誘惑姫ヴィアネッタの娯楽
―――15年間。
俺はずっと、その女…否、サキュバスを探し続けてきた。
誘惑姫ヴィアネッタ。
俺の親父が、最後に立ち向かっていったサキュバス。
「存在しない者」、「還らずの魔性」と呼ばれるそのサキュバスを探すのは、まるで雲を掴むかの如く困難だった。
何しろ姿は判らない、出現する場所も決まってない、そもそもそんな者が存在するのかも確かではない、と兎に角情報が無かったのだ。
しかし、親父だけはその存在を確信していた。
最後には居場所を掴み、そして討伐に行って…そして、帰ってこなかった。他の狩人と、同じように。
だが、親父も唯では死ななかった。
先週、遺品の中から見つけ出したメモ帳。
此処に、ヴィアネッタの居城の場所が記されていたのだ。
「…此処、か」
そこは、何も無い路地裏。
周囲はビルで囲まれて、誰一人として立ち入る事は無いだろう場所。
…更に此処には人が入らないように結界まで張られていた。
一般人なら先ず入らないだろうし、ここを知らなければ狩人ですら気付かない。
正直言って、足が竦む。
親父ほどの熟練の狩人ですら帰ってこれなかったのに、俺が行ってどうにかなるのか、とか。
いっそ他の奴にも知らせて、大勢で行った方がいいんじゃないか、とか。
「…何考えてるんだ、俺は。親父の仇は俺が取るって、自分で決めたんじゃないか」
自分に喝をいれると、意を決して、路地裏に一歩足を踏み入れる。
―――その瞬間、空間がぐにゃりと歪んだ。
空気が澱み、地面が堅いアスファルトから土に変わり…そして、目の前に巨大な城が姿を現す。
まるで中世の貴族の城のよう。
これが、ヴィアネッタの居城。
この中に、俺の親父を殺した張本人がいる。
そう思うだけで、さっきまでの恐怖心が掻き消えて…俺は、迷わず城の中に忍び込んだ。
城の中には、沢山の気配があった。
…だが、一つを除いて強い気配はない。
上の方から感じる、おぞましいまでのプレッシャー。
恐らくそこに、ヴィアネッタは居る。
足音も気配も消して、慎重に上に昇っていく。
途中何度もメイドの姿を見たが、どうやらサキュバスとしては格下なのか、こちらに気付いた様子はなかった。
…拍子抜けするほどあっさりと、ヴィアネッタが居ると思われる場所に着いてしまった。
玉座の間と思われるそこからは、恐ろしいほど強い気配がする。
恐らく、間違いなく―――ヴィアネッタは、ここにいる。
まともに戦ったところで勝ち目が薄いのは判ってる。
だから…先手必勝。相手が何かをする前に、一撃で急所を捉えなければ。
恐怖心を押さえ込んで…息を吸い込み、そして、扉を開けると全速力で玉座に居るサキュバスに突っ込む。
玉座に座っていたサキュバスは、此方に気付くそぶりすらせず、下を向いていた。
…それは余裕か、はたまた油断なのかは、判らない。
でも、これは千載一遇のチャンス―――!!
