妖女



「私の人形!返してよ!」

女の子は男の子に怒っていた。

「嫌だね!」

男の子は女の子の人形をまるで戦利品のように掲げていた。

すると男の子が掲げていた人形を若い女が奪った。

女は線が細く、白装束の着物を着て長い髪をしていた。

「うわああ、お化け!?」

男の子は突然、音も無く現れた女に驚愕した。

女の子も同様に驚いていたが悲鳴は上げず女を凝視していた。

「小僧、失礼だな。」

女は人形を女の子に返しながら文句を言った。

「あ、ありがとう。」

女の子は怯えながらも女にお礼を言った。

「お前ら、西野村の子供か?」

「西野村?、村じゃないよ、西野地区だよ。」

「タカシ君、昔、ここら辺は村だったのよ。」

「へえ〜、キョウコは物知りだな。」

女はタカシとキョウコのやりとりを聞きながら困っていた。

「うむ、お主らの服装から見てだいぶ時代が変わったと思ったが村は無いのか。」

「お姉さんはどこから来たの?」

「神社じゃ。」

タカシが神社と聞くと少し考え反応した。

「神社?あそこは数日前の大雨で発生した地滑りで潰れたんじゃねえか?」

「うむ、そのせいで封印が解かれたのだ。」

女はそう言うとしまったと言う顔をした。

しかしタカシとキョウコは不思議そうに女を見ていた。

女は二人が理解してないと思い安心した。

「そんな事よりタカシとやら。」

女はタカシに近づきタカシの身長に合わせるようにしゃがんだ。

「お主、キョウコが好きだからキョウコをいじめてたのだろう?」

「な!何、言ってんだ!」

女はタカシの分かりやすい反応にクスクスと笑った。

キョウコの方はただただ驚いていた。

「でもお姉さん、タカシ君、私にいつも嫌がらせするのよ。」

「そうやってタカシはお前の気を引こうとしているんだ。」

「違う!誰がこんなブスが好きなもんか!」

タカシが顔を真っ赤に反論した。

「ヒドイ!」

キョウコが怒り出す。

女はやれやれと言った風に今にも喧嘩しそうな二人に割り込んだ。

「私がタカシを正直者にしてやろう。」

女はそう言うとタカシに手をかざす。

するとタカシが着ていた服が消えた。

「きゃあああ。」

全裸になったタカシを見てキョウコが顔を手で隠しながら悲鳴を上げた。

それによりタカシは自分が全裸であると気づいた。

「何だ!?マジックか?手品か?」

「ど、どっちも同じ意味よ!」

「ふふふふ、キョウコ、結構、余裕あるな。」

パニックになるタカシ。

手で顔を隠しながらも興味有りげにじろじろと見るキョウコ。

女はそんな二人を愉快そうに見ていた。

しばらくすると女はタカシに近付きタカシに口づけをする。

キョウコはその光景に釘付けになる。

「ん、ふあああ。」

女の口づけが終わるとタカシは立っていられなくなり崩れ落ちた。

「タカシ君、大丈夫!?」

「うふふふ、安心しろ、キョウコ、ちょっとタカシに術を掛けただけだ。」

タカシはまるで熱病に罹ったように顔を上気させ虚ろな目をしていた。

女の手がタカシの背を軽く触れた。

「ひゃあ!」

タカシは奇声を上げ、タカシの身体は大きく震えた。

「うふふふ、タカシの感覚を敏感にしてやった。」

女は面白そうに笑う。

キョウコは心配そうな顔をしてどうしていいのか分からずそわそわしていた。

「大丈夫、素直にするためのおまじないだ。」

女はそう言いながらタカシの身体の至る所を手で軽く触れる。

「ん・・・ひぁ・・・うふぅ・・・」

タカシは身体をくねくねさせて女の手から逃れようとするが上手くいかない。

「身体が言う事を聞かないだろう、身体に力が入らないようにしたからな。」

女は悪戯っ子のような顔をしてタカシが悶える様を見ていた。

キョウコはまるで猫が瀕死の鼠をいたぶって遊んでいるようだと感じた。

「ほれほれ、タカシ、キョウコが好きなんだろう?」

「あふぅぅ・・・やめ・・・やめて・・・」

「答えたら止めてやるぞ。」

「あふん・・・好き・・・キョウコが好き・・・」

女はタカシの答えを聞いて満足してくすぐり攻撃を止めた。

「キョウコ、これで分かっただろうタカシはお前の事が好きでいじめていたのだ。」

「うん、良く分かった!好きな子が困ってる顔って素敵!」

「・・・へえ?」

女はキョウコの予想外の答えに呆然とした。

キョウコはタカシに近付くとタカシの股間を覗き込んだ。

「やだ、タカシ、お姉さんに身体触られただけで勃ったの?」

キョウコは嘲笑するようにタカシに話かけた。

「いやあ・・・言わないで。」

「何?恥ずかしいの?」

するとキョウコはタカシのペニスを掴んだ。

「あぁ・・・。」

「触られただけで悶えちゃうもんね、一番敏感なとこ弄られたどうなるかしら。」

キョウコは手加減無しでタカシのペニスをしごき出した。

「んあああ・・・くうぅ・・・」

タカシは耐え切れず射精した。

キョウコは笑いながら射精するタカシのペニスをしごき続けた。

「うふふふ、もう出ちゃったね、でも止めないよ。」

「あああ・・・やめてええ・・・」

キョウコはペニスから手を離す。

「あ・・・」

タカシは口惜しそうな声を漏らす。

「どうしたの?止めて欲しいんでしょ?」

「あああ・・・お願い続けて・・・。」

「うふふふふ。」

女はキョウコの豹変ぶりに呆然とした。

「まるで妖女だ・・・。」

女はそう呟いた。

―END―



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