蛇に魅入られた娘




「………どうしよう」

身動きできない。

上半身は動くが、下半身が完全に固定されてしまって、逃げるに逃げられない状態だ。



「Zzz………Zzz………」

すぐ近くでは怪物が、捕えた獲物を前に熟睡している。見上げる程にデカイ巨体からは、人の腕二本分ぐらいはありそうな汗がゆっくりと流れ落ち、蒸せかえるような生暖かく甘い香りが皮膚全てから発散されている。

「んんん…………」

怪物は、本日何度目かの伸びをした。だが、すぐに「ふみゅう………」と夢の世界へと戻ってしまう。

「…………」

チャンスなのに、逃げ出すチャンスなのにここから少しも動けない自分が恨めしかった。



全力で足をバタつかせて、腕で押し上げれば、もしかしたら脱出できるのかもしれない。そう思って………これまでもそうしたけど、私の下半身を包むやわやわとした肉壁は足を柔軟に受け止め、押し上げるために手をつく皮膚すら、ずぶずぶと埋まってしまう。

しかもその度に、柔かい肉の感触が、私に何とも言えずもどかしいような感覚を伝えてくる。

完全に、手詰まりだった。

「…………はぁ………」

私、どうなるんだろう………。

目の前の怪物――ラミア――のお〇んこに裸で挟まれて数時間、私は先行不透明な(しかも闇色濃厚な)未来に、私は数えるのも疲れるほどついた溜め息を、またつく填めになった。



そもそも、どうして私が捕まることになったんだろう。ラミア曰く「かぁいいから(*'д`)ハァハァ」らしいけど、私の外見、これと言って特徴がないのが特徴なんだけどな。

そんな私が、晩御飯の足しにしようと山に山菜取りに行っていたときのこと。

目の前に、草木が何かに押し潰された跡があった。しかも、それは見る限り続いていた。



『異変があったらその場から離れること』

今は亡き両親からの教えを、私は忠実に守り、その場から離れ、とっとと家に帰ることにした――けど、



どかばきどどかっ!



とても文字だけでは表現できないようなとてつもない音が森に響き、



「はぅぅ……かぁぃぃよぅ………お持ち帰りぃっ!」



やけに可愛らしい声が響いた瞬間――。



私の体に強烈な圧力と浮遊感がかかり、意識はブラックアウトした。どこか、体に温もりを感じながら………。



………で、気付いたときにはこのラミアのお〇んこの中に、裸で挟まれていたわけですよ、ええ。

逃げ出そうとしても、足をばたつかせれば肉襞がやわやわと足や脚に絡み付くし、ラミアの特濃ラブジュースがねばっこく私の動きを封じてくる。動き疲れたころの私の足は、まるで蛇のように一本になったかと思わせるほどに、膣と愛液によってぴったりとくっついてしまっていた。

私が挟まれているお〇んこからは、頭がクラクラする程濃い甘い香りが放出され、私の中を徐々に染め上げていく――。

思考が、少しずつ鈍くなっていく事に、私は気付かなかった。



私、もう戻れないのかな………。

そう考えると、何か悲しくなった。両親を失った時以来、流すことはなかった涙が、ぽたり、ぽたりと蛇の皮膚を濡らしていく。何でだろう………普段ならこんな事で泣く筈もないのに……。

しかも、涙は止まることを知らないで、私の中から溢れ出ていく。私の心から、何かもやもやした物が、ゆっくりと、ゆっくりと押し流されていく………。

おかしかった。

何かがおかしかった。

でもそのおかしいと言う思いすら、少しずつ涙によって洗われていく………。

やがて私は、泣き疲れて眠ってしまった……。

心なしか、気持が安らいだ気がした…………。



夢の中、私は一人、森の中を歩いていた。何かを探して。何かを探し求めて。

だけど、少しずつ、足が思うように動かなくなっていった。思わす木にしがみついて、へたり込む私。

ふと脚を見ると、股の辺りから少しずつ、足が繋がって延びて行くのが目に入った。

心の底で、誰かが悲鳴をあげた――気がした。でも、私は大して何も感じないままに、私の体が変わっていく様子をただ眺めているだけだった。

どこか、体にぴりぴりする感覚が走る。もどかしいような、それでいてどこか気持良いような………。

やがて、一本になった脚に、いくつもの鱗が生え、脚全体を覆っていく――。気が付けば、私は一匹のラミアとなっていた。

蛇の下半身は、森の中を進むのには丁度よかった。信じられない速度で走る私。

やがて、『さがしもの』に辿り着いた私は、そのまま『さがしもの』に飛び付いた……。





さわさわさわ………。

何だろう。

誰かに優しく撫でられている気がする………。

それも、どこか気持良い………。「………ん」

目を醒ました私が、寝惚け眼の目を擦りながら前を見ると、そこには――。



「あ〜!やっと起きたー♪」



キィィィィィィィンッ!



