引き戻し、まだ力が入る唇でクリトリスに皮ごとむしゃぶりつく。

「ふぁんっ!」

やっと淫魔が歓声を上げた。だが俺はもうそれ以上の事が出来なかった。



口の中に何かが差し込まれている。ただそれだけの事なのにたまらなく嬉しい。頭の中心がぼやけた様で奇妙に

落ち着く。こうしていてはいけないと分かっているのに、他の何かをしようと言う気になれない。

しばらくクリトリスを咥えたままぼーっとしているとそっと抱き上げられた。口の中が寂しい。何か口に入れて欲しい。

「えらいえらい。くたくたになるまでママの為に頑張ってくれたのね。ご褒美をあげるわ…」

俺の頬を両手で持って、淫魔が唇を近づけてくる。かわさないと、なんとかしないと…

湿った唇を押し付けられる。独りでに溜息が漏れて口が開く。ぬるぬるの長い舌が入り込んできた。

舐められる。舐められる。舐められる。舌も歯も歯茎も唇も頬の内側も。喉まで舐められている気がする。

舐められた所が増えていく程満ち足りて爽やかな気分になってくる。まぶたが重い。

ちゅぽんと音を立てて舌が抜かれて解放された。体中の内側全部が舐められた様な気がする。



何の前触れも無くペニスを握られて体が震えた。何時の間に勃起していたんだろう?

