あぁ、溶けちゃう


 

第1章 千春のコート


 昼休みが終わり、音楽部の部室から部員達が教室に戻って行く。だが健一は最後の1人となっても部室を出ようとしなかった。

 今年、健一はK県立M高校に入学し、すぐに音楽部に入りそこで白石千春に出会った。3年生の千春は整った貴族的な顔立ち、上品だけとちょっと冷たい感じのするいわゆるお嬢様タイプ。副部長でもあり、クラブの女王様的存在だった。そんな千春は健一の憧れであった。

 その年の11月、健一は部室に千春がコート置いていくのに気がついた。朝、登校すると部室に不用な私物やコートを置いていく人が多く、引退した3年生も朝、立ち寄って行ったりする。その時すでに健一は”千春さんに触れたい。持ち物でもいい。この手に千春さんを感じたい”という思いが押さえきれなくなっていた。このコートに目をつけた健一は早速、午後の授業ををさぼることにした。

 幸いその日は誰も5時限目をさぼらないようだった。チャイムが鳴り、しばらく誰も来ないのを確かめ、コートを手に取った。ごく普通の紺色の通学用コート、だが健一にとっては千春の肌の延長にも思える。 たたんだままのコートに顔を押し付ける。顔で、手でコートの感触を味わう。さらに頭から被り大きく息を吸い込むと、千春の匂いと顔に貼り付くつるつるの裏地の感触で頭が痺れたようになった。

  すでに健一のペニスはすっかり大きくなっている。椅子に座るとズボンとパンツを下ろしペニスをコートの裾で包み、しごき始めた。コートにくるまれ、いま千春先輩に包まれてるという思いで、あっという間に絶頂をむかえようとした時、突然、部室のドアが開いた。

「えっ?、誰?、何してるの?」

忘れ物を取りに戻った千春だった。どうにも誤魔化しようのない姿を見つけられ、言葉が出てこない健一。

「あっ、う、あの、うぅ、・・・」
「松田君?あっ、やだ。それ私のコートじゃない?何してるのよ!!」
「あの、あの、・・・す、すみません。」
「もうっ、変態っ!」
「ごめんなさい。つい。すみません。すみません。」

 最悪の状況に混乱し必死に謝りつつも、健一のペニスは相変わらず大きくなったまま千春のコートを被りテントのようになっている。千春はそれを見つけると蔑むように健一を見下ろし

「ふ〜ん。はじめて見たわ、こんなの。面白いじゃない。ねぇ、目の前でやってみてよ。最後まで見せてくれない?」
「え?そ、そんな、無理です。勘弁してください。」
「駄目よ!こんなことみんなに知られたくないでしょ?私の言うとおりにすれば許してあげてもいいわ。ほらっ、早く。」
「・・・」
 とんでもない展開にとまどい、もじもじするだけの健一に
「どうしたの?できないの?」
「いえ・・、でも・・」
「それなら私が手伝ってあげるわ。」
「えぇっ!な、何を?」
 
 驚き、あわてる健一の手から千春はコートを取り上げた。そして、再び健一の体をそれで覆い、首の後ろでボタンを1つ留めた。後ろ前にコートを着せられ、照る照る坊主のようになって椅子に座る健一。千春はその横にしゃがむと片手でコートの上からペニスを握り、さらに玉袋ををもう一方の手で包み込むようにして弄び始めた。

 健一の心に恥ずかしさよりも快感への期待が大きく膨らみ始め、ペニスもさらに怒張し始めた。乱暴に、まるで揉みつぶすように弄りまわされながらも、千春のコートに包まれた健一のモノは熱くなり続けていく。

「へぇ、ずいぶん硬くなるのね。どう?気持ちいいの?どんな感じ?」
「はぁはぁ、あぁ、いいです。と、とっても。もう、溶けそうです。う、うぅ、と、溶けちゃう。千春先輩のコートの中で溶かされてしまいそうです。」
「ふふっ、松田君を本当に溶かしちゃおうかしら?悪戯したんだからお仕置きされるのは当然よね。」
「えっ?」
「そうねぇ、肉も骨もみ〜んなどろどろの精液にされて搾り尽くされるのなんてどう? 君みたいな変態君のお仕置きにちょうどいいと思わない? あ、逆にご褒美になっちゃうのかな?」
「そ、そんなこと」

