宇宙船娘




 人類が宇宙に出て数世紀今では近所に出かける感覚で宇宙に行ける。ワープ航法も編み出され恒星間旅行も簡単になった時代。

 月の宇宙港である宇宙船に荷物が積み込まれていた。

『それでは、第一区画にあるのはアンドルメダ星雲に、第二区画は研究宇宙ステーションに、第三区画はコロニーに、第四区画は地球のアフリカ大陸。以上でしたね』

 音も無く現れたホログラフの青年の声に「はい」と答えた積み込み員は、不信な顔をして聞いてきた。

「あの、開かずの間の第五区ってどうなってるんですか?」

『入るか。面白いぞ』

「いいえ!」

 大慌てで逃げ去る積み込み員を見送り

『根性なし』

 と呟いてホログラフを消してブリッジに移動する。



ブリッジの艦長席には10歳にしか見えない幼い少女のホログラフが現れて移動してきた青年ホログラフに文句を言う

『もう、せっかくいい餌になると思ったのに、あんな事言ったら逃げちゃうじゃない』

『お嬢様、ですから先の航海でも言いましたが、まだ餌は生きてるのですから』

 なだめるように言う彼も物騒な言葉である。

『でもさ。あの餌の表情見飽きちゃったのよね。それに暫く抱いてくれないでしょ』

 少女には決してできない。艶かしい仕草と表情で青年に擦り寄ってくる。青年は顔を真っ赤にしながら

『アフリカに寄ったとき新しい餌を入れます。それから宇宙空間にでたら抱きますから。私だって抱きたかったんですよ。ですから。落ち着いてください』

 何とか落ち着いた口調で言う。

『うん。じゃあ発進宜しく。餌見てくるから」

 うれしそうな顔をするとブリッジから姿を消した。確認して青年はため息をつきながら

『ま。逢ったときに一目ぼれしたんだからな仕方ないか』

 と、嬉しそうな顔をすると、直、真顔に戻り。

『スターダスト・レイン。発進する』

と発進準備を開始する。



 青年と少女が会ったのは青年が育った火星だった。そのとき少女は既に生身の肉体を持っていなかった。

 少女は宇宙開拓民で衛星に格下げされた、冥王星で生まれた。宇宙で地球より離れた冥王星で生まれた彼女には先天的に肉体に重大な欠陥があった。地球の技術ならば治せることもできたが遥か離れたここでの治療はほぼ不可能であり。手段は人間の肉体を捨てるしかなく新たな肉体として与えられたのが宇宙船『スターダスト・レイン』だった。

 彼女は自分の肉体でもある宇宙船の使い方は物心ついてからわずか半年で極め貿易の仕事を始めた。そして、ある仕事で火星に立ち寄ったのである。



「御苦労様です。スターダスト・レイン」

『仕事ですから気にしないでください』

 20歳前後のホログラフの女性と会話する火星開拓民の人は少し離れた所にいた青年を呼ぶ。

「スターダスト・レイン。彼は貴方の助手として入る。リット・フィーダルトと言う者です。リット彼女が、スターダスト・レインよ」

 紹介された青年は顔を赤くして、

「こ、これからよろしくお願いします」

 と、最高礼をする。スターダスト・レインは微笑んで

『こちらこそよろしくね』

 と返すが、その時、一瞬浮かんだ嗜虐的な笑みには誰も気付かなかった。



 このとき彼女は外宇宙に行って好奇心から搾精生物の搾精映像を見て激しく興奮してそれに魅了され、更に生殖能力を失い、なくしたはずの性的欲求が発現したのだ。彼女はすぐさまその搾精生物を取り寄せたが自分では触れないので餌となるべき人を誘い込んで搾精生物に襲わせたのだ。襲われた人の快楽に溺れた表情は彼女の性的欲求を十分に満たすものとなり。彼女はばれないように最奥の第五区に防音処理をして開かずの間とし、航海中はブリッジで快楽に溺れる餌の表情を楽しむことにした。彼女にとって助手とは搾精生物の餌であり自分の性的欲求を満たすだけの物でしかないのだ。