「おしっこしたくなっちゃったのね。あんなにお汁飲んだものね。良いわ、ママがしーしーしてあげる」

肩を押されて体を反転させられる。まるで人形みたいだと思った。力が何処にも入らない。

後頭部が快感を訴える。胸によりかかっているからだな、と頭の隅っこで納得する。吸い込まれる感覚と共に頬や耳も

脳に居心地の良さを伝えてくる。かすかに聞こえる心臓の鼓動が意識に染みこんで行く。



「ほら、見てごらん。これからおちんちんから白いおしっこ、ぴゅっぴゅってするのよ」

淫魔に言われて初めて正面に化粧台の鏡がある事に気付いた。二回り以上大きい美女に後ろから抱かれている

俺の姿が見える。幸せそうに呆けた顔をしている。とろんと半分下がったまぶたと少しだけ開いた口が印象的だ。

淫魔が俺のペニスをゆっくりとしごき始める。たちまち鏡の中の俺が泣きそうな顔になった。

皮かむりの白いペニスが細長い手に良い様にされる。くすぐったい程度に擦り上げられ、壊れ物を扱う様に握られる。

「ちょっとだけ我慢していてね、ボク。絶対痛くしないから。気持ち良いだけよ」

包皮がもどかしい程慎重に剥かれた後は、亀頭がこの上無く丁寧に優しく触れられる。

前戯にすらならない筈の弱弱しい愛撫に酔いしれる。頼りない小さなペニスの中に温もりが湧き上がってきた。

「それじゃ、いっせーのーせ、でお漏らししましょ。いっせーのーせで、しー…」



ぴゅるるっ。とぷっ。ぽたぽたぽた…



弱弱しい音と共に、まさに“お漏らし”が始まった。

「はーい、ちゃんとママと一緒に出せたわねー。とっても良い子よ、私のかわいいかわいい赤ちゃん…」

また頭が撫でられた。鏡の中の俺が目を潤ませて心底嬉しそうな笑顔になっていた。



今度は我に返るのは早かった。もっとももう俺は正気を保っている自信は無かったが。

目に映ったのは二つの巨大な山だった。視界を半分以上ふさぐ双子山の頂には既に見慣れたピンク色の突起が

ついている。あいつの胸だな、とすぐに分かる。淫魔の顔が山越しに見下ろしてきたからだ。後頭部にも体温と

弾力を感じる。なるほど、膝枕をされているんだ。



「気分はどう、ボク?まだぼんやりする?」

「最悪だ」

言葉少なく吐き捨てる。威厳の無い声に腹が立つ。

「あれ?どうしたの。本当に気分が悪いの?ごめんなさい、ママ、吸いすぎた?ねえ、大丈夫?」

いきなりおろおろし始める淫魔。イキそうになっていた時よりも慌てているのを見て皮肉な笑みを浮かべたら、

ますます慌てだす。おぼろげな罪悪感を感じているのに気付き、頭を振って考えるのを止める。

「別にどうでも良いだろう。さあ、煮るなり焼くなりどうにでもしろ」

目を瞑って面倒くさそうに答えてやった。膝枕をされて見上げている状態で変声期前の高い声で不貞腐れるのは

なんとも格好悪かったが、もうどうでもよかった。



勝てない。いざ認めてしまえば、拍子抜けする程楽になった。

最初は確かに俺が有利だったが、今はもう勝負にもならない。俺の幼い体は今まで苦労して積み上げてきた

知識と経験の力を発揮できない。さっきの出来損ないのクンニが何よりの証拠だ。愛液を飲んだ後の反応からして

媚薬封じの薬の効果も切れたんだろう。とどめはこの本来精通しているかも怪しい肉体年齢だ。お遊び以下の

快感にさえ抗えないのではどうしようもない。



「どうしちゃったの、ボク…どうにでもしろって言われても…」

何が不満なのか淫魔は困惑の度合いを深めるだけだった。いや、俺が何が不満なのか理解できていないのだろう。

「分からないのか?お前の勝ちだ。俺の負けだ。だからさっさと俺の命を吸えるだけ吸い尽くせば良い。

無駄だと分かったからもう抵抗なんかしない。こんな生業だ、覚悟はしている。でもな」

キッと目を開いて精一杯睨み付ける。ここまでしなくても良いじゃないか、と言う声を頭の隅に押しつぶして。

「俺の体はくれてやる。だが心は絶対にやらん」

反応は完全に予想外だった。



ぽろぽろ。ぽたぽた。



両目から大粒の涙を零す淫魔。真珠みたいだな、等と思えたのは一瞬だけで今度は俺の方が慌ててしまう。

「な、なんだ!何故泣き出すんだ!」

あれ、何で俺は取り乱しているんだ?こいつが泣いたってむしろせいせいする筈なのに…

「だって、ボクがママの事を好きになってくれないんだもん」

カチンと来た。心の中で消えかけていた物がゆっくりと燃え上がる。

「ねえ、どうしてママの事嫌いなの?ママ、嫌だわ。ボクがそんなに悲しい目をしているの…」



プチン。



「ふざけるなぁーっ!!淫魔のくせに、俺の愛が欲しいだと!?」

衝撃波を浴びたかの様に仰け反る淫魔。目は涙を止めて大きく開いていた。

「誰が、誰が淫魔など愛してたまるか!」

怒りの炎がガンガン勢いを増す。淫魔の怯え様は注がれる油となる。

「俺の家族は!父親も!母親も!兄も!お前等淫魔に殺されたんだ!!」

心臓と肺が全速力で口と喉に酸素を送り込む。動悸が激しさのあまり耳鳴りを起こす。

「残された俺と妹は誰も頼れなかったんだ!妹は空腹と寒さに苦しんで死んだ!俺はコソドロになってでもあいつを

生かそうとしたのにだ!」

呪詛に満ちた言葉が止まらない。長年誰にも見せなかった心の中の黒いゴミが嵐になって吐き出される。



「俺は、俺は…げほっ、げほほっ」

噴火は唐突に止まった。俺の小さな体で大の男並の肺活量を出そうとしたからだろう。

苦しさに咽ていたら背中をさすられた。淫魔が俺をベッド端の枕にもたれかからせて、何度も背中をさする。

やめろと言おうとしてまた咳き込んだ。喉が痛くてしばらく喋れそうにない。

「喋っちゃダメよ…力を抜いて。ゆっくり、ゆっくり息を吸って…吐いて…吸って…吐いて…」