 千春は健一の返事も聞かず、コートで包んだ健一のモノをこねくり回しながら、一人納得したように

「うん、そうよ、それがいいわよ、ねぇ松田君。跡形もなくどろどろに溶かしてあげるわ。」

 と、千春の言葉に反応するように、健一の体の中で快感が爆発した。とたんに健一はびくびくと体を痙攣させながら射精しはじめた。まるで内臓が吸いだされるような感覚とともに大量の精液が溢れ出る。

どびゅ〜、どっどっ、どびゅ、どびゅ
「あ〜っ、あっあっ、う〜っ、う、う、と、止まらないっ!た、助けてっ!」

どく、どく、どく、どっ、どっ・・・
 コートの中でどろどろ、ぐちよぐちょに精液にまみれながら千春の手が動くたびに止むことなく精を放ち続ける健一のペニス。

「ほ〜ら、まだまだ出るわよ。もっともっとどろどろにしてあげる。」

 内臓が、骨が、肉が一緒くたになってどろどろに溶け、ペニスから流れ出ていく。

「やめて、や、やめて、溶けるぅ。」
「さぁ、溶けておしまいっ!」
「あぁ、と、溶けちゃう、た、たすけ・・た」

 強烈な快感に悲鳴を上げながら悶え、射精し続ける。やがて健一の体が萎み始め、沈むように千春のコートに埋没していく。そしてコートの中で体とともに健一の意識も溶けていった。

 6限終了のチャイムに健一は意識を取り戻した。ピアノの上に千春のコートを抱きしめて突っ伏していた。
“えっ?ゆ、夢?”
 夢にしては妙に生々しい感覚がまだ下半身に残っている。体を起こすとコートの下に紙が見えた。

“クリーニングしといて。それから、今度の日曜日私の家に来ること!”

とだけ書かれていた。コートの裾の裏側にはべっとりとしみがついていた。
“メモが残されているのだから千春さんがこのことを知っていることだけは確かだよな。一体、何だったんだ? 暗示?催眠術か?? どうして?。”
 健一は混乱していたが、自分はもう千春の奴隷であることだけは理解していた。



第2章 美由紀のスカート


 ピンポーン
 ドアチャイムの音で昼寝から目が覚めた。この部屋で、俺はもう十日もドッグフードと水だけですごしている。閉じ込められているわけではない。今もドアは開いているのだが、逃げ出すことはできないでいるのだ。

“あ〜、何でこんな事になっちゃったんだろうな。”

 10日前、サークル仲間で学園祭の打ち上げコンパをしている時のことだった。たっぷりアルコールの入った後に始まった王様ゲームは、もう最初から“お下劣モード”だった。

「王様だ〜れだ」
「あたしぃ。え〜とぉ、5番が8番の足にキス!!」
「ほ〜ほっほっ、女王様は私よ、さぁ靴をお舐めっ!」
「げぇー、美由紀かよ、お前じゃマジ洒落になんねぇよ。もうそのまんまじゃん。はまりすぎだよ。」
「木村ぁ、早くしろ!」「冗談じゃねぇよ、唾かけてやる。ぺっぺっ!」「もうっ、何するのよ!」「うるせぇ」ガチャン「キャー」「やだ、冷たい!」「ワッハッハッハ」・・・・

 やがて、コンパも終わり、ふらふらになって店を出た時、俺は後ろから美由紀に声をかけられた。

「木村君」
「ん?」
「女王様の言うことがきけない悪い子は、お仕置きが必要なんじゃない?」
「へ?、なに馬鹿なこと言ってんだよ」
「ふふっ、私がたっぷり教育してあげるわ。」

 と、美由紀は手に持った黒いストールを俺の頭から被せてきた。

「うわっ、何?」
 
 顔を覆うストールを払いのけるまもなく、香水のような甘い香りを吸い込んだとたんに体の力が抜け、俺は意識を失った。そして、気がつくと俺は美由紀の部屋で飼われていたのだ。

 ピンポン・ピンポーン
 日曜の午後、健一は千春に命じられたとおり家を訪ねた。
「は〜い」カチャッ
 玄関を開けたのは千春の姉、美由紀だった。美由紀は音大の4年生、M高校音楽部のOBでもあり、音楽部では美人姉妹として知らないものはいなかった。白いセーターに膝下まであるスェードのフレアスカート、千春によく似ているがずっと大人の女性に見える。

