夜は明けず




夜、俺はどこかで横になっていた。

どこだろう?冷たいから少なくともベッドの上ではない。

酒で火照った肌には心地よい。

寝返りを打つと、星が視界に入った。どうやら酔いつぶれて道で寝ていたらしい。

このまま寝ていたら死んでしまうだろうか?

(それもありだな…)

三ヶ月前に娘が死に、酒に溺れた俺をおいて女房は出て行った。

もう、生きていてもどうしようもない。

このまま死んでしまおうか?

「おい」

声とともに、視界を影が覆う。

「お前、娘を取り戻したいか?」

白髪混じりの男が、俺を見下ろしていた。





一年後―

片付けを終え、職場を後にする。

「おいカーター、飲み行かねえか?」

「すまんね、酒はもうやめたんだ」

同僚がいつものように挨拶程度に声をかけてきたので、いつものように断った。

家への道を急ぐ。

一年前、娘の死によって、俺は半ば死んでいた。

このまま死んでしまってたら、どれだけ幸せだろうとさえ考えていた。

しかしあの夜出会った男によって、その考えが間違っていることを悟った。

俺には、やるべきことがある。

家を目前にして、俺の足が止まった。

ドアの前に女が立っている。

「…久しぶりだな」

「ええ…」

女は、女房だった。

「あなたがお酒やめた、って聞いて」

「ああ、まあな」

内心の喜びを押さえ込みながら言葉を続ける。

「夕飯食っていくか?」

女は、小さくひとつ頷いた。





半ば廃屋のようになった我が家に、男と一緒に入る。

ひっくり返った椅子を二つ起こして、男に座るように言う。

「そういえば」

俺は椅子に腰掛けつつたずねた。

「名前聞いてなかったな」

「ヘルメス・トリスメギストスだ」

「俺はランドルフ・カーターだ。それで」

男―ヘルメスの目を見ながら続ける。

「娘を、エミリーを生き返らせることができるって話、本当か?」

「正確には、生き返らせるのではなく作り直すといったほうが正しいな」

「頼む、教えてくれ」

「無論だ」

俺の懇願を、ヘルメスはあっけなく受け入れてくれた。

「今晩の宿代代わりにもならんが、教えてやろう」





俺の隣から、小さな寝息が響いてくる。

女は俺のベッドの上で寝ていて、俺は床に毛布一枚で転がっている。

どうやら実家から来たらしく、明日の朝帰るとか言っていた。

完全に女が寝ているのを確認し、身を起こす。

足音を忍ばせてベッド近づき、その下に手を伸ばして羊皮紙を一枚取り出す。

『死者の再生に必要なものは三つだ』

一年前に聞いた、ヘルメスの言葉が浮かび上がる。

『ひとつは要因、死んだという事実だ』

エミリーは死んだ。この一年間ずっとそのことばかり考えていた。

覆しようのない事実。

『ひとつは魂の型、死者の魂の記憶』

エミリーの性格どころか、その一挙一動までがありありと目に浮かぶ。

エミリーのことを忘れるなんて不可能だ。

『そして最後のひとつ』

そう、俺はこの日が来るのを待っていた。

『魂の器たる肉体。死者の肉体がもっとも望ましいが、死者の親類縁者の肉体でもかまわない。例えばそう、死者の母親の肉体とか』

この女、エミリーの母親が来る日を待っていた。

俺は寝息を立てている女の首に手を





『作業』はすぐに終わった。

エミリーを生き返らせるのに必要なものはすべてそろった。

手にしていた羊皮紙を広げる。

『以上のものがすべてそろえば、後は施術だけである

魂の器となる肉体を、下の図を拡大したものの中央に置く』

白墨を使い、床板の上に円と複雑な模様を描く。

明かりはなかった。が、この一年間毎晩練習したおかげで、今では目をつぶっていても描ける。

最後の円を描き終え、白墨を置いて立ち上がる。

ベッドへ向かい、あの女の体―エミリーの魂の器を抱えあげる。

あの女の体というだけでも腹が立つのに、非協力的な重さに、床にたたきつけたくなる。

(落ち着け・・・エミリーの体だ・・・落ち着け・・・)