ぽんぽんと軽く背中を叩かれる。逆らえるだけの体力が無い。気力も使い果たして、どうしようもなく心が痛む。

惨めだ。死にたい。誰か俺を殺してくれ。

目が潤みすぐに流れ始める。涙が止まらない。喉に何かがつかえている。

泣きべそをかいている。気付いてしまった瞬間本当に泣き声が出てきてしまう。堰を切った様に止まらない。



ぱふ。むにゅ。



よしよし、怖かったでしょう。もう苦しまなくて良いのよ。好きなだけ泣きなさい。赤ちゃんなんだから泣いても良いのよ。

その悲しみを全部吸い取ってあげる。うんと泣いて泣いて全部洗い流しちゃうの。いたいのいたいのとんでいけ。



顔が何かに押し付けられた。淫魔の胸だとすぐに分かった。

わあわあと泣く声が聞こえる。これじゃ本当にただの子供だ、と頭の片隅が他人事の様に考えている。残りの部分は

全部悲しみを涙に変える事だけを考えていた。

淫魔はただただ俺の頭と背中を撫で続けていた。何時までも何時までも。

どれ位泣いていたのかは分からない。俺には永遠にしか感じられなかった。

泣き声が啜り泣きに変わり、啜り泣きがしゃくり泣きに変わって、やがてそれも止むまで淫魔はずっとずっと無言で俺を

抱きしめていてくれた。そこまで経ってやっと沈黙が破られる。



「ボク、喉痛いでしょ?」

喋るのも億劫だったので黙って頷く。喉どころか上半身全部が燃え上がる様に熱く、ヒリヒリと痛んだ。

「お口をちょっとだけ開けて」

言われた通りに口を開く。何をされるかは分かっていたが、もう気にもならなかった。



乳首が唇を可愛がりつつ滑り込んでくる。何かを咥えている感触だけで嘘みたいに心が安らぐ。

甘くほんのり温かい液体が口の中を満たす。味覚があっという間に乳の味に支配される。間も無く鼻も乳の匂い以外

感じられなくなった。

焼け爛れた喉が癒されていく。神経を伝って痛みと熱がどんどん消されていく。

「いたいのいたいのとんでいけ…」

頭と背中がさすられる。既にさっきまで苦しかった事が信じられない。僅かに残る悲しさと涙さえ気持ち良い。

激情を曝け出して放心するなんて魅了してくれと言わんばかりだな。いや、そうなった時点でとっくに魅了済みか。

白くぼやけた意識の中でふと浮かんだ考えは数秒間も持たずに何処かに流されていった。



ちゅうちゅう。ごくごく。ちゅうちゅう。ごっくん。ちゅるぱっ。んごくっ。



何も考えずに乳首を舐め、吸い、しゃぶる。無限に湧き出る母乳の泉が全てを忘れさせてくれた。

余裕が出てきて横目であの鏡を見てみる。慈母に心行くまで甘える子供の姿が映っていた。泣き腫らした顔に

眠そうな表情を浮かべながら母乳に夢中になっている。

見ていると更に安心した。もう何も怖くない。悲しくなんかない。



時を忘れてひたすら飲んだ。飲んでも飲んでも足りない。もっと、もっと、もっと…

不意に乳首から離される。なんでだ。もっと欲しいのに。

抗議の為に口を開ける。出てきたのは満足気なゲップだった。

「くす…美味しかった?」

見る度に優しく優しくなる微笑み。甘く蕩ける様な声。コクリと頷いたら両方の頬にキスされた。頬が勝手に緩む。

全身がぽかぽかと暖かい。また若返ったのだろうか?不自由ながらも動く腕と手足をしげしげと見る。特に

変わった様子は無い。再三勃起したペニスも更に小さくなっていたりはしない。むしろさっきより大きいかも知れない。

「それ以上小さくなっちゃったら、白いおしっこできなくなっちゃうでしょ?さっきのミルクはボクが沢山出せる様に

する為の物よ」

淫魔がくすくす笑う。釣られて笑ってしまった。なんだろう、妙におかしい。



「ね、ボク…」

真剣になった目が見つめてくる。のんびりした気分が吹き飛び、どきどきと胸が高鳴る。

「悲しい事が沢山あったのね。小さい頃から誰も居なかったのね。お家を壊した淫魔が怖くて、冷たい世間が憎くて、

何よりも力の無い自分が憎くて…」

「…そうだよ」

悲しさと寂しさが僅かに戻ってくる。でも少し切ない位だ。

「ママの事が好きになれないのも分かるわ。けれど、ママはボクを幸せにしてあげたいの。心の中の痛みはもう全部

無くしてあげたから、今度は幸せで一杯にしてあげたいの」

「そんな事言われても…」

今更ながら、何処かおかしい事に気付く。何かが、何かが違う。変わってきている?

「忘れなくても良いの。悲しい事でも、悔しい事でも、思い出は皆大事なの」

そう言いながら何処か遠い目をする。そういえば元は人間だったんだ。淫魔化する時だって、きっと凄く辛い思いを

したに違いない。

「でも、新しい幸せを見つける事も大事なの。傷ついてばかりじゃ、何時か心が死んじゃうのよ」

何も言えない。何も言葉が浮かんでこない。何も言わない方が良いのかも知れない。

「積み重ねた物が重すぎるのなら。負った傷が痛み続けるのなら。それらが無かった頃まで戻れば良いの」

「どうやって?」

考える前に質問していた。淫魔がにっこり微笑む。本当に綺麗だ。

「今から教えてあげる。そのままじっとしていて。力を入れないで枕にもたれかかっているのよ」

言われるまでもなく動けなかった。例え動けても動かなかったかもしれない。

淫魔が片方の胸を両手で持った。また母乳を飲ませてもらえるのかな、と思った瞬間。



ぶしゅっ。ぶちゅちゅっ。



「あうっ!?」

何だ、今の。母乳が何処かに当たって…体中が震えて…納まらない?

「さあ、おちんちん良い子良い子してあげる。身も心も幸せで一杯なママの赤ちゃんに生まれ変わらせてあげる。

大丈夫、ボクが寝ちゃわない様にほんの少しずつお漏らしさせてあげるから」

胸を、手で持って、谷間を左右に広げている…へ、これってまさか…?