「M高音楽部の松田といいます。千春先輩はいらっしゃいますか?」
「あら、あなたが千春の新しい彼氏ね、聞いてるわ。」

 奥から出てきた千春が口を挟む。

「ちょっとっ、姉さん違うわよ。彼氏じゃなくて、新しいおもちゃよ。“お、も、ちゃ”!」
「いいじゃない、どっちでも。さぁ、どうぞ上がって。」
「あの、千春先輩。コートのクリーニングまだ出来上がってないんです。すいません。」
「え〜っ。ねぇ、また変なことしてるんじゃないんでしょうね。」

 図星だった。あの日の夜、家で、“もう一度だけ。明日にはクリーニングに出そう”とつい、やってしまったのだ。そしてやはりコートの中で健一は“溶けた”。昨日まで3日間“明日こそはクリーニングに”と思いつつも、毎日、千春のコートに“溶かされている”のだ。もちろん健一は、千春への想いと強い快感による妄想か錯覚だと思っている。しかし、そんなことが現実である訳はないとは思うものの、自分の体がどろどろと溶けていく感覚の生々しさに、本当に溶けてしまうのではという不安を感じ始めてもいた。

「い、いえ。そんなこと無いです。」
「ふ〜ん、本当?大丈夫?あんまり何回もしてると、元に戻らなくなっちゃうわよ〜。」
「えっ?」
「やっぱり、悪戯してるんでしょ?もうっ!またお仕置きね!今日は美由紀姉さんにコート貸してあげるはずだったのに。」
「あら、持ってこなかったんだ。残念、今日は私もやってみたかったのに。」
「そ、そんな・・・」
「じゃぁ、今日は姉さんにお仕置きしてもらおうかしら?」
「ふふ、たっぷりしてあげるわよ〜。でもその前に、面白いもの見せてあげる。ふふふ」
「あ、あの、お仕置きって、また、・・、」
「ほら、早く入って。今日は松田君に見せたいものがあるのよ。」

 美由紀にも“あんなこと”をしてもらえるのかという期待に、松田の股間が早くも膨らみ始めた。

「こっちよ。」
 案内されたのは美由紀のピアノ練習室だった。中央にグランドピアノ、厚い絨緞、2重サッシの窓には濃茶のベルベットのカーテンがかかっている。かすかな甘い香りは美由紀の香水だろうか。まるで粘液のように重たくねっとりした空気が充満している部屋だった。

「そのソファに座って見ていて」

 健一がソファに座ると美由紀が部屋の隅に蹲る犬に向かい、声をかけた。

「木村君、おいで」

 美由紀と千春がやってきた。知らない男と一緒だ。あいつも俺みたいに、この魔女のような姉妹に弄ばれるんだろうか?俺はこの10日間ですっかり“舐め犬”として調教されてしまった。何か催眠術みたいなものなんだろう、俺には自分が“犬”にしか思えない。口を開いても言葉にならず、吠えているだけなのだ。そして、繰り返される犬としての調教。俺は何度も死にそうな目にあいながら、そろそろお仕置きとご褒美の区別が怪しくなり始めてる。俺は美由紀の姿を見ると条件反射のように、よろよろと近づき、足を舐め始めた。

「ずいぶん上手になったわよね。そろそろ、戻してあげようかな〜?」
「ワン?、ワワワワン、グルゥ、ゥゥ、ワンワン!(本当か?は、早くもどしてくれ、頼む!)」
「あら〜、せっかく私がずーっと飼ってあげようと思ってたのに。」
「ワワワン、アゥアゥ(や、やめてくれ!助けて!)」
「ふふ、元に戻っても、もう木村君は私の奴隷よ。分かってる?」
「ワワン、ワワン、ワワワワン(分かった!何でもする!)」

 美由紀が俺の背中を2度3度となでると体が痙攣し、膨張を始めたように思えた。そして間もなく“犬”から開放され“人間”に戻った俺の目の前に美由紀が足をさしだした。

 健一には美由紀が犬に向かって言っている言葉の意味がよく解らなかった。さらに、木村と呼ばれた犬が苦しみだしたと思うと、瞬く間に人の姿に変わっていくさまを見て、健一は千春に、

「??。な、何ですか?いったいこれは?」
「あの人もう10日間も苛められてるのよ。何をしたのか知らないけど、美由紀姉さんを怒らせちゃったのね。姉さんは怖いわよ〜。ふふ、松田君もお仕置き楽しみにしててね。」