『この姿は本当の姿じゃないので発進したらブリッジに来なさいね。本当の姿見ても驚かないでね』

「わかりました」

 事情を知らないリットは素直に頷くと、『休憩室』と書かれたプレートがある部屋に入り、椅子に座りベルトを締めると、自分の運命も知らず、操船マニュアルを読みだした。



マニュアルを読み終わるとブリッジに移動する。

「入ります。スターダスト・レイン」

『どうぞ』

 声と同時にブリッジの扉が開く、入りながら

「マニュアルは読み終わりました。操作方法は分かりました・・・あれ、誰もいない」

『驚いた。私は宇宙船娘。ですから私の体で私が操作しますから艦内の雑用をお願いしますね』

 と言うと、艦長席に10歳未満にしか見えない姿を現した。リットは20歳の姿にも惚れていたが、この可愛い姿にも惚れて顔を赤くする。それを見て少女はクスリと微笑むと

『これが私の本当の年齢の姿です。この姿だと侮られるので外部にいるときは20歳ぐらいのホログラフを出してるんです。どうかしましたか?』

「あ、いえ・・・そのとても可愛いので、見とれてしまいました。す、すいません」

『あら、嬉しい事を言ってくれましたね。それじゃあ、お礼に・・・』

と言って艦長席から、フワッと舞い降りると手を握った。

「ッ!!」

 手を握られて驚くがそれよりもホログラフのはずなのに暖かさと柔らかさに更に顔を赤くする。

『フフッ。びっくりしたでしょ。ホログラフの力を調節すれば、本来の年齢の姿でこの中では物に触れることもできるの』

 声は相変わらすの合成音声だったが。そして戸惑ってる姿にクスクス笑ってリットにしなだれかかり、

『抱いて。お願い』

 と甘い声で囁く。リットはまるで催眠術にでも掛かったかのように顔を赤らめたままうつろな瞳で少女の背中に腕を回して抱きしめた。少女はとても嬉しそうな表情を見せながらも同時に嗜虐的な笑みを見せていた。



最初に抱き合ってから幾日か過ぎた。彼女は寂しいのか。ほぼいつも抱いてくれるように言う。その度にリットは催眠術にかかったようにうつろな瞳になって優しく抱きしめるのだ。リット自身、何かおかしいとは思ってはいるものの惚れていること、抱きしめるたびに不満もなくなることに聞こうとせず、ただ彼女に頼まれる雑用を確実にこなしている。そして、いくつかの仕事を終え新たな仕事の航海中。休憩室のベッドで抱き合っているときスターダスト・レインは

『リット』

と呼びかける。

「・・・はい」

 うつろな瞳で意思のないような表情で答えるリットに

『明日第五区画に入ってくれないかしら?』

 と言って口づけをする。頬を紅く染めてリットは

「・・・はい。・・・わかりました・・・」

 と答えた。



 次の日、リットはうつろな瞳で第五区画に向かって行った。リットが近づくと自然に扉が開き甘い匂いが広がり誘い込まれるように入っていく。瞬間扉は閉じる。リットは一瞬我に返ったが、スターダスト・レインが抱きついてキスをした途端、又うつろな瞳になる。

『こっちに』

 スターダスト・レインがリットをベッドに誘い込む。リットはフラフラしながらベッドにあがり仰向けになる。それを見て彼女は一番最初に取り寄せ一番お気に入りの陸生搾精海月(空中を浮遊する海月)の鍵を開ける。彼女がリットの服を脱がすと、すぐさま寄ってきて取り付いた。

「あっ、あっ、ああぁ!」

 いきなり襲い掛かった快感にリットはたまらず声を上げ精を出す。その快感を感じる顔をじっくり見て、彼女は嗜虐的な笑みを浮かべ

『殺さないように精を取りながら最高の快感を与えてあげなさい』

と言い。ブリッジに移動し艦長席でモニターを出し湧き上がる性的欲求を満たし始めた

 嗜虐的な笑みを浮かべ湧き上がってくる性的欲求を満たしていた彼女は、いつもと何か感じが違うことに気付いた。いつもならばこの快楽に溺れた表情を見れば見るほど嬉しくて性的欲求は満たされるのに、今回は中々満たされない。彼女は我慢できなくなり服を消すと自ら胸と股間を触り始めた。