ぺちゃっ。ふにっ。ぷちゅっ。ぽたり。ぽたり。



「あ…」

胸で挟まれた。母乳でぬるぬるな所が凄く優しく抱かれている。精液が出てきた。一滴ずつゆっくりと。

「ボクもボクのかわいいおちんちんも、ママが一変に可愛がってあげる…」

キスされた。口を開けて中を舐めてもらう。とても落ち着く。

少しだけ、ゆっくりと胸が動いて擦られた。キスされたまま溜息をつく。唇が離れた。何だか寂しい。

「今度はおちんちんに、ちゅっ…」

本当におちんちんにキスされた。体中がびくびく震える。頭の中が、中が。

「ゆーっくり、ゆーっくりお漏らしするのよ。いっぺんに出しちゃ駄目」

ほんの少しだけ挟む力が強くなる。おちんちんが溶けてしまいそう。

「こ、これ…いぃ。いぃよぉ…すごくいぃ…」

「ふふふ。ママのおっぱいの中でとろとろになっちゃいなさい」

とろとろになっていく。おちんちんも、体も、頭の中も、心も。もっと溶かしてほしい。

おっぱいの中に包みこまれる。あったかい。本当におちんちんが消えてなくなっちゃいそう。

「ボクの心は今、ママのおっぱいの中に入っていってるのよ」

「お、おっぱいの、なか、にぃ…?」

うまくしゃべれない。白いおしっこが止まらない。ちょっとずつしか出ていないのに体中がうれしくてさけんでる。

「そう。ボクの体がママのお腹の中に帰ってきて、赤ちゃんの体に戻った時みたいに。今度はボクの心がママの

おっぱいの中に帰ってくるの。そして赤ちゃんの心に戻るのよ」



「赤ちゃん…?」

おかしい。なにか変。何かあんまりしてもらいたくない事をされている気がする。

「ま、待って…!」

「どうしたの、ボク?」

とっても優しく微笑まれた。綺麗だ…あ、キスが!おちんちんにキスが!き、きもちいいっ!

「そ、その…いいの?ボク、赤ちゃんになって…」

よくわからない。わからないけど大事な気がする。だからちゃんとかくにんしておかなきゃ。

「ええ、良いのよ。ボクはママの赤ちゃんなの。だから赤ちゃんになって良いのよ」

きれいだ…こんなにきれいな人が、こんなにやさしく言ってくれてるんだから、いいんだよね。あ、頭をなでてくれてる。

うれしいな。ボク、なでられるの大好き。ああ、おちんちんが、おっぱいに抱っこされてる。



だけどなんだかもどかしい。何かしないといけない事がある気がする。どうしてなんだろう。

「ボク?どうしたの?もうおちんちん、疲れちゃった?」

ぶんぶんって首をふった。そんな事ない。すっごくやさしくゆっくりしてもらっているから、おちんちんぜんぜん

いたくない。体中きもちいいのばっかり。おっぱいやわらかいもん。

「そうじゃ、ないんだけど…ボク、何かしないと、いけないのかも。だけど、何だか、わかんないの」

どうしてだろう、こんなにしあわせなのに。こんなにきもちいいのに。ずっとずっとおもらしでるのに。

何かが…何かが足りないよ。何かとってもたいせつなもの…

「あ。分かったわよ、ボクが欲しいもの」

「へ、なんなの?なんなの?」

すごく知りたい。今すぐ教えてほしい。なんだろうか。

おっぱいがのみたいのかな。おつゆをなめたいのかな。

お顔をぱふぱふしてもらいたいのかな。またお腹の中に帰りたいのかな。

どれもしてほしいけどちがう気がする。一体何なんだろう。



「ママ」

へ?何なの?ママ?

「ママって言ってごらん」

「…マ、マ」

あ。何だろう。今、もっともっとしあわせになった感じ。心があったかいよ。ママ、ママ。もっと言いたい。

「ママ…」

「そうよ。じゃ、今度はママのお顔を見ながら言ってごらん」

「ママ…」

ああ、これだよ。ボクの欲しかったのはママなんだ。ボクをうんときもちよくしてくれるママ。大好きなママ!