 その木村という男は足の先から舐め始め、美由紀にすがりつくように、くるぶしからふくらはぎ、ひざへと丹念に舐め続けていく。さらにスカートの中に頭を突っ込み、パンティを引きずりおろすと、太腿から股間へと舌を這わせて行った。

「うぅん、そうよ、とても上手になったわ。あぁ〜ん」

 木村を飲み込んで大きく膨らんでいるスカートを押さえながら、美由紀は立ったままで身をよじっている。

 美由紀の秘所から溢れ出る粘液が木村の顔を濡らし、やがて首から胸、腹、さらに腿へと垂れていく。
“舐めるだけで、美由紀の愛液に触れただけでこんなに快感だなんて。俺はすっかり舐め犬になっちまったのか?”
 粘液が体を伝い落ちるたび、その部分の皮膚から全身に痺れるような快感が走り、すでに木村のペニスははちきれそうになっている。
“あぁ、いきそうだ。く、くそっ。あぁ俺はやっぱり美由紀のM奴隷なのかよ〜。で、でも、たまらない!! くそ〜っ”
 だんだん美由紀の息も荒くなってきた。じゅくじゅくと湧き出し続ける粘液に木村も美由紀の足もスカートもべとべとになってきた。

「はぁ、はぁ、・・・いいわ。あっ、あっ・・・、だ、だめよ、もうだめ。や、やめて、ねぇ、・・・もう溶けちゃう。あぁん、いくぅ。」

 スカートの中で美由紀の陰部を見上げるようにして舌でねぶり続けていた木村だったが、美由紀の喘ぎが強くなってくると今までの屈辱が突然よみがえってきた。
“これからもずっと美由紀の奴隷だと?くそっ、嬉しいんだか悲しいんだ分からねぇや。よし、今度は俺が美由紀を調教してやる。”

「こらっ、美由紀っ。さんざん俺をなぶりやがって。よくも10日も臭い足やマンコを舐めさせてくれたな。こうしてやる。」

ハグハグッ、レロレロレロレロ、ビチャビチャ、グチュグチュ

「あぁ〜、・・溶けちゃう・・・もうだめよ、・・あぁ・・だめ」
「よ〜し、本当のご主人様がどっちか教えてやる!俺が美由紀をとろかしてやる!」

グチュグチュ、ピチャピチャ、ングッングッ

「あぁ〜ん、・・・だめ・・早くやめないと・・あぁ・・本当に溶けちゃう〜。」
「ふん、今度は俺の番だ。しっかり俺のをしゃぶってもらうぜ。」

 体に纏わりつくスカートをやっと捲り上げ、粘液まみれになった木村が顔を出した時、それまでのあえぎ声がうそのように冷たい声で美由紀が言った。

「なに勘違いしてるの? 奴隷だっていう約束、忘れちゃったの?」
「へっ?」
「それに、溶けちゃうのはあなたの方なのに。ばかねぇ。」

 突然、怒張しきっていたペニスから精液が噴き出した。いや、健一のときのように溶けた内臓が、射精のようにあふれ出てきているのだ。さらに粘液に濡れた体がろうそくのように溶けながら滴り落ちていく。

「ひっ!えっ?何?あっ、あ、あれ?」

 座り込んだ木村の下の絨毯にたちまち染みが広がってきた。

「ひっ、ひーっ!と、溶けてるっ!!か、体が!な、何で?えっ???。」
「ふふっ、溶け始めちゃったみたいね。」
「お、おいっ!美由紀!!俺に何をしたんだ!!」
「女王様にそんなこと言うようじゃ奴隷失格ね。せっかく人間に戻してあげたのにまた犬になりたい?。それともこのまま溶かされたい?」
「な、なに?そんな馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ!溶けるなんて嘘だろ?おいっ!」
「嘘じゃないわよ〜。試してみる?ふふ、木村君、本当は溶かされたいんじゃないの?」 

 美由紀がスカートの裾をつまみ、大きく持ち上げた。露になった美由紀の下半身もスカートも大量の粘液でぬらぬらと光っている。

「ほ〜ら、またこのスカートで包んであげる。」
「や、やめろっ、あ、あっ。」
「もう逃げられないわよ。ふふふっ、包まれたらどろどろに溶けちゃうのよ〜。」

“ベチョッ”と濡れた音をを立ててスカートが再び木村を包み込む。

「うわ、た、たすけて、あ、あぁ〜・・・ひ〜っ」

 木村は溶かされてしまう恐怖と快感に悲鳴を上げ、逃げ出そうともがき続けるが、粘液にまみれたスカートが腕に絡みつき、ますます身動きが取れなくなってきた。美由紀の熱く濡れた股間を押し付けられた顔が、鼻が、唇が溶け崩れていく。