やっとのことで、円の中央に体を横たえる。

『然る後に施術者は、死者の記憶を思い浮かべつつ、以下の文章を詠唱せよ』

呼吸を整え、羊皮紙に描かれている文字列を読み上げる。

「タウ・エーヘルム ザウ・エーヘルム ワウ・エーヘルム」

エミリーの思い出、手をつないでいった散歩道、ふーふーいいながら食べたシチュー

「ゼウ・エーヘルム エウ・エーヘルム テウ・エーヘルム」

一人じゃ行けないからと俺を起こした夜、今日遊んだことを嬉々と語る声

「ディア・エーヘルム ゾウア・エーヘルム ボルア・エーヘルム」

頭をなでたときの髪の感触、その下で細められたエミリーの目

「オベルオ・エーヘルム コヒリコ・エーヘルム ゾネウゾ・エーヘルム」

柔らかな頬、温かい手のひら、軽く、ほっそりとした体

「ゾネウゾ・コヒリコ・オベルオ・ボルア・ゾウア・ディア」

『おとーさん』と呼ぶ高い声、俺に抱きついてきたときの温もり

「テウ・エウ・ゼウ・ワウ・ザウ・タウ」

髪の香り、話をするときのしぐさ

「エーヘルム・エーヘルム」

ああエミリー、どうか戻ってきてくれ。

「エミリア・カーター ゾウルエル・ウーフテス!」

願いとともに呪文を叫ぶ。

すると、それに応えるかのように光が生じる。

「くっ!?」

あまりのまぶしさに腕をかざし、目をつぶる。

一瞬だけ部屋が照らし出される。

体が光ったのか、床の模様が光ったのか、どちらかはわからないが、とにかく光った。

腕を下ろすと、再び暗くなった室内が目に入る。

「・・・ぉ・・・ん・・・」

何か聞こえた。

ちょうど俺の目の前、体が転がっているあたりだ。

「・・・ぉと・・・さ・・・」

再び声が聞こえた。『おとうさん』といったようにも聞こえた。

あわてて模様の中に入り、体の側にかがんで手を握る。

「エミリー!?」

「おと・・・う・・・さん・・・」

手が握り返され、途切れ途切れの声が耳に届いた。







ランプに火を点し、振り返る。

椅子に腰掛けているのは、紛れもなく俺の娘、エミリア・カーターだった。

服こそあの女が着ていたものそのままだったが、袖やスカートのすそからのぞく細い手足は、完全にエミリーの手足だった。

「お帰り、エミリー」

「・・・」

エミリーはうつろな表情のまま、床を見ているだけであった。

「今まで一人にしてごめんな。これからはお父さんとずっと一緒だ」

「・・・・・・ん・・・」

「ん?」

「ごはん・・・たべたい・・・」

考えてみればそうだ、エミリーはもう一年以上何も食べていない。

「わかった、ちょっと待ってろ。パンでいいか」

がし

エミリーに背を向けると同時に、腰に何かがしがみつく。

「え?」

声とともに見下ろすと、細い腕が二本目に入った。

エミリーの、腕。

「ごはんは、おとうさんの、ここがいい」

すさまじい力で、俺の体が引き倒された。







「一応言っておくが、あくまでもお前の娘は生き返るわけではない」

ヘルメスが一通りの説明の後、口を開いた。

「わかってる、『作り直す』んだろ」

「まあ、それはそうなんだが」

コップに注がれた水を一口のみ、彼は続けた。

「正確に言うと作り直すのは人間ですらないんだよ」

「?」

「すでに活動を停止した体に、そこら辺を浮遊している低級無型淫魔を憑依させて作った人造淫魔。スクブスとも呼ばれる

 本来ならスクブスを作るのは困難だが、死者の再現という場合においては作成が容易だ」

「??」

「スクブスはその存在の維持のため、人間の男性の精液を必要とする。直接性行為を行って与える必要はないが、スクブスは積極的に摂取しようとする」

「???」

「まあ、実際にやってみればわかるだろう。君の努力しだいで以前のようにも、どうにでもなる」







かつて交わした会話がよみがえる。

(こういうことだったのか)