「ママ、ママァ…もっと、もっとぉ…もっとおもらしさせて…」

「良いわよ。ママに任せておきなさい。甘えん坊さんは大好きよ」

おっぱいがぎゅってしてきた。おちんちんがもっと抱っこされる。おもらしがぽたり、ぽたりからぷちゅぷちゅになった。

「あぁ〜…ママァ〜…」

「もっともっと甘えてきなさい。ボクはママの物なのよ…」



こしこしされてる。ぎゅっぎゅって抱っこされてる。すべすべになでられてる。むにゅむにゅってつつまれる。

ちゅっ。キスされた。どれもすごくきもちいい。おちんちんがずーっとおもらしし続けてる。

「ママァ…ママァ…」

甘えたい。もっと、もっと甘えたい。うれしい切なさがなんどもなんどもなぐさめられてる。

「大好きよ、ボク。ずぅっと愛してあげる」

ママがじっとみつめてくる。とってもきれいでどきどきする。うれしくてたまらないよ。

「ママ、ずっとこうしてて。もうおちんちん、おっぱいからだしたくないの」

おねだりしてみた。ぽんぽんって頭をなでてくれた。

ちょっと目が回ってきた気がする。あんまりきもちいいとこうなっちゃうのかな。でもこれもきもちいいや。



ぷちゅっ。ぷち。ぷつ。とぷとぷ。ぽたぽた。ぽたり。ぽたり。



あ、あれ?なんで?おもらしがすくなくなっていって、とまっちゃった…

「ママのミルクを全部出しちゃったのね。ゆっくり漏らしても、いずれは終わっちゃう物ね」

そんな。もっと出したいのに。ずっとずっとおっぱいの中にいたいのに。

「そんな泣きそうな顔しないの。白いおしっこが無くなっても、気持ちよくしてあげる」

ママがボクの顔をちゅっちゅってしてくれる。すぐにかなしさは飛んでいった。たくさんキスをしてもらったおかげで

おっぱいがおちんちんからはなれていってもさびしくなかった。

「はふぅ…」

ママがおひざの上に抱っこしてくれる。そのまましばらくみつめあう。うっとりしちゃう。

「ママ、大好き…」

ボクがそう言ったらママはとってもよろこんでくれた。ママがうれしいとボクもうれしい。もっと早く言ってあげれば

よかった。なんでボクはあんなにママにいじわるしたんだろう。ぜんぜん分からない。

でももういいんだ。これからはママに甘えられる。ママがかわいがってくれる。ママとずっといっしょ。

「汗かいちゃったわね。ママもボクももうべとべとね」

そう言えばたしかにべとべとだ。ママがしてくれた事だからボクは気にならないけど。

「ね、お風呂入ろうか」

おふろ。ママとおふろ。こくこくうなずいた。ママのうでがボクのあしとせなかを持ち上げて抱っこしてくれた。



ママがつれてってくれたのはすっごくおおきなおふろだった。あらうところもつかるところもひろい。

「ママとボクで貸切りよ。ゆっくりと楽しもうね。ボク、座っていられる?」

「むりかも…」

ママがボクをタイルのゆかの上におろした。両手を使ってなんとかすわっていようとするんだけれど、くらくらして

体が言う事を聞いてくれない。うでががくがくふるえてる。このままじゃママを困らせちゃうよ。

どうしようって思ってたらママが何かの上にねかせてくれた。大きなひらべったいふうせんだ。ああ、やどやさん

なんだからこういうのがあってもおかしくないよね。



「これからママが洗ってあげるわ。ちょっと待っててね」

ねかされたままママをじっとみている。ママはびんからぬるぬるした水を取り出してじぶんの体にこすりつけてる。

こすっているところがあわだらけになった。ママはなんどもなんどもそれをくりかえして体中をあわだらけにしていく。

ながいながいあしからはじまって、つぎはおしりがあわあわになる。ママのお腹の中への入り口もあわでいっぱいに

なった。すべすべのお腹もおへそにあわがたまってる。せなかもこすってたみたいだけどあわあわになったのか

見えないや。うでも手もゆびさきまであわでまっしろ。かたと首の下にもたっぷり。

目がはなせない。まるでまほうをかけられたみたい。ママ、すっごくすっごくきれいだ。むねがまたどきどきする。

さいごにママの大きな大きなおっぱいがあわあわになる。ボクの大好きなおっぱいが、ママの手でかたちをかえて