「どう?溶かされちゃう気分は?とろけそうな快感でしょ?本当に溶けちゃうんですものねぇ。」
「あ〜、溶けるぅ〜。あぁ〜・・・い、いく〜っ。」

 ドクドク、ドビュッビュッー、ドッドッとペニスがポンプのように木村の体を汲み出し続けている。

「ひぃーっ、止まらないっ、やめろ〜、あぁ〜、溶けちゃう〜」
「そうよ〜、このままどろどろに溶けていくのよ。気持ちいいでしょう?ねぇ、骨まで溶けちゃいそうでしょ?ふふふふふ。」
「あぁ、そんな、やめてくれぇ、うわっ、あぁ、あっ・・・うぅ、た、助けて、溶ける、・・・あぁ溶け・・ひぃ〜っ」

 美由紀の足元にどろどろの水溜りができてきた。

「たすけて・・・溶け・・だず・・・と・・・と・・・・ぐぶ・・ぐぅぶ・・う・・ぶ・・・」
「あら〜、木村君たらもうこんなにどろどろになっちゃって。ふふふ、何もかも吸い取ってあげるわね。」

 美由紀はスカートの中で悶え続ける木村の頭を股間に押さえ込み、それを揉み潰すかのように身をよじらせ、ゆっくりとしゃがんでいった。ブチュブチュ、ジュルジュルジュルッ、ジュルジュルッと音を立てて、木村が吸い取られていく。やがて絨毯の上にペタリと座り込んだ美由紀が「ふぅ〜っ」とため息をついた。美由紀の周りにはスカートが巨大な花を開いたように円く広がっていた。

「・・・」
 健一は言葉もなく美由紀の“お仕置き”を見つめていた。美由紀に溶かされていった男に自分の姿が重なる。それでも“いや、これもきっとトリックだよ。そ、そうだよ、マジックだ。ぜったい。本当に溶かしちゃうなんて、そんなこと・・・。”と、この光景を健一の理性は肯定しようとしない。もっとも、健一のペニスは爆発寸前まで勃起し、美由紀のお仕置きを待ち望むように、ピクピクと震えていた。

「どう? 面白かった?」
「あ、あの、千春先輩。ま、まさかあの人、本当に溶けちゃったんじゃないですよね? 何か仕掛けがあるんですよね? 人間が溶けちゃうなんて、こんなことがあるはずが・・・」
「ふふふ、松田君自身で確かめてみたら? ほら、さっき美由紀姉さんがお仕置きしてくれるっていってたじゃない。次は松田君の番なんだから。でも、ほんとに溶けちゃうかもね。」
「ま、まさか、そんな・・・」
「さぁ、松田君、いらっしゃい。君もスカートの中でどろどろにしちゃうわよ〜。」

いつの間にか立ち上がった美由紀が健一を呼んだ。

「あ、あっ、・・・」

 もう健一の理性は動き出す体を止められなかった。ふらふらと美由紀の前に進むと、ひざまずいて美由紀にすがりつく。柔らかなスェードのスカートの粘膜のような感触に包まれたとたん、健一のペニスは早くも射精を始めていた。美由紀がスカートを捲くり上げ、健一の頭から被せてきた。

「ふふ、私の中で溶かしてあ、げ、る。」
「ひ、ひ〜ぃっ・・・あぁ、溶けちゃぅ〜。」

 美由紀の中で溶け始めた健一には、これが現実であろうとなかろうと、もうどうでもよかった。ただ、ひたすら快感に悶え狂い、美由紀にとろかされていくのだった。



第3章 陽子のマント


 2月最後の日曜日の午後、健一は白石家のリビングにいた。どういう訳か千春に気に入られ、昨年11月以来、ほとんどの週末をここで過ごしている。もちろん千春の“おもちゃ”としだが、すでに学校では千春の年下の恋人と噂され始め、千春もまたそれを面白がっているようなのだ。

「ただいま」
「あ、ママ、おかえりなさい。あれ?夜もパーティじゃなかったっけ?」

 千春の母の陽子だった。陽子は夫の遺した不動産会社に飲食店、エステサロンなどいくつもの会社を経営している。今日は業者団体のパーティが昼と夜に重なり、昼前に秘書兼運転手の清水と出かけていたのだ。