エミリーは俺の両足に馬乗りになって、俺のズボンに手をかけている。

「やめろ、エミリー!」

俺の声にエミリーの動きが止まる。

「おとうさんは、あたしのこときらいなの?」

「え?」

唐突な問いに戸惑う。

「あたしは、こうしないといきていけないの」

ズボンに手をかけたままエミリーは続ける。

「おとこのひとのならだれでもいいけど、あたしはおとうさんがいいの」

エミリーがまっすぐに俺を見つめる。

「おとうさんは、だめ?」

もうエミリーを失いたくない。

エミリーを失わずにすむのなら何だってしよう。

俺はその思いを胸に答えた。

「・・・いいよ」

「ほんと?ありがと!」

エミリーは一気にズボンを引き摺り下ろした。

下着から俺のペニスが取り出される。

「いただきまーす」

俺のペニスがエミリーの小さな口の中へ入っていった。

柔らかく、温かな粘膜にペニスが包まれた。

「んっ・・・む・・・」

声とともに舌をペニスに巻きつける。

ただ咥えて、舌を巻きつけているだけの稚拙なフェラチオだ。

しかし、実の娘が俺のペニスを加えているという事実が俺の興奮を高めていく。

「くっ・・・エミリー・・・出る・・・」

うめきとともに腰が跳ね、厚いものが尿道を駆け上っていく。

「ん・・・ん・・・」

エミリーは上半身を起こし、手のひらへ口の中のものを吐き出した。

「あはは、おとうさんみて、こんなにきいろくてどろどろだよー」

確かにそうだった。

思い返してみれば、この一年間、エミリーの母親を待つのに精一杯でオナニーなんかしている暇はなかった。

「さ、エミリー、もういいだろう」

手のひらの精液をすすり、舐め取る娘に声をかける。

「えー、まだおなかいっぱいじゃないよ」

エミリーは姿勢を変え、スカートのすそを捲り上げながら続けた。

「ここにおとうさんのちょうだい」

色気のないあの女の下着に、小さく濡れたしみが広がっている。

ひざ立ちになり、下着を下ろす。

糸を引きながら下着が離れていって、薄く毛の生えた筋があらわになった。

「・・・」

俺は考えていた。

ここで娘と交わってしまっては、さすがにまずい。

でも、このままだとエミリーがまた死ぬ。

「・・・わかった」

しばしの逡巡の後、俺は答えた。

「いいぞ、こい」

「ありがと!おとうさん!」

エミリーは笑顔で腰の位置を調整し、狙いを定める。

「それじゃ、いただきまーす」

エミリーの筋が、大きく開く。

赤く、愛液にぬめっててらてらと光を反射する肉が、エミリーのまたの間からのぞいた。

腰が一気に下ろされ、俺のペニスが赤い肉の中にうずもれる。

「うあ、ああああ」

思わず声が漏れるほどエミリーの内部は、狭く、柔らかで、温かかった。

あの女の中に似ているかと思っていたが、まったく違う。

あの女、いや今までに寝てきた女よりもはるかにいい。

うっかり気を抜けばすぐにでもイってしまいそうだ。

「じゃあおとうさん、『動かす』ね」

エミリーの中がさらに狭まる。

肉の襞がペニスを締め付け、小さく上下に動く。

裏筋を撫で、カリ首をなぞり、鈴口に軽く触れる。

「あああああああ!」

ついさっき出したばかりだというのに、俺はまた射精していた。

エミリーの膣は、俺が射精し始めるなり精液をを吸い上げる様に蠕動する。

「またいっぱいでたね、おとうさん」

膣の蠕動をやめて、エミリーが俺に声をかける。

「もう・・・いいだろ・・・」

「やだ、もっと」

息も絶え絶えになった俺の上で、エミリーが動き出す。

床に膝をつき、全身を上下に揺らす。

締め付けと、蠕動と、動きに再びペニスに血が集まっていく。

「あれ?」

エミリーが動きを止めて疑問の声を上げる。

「あんまりかたくなっていないよ」

それもそうだ。

俺も年だし、二回も出せばいい加減立たなくなる。

「もうお父さんは疲れたよ・・・今日はもう終わりだ・・・」