ゆれる。たくさんのあわあわでおっぱいがみえなくなっちゃった。

「いらっしゃい、ボク」

「あぅ…」

ママがうでを広げてほほえんだ。考えるよりも早くぼくの体がうごきだす。でも体がぜんぶなまりみたいに重い…

あしがしびれて立つのもあるくのもできない。なんどもがんばってやっとひざと手で立てた。ハイハイでママのところに

いく。早くいきたいのになかなかすすめなくって泣きたくなった。

やっとママのちかくについた。たおれなくってよかった。

「良い子。ハイハイ出来る様になったのね。えらいえらい」

「うん。ボク、がんばったよ…」

おでこにちゅってしてくれた。がんばってハイハイしてよかった。体の向きを変えられて、後ろから抱っこされた。



くにゅっ。ぷよん。ぬるっ。



背中からママにもたれかかる。ママの体はあわですごくぬるぬるすべすべしてる。頭が耳までおっぱいの中に

すべりこむ。あったかいママの体がボクのせなかをこする。だんだんボクのせなかもあわあわになってきた。

「はい、目を閉じてじっとしていなさい。ママが今洗ってあげるからね」

「うん…」

ちょっとねむいみたいなきもちになって目をつぶった。ママの手がボクのうでや胸やお腹にあわを広げていくのが

分かる。あしも持ち上げられてあらわれていく。ねむい感じがつよくなった。

「ここは念入りに綺麗にしてあげる。ボクの大事な大事な所だものね」

あ、おちんちんがさわられてる。たまたまをそっともまれて、おちんちんがなでなでされてる。皮がにゅるってむかれて

さきっちょをくりくりされてる。ちっともかたくならないし、なにもでてこないけどふしぎにきもちいい。うっとりしちゃう。

「しっかり目を閉じているのよ。頭も洗ってあげる」

おっぱいがぼくのあたまをこすりはじめた。すりすりってあわがうつってくる。髪の毛がふわふわのあわでふくらんで

ぼーっとしてくる。おちんちんもかわいがられてる。ほんとうにねちゃいそう。

「はい、流すわよー」

お湯が頭からかかってきた。あわがあっというまにながされていく。なんどもかけられてボクもママもきれいになった。



ちょっと目が覚めた感じ。ボクをふうせんの上にもどして、ママが髪の毛をあらいはじめる。

ママの髪、ほんとうににながいや。ボクがすっぽりくるまれそう。ボクは好きだけど、重くないのかな。

ときどきお湯をかけてもらいながら髪の毛をあらうママを見続ける。どきどきが止まらない。顔が赤いのかな、ボク。

しゃーってママがお湯で髪の毛をながした。つやつやきらきら光ってる髪にすいこまれちゃいそう。

「お待たせ。あらどうしたの、ボク?恥ずかしいの?」

「ううん、そうじゃなくて」

そうじゃなくて、何だろう。ボクどうしちゃったんだろう。ママを見ていると胸のおくが甘ずっぱくなって…

「おもらし、したい…」

そうだ。これっておもらししたいのにできない時のさびしさだ。おもらししてママに甘えたい。



「ママ、おもらしさせて。いっぱいいっぱい、きもちよくなりたいの」

「まあっ、本当に甘えん坊さんね。これ以上お漏らししちゃったら疲れて眠くなっちゃうわよ?」

「だって、だって…おもらし、したいよう」

なみだが出てきちゃった。もう止まらない。

「そうね…まだ大丈夫かしら。それじゃ、お湯につかりましょ。そこでボクをすっきりさせてあげる」

抱っこされてなみだがとまった。やっとこのモヤモヤした感じを出させてもらえる。



ママがボクをよこ向きに抱いたままおふろの中に入っていった。ちゃんとボクの顔を持ち上げてくれてる。

あったかいお湯の中でおちんちんをさわってくれた。うれしいけど、ぜんぜんかたくなってこない。泣きたい。

「おちんちん、からっぽ…」

「大丈夫。またママのおっぱいを飲ませてあげる。すぐにあつあつのかちんかちんになれるわよ」

ママのおっぱい。そうだ、あれを飲んだ後、ママのおっぱいの中でたくさんたくさん出せたんだ。またお口に…あれ?

ママがひざを上げてボクのおちんちんだけをお湯から出す。そこにおっぱいを持っていく。何してるんだろ?