「スーツを汚しちゃったのよ。着替えてから出かけるわ。あら、松田君いらっしゃい。」
「こんにちわ、お邪魔してます。」
「お嬢さん、こんにちわ」
「清水さんもたいへんねぇ。日曜までママに付き合わされて。」
「いえ、陽子社長のお供が僕の仕事ですから。」

 今年29になる清水は入社3年目に秘書となった。それからまもなく陽子の愛人をも“兼務”するようにもなり、もう4年半がたっていた。

「そうだ、門のところの防犯カメラ動いてないみたいなのよ。千春、みておいてくれない?」
「えぇ、いいわよ。」
「清水クン、コートと荷物、私の部屋まで持ってきて。」
「はい、陽子社長」

 二人が部屋に向かうと千春はリビングのテレビを点け、そしてビデオデッキの入力を切り替え始めた。画面に現れたのは陽子の寝室の映像だった。

 陽子の寝室に二人が入ってきた。

「門のカメラじゃないんですか?」
「違うわよ。そんなの私に直せるわけないじゃない。私たちに何か見せてくれるってことよ。」

 清水は荷物を降ろすと陽子を抱き寄せ陽子のスーツを脱がし始めた。出かけるまでの僅かの時間に楽しもうというのだろう。

「陽子社長、あまり時間無いですよ。」
「いいのよ、少しくらい遅れたって。それより、今日は清水クンに確かめたいことがあるのよ。経理の沢田さんのこと。」
「沢田さんですか?(えっ?まさか・・・)」

 冷静に返事をするのに苦労した。清水は女社長の秘書兼愛人という立場に不満はない。陽子は48歳とはいえ、その体と美貌は30代にしか思えない。清水もその陽子に溺れていると言ってもよいのだが、20近く年上だ。若い女を相手にしたくなる時もある。ましてや、向こうから誘ってきたのだ。

「一昨日、見ちゃったの。食事してるところを。もちろん、その後どうしたかも知ってるのよ。」

“ど、どうしよう。しらを切るか?いや、無理だ。謝ってしまうか?”
「え、あ、あの、あれは、・・・。すみません! でも、あれは彼女が誘ってきたんです。それに食事だけです。ホテルだってバーラウンジに行っただけで、何も。ほ、本当です。」
「本当かしら?でも、いいわ、許してあげる。その代わり今日はこれからお仕置きよ、覚悟してね、ふふふふ。ちょっと待ってて、準備するから。」
「は、はい。あ、パーティはどうするんですか?遅れちゃいますよ。(え?準備って、まさか鞭とかろーそくとか出てくるんじゃないよな?)」

 陽子はクロゼットから黒い大きなものを取り出すとそれを羽織った。大きなフード付きのマントだった。

「どう?私、魔女みたいでしょ?清水クンはご主人様の魔女を裏切った罰をうけるの。」
「SM風イメージプレイってとこですか?(陽子社長にこんな趣味あったのかよ)」
「ん〜、まぁそんなところかな。」
「ご、ご主人様、お許しを!(仕方ないな、とにかく調子を合わせて勘弁してもらわなきゃ)」
「そうそう、いいじゃない、その調子よ。さぁ、そこに座って。」

 清水の前で陽子がゆっくりとマントを広げた。表も裏も真っ黒なビロードでできたマントだった。その漆黒の中に彼女の白い裸体がうかびあがる。

「ふふふ、このマントで清水クンを包んで食べちゃうのよ。あなたは食虫植物に捕らえられた虫みたいに、マントの中でどろどろに溶けて吸い取られてしまうの。」

 彼女はマントを大きく翻し、覆い被さるように清水を包み込んだ。そして顔を仰向かせ、唇を重ね舌を捻じ込むと、熱い唾液をどくどくと注ぎ込み始めた。

「うぐっ、うぐっ、うぐっ、げほっ、ぐぇっ、げっ。げほっ。」
「私の唾液は強力よ。あそこの粘液もね。骨だって溶けちゃうわ。」

 そして膝に跨るように腰を下ろしていく。膣でペニスを咥え込み、頭を胸に抱え、マントの中に清水の体を巻き込んでいく。彼女の体とマントに包まれた清水の手足は自由を奪われ、もがいても手足の先さえマントの外に出すことができない。手足に絡みつく粘膜のようなベルベットの感触に清水は全身を陽子の体の中に飲み込まれてしまったような気分になってきた。