「…っ、くらええええええっ!!!」
懐に入れておいた短剣を手に取って、振りかぶり。
…そこで、俺は初めて。そのサキュバスが、目を閉じている事に気が付いた。
寝ている。
俺が入ってきたことにすら気付かずに、のんきにも眠っている。
俺は、幸運に感謝し、勝利を確信して、短剣を振り下ろして。
…そして、サキュバスに深く突き刺さる筈だった短剣は。
鋭い金属音を鳴らし、そのサキュバスに傷一つ付ける事すらなく。
あっさりと、へし折れた。
「…な」
『………無礼者ね、貴方。
目覚ましにしては、少し乱暴が過ぎるわ』
冷たい響きのするその声に、俺の心臓は止まりそうになった。
目の前のサキュバスが、ゆっくりと顔を上げる。
よく見れば、そのサキュバスはまだ年端も行かない子供のような姿をしていた。
…髪が流れ、俺とヴィアネッタの顔が、向き合う。
美しかった。
子供のような姿なのに、子供っぽさはまるで無く…そして、その綺麗な瞳は、此方の心の中まで見通してしまうようで―――
「…っ、くっ!!」
魅了されそうになる寸前に、思い切り後ろへ飛びのいた。
危なかった…今までも、魅了をしてくるサキュバスは居たけれど、今のは完全に別格だ。
あと1秒、彼女の瞳を見ていたら間違いなくやられていた。
『ん…、珍しいわね、来客なんて。
私のお城へようこそ、狩人さん』
ヴィアネッタは短剣で突かれた部分を気にする事すらなく、軽く伸びをして…玉座に座ったまま、俺のほうを見据えてきた。
…この距離でも、勝手に心臓は高鳴ってしまう。早く決着を付けなければ…
だが、どうする。短剣は奴の皮膚すら引き裂けずに折れてしまった。
この分だと、銃弾ですら通用するかどうか…
『あら、どうしたの?
私を倒しに来たんじゃなかったのかな?
ぼうっと突っ立ってると…』
ヴィアネッタが、屈託の無い笑みを浮かべ、鈴の音のような笑い声を出して。
俺が、瞬きをしたその瞬間に。
『…食べちゃうよ?』
―――俺の視界から、ヴィアネッタは居なくなっていた。
周囲を見渡しても、姿が見えない!?
確かに、恐ろしい程のプレッシャーは此処にあるのに!!
「何処だっ!姿を見せろ!!」
『何処を見てるの?私なら、此処だよ♪』
「…ぁっ!?」
耳元に、ふぅっと吐息がかけられる。
振り返ると、其処には悪戯っぽい笑みを浮かべたヴィアネッタが―――
『取り合えず、抵抗されても面倒だから…大人しくしてもらおうかな』
とん、と細く小さな指が、俺の額に触れる。
…その瞬間、俺の身体はまるで人形になってしまったかのように、動かなくなってしまった。
カクンと、膝は勝手に折れて、その場に座り込んでしまう。
「な…何を、した…っ!?」
『大丈夫、脳をちょっと揺らして身体を麻痺させただけだから…
でも、良かった。そろそろメイドたちに獲物をつれて来るように頼むつもりだったけど、手間が省けたわ』
とん、と身体を床に倒されて、俺は大の字に寝転がされてしまった。
お腹の上に、ヴィアネッタは跨って…柔らかい、お尻や股の感触に、心臓が勝手に高鳴っていく。
『…そういえば、どうして…ううん、これは後で聞けばいっか。
とりあえず…楽しみましょ、お兄ちゃん♪』
「ふ…っ、ざ、ける、な…っ!!」
せめてもの悪あがきに、と。ヴィアネッタの顔に、唾を吐きかける。
一歩間違えれば魅惑されそうな状況だったが、親父の仇に対する憎しみが、怒りが、俺をギリギリのところで繋ぎとめていた。
唾を吐きかけられたヴィアネッタは、表情を変える事無く…否、寧ろ嬉しそうな顔をして、顔にかかった唾を拭った。
『…ふふ、元気なのね、お兄ちゃんは。
私に此処まで近寄られて魅了されてないなんて…ひょっとして、ホモなのかしら?』
「…っ、は…っ、アンタみたいな、ガキに…欲情するわけ、無いだろ…自意識、過剰なんじゃねぇの…?」
俺の悪態にも、全く動じる事すらなく…そして、クス、とヴィアネッタは頬を吊り上げた。
とても、愉しそうに。
『ふぅん…じゃあ、お兄ちゃんがホモなのか、それとも私だから欲情しないのか、我慢してるだけなのか…試してあげるね?』
「…っ!?」
ヴィアネッタが、聞いたことも無い言語…なのかどうかすら怪しい音をあげる。
その瞬間、俺の体が淡く光って…まずい、何か魔法をかけられた!?