「まだおなかすいてるのに・・・あ、そうだ」

エミリーは手を打ち、声を上げる。

「あたしがちいさいから、おっきくならないんだね」

そう言うなり両手で胸を掴み、揉みしだき始めた。

薄い胸が見る見るうちに膨れ上がっていく。

それにあわせるかのように、手も足も、つまりは全身が大きくなっていく。

そして、俺の上にまたがっていたのは、もはやエミリーではなかった。

手に余るほどの乳房、くびれた胴、すらりと長い手足、きめ細かい白い肌。

そして、エミリーの面影を残した顔。

そこにいたのは一人の『女』だった。

「これでどう?お父さん?」

透き通るような高い声が、俺に問いかける。

女は顔にたれた前髪をかき上げた。

「お前は・・・」

「これがあたし、大きくなったあたし」

じゅぶ・・・

俺のペニスを咥えたままの膣が音を立てる。

「これならもっとできるでしょ?お父さん」

エミリーは俺の手を掴んで、胸に導いた。

柔らかく、すべすべとした肌に包まれた胸。

俺の指を拒むことなく、優しく受け止めている。

(エミリーの胸・・・)

大きく育った娘の胸。

指を胸から離し、彼女の肩から腕、そして脚へと動かしていく。

柔らかく、それでいて大理石か何かのように滑らかな肌。

(これは、誰のものになるんだ・・・?)

ふと疑問が浮かぶ。

(これからできるはずの恋人や、夫のもの?)

浮かび上がった当然の答えに首を振る。

こんな美しいものが、誰かのものになるなんて・・・

(これは、俺のものだ・・・!)

エミリーの腰を掴み、つながったまま強引にひっくり返す。

「きゃ」

エミリーが声を上げるが、気にせず肩を掴み腰を動かす。

十分に元気を取り戻したペニスを、膣の奥深くへと突き入れる。

エミリーの膣はペニスを締め付けてくるが、さっきまでに比べればはるかにゆるい。

俺の頬に手が当てられる。

「やっとやる気になったわね、お父さん」

言葉と同時に膣がうごめいた。

膣の肉がペニスに絡みつき、襞が纏わりつく。

突然の動きに俺は腰を引こうとしたが、エミリーの両脚が腰に巻きつき動きを抑える。

「もう、逃げちゃだめ」

両腕を伸ばし、俺の肩を抱き寄せる。

「これで、あたしはお父さんのもの」

膣がぐちゃぐちゃとペニスをしゃぶるように蠢く。

「ずっと、ずっと、お父さんのもの」

「俺の・・・もの・・・」

ペニスへの快感に脳がしびれ、エミリーのささやきを繰り返す。

「俺の、エミリー」

俺の腰が無意識のうちに動き、エミリーの膣がねっとりと責めたてる。

「お父さん」

「エミリー」「お父さん」

「エミリー」「お父さん」

互いに呼び合い、互いに腰を動かす。

そして、俺の限界が訪れた。

「エミリー!」「お父さん!」

大きく声を上げ、エミリーを抱きしめる。

腰の奥から熱いものが尿道を通じ、エミリーの膣内へほとばしっていった。

「はぁ・・・はぁ・・・」

「ねぇお父さん」

エミリーが域の上がった俺を見ながら続けた。

「もう一回、しよ」







どれほど経ったのだろうか。

窓の外は暗く、夜のままだ。

エミリーはこの部屋だけを切り取ったと言っていたが、俺にはわからない。

エミリーと俺は、幾度と泣く体位を変えながら交わっていた。

エミリーは大きくなったり、元に戻ったりと姿を変えながら俺を楽しませている。

俺に跨ったエミリーの膣がペニスにねっとりと絡みつき、また射精する。

「いっぱい出たね」

エミリーが笑みを浮かべ、今度は上下を入れ替える。

俺は、幸せだ。

愛しい娘と、一緒にいられる。

これ以上の幸せがあるだろうか?

膣がペニスを締め上げ、精液を吐き出させる。

ああ願わくば、今夜が永遠に続きますように。





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