魔を喰らいし者3
「……じゃあ、尻尾で頼む」
「りょ〜かい! それじゃ、たっぷり気持ちよくしてあげるね♪」
そう言うと、クリスはしゅるしゅると尻尾を伸ばして俺の陰茎に巻きつけた。尻尾は根元に巻きついたまま、くにくにと根元を揉み立ててくる。まだ始まったばかりだというのに、俺は腰が砕けそうな快感を味わっていた。
「くっ……うあっ……」
「ふふ、気持ちいい? でも、まだまだこれからだよ。カイのおちんちんたっぷり可愛がって、いっぱい出させてあげるんだから♪」
クリスがそう言うと同時に、尻尾の先端がぱかっと開いた。その内部は、まるで女性の膣のようなピンク色をしている。
「ひょっ、ひょっとして……その中に?」
「うん。ボクの尻尾の中、すっごく気持ちいいんだよ♪」
楽しそうに笑うクリス。そしてクリスの尻尾は、俺の肉棒を一気に飲み込んでしまった。
「ふぁっ、ああああああっ!?」
尻尾の中はぬるぬるとしていて、それだけでもペニスが蕩けそうなくらいに気持ちよかった。しかも内壁はぐにゅぐにゅと蠢きながら、亀頭やカリの部分に絡みつくようにして責めてくる。それらに肉洞の強い締め付けが加わり、恐ろしいほどの快感を生み出していた。以前の俺ならそれだけで暴発してしまいそうな程の気持ちよさだったが、淫魔化したことで快感にいくらか耐性が出来たらしく、入れただけで射精することだけはなんとか免れる。
「それじゃ、今から吸ってあげるね♪」
「えっ!? す、吸うって……はああっ!?」
疑問に思った俺が尋ねようとするより早く、尻尾の中の感触が変わった。陰茎がより奥へ引き込まれるような感覚――無論それだけではない。尻尾の内側はより激しく蠢き、肉棒の奥にある精液を搾り出そうと攻め立てる。
「く、クリス……ぐっ、うああああっ!」
「ふふ……ボクの尻尾、そんなに気持ちいいんだ?」
「いっ、いいっ! 良すぎておかしく……うっ、くああああっ!?」
情けない声をあげながら、魔性の快楽に身を震わせる俺。だがあっさりと吸われてしまうのはプライドが許さず、ギリギリのところで射精感を堪えていた。
「カイ、我慢してるの? 遠慮なんかしないで、いつでも出していいのに」
「だ、だからって……ふああっ!?」
「ふふ……我慢してるカイの顔、すっごく可愛い♪ ボク、このままずっと可愛がってあげたくなっちゃいそう……」
「そ、そんな……ひああああっ!?」
この快楽をずっと与え続けられたら、本当におかしくなってしまう。そんな恐怖が、快感に侵された脳に浮かぶ。
「……冗談だよ。ボク、そんな酷いことはしないから。だからそろそろ……出して、カイ♪」
「くあっ……あああああ――――っ!?」
その言葉がトドメだった。今まで放出を抑えていた堤防が決壊し、精液が放たれる。だが、それで終わりではなかった。
「……はっ、はううっ!?」
「ふふ……射精中のおちんちんを吸われる気分はどう?」
「あっ、ああああっ!? と、溶けてるっ!?」
まるで本当に肉棒が溶かされているかのような甘美な刺激の前に、俺は思わず地面にへたり込んでいた。
「んっ……思った通り、カイの精すごく美味しい……ボク、おかわりしたくなっちゃったかも」
「お、おかわりって……うっ、ああっ!?」
「もう一度……もう一度で止めるから、カイの精ちょうだい♪」
再び、尻尾の中で陰茎が吸引される。尻尾の内壁は常に変化を付けた動きで肉棒を翻弄し続け、再び精液を出させようとしていた。
「やっ、止めろクリス……うああっ!?」
「無理だよカイ、こんな美味しい精……一回だけじゃ満足できないよぉ!」
クリスの変化に、驚く俺。だが、すぐに快感のせいでそんな事を考える余裕はなくなってしまった。じゅぷじゅぷという音を立てながら、先程よりも激しく肉棒が吸引される。
「くっ、うああああっ!?」
「出して、もっと出してぇ!」
人(サキュバスだが)が変わったかのように、俺の精を求めるクリス。一度射精したばかりだというのに、既に限界が近づいていた。
「く、クリス……くうっ、うあああああ――――っ!?」
堪えきれず、俺は二度目の精を放つ。それでもクリスは責めの手を緩めようとはしない。あくまでも貪欲に、精を吸い出そうとしている。
「ああ、美味しい……もっと欲しい……」
「なっ! さっきもう一度で止めるって……」
「次で最後にするから、もう一度だけ……」
言うが早いか、三度クリスは尻尾による吸引を開始した。
「くっ……こ、このままじゃ……うっ、くあっ!?」
このままクリスの好きにさせていたら、干乾びるまで吸い尽くされかねない。だが快楽責めを続けられている状態では、エミリアの淫香から逃れるときに使った『言霊』は使えそうにない。ここは何とか自力でクリスを止めるしかないだろう。そう考えた俺は、彼女の肩に手を伸ばした。だがその瞬間、尻尾の中の締め付けがキツくなり、手の軌道がそれてクリスの胸に軽く当たる。
「……ふあっ!?」
一瞬、ぴくりと身を震わせるクリス。それと同時に僅かだが、尻尾の責めが弱くなった。
(……ひょっとして、今気持ちよかったのか?)