「一体何をした!!」
『あはは、心配しないでいいよ。
お兄ちゃんが正直に私の質問に答えて…あと、射精しちゃわなければ、何にもならないから♪』
そういうと、ヴィアネッタは俺のズボンを引きずり下ろして…いきり立ってしまってる、俺の息子に手を触れた。
正直、それだけで少し声が出そうになるが…親父の仇の前で、そんな醜態を曝せるわけが無い。
『じゃあ質問するよ、お兄ちゃん…私におちんちんを握られて、感じてる?』
…感じてる、けど…そんなのバカ正直に言う訳ないじゃないか。
「は…っ、感じてる訳…無い、だ、ろ…っ、ん、ぐぅぅぅっ!!?」
―――嘘を、吐いた瞬間。
頭の中で、下腹部で…熱が、はじけた。
体が、勝手に撥ねる。
お腹の上に、熱が飛散してるのが、わかる…それ、に…まるで、体から、大事な何かが、出てしまってるような…感覚、が…
『あはは、沢山出しちゃってるね♪
さっき魔法かけたのは覚えてるでしょう?
あれでかけたのは制約は三つ…一つは、嘘を吐いたら射精しちゃうっていうのと…もう一つは、射精する度に、肉体が変化しちゃうっていうの♪』
「な…っ、ん、だ、とぉ…っ?」
『ふふ、まだ一回だけだから変化も少しだけど…見てみる?どうなってるのか?』
俺の返事を待たずに、ヴィアネッタは俺の目の前に姿見を浮かび上がらせた。
…そこに映ってたのは、何時もの自分。
なんだ、何も変わってないじゃない、か…?
違った。
確かに、大まかにいえば変わってない。
だが、どこか…俺の身体は、細く…それに、少し、縮んでいるように、見える。
『まあ、もっと射精すれば嫌でもわかると思うよ?
じゃあ次の質問いっちゃうね。
…貴方は、誰に此処への行き方を教えてもらったの?それとも、自力で見つけたの?』
射精したばっかりなのに、ヴィアネッタの指が少し動くだけで、俺の息子はあっと言う間に大きくなってしまった。
…もし、あの指でしごかれたら、どうなってしまうんだろう…と、甘い思考が、俺の頭の中を走る。
ダメだ。この、ままじゃ…!
『だんまりじゃ判らないよ?
…ははーん、ひょっとして、私におちんちんをしごいて欲しいのかなぁ?』
「だ、黙れっ!そんな訳、な…っ、んあああああっ!!!」
咄嗟に、また、嘘を吐いてしまった…っ!!
勝手に体がビクッと跳ねて、また射精して、しまう…っ!!!
2回目なのに、精液は凄く濃いままで…量も、1回目より、多い…っ。
今度は、はっきりわかる…体が…一回り、小さく…それに、筋肉も、落ちて…
『きゃはは、そうなんだ!
お兄ちゃんってば、私みたいな小さな女の子におちんちんをしごかれたいんだ?
ふふふ…すっごい、へ・ん・た・い、なんだね♪』
「う、煩い!!」
また、違うと言いそうになるのを止める。
…否定しちゃ、だめだ…射精、したら…また、体が変化、する…そしたら、もう…逃げるチャンスすら…っ!!
『じゃあ、そんな変態なお兄ちゃんに質問してあげる。
正直に答えたら、ご褒美あげるから、ちゃんと答えてね?』
「…」
ご褒美、という言葉に、思わず唾を飲み込んでしまった。
…ま、まずい、魅了されちゃダメだ!
奴は親父の仇…仇、なんだぞ!?