「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

考えてみて欲しい。自分の何倍もの大きさがある生物が、全力で叫んだとき、その声はどれだけの大きさになるのかを。

本能的な危険察知からとっさに耳を押さえたが、それでも完全に防げるものではなく、私の鼓膜は早くも悲鳴をあげ始めた。

先ほどまで私の頭を撫でていたのは、当然ながら私を連れ去り、今自身のお〇んこに私をくわえこんでいるラミアだ。そのラミアが、喜喜とした表情で私を見つめている。

そしてそのまま――。



「えへへー♪」



すりすりすり………。

頬を、私の体に擦り寄せてきた。きめ細やかな餅肌は、私の体に確かな弾力と熱を伝えてくる。

とくん。

私の中で暖かな熱が生まれた。それはじんわりと私の中に広がって――!

「ね、ねぇ!」

いけないいけない!何で私はされるがままにされてるのよ!

必死で叫んだ声。それはどうやら目の前の耳にしっかり音として認知されたらしい。頬擦りが止まり、視線をこちらに向けるラミア。

改めて見ると、目の前の怪物は綺麗な顔をしていた。

毛穴が一つも見えない顔。どこか眠そうな、垂れ目気味の瞳の下には泣き黶。水分をたっぷり含んだむっちりとしたピンク色の唇。高くもなく低くもない、綺麗な鼻。サイズこそ大きいものの、そこにあるのは一人の美人の姿だった。

その瞳をうるうるとさせながら、彼女は私を見つめ続けた。吹き出しに?マークをつけるのが似合いそうな顔で。

………あ、いけない。止めたのは私だ。早く用件を言わなきゃ。

「あ、あのっ!私をここから出してくれない!?」

ずきん。

………あれ?これで、この用件でいいんだよね?ここから出て、家に帰って、日常に帰る。それで良いんだよね?なのに何で私の心は傷付いたような反応をするの?

ラミアは、質問の意味が分からないかのように、首をかしげたままでいる。

「あのさっ!何で、私をここに挟んでるのっ?」

本来の目的からは離れた質問だけど、これはラミアに届いたらしい。

「だって、かぁぃぃ子には気持良くなって欲しいから♪」

質問をずらせば答えもずれる。それは分かってたのに。

「そ、そうなの。で、これはいつになったら離してくれるの?」

一段階置いての質問。それにラミアは、今度は質問で返した。

「ど〜して?気持良くないの?」

「………え?」

正直、質問も斜め上だ。この怪物の思考は気持良いか悪いかしか無いんだろうか?

でも、このどこか寂しそうな顔を見てると――。

ずきん。

まただ。また心が痛む………はっ!

いけないいけない!

「違うわっ!私は家に帰りたいの!家に帰って食事をして風呂に入って――」

あれ?あれれっ!?考えがまとまってないわよ私!何で私は思わずいつもの生活を帰る言い訳にしちゃってるの!?もっとましな言い訳を――。



ほわ……。



――あれ?私、何考えてたんだっけ………。

甘い香りが――。

なんか、ぼんやり………。



目の前で、ラミアは優しく笑っていた。

とくん。

からだの中が、また暖かくなる。

それにあわせて、

くー。

私のお腹が音を立てた。そういえば、御飯、昼からまだ食べてなかったっけ………。

「お腹が空いたのね〜、じゃ、ご飯をあげるわね♪」

私の目の前に、顔より二回りも、上半身すら包んでしまいそうな、大きいおっぱいが現れる。その乳首だけで、私の口の中は埋まってしまいそうだ――。

乳房を下から揉み上げながら、乳首を私の口に押し込むラミア。まるで、赤ん坊に与えるかのように――。

どこか、いけない感じが一瞬した。でも――。

ほわん。

とくん、とくん。

また、私の中が、ぼんやりとあたたかくなっていく。なんでだろ…………。

だらしなく開いた口に、ラミアの乳首が押し込まれる。

ラミアは私が乳首を口に含んだのを確認すると、うふふと笑いかけて、乳房を揉み上げた。

びゅるるぅぅぅっ!

「!!!!!!!!!!」

一気に飲み込める量ではない、大量の母乳がほとばしった!