もしそうだとしたら、もっとクリスを気持ちよくさせればこの快楽地獄から逃れられるかもしれない。そう考えた俺はクリスの胸に手を伸ばし、力が入り過ぎないように気を付けて愛撫を始めた。
「んんっ……はぁっ!? なっ、何これ……ふああっ!?」
どうやら俺の考えは当たっていたらしく、途端にクリスは身をよじらせ始めた。突然与えられた快感のせいで責めに集中できなくなったのか、尻尾の吸引はどんどん弱いものになっていく。
普段ならこの時点で尻尾を引き剥がし、終わりにしていたのかもしれない。だが、今の俺は責めの手を止める事が出来なかった。服の上から揉んでいるだけだというのに、クリスの胸は俺の手に吸い付くような感触で、手放そうとしても手放せそうになかったのだ。
服の上からでこれなら、直の感触はどんなものなのだろう――彼女の色香に魅せられでもしたのか、気が付けば俺はクリスの服の裾から手を差し込んでいた。そして直に彼女の胸を揉み始める。
「かっ、カイ! 止め……ひああっ!? やっ、胸ばっか……あぁん!」
まるで自身の味わっている快感が信じられないかのように戸惑いながら、快感に喘ぐクリス。快感に蕩けたその表情は非常に扇情的で、俺の中に眠る嗜虐心を刺激した。
「胸ばっかり弄られるのは、嫌か? じゃあ、こっちも……」
「違っ……ふああっ!? だっ、駄目ぇ……」
俺は彼女の秘所に手を伸ばした。そしてもう片方の手で胸を揉みながら、下着の上からクリスのアソコを刺激する。
「ああっ、何でぇ!? こ、こんな……ひゃあっ!?」
「へえ……クリスってこんなに可愛い声出すんだな」
「そ、そんなぁ……ふぁん!?」
俺の責めに耐え切れなくなったのか、ついに尻尾の吸引力はほとんどなくなり、ペニスが抜け落ちる。だが、それでも俺は手を止める事が出来ない。
「……んはぁっ!? か、カイっ……んっ……」
突然、クリスは俺に覆いかぶさった。そのまま顔を近づけ、俺の唇に自分の唇を重ね合わせる。
「んっ……ふっ……はぁっ……あっ……」
「くっ……んむっ……んっ……んんっ……」
まるで何かに狂わされでもしたかのように、俺とクリスは互いの口内を貪っていた。舌を絡め、俺を求め続けるクリス。俺も責めの手を止め、それに答える。気付けば呼吸すらも忘れていた。
「……ぷはっ! はぁ、はぁ……」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
しばらくの後、どちらからともなく唇を離す俺達。互いの間に、唾で出来た糸が生まれる。
「カイ……いいよね?」
「あ、ああ……」
熱でもあるのか、頭が少しぼうっとする。クリスは潤んだ瞳でこちらを見ながら、ゆっくりと下着を脱ぎ始めた。そして俺の肉棒を握り、その上から腰を落とす。
「はぁぁっ……何これ、すごくいい……」
「うあっ、すげ……くっ……」
クリスの中の感触を言葉で表すなら……とにかく気持ちいい、の一言に尽きた。内部の肉壁は非常に柔らかく、うねうねと蠢きながら肉棒を包み込み、決してキツ過ぎはしない強さできゅうきゅうと締め付けてくる。その快感度は尻尾でされていた時以上で、既に二度出したというのに俺は限界が近くなっていた。
「う、動くよ……あっ……はぁぁっ!?」
「ちょっ、ちょっと待っ……くっ、うああっ!?」
俺の制止も聞かず、クリスは騎乗位の体勢で腰を動かし始めた。時折ひねりを加えた上下運動の前に、俺は快感で脳が蕩けそうだった。だが、快感を味わっていたのは俺だけではない。
「ふああっ!? いっ、いいよぉ! これっ、すごく……ああっ!」
「くっ、クリス……くあっ!? そんなっ、激しく……」
「そんな事、言われてもっ……ひああっ!? と、止められないよぉ!」
狂ったように腰を動かし続けるクリス。圧倒的な快感の前に、俺はクリスの下で悶えるしかなかった。
「はああっ!? へっ、変になっちゃう……ふぁっ、ふあああっ!?」
「だっ、駄目だ……ううっ、これ以上……ああっ!?」
「出してぇ……はぁっ、中に……中にちょうだい……っ!」
既に愛撫で大分高ぶっていたクリスと、二度射精したとは言えその後しばらく尻尾の吸引を受けていた俺。共に、限界は間近だった。