『おちんちんを、手で扱かれるのと…足で踏まれるの、どっちがいい?』
「な…っ!!」
思わず、また心臓が高鳴ってしまった。
手で扱かれる…のは、さっき、自分が望んでしまった事。
でも、それ以上に…足で、踏まれるというのに…俺は、どきっとしてしまった。
年端も行かない少女に、足で踏まれるなんて、恥ずかしくて…凄く、嫌なはず、なのに…
「…っ、お、俺は…」
『ん、俺は?』
「…ど、どっちも、嫌だ…っ、う、くぁぁぁぁぁっ!!?」
思わず出そうになった言葉を押さえ込んで、悪態をつき…また、無様に射精してしまった。
ダメだ…もし、正直に言ったら…心を、折られたら…もう、為すがままにされてしまう。
でも、嘘をついても…このままじゃ、どんどん体が…っ!?
どくん、どくんと、射精の快感が脳を突く。身体はますます縮み、筋肉はすっかり削げて…
しかしこれは、いつも…たまに、自分でする時のと、あまり変わらない感覚だ。
もし…ヴィアネッタに、してもらえたら…もっと、気持ちいいのかな?
『ふぅん、どっちかはしてほしいんだね?
それとも両方なのかなぁ、答えてよ、お兄ちゃん♪』
「う、ぁ…ぐ…っ」
嘘を吐けば、射精してしまう…本当のことを言っても、射精させられるだけだ。
なら、どうすれば…!?
…どうせ、射精させられるなら…いっそ、ヴィアネッタに、させてもらったほうが…
…っ、俺は今、何を考えて…!!
『ほーらー、ちゃんと答えてよ、お兄ちゃん。
手でシコシコしてもらいたいの?足でフミフミされたいの?それとも両方?』
「お、俺は…」
ヴィアネッタが、俺の顔を、じっと見据える。
…綺麗な、顔…それ以上に、綺麗な瞳から、目が離せなく、なって…
口が勝手に動いて、言葉を紡いでしまう。
否、それすら最早自分の意思なのか。
自分でももう、何が何だかわからなくなり始めていた。
「…手…で…し、て…欲し、い…」
『えー、足じゃないんだ…残念。
まあいいや、じゃあ手でシコシコしてあ・げ・る♪』
「あ…っ、ひ、あああぁぁ…っ!!」
ヴィアネッタが手を動かした瞬間、下半身に甘い痺れが広がっていく。
さっきみたいな射精とは全く違う、甘く、溶けてしまいそうな感じに思わず身体を引きつらせて。
しかし、何故か射精は出来ずに、身体に快感がたまっていって…おか、しく…なるぅ…っ!?
『ふふふ…どう、お兄ちゃん…私にシコシコされると気持ちいいでしょ…?』
「あ、ぁ…っ、き、も…ち、いい…っ!!」
ヴィアネッタから目をそらせない。
違うっていおうとしても、口が勝手に本心を喋ってしまう。
…既に、俺は…ヴィアネッタに、完全に魅了されてしまっていた。
『すっかり正直になったね、お兄ちゃん…ふふ、ねぇ、おちんちんからびゅーって射精したい?』
「…だし…た、いぃ…」
『でも、今びゅーって出したら、お兄ちゃんの体、思いっきり変わっちゃうよ?
それでも良いんだね?』
「あ…っ、あ、あ…」
―――ダメだ、ダメだダメだダメだダメだダメだ!!!
ヴィアネッタのいう通りだ、今射精なんてしたら…本当に、俺は変わってしまう…!
そう、判ってるのに…なんで、俺は…こんな、に…興奮、してるんだよぉ…っ!?
「…い、い…」
『なぁに、お兄ちゃん?
はっきり行ってくれないと判らないよ?』
もう、歯止めが…利か、ない…。
自分のこと、なのに…口が、動いてしまうのが…おさえ、られない…!!
「いい、からぁ…っ、いか、せ、て…しゃせい、させて、くれぇ…っ!!!」
『…あはははっ、いいよ!