「ご主人様、助けてください。食べないで!お願いします。(丸呑みされて生きながら消化されるのってこんな感じなんだろうか?。)」
「そうねぇ、もし、わたしを満足させられたらここから出してあげるわ。でも、早くしないと溶けちゃうわよ。間に合うかしら?さぁ、身も心もドロドロになるまでたっぷりお仕置きをしてあげる。ふふふふふ。」

 陽子の腰がゆっくりと清水の体を揉み潰すように動きだし、黒ビロードの光沢が悶えるように蠢きはじめた。マントがまるで生き物のように清水の体に絡みつき、彼の全身を愛撫する。

「さぁ、溶けちゃいなさい。何もかも吸い取ってあげるわ。 」
「あ、あぁ、ご主人様、お許しを。」

 陽子のお仕置きに調子を合わせているつもりの清水だったが、陽子の体とベルベットのマントに全身を揉みしだかれ、彼女に「溶けておしまい!」と言われるたびに、清水は強烈な快感に襲われる。内臓が溶け、ペニスから吸い出されていく様な感覚に

「ひっ、あぁっ、溶ける、と、と、溶けるぅ〜っ。」

 と、演技ではない悲鳴があがりはじめた。最初は“こんなお仕置きなら何度もされたい”と喜んでいたものの、身動きもならないまま3回、4回と彼女の為すがままに絞り取られ、

「陽子社長、も、もう許してください。限界です。そ、それに、パーティ遅れちゃいますよ〜。」
「大丈夫よ、少しくらい。それよりもお仕置きの方が大事だもの。2度と浮気なんかできないようしなくちゃね。」
「そんなぁ。か、体が…、どうにかなりそう。」
「さっきから言ってるじゃない。清水クンをどろどろに溶かしちゃうって。」
「だ、だめ。もうだめですよ。これ以上やったらあそこ使い物にならなくなっちゃうかも。」
「そうよ、浮気できないようにあそこを溶かしちゃうんだから。そろそろ溶け始めてるかもね。ちょっと見てみる?」

 陽子がマントを僅かに開き、腰を浮かせると“にちゃっ”と粘つく音をたててペニスが陽子の膣から出てきた。

「もうっ、陽子社長何言ってんですか。ほんとに溶けちゃうわけないじゃな・・・ん?えっ?なに?ひっ、ひぃー!!」

 自分の股間に目を落とした清水が叫んだ。ペニスが食べかけのソフトクリームのように溶け崩れていた。

「な、なにこれ。ど、どうしちゃったんだ?えっ?どうして?なんで?あぁ〜っ!」
「ふふ、どう?溶け始めちゃった?ふふふ、大事なところだけじゃないわよ。もうすぐ、体も溶け始めるわよ。ご主人様を裏切るような奴隷はこのまま跡形もなく溶けちゃいなさい。」
「えっえっ?た、助けて、こんなことって、は、早く元にもどして、陽子社長、助けて、お願いします。あ、あぁ、溶けちゃう。助けて!」
「だ〜め、ふふ、また包んであげる。私の中でとろけそうな快感をたっぷり味合うといいわ。」

 再び陽子は清水を包み込みマントをさらにきつく巻きつけた。

「あーーーっ!や、やめて、た、助けて!」

 陽子が動くたびにペニスはグチュッ、グチュッ、とつぶれるように溶け崩れていく。

「助けて! 赦してください! お願いします! あぁ、溶けちゃう」
「このマントに包まれたら終わりよ、もう助からないわ。前の秘書の子も清水クンみたいにこのマントの中で快感に悲鳴を上げてもがきながら溶けちゃったのよ。ふふ、清水クンもどろどろにしてあげるわね。」
「や、やだっぁ、やめてくれ、あぁ、助けて!!溶かさないで〜!!」

 外に逃げ出そうともがくが、動けば動くほど、清水はマントの奥深くに包み込まれ、じゅくじゅくと陽子の股間からあふれ出てくる粘液に溶かされ吸い取られてていく。

「出して、は、早くここから出して。許して、もう2度としないから。た助けて。お願い、早く出してください。あぁ、溶けちゃう」
「そうね、確かに2度とできないわよね。こんなにどろどろじゃねぇ。」