「うあっ……くっ、ああああああ――――っ!?」
「ひゃああっ……駄目っ、だめぇ……ふああああああ――――っ!?」
同時に、俺達二人は達していた。クリスはしばらく体をびくびくと震わせていたが、やがて力尽きたらしく俺の胸元に倒れ込む。
「はぁっ……はぁっ……」
しばらくの間、俺とクリスは繋がったまま抱き合っていた。
「んんっ……あれ、ここは……?」
「あっ……目、覚めたのか?」
上からの声に、目を擦りながら顔を向ける。そこには、結構カッコいい男の人がいた。
「ふぇ……何で、ボクこんな所で……お兄さん、誰だっけ……」
「……ひょっとして、覚えてないとか?」
「覚えてって、何の……あっ、あああああっ!」
ようやく完全に覚醒したボクは、さっきまでの事を全部思い出した。この人の名前がカイという事、協力する代わりに精をもらうと約束したこと、精を吸収した瞬間、何故かおかしくなってしまった事……そして、先程までカイの上で乱れていた事も。
既にカイは服を身に纏っていた。ボクが脱いだはずの下着は、先に目を覚ましたカイが穿かせてくれたらしい。穿かせる前にちゃんと拭いてくれたらしく、下着がべとついたりはしていなかった。
「あー……どうやら思い出したみたいだな……」
「う、うん。あの……さっきはごめんね……」
「あ、あんまり気にするなよ。俺も、何か色々やってたし……」
(うう、何か気恥ずかしい……けど何で、あんな風になっちゃったんだろう……)
普通、サキュバスは性行為の際に快感を感じる事はない。何故ならより多くの精を得る為に、生まれつき快感に対する強い耐性が備わっているからだ。時として快楽は搾精の邪魔になる事が多く、それゆえ快感を感じなくてもすむ様に進化したのだろうと言われている(ある種の薬物や魔法により、一時的に耐性を落とす事はできるが)。
だというのに、何故か先程自分は感じ、乱れてしまった。そんな事があるはずはないのに。
(どうしてだろう……カイの精にそういう作用でもあるのかな? それとも、カイ自身の力?)
「あー……クリス?」
「……えっ!? あっ、うん……何?」
「いや、その……さっき中に出してしまったんだけど……大丈夫なのか?」
一瞬言っている意味がよくわからず、きょとんとする。だがすぐに理解できた。
「……ああ、大丈夫だよ。サキュバスは受精をコントロールできるから、望まない限り子供が出来る事は……ひょっとして、出来た方がよかった?」
「……あのな、そういうわけにはいかないだろう。別にクリスの事は嫌いじゃないけど、こういうのには順序ってものがだな……まあ、やってから言うのもなんだけど」
「あはは、確かに」
笑いながら、ふとボクは星座占いの内容を思い出した。
『蟹座の貴女は、今月の運勢は絶好調でしょう。ひょっとしたら、運命の人と出会えるかも?』
(運命の人……ひょっとしてカイが? だったら……ちょっと嬉しいかも……)
「……うおっ、いつの間にか真っ暗になってる! クリス、家に帰らなくて大丈夫なのか?」
「えっ!? うわっ、本当だ! そろそろ家に戻らないと……」
あんまり家に帰るのが遅いと、あのメイド長に怒られちゃう。慌てて帰ろうとして……ふと気付く。
「そういや、カイって今どこに住んでるの?」
「今の所、この近くにある洞窟を拠点にしてる。それはそうと、協力の話なんだけど……明日またここに来てくれれば、迎えに行くから……」
「あっ、それじゃもし良かったら……その、ボクの家に来ない?」
カイと離れたくない。そう思ったボクは、そんな提案をしていた。それを聞いたカイは、あっけに取られたような表情をしている。
「クリスの家にって……いいのか? 家の人とかに、相談しなくても」
「大丈夫だよ。まあ、ちょっと一人心配なのはいるけど……」
「ん?」
「あ、ううん。何でもないから気にしないで。それで……どうかな?」
「うーん……まあ、俺としては特に異存はないけど」
「じゃあ、一緒に行こう♪」
「お、おい! ……まったく、しょうがないな」
こうして、ボクはカイを連れて家へと向かった……。 (魔を喰らいし者4へ続く)
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