じゃあ思いっきり、おちんちんから射精しちゃえっ♪』
ヴィアネッタの指が、尿道口をぐりっとした瞬間に…俺は、真っ白になった。
目の前に浮かんでいる姿見に、びしゃびしゃと、大量の精液がかかっていく…
そして…姿見に映っている、俺の姿は…最早、俺の物ではなくなっていた。
細く、筋肉が無くふっくらと脂肪が薄く付いた腕。
割れていた腹筋は影も形も無くなって。
身体は今では、先程までガキと罵った、ヴィアネッタよりも小さく、なって。
射精する度に、俺は…どんどん、弱弱しくなって、しまって。
…それにすら、快感を感じてしまう、自分がいた。
『あはは、すっかり可愛くなっちゃったね、お兄ちゃん…ううん、もうお兄ちゃん何ていえないね?
ねぇ、ボク…名前は何ていうの?』
小さな子供に子供扱いされる屈辱に、歯軋りする…が、それ以上に、今の俺の中には…もっと、子供扱いされたい、とか…そんな、妙な感覚があった。
まるで、心の底から、ヴィアネッタに服従してしまったかのような…そんな…感覚。
…っ、だめ、だ…こいつ、は…親父の…仇、なんだ…服従なんか、するものか…!!
「…っ、だ、れが…おしえ、る、かぁ…んひぃぃっ!!」
すっかり声も細く…下手すれば女の子とも取られかねないハスキーな声で、反抗して…また、射精してしまう。
これが、本当に最後の一線…これを、越えたら…コイツを殺す機会は、もう…
『へぇ…まだ逆らう気力が残ってたんだ。
―――良いわね、貴方…凄く、良いわ…』
「…っ!?」
目の前で、ヴィアネッタの身体が変貌を遂げていく。
まだ膨らみかけだった胸は一気に膨らみ、平坦だったお尻も豊かに張り、そして…人形のように細かった手足は伸び、妖艶に肉付いて。
腰には均整の取れた括れが出来て、気付けばそこには先ほどまでのあどけない少女の姿は無く。
其処に居たのは、思わず目を奪われてしまうような…女神のような、存在だった。
見るもの全てを惑わせる、妖艶で美しい…淫魔の、女神。
『…ふふ、どうかしら、ボウヤ?
コレが私の本当の姿…本来なら、あの姿のまま貴方を搾りつくしてあげる所何だけど…』
そういいながら、すっかり…もはや少年以下になりかけている俺の身体を抱き上げて、微笑む。
抵抗を試みるが…この細腕の何処にそんな力があるのか。
俺は、まるで身動きが取れなかった。
『…貴方は特別に…私の元で、永遠を歩ませてあげるわ。
それもメイドなんて卑しい存在じゃなく…私の、ペットとしてね』
「メイ、ド…?ペット、だと…ふざけ、るなぁ…っ!」
ペット、という言葉にまた心の内が揺さぶられる…が、何とか持ちこたえる。
事実…俺は、まだその言葉には嫌悪を覚えていた。
おかしな話だが、どうやらまだ人としてのプライドは捨てきれてなかったらしい。
『安心なさいな、ペットと言っても人間が言うような愛玩動物じゃないわ。
私の子供として…そう、ずっと私の元で暮らして貰うようにするだけよ。
この城からはもう決して出さないけど、それ以外の自由ならある程度は与えてあげる。
それに、勘違いしてるようだけど…』
「んぐぅっ!?」
突然ヴィアネッタが、俺の頭を自分の豊満な胸に押し付けてきた。
苦しくて、息を吸うと…甘い、香りが鼻腔を擽る…。
これって、何だか、懐かしい…感じ、が…
『…貴方に拒否権は無いわ。
でも、それがまた良いのよね…ふふ、精々反抗してごらんなさいな…ボウヤ』
「ん…ぐ…っ、ぅ…っ!?」
ヴィアネッタの胸が、まるで意思を持つかのように蠢いて、俺の口の中に乳首が入ってくる!?