「ママ…?」

「怖がらないで。ちっとも痛くないから」

ママがにっこりしてくれた。何だか分かんないけど、ママならいいや。

おちんちんが皮を剥かれてさきっちょが出てくる。小さな小さなわれめがある。ママがさきっちょの両はしっこを持って

ゆっくりひっぱった。われめが広がってくすぐったい。



にゅぷ。つるっ。



「え…?はぅっ!」

おっぱいのさきっぽが。ちくびが。ボクのわれめの中に。へん、へん、何かへん。いたくないけど何かへん。



とろとろ。ちゅぽちゅぽ。とくんとくん。



ミルクが、ミルクが入ってくる。おちんちんがあったかくてじんじんしてる。すぐにぱんぱんになったのに、ミルクが

入ってくるのが止まらない。たまたまがあつくなってふくらんできた。

「あぅ、ああ、あひぃ…マ、マ…」

「これでまた、ボクのおちんちんは元気一杯よ」

ママの声。とっても優しい。こわがらなくていいんだ。

きもちいいんじゃないけどやめてほしくない。頭がおかしくなりそう。もっとしてほしい。ボク、こわれちゃったのかな。

でもママにこわされるんならいい。ボクはママの赤ちゃんだもん。

はっとしてまばたきする。おっぱいがはなれていた。ボクのおちんちん、たぷんたぷんだ。

体がぶるぶるしてきた。おもらしがはじまる前のきもちいいあれ。出せる。やっと出せるよ。

「ママ…早くさわって。おねがい。おちんちんさわって…」

せいいっぱいおねだりすると、ママはすっごくうれしそうにほほえんでくれた。

「お漏らしが止まらない赤ちゃんには、おむつをしてあげる」

ママの顔がおちんちんにちかづく。つやつやのくちびるがさきっちょにふれそう。

「さあ、ボク。ママのお口をおむつにして、しーしーするのよ」



ちゅっ。ちゅぱっ。むちゅっ。ちゅううっ。



出してる。ママのおむつの中でおちんちんが白いおしっこ出してる。ちょっとずつ出してる。

たくさん入れられたミルクがすこしずつすいだされる。ママが入れてくれたミルクがママにすわれてる。

おちんちんがミルクをふきだしてふるえる。体中にぶるぶるって伝わってくる。

お口でおむつをしてもらうのって、こんなにきもちいいんだ。

おっぱいに抱っこされている時は何もかもおちついたあったかさにとじこめられてとかされていくみたいだった。

今はボクのぜんぶがとてもいいところにすいこまれていって、しあわせでボクがこわれていくみたい。

ママのひざと手がボクの顔とおちんちんだけ浮かばせていてくれる。ほかはぜんぶお湯の中にきえていくみたい。

それともママのおむつの中にきえていくんだろうか。頭の中がしろくなってきて分からない。

分かるのはうれしいことだけ。ママのおむつの中におもらしできて、泣きそうなほどうれしい。

あったかい。ぷかぷかしていてまっしろ。ちゅうちゅうされてびゅくびゅくしてるのがいい。きえちゃう。ボクがきえちゃう。



体をタオルでふかれていた。ほわほわしていてくすぐったい。

「目が覚めた?やっぱりおねんねしちゃったじゃない、ボク」

ママがやさしくふいてくれてる。ママはいつだってやさしい。

「だって、きもちいいんだもん」

「今もすごく眠そうじゃない。うつらうつらしてるわよ?」

言われたとおり、まぶたが重くてがんばってもひらききらない。ゆびさきをちょっとうごかすのもすごくたいへん。

ほんとうにねむいよ、そう言おうとして口をひらいたらあくびが出た。そのままかくんってねちゃいそう。

「湯冷めしない内に戻りましょ。このままじゃ風邪をひいちゃうわよ」

ママが髪の毛をボクに巻きつけてきた。つるつるしてひんやりしているのに、巻かれたところはぽかぽかする。

立たされてバンザイをさせられた。ママと目が会う。



ママはすごくかなしそうな、さびしそうな顔をしていた。ボクまで泣きたくなるくらい。

「ママ、どうしたの?なんでそんな顔してるの?」

ママは答えてくれない。髪の毛にくるまれた後抱き上げられて、おふろばから出て行く。入る時はあんなに

しあわせいっぱいだったのに、いまはどうしてこんな…

元のおへやに戻っても、ベッドのシーツやふとんをとりかえている時も、ママは何も言ってくれない。

ボクも何も言えない。ただたださびしかった。どうして、ママ?

「ママ。かなしまないで。ボクにできる事があったら、なんでもするから」

やっとママがふりむいて笑いかけてくれた。でもやっぱりすごくかなしそう。どうして。

「おねんねの時間よ、ボク。明日の朝はママは居なくなるから、ちゃんと街に帰るのよ」



抱っこされてる。ママのねまきの中につつまれて、おふとんの中でぴとってくっついてる。

ママはボクとあった時きていたむらさきのネグリジェのまえをはだけさせて、ボクの首から下を中にくるんでくれている。

ボクははだかのままだけどママに抱っこされて、ネグリジェにまもられて、おふとんをかけられているからあったかい。



でも。でも。ぶるぶるがとまらない。どうして。どうして。

「そんなに怖がらないで、ボク…」

ママが頭とせなかをなでてくれる。すーってなでられるとやさしさがしみこんでいくみたいできもちいい。でもまた

すぐにこわくなってくる。どうして。

「どうして?どうしてママのそばにいちゃいけないの?」

お口からかってにことばがでてきた。ききたくないのに。そんなこと、わすれていたいのに。

「ボク、わるい子なの?わるい子だから、ママのそばにいちゃいけないの?」

泣いている。ボク、泣いている。なみだがとまってくれない。いやだ。もうかなしくなりたくない。

「いいえ、ボクはとっても良い子よ。ずっとママのそばにいてほしい良い子よ。だからママはでかけないといけないの」

なんどもなんどもおでこやほっぺにキスされる。とってもきもちいいけど、しあわせになれない。

「わかんないよ、ママ。ボクがついていっちゃダメなの?」

「ダメよ。もう一日でもママと一緒に居たら、ボクはお漏らししすぎちゃって死んじゃうわ」

しんじゃう?ママといっしょに、いられなくなる?そんなの、いやだ。



「三年待って。ママがもっと偉い淫魔になって、凄いママになってくるから。ボクがいくらお漏らししても元気で居られる

魔法を身につけて帰ってくるわ」

三年。ママとはなればなれ。その後はずっといっしょ。好きなだけおもらしさせてもらえる。しななくても良くなる。

でも、三年?三年もママがいないの?三年もひとりぼっち?