『あっ、あっ、いい、気持ちいい』

『ああぁ、ああ、いきそうだぁ』

 自分の気持ちよさに酔いそうだった彼女は彼の声と快楽に溺れる映像で正気に戻る。しかし我慢できずに又胸と股間を触る。それを繰り返すうちホログラフで愛液が現れて彼女の股間を汚した。同時に彼女はついに絶頂して気を失った。それは同時に彼がいった瞬間でもあった。





幾日か過ぎたある日、彼女は服の上から自分の胸を触りながら感じた快感を思い出しながら第五区画に向かった。自分でも何故こんなことを思ったのか分からない。これが愛というものかもどうかもよく分からないが、彼を餌にせず、自分と対等のパートナー、恋人にすることにしたのだ。彼女は彼に取り付いた陸生搾精海月をはずすと彼を抱えて休憩室に入ると。服を着替えさせた。快楽を受け続けた為瞳の焦点が合っていなかったが、彼女はかまわずに口付けをすると、そのまま抱きしめてベッドに倒れこんだ。彼はぼんやりしたままだったが、

『・・・リット』

 彼女が呼びかけると瞳に光が戻って焦点も合う。

「あ・・・スターダスト・レイン。俺は・・・?」

『気絶してたの。頼んだ雑用は終わってたから・・・無理させちゃたのかしら?』

 リットに聞かれ彼女は作り話をしてまたキスをする。

『今、プロテクトモードを作動してるから完全に安全なの。今は雑用もないし。一緒に寝ましょ』

 彼女はそういうと服を消してリットにしなだれかかりそのまま抱きつく。今まで快感に犯されていたリットは力が入らず彼女に押し倒されるような感じで一緒にベッドに倒れた。彼女はリットを見上げて頬を染めて恥ずかしがりながらも

『ねぇ。これからずっと私といてくれない。その・・・助手としてじゃなくて・・・恋人として・・・』

 と言うがすぐ

『あ、駄目よね、ホログラフなんかなってくれないんだから。ごめん今のは忘れて』

 と言って顔を伏せる。とんでもないことを言ったと改めて気付き恥ずかしくなる。だがリットは優しく抱きしめ

「いいですよ。私も貴方が好きでしたから」

 と、微笑んでキスをする。リットからキスをされて驚き少し暴れるが直に大人しくなってリットを抱きしめ返し自分からもキスをする。

 その後、リットが射精をしたときスターダスト・レインは精液は受けられなかったが感触だけしっかりと感じた。



 そして、数ヵ月後リットはホログラフシステムを使い自らをホログラフデータにしてスターダスト・レインと触れ合えて、永遠に一緒に行動することにした。スターダスト・レインは搾精生物を使って無理やり快感を与えたことを謝ったが、リットはされた事には気付いていたうえ、スターダスト・レインが好きだから、「気にしないでください」と言って許した。ホログラフ同士であるために実際に射精をしているわけではないが射精のときの快感はリットにもスターダスト・レインにも与えられるものになった。それから二人は仕事をしながらも搾精生物の搾精を見ながら、互いに抱きあいながらすごしてきた。



 アフリカ大陸宇宙港。

『それでは今回の荷物の積み下ろしをお願いします』

「はい。わかりました」

 月から運んできた荷物を積み下ろしている人々を眺めながら、餌となる人物を物色していると船内に忍び込んだものがいるのに気付く。すばやく思念で彼女に警告すると彼女は『誰も気にしないと思うから餌にしましょう』と答える。

「・・・リットさん?どうかしました?」

『!あ、ああ、すまない。ぼーとしてた。なにか?』

「積み下ろし終了しましたよ」

『ああ、ごくろう』

「では、艦長によろしく伝えてくださいね」

『ああ、分かった。では』

 と答え船内に戻る。忍び込んだものに睡眠ガスを吹き付けて眠らすと第五区画に放りこんでおく。そして宇宙に上がり搾精生物の檻を開けてけしかける。目覚めて快感に悶え狂う姿をプロテクトモードを作動させて休憩室で服を消して抱き合いながら見ている二人。餌が感じる姿に性的欲求を満たしながらもリットの放つ射精の快感を感じながらベッドに倒れこみ、

『コロニーに着くまで暫くこのままで眠りましょ』

 と言い。リットは

『はい』

 素直に了承して。二人は餌のあげる嬌声を聞きつつしばしの眠りについたのだった。





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