逃げようとしても、頭をがっちり捕まれて動けない…!
ま、不味い…離れ、ないと…!!
でも、手を動かしても、柔らかいおっぱいに指が沈むだけで、身動きが…!!
『あらあら、そんなに私のおっぱいがほしいのかしら?
ふふ…じゃあ、沢山飲みなさいな…私の、可愛い子供になるのよ…』
「んーっ、ん…っ、ぅ…!!!」
口の中に、甘くて温かいのが、入ってくる…っ!
だ、めだ…飲んじゃ、ダメだって…わかって、る、のにぃ…身体、が…抵抗、出来ない…
勝手に、口が動いて…どんどん、飲んで、しまうぅ…っ!!
飲んだ、先から…頭も…身体も、熱く、なって…っ、身体…おかしく、なるぅ…っ!?
『今の内に教えてあげるわね?
今貴方が飲んでるのは、私の母乳…今貴方の身体は、これしか飲めなくなるように変わっていっているの。
そして…私の子供に、相応しい身体になっていってるのよ』
心の中でどんなに反抗しても、身体は言う事を聞かずに…どんどん、ヴィアネッタの母乳を飲んでいって、しまう。
身体が、熱い…。
視線を身体の方に移すと…俺の体は、異常な姿に、変化し始めていた。
お尻は膨らみ、腰は括れ、胸も小ぶりながらに少しだけ膨らんで…しかし、股間には大きくなったままの、息子と…握り拳大までに肥大化した、睾丸が…ぶらさがって、いて…
俺の動揺を感じ取ったかのように、息子はびくっと震えて…
『ふふ…そろそろいいかしら。
ほら、見て御覧なさい…貴方の、素敵になった体を…』
「あ…ぅ、ぁ…」
姿見に、体を映されて…俺は、絶句した。
其処に映っていたのは、紛れもない…子供の姿の、ヴィアネッタだったのだ。
母乳で口元を汚し、股間からはいきりたったままの息子と大きすぎる睾丸が有る事、そして…快楽に溺れた表情と女性器がない事を除けば、完全に同一の姿。
『素敵でしょう?
…ふふふ、じゃあ軽くいっちゃいなさい♪』
「ひ…っ、ん、ひゃあああああっ!!?」
ヴィアネッタがそういって…俺の息子に手を添えて、軽く扱いた瞬間…
俺は、一気に果てて…姿見を真っ白に染めてしまうほどに、射精を…して…
自分の、変わり果てた嬌声を聞きながら…意識を、手放してしまった。
『…あら、気絶しちゃったのかしら。
まあ仕方ないわね、この身体の快感を一気に浴びたんだし…』
ヴィアネッタはそういうと、軽く手の平を叩いた。
間を空ける事無く、メイドが玉座の間に入り、恭しく礼をする。
『何か御用でしょうか、ヴィアネッタ様』
『この子の身体を綺麗にしてあげなさい。
その後は、私の部屋で寝かせて置くように。くれぐれも丁重にね』
『畏まりました』
そういうと、メイドは片手で未だに射精を続ける…少年とも少女とも付かない、狩人の残滓を抱え上げた。
…ほんの僅かに、表情を歪めたのは哀れみからか、同情からか。
『…未だに親愛の情が残ってるのかしらね?
ヴィルヘルミナ』
『…何の事だか、存知かねます。
では、失礼いたします、ヴィアネッタ様』
ヴィアネッタに、声の調子を変える事すらなくそう告げ、ヴィルヘルミナと呼ばれたメイドはその場を後にした。
『…ふふ、つくづく面白いものね、人間は』
クスクスと、妖艶な笑みを漏らし―――ヴィアネッタは、再び瞳を閉じる。
次はどうやってあの狩人を苛めようか、と。愉しみに、頬を緩ませながら。
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