「けほ、けほっ!」

私はのみほそうとして――飲み干せなくて蒸せてしまう。

ずきん。

胸が痛む。苦しい。くるしい。どうして?のみきれなかったから?でも私は人間だよ。喉はそこまで大きくないよ――。

さわさわ。

そんな私を、ラミアさんは優しく撫でてくれた。

「ごめんっ!一気に出し過ぎちゃった♪」

そう私の顔を見て、笑ってくれた。

とくん、とくん、とくん。

――なんだろ、どうしてこんなにあったかいんだろ。

どうしてこんなに――あったかいきもちになるんだろ。



「さぁ、次はお風呂に入りまちょうね〜♪石鹸を貴女にかけてあげるわぁ♪」

ラミアさんは、私におっぱいを向けて、そして――びゅっ!

「きゃっ!」

お乳を、私の体にかけてくれた。びゅっ、びゅっ、と音がするたびに、私の体がしろくなっていく………。

ほわぁ………。

あまいお乳のかおりが私を優しく包んでいく――。



「さぁ、私の中で、洗われちゃお♪」

上半身乳まみれとなった私に、ラミアさんの乳がせまってくる。

そして――ばふぅっ!

「!!んむむむむむぅっ!!!!!」

私の上半身は、ラミアさんの両乳によってはさまれてしまった!そしてそのままむちむちと圧迫される!

「んむんんうううっ!!」

おっぱいどうしがこすれあって、お乳がクリームのように私を覆っていく!ふわふわとしたクリームが、私のからだのすみずみに塗られていく!

とくんっ!とくんっ!

からだが、あついっ!あついっ!溶けちゃいそうだよぉ!



でも、これだけじゃなかった。



ぐむむっ!

あ、あへぇっ!?

むぐぉんっ!ぐむぐむっ!

「んむんぉううんんぅんっ!」

あ!おしりがぁっ!おまたがぁっ!お〇んこにもまれてぇっ!あんっ!あぁあんっ!き、ひ、ひもひ、ひもひいいっ!

ぐにゅぐにゅもまれてっ!クリームがあ、あら、あらしのなかにぃぃっ!ふわふわぁっ!



とくんっ!とくんっ!とくんっ!

あ!ああ!ああぁあっぁぁぁあああっ!

らめぇ………むちむちしたおっぱいもぉ………むにむにしたお〇んこもぉ………ふわふわしたおっぱいクリームもぉ………きもちよすぎるよぉっっっ!!!!!!!!



「んうううむううううううっ!」



びっしゃあぁぁぁあああああぁぁぁ………。



………………。

あはぁ………。

「あははぁ…………」

あは、ラミアさんのなかに、あたし、おもらししちゃった………。

はずかしい………けど。

とくん………。

なんか、あったかい…………。



「さぁ、おねむの時間でちゅよ〜♪」

あふぁ……ねむくなってきちゃった………。

ラミアさんは、またわたしにちくびをくわえさ……せ………て…………。



眠りながら、乳首をくわえて乳を飲み続ける女の子の背中を撫でながら、ラミアは下腹部に力を入れ始めた。そして――。



ぐにゅ、ぐにゅる、ぐにゅる………。



少しずつ、女の子を自らの体の中へと呑み込んでいく。「あぁぁ………」と快感のうめき声を上げながら、女の子は肉の海に沈んでいく――。

そして、



ぐむむっ!



頭がすっぽり入り込んだところで、ラミアのお〇んこはびっしりと、その門を閉じた。





――わたしのめのまえには、きいろくてぶよぶよしたものがあった。

それはわたしにきがつくと、くだをいっぽん、わたしのおへそにのばしてきて――すこしずつ、すこしずつわたしのなかにはいっていった。

とくん。とくん。

それは、わたしとおなじしんぞうのおとをもっていた。

とくん、とくん。

それは、わたしとおなじあたたかさをもっていた。

だから、おへそからはいってきてわかった。

これは、わたしなんだ―――。



とくん、とくん。

ぶよぶよしたものは、さらにいっぱいくだをのばしてきて、わたしにからみついた。

わたしは、そのまま――そのぶよぶよの中に――。



とくん、とくん、とくん………。

ラミアは、生命の鼓動を確かに感じていた。それが、自分の内側から響いていることを。



「あんっ!もう、お転婆さんなのねぇ♪」

生命の海から届く知らせに一喜一憂しながら、ラミアは今から今かとその時を待っていた。



そして数日後――。



「あぁあああぁあんっ♪♪♪」

聞くものを性的興奮に追い込む声と一緒に、ラミアは卵を一つ産み落とした。愛液にたっぷり濡れたそれは、地面に着くとすぐ孵化の兆候が表れた。皹が入り、羊水が溢れだし――。



ぱかんっ!



殻を頭に被った状態で、一匹の子ラミアがこの世に誕生した。

子ラミアはきょろきょろと何かを探すように見回し、それを見付けるやいなや、産まれた直後としては信じられない速度で走り、やがて、『さがしもの』に飛び付いた……。





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