 すでに彼女の膣からあふれた粘液でペニスはすっかり溶かされ股間もどろどろになっている。

「助けて、出して、は、早く。あぁ、溶けちゃう」
「そうよ、もっともっとどろどろにしてあげる。ふふふ」
グチュゥ、グチュッ、ジュル、ジュルッ

 溶かされてしまう恐怖と快感に悶え、悲鳴を上げてもがき続ける清水。

「ああああっ、あ〜、やめて、助けて」
「さあ、またいかせてあげる。ほ〜ら、溶けちゃうわよ。我慢しないで出しちゃいなさい。」
「うっ!うぅぅ」

 絶頂の度にどくどくとベニスのあったはずの辺りからドロドロしたものが出ていく。体が内側からも溶け、射精のようあふれ出てきては彼女に吸い取られていくのだ。

「助けて、溶ける、溶ける、助けて、出して、お願いします。」
「ふふっ、あきらめておとなしく溶けちゃいなさい。」
「助けて.....あぁ、助けて....溶ける、助けて。た、た...」
「さあ、あとかたもなく溶けておしまいっ!」
「うぅぅ、う〜っ・・・、うぅ、だずげで・・だ、だず・・どげ・・・ぐぶぐぶ・・・」

 悲鳴をも飲み込むように彼女の肢体とマントが清水の体を押し包み、清水がもがけばもがくほど手足は彼女の粘膜の一部のようなマントにからめとられて溶け崩れていく。 始めは清水を飲み込んで大きく膨らんでいた黒マントがグチュッ、グチュッと音を立て、胃袋のように動いては清水の体を溶かし、徐々に縮んでいった。

 健一はテレビの前に座り込んで食い入るように画面を見つめ続けていた。清水の呻き声が消え、マントが蠢きながら縮んでいく。やがてその動きが止まり、マントもすっかり萎んでしまった。

「あ、あ、また、人が溶かされて・・・。千春先輩、やっぱり、本当に溶けちゃってるんですか?」
「そうよ〜。松田君だって何度も体験してるじゃない。私のコートに包まれるたびに溶けてるでしょ?」
「でも、僕はこうしてまだ生きてるじゃないですか。本当は催眠術か何かなんでしょ?」
「美由紀姉さんやママに溶かされちゃった人を見てるじゃない。」
「何か仕掛けがあるんですよね?トリックですよねぇ?だって・・・人間が溶けるなんて、そんなこと・・あるはずが・・・。」
「それなら今日は松田君もママのマントに包まれてみたら?」
「いいわよ〜。包んであげる。」

 健一が振り返るといつの間にかマントを手にした陽子が立っていた。

「えっ?あ、あ〜。」
「ほ〜ら、溶かしちゃうわよ〜、ふふふ。」

 陽子は健一の前でマントを広げると健一に被せてきた。

「ひっ、ひーーー。」

 頭からすっぽりと全身をベルベットのマントに包まれた健一は、小さな叫びをあげると床に倒れ、もがき始めた。床に広がったマントの下で健一は、自分の溶けた体がペニスから噴出するのをを押しとどめるように股間を両手で押さえながら悶えている。健一を包んで人の形にふくらんだ黒いマントが蠢きながらあっという間に萎んでいく。陽子がぺしゃんこになったマントを拾い上げると、そこはバケツ一杯のヨーグルトをぶちまけたようになっており、その“ヨーグルト”にまみれるように健一の服が溶け残っていた。

「千春、あとはお願いね。」
「ママ、すこしは手加減してあげてよ。こんなになっちゃったら元に戻すのに大変じゃない。4,5時間かかるかしら?あとで私もしてみたかったのに、もう、・・・。ねぇ、ママ、清水さんは?」
「食べちゃったわ。この前、私、小じわ見つけちゃったのよねぇ。清水クンを吸収したからこれで3才くらい若返るわよ〜。」
「あ、もしかしたら清水さんが浮気するようママが仕向けたんじゃない?お仕置きの口実作るのに。」
「へへっ、分かっちゃった?」
「ひど〜い、清水さんもかわいそう。吸い取られちゃったら元に戻らないものねぇ。」
「さぁ、パーティ行かなくちゃ。このマント来て行こうかなぁ。もう少し若返らないとね。ふふっ」
「もうママったら。」
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 こうして健一は何度も何度も復活させられては、千春たちの“おもちゃ”として弄ばれ、溶かされ続けていくのだった。

 


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