「我慢して。ボクはママの良い子なんだから、ママの為に我慢して」

ぎゅーって抱っこされた。顔がおっぱいにしずんでいく。ああ、ママ。

「もう失いたくないの。やっとずっとママの子で居てくれる子をみつけたの。大事な大事な赤ちゃんにしたいの」

ママ、泣きそうな声してる。今までママの赤ちゃんになった人たち、みんなしんじゃったのかな。ほとんどの人は、

二回か三回おもらししたら、それだけでもうこわれちゃうかしんじゃうもんね。

ママもつらいんだ。ママもボクといっしょにいたいんだ。でもがまんしないとボクがしんじゃうんだ。

じゃあ、ボクもがまんしなくっちゃ。ママの子だもん。ちゃんとおるすばんしていないと。

「ボク、がまんする。ママがかえってくるまでまってるよ。良い子でまってるよ!」

せいいっぱい強い声で言う。おっぱいでくぐもった声になっちゃったけど。

「まあ…!」

ママがおどろいてる。おっぱいからボクをはなして、うれしそうな泣きそうな顔で見てくる。なんてきれいなんだろう。

「ありがとう、ありがとう、ボク。やっぱりボクは最高に良い子だわ。ママのお願いを聞いてくれるのね」

「うん!」

ママがすごくうれしそう。ボクもとってもうれしい。もうなみだも出てこない。心があったかい。



「大好きなママのため…ふぁ…だから」

「あらあら。眠くて堪らないのね」

きゅうにまぶたが重くなってきる。こわくなくなったからかな。ママに抱っこされてるとどんどんねむくなっちゃう。

「可愛い可愛い私の赤ちゃん。おしめ当ててからおねんねしようね」

おちんちんをさわられる。さっきはふにゃふにゃになっていたのに、またかちんかちん。まだミルクがのこってるんだ。

おしりをおされてママのあしのあいだにおしつけられる。これって。

「ママのお腹の中で眠りなさい」



ちゅるん。ちゅぽっ。きゅっ。



ああっ…

「おねんねしても、出なくなるまでおもらしさせてあげる。夢の中でママのおしめに出しちゃいなさい」

今まででいちばんやさしいきもちよさ。ぜんぜんちからが入らないボクをぜんぶママがまもってくれる。

「ボクは良い子。とっても良い子。ママに甘やかされてぐっすりおねんねしちゃいなさい」

ママがうたってる。こもりうたを聞かせてくれる。もうなにもしゃべれない。目がかすむ。

さいごのさいごのちからでお口をあけてママのおっぱいにしゃぶりついた。あまい。目をあけていられない。

まっくらなのにまっしろ。やわらかくてあったかくて良いにおいであまいミルク。頭がきもちよさについていけない。

どこかをなでられた。ぎゅってされているんだろうか。ボクのなにかがやさしくとかされてる。

「お休みなさい、ボク…」

ママの声。ママの中にすいこまれていく。

ママ。ママ…







その後見た夢は正直覚えていないんだ。ただ、あれ以来どんなにぐっすり寝ても物足りなくなっちゃったよ。

次の朝も長い間激しく泣いていた事しか覚えていない。今思えば脱水症状で死んでいてもおかしくなかったなあ。

それからはかなり大変だったよ。どんなに頑張っても精神年齢が思春期前の物にしかならなかったから。

ハンター協会に僕の正体を証明するのは本当に骨が折れたなあ。あのゴタゴタは正直思い出したくないや。

だって、僕にママの討伐に協力しろって言うんだもん。出来る訳ないじゃないか、そんな事。

僕もかなり悩んだよ。生きて帰ってこれたんだから、やっぱり人間として淫魔狩りに協力するべきなんじゃないかって。

結論から言うと、無駄だったんだ。ママは上手く隠れたのか、何処か遠い所に行ったのか、尻尾の欠片も

つかめなかった。僕が何をしようとしまいと同じ事だったんだ。

その間、僕は淫魔ハンターとしてブイブイ言わせてたよ。知識や経験はそのままだったから、今まで覚えたテクを

自分の小さな体で使いこなせる様に調整するだけでよかったんだ。何よりママ以外の女性ではもう起ちも

しなかったから何をされても平気だったんだ。念の為母性的な淫魔やお姉さまタイプの淫魔は避けていたけど。

ああ、ブラッディマリー切れちゃった。いや、もういいよ。それよりお勘定お願い…ってタダの約束だったんだっけ。

それじゃご馳走様。多分もう来る事は無いけど、有難う。

うん?どういう意味かって言われても。マスター、僕の話聞いてなかったの?三年くらい前の事だって言ったじゃん。

そうだよ。ママが手紙をくれたんだ。やっと再会出来るんだよ。

そりゃもう、当然嬉しいさ。もう一度若返って、ママの赤ちゃんにしてもらえるんだから。今度はずっとね。

人間の世界に未練が無いって言ったら嘘になるよ。もうお酒も飲めなくなっちゃうしね。

でも良いんだ、これで。

だって、僕はママの子供だもん。






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