蝸牛神社




この神社は少し変わっている。

どこが変わっているか、それは神社に奉られている御神体の事だ。

神社に御神体がある事自体は珍しくはない。

しかし、この神社の御神体は巨大なカタツムリなのだ。







「……ふぅ」

一人の少年が御神体のカタツムリを磨いている。

(いつ見ても大きいよな、それに何でカタツムリなんだろ?)

少年は神社に生まれ、この御神体には慣れているが、どうして御神体がカタツムリなのかは知らない。

(……ま、考えたって分からないか)

少年はいつもの様に結論を出した。

御神体の掃除が終わり、使用した道具を片付けている時、少年の視界に何かが映った。

それは少年が先程まで見ていた物と同じ(もっとも大きさは違うが)カタツムリだった。

「おっと!」

危うくカタツムリを踏みそうになり、少年は慌てて歩幅を変えた。

「危ないな、こんな所にいると踏んじゃうぞ」

少年はカタツムリの殻を掴んで持ち上げた。

「……ほら」

庭に無数にある紫陽花。

少年はその葉にカタツムリを離した。

この行為が、自分の辿る運命を決めた事に気付かずに……。







その夜



自室で本を読んでいた少年は、何かの気配を感じ振り返った。

だがそこには誰もいない。

気の所為かと思い、再び本を読み始めた時。

「…あ…あの」

声が聞こえた。

少年は部屋を見回した。

すると、どこから入って来たのかカタツムリが一匹いた。

(このカタツムリが喋っている……訳ないか)

「…あ、あの…私の声が聞こえますか?」

しかし、その考えを否定する様に、カタツムリが再び喋った。

「あの…」

「えっと…うん…聞こえてるよ…」

少年はそれだけ言うのが精一杯だった。

「あ、私は今日、貴方に助けて頂いたカタツムリです」







少年はその後、カタツムリとしばらく話をした。

カタツムリが喋っている事は不可思議だが。

(実際に目の前で話しているしな)

少年はそれ以上考えなかった。

「それで、貴方の事をお母様に話したら、是非とも会って御礼がしたいと。今から会って頂けませんか?」

「え、今から?……でも、こんな格好だし…」

少年はパジャマ姿だ。

親しい間柄ならともかく、初対面の相手に会う格好とは言えない。

「そんな事は構いませんから、どうか一緒に」

「………う、うん…分かったよ」

結局、少年はカタツムリの押しに負けた。







「もう少しです」

手にカタツムリを乗せながら、少年は神社の裏手に広がる森を歩いていた。

そしてしばらく歩いていると、大きな洞窟が見えた。

「この先です」

少年はカタツムリに言われるまま、洞窟を進んで行く。

すると大きな空間に出た。

「では、私はこれで失礼します。降ろして下さい」

少年が壁にカタツムリを離すと、カタツムリは壁の隙間に消えて行った。

ズルッズルッ

突如、何かを引き摺る様な音が響いた。

ズルッズルッズルッ

その音は徐々に大きくなり、少年が音のする方を見る。

「……!?」

少年は息を飲んだ。

洞窟の奥から巨大なカタツムリが姿を現したのだ。

「クス…初めまして。私はカタツムリ女。私の子供を助けてくれたそうね…」

カタツムリは少年の前に来ると、先程のカタツムリと同じ様に喋り始めた。

少年は言葉を失っている。

少年の前に現れたそのカタツムリは、下半身はカタツムリで殻を背負っているが、上半身は女性だった。

そしてその体は10メートルを軽く越えている。

「貴方……蝸牛神社の子よね?」

カタツムリ女は巨大な手で、少年の顔を撫でた。

「……え!?…あ…はい、そうです」

見とれていた少年は慌てて答えた。

「クス……可愛いわね…」

少年は顔を赤くしながら、視線を泳がしている。

「あの子から聞いたと思うけど。私は是非とも御礼がしたいの…迷惑かしら?」

「…い、いえ…そんな事は……」

「そう。ありがとう……きっと貴方も気に行ってくれるはずよ…」

カタツムリ女は少年を掴み上げた。

「え!? あの、何を?」

「クス…大丈夫よ。心配しないで」

カタツムリ女は少年に口付けをした。

「!?」

カタツムリ女から口移しで少年の口に液体を注いでいく。

やがて少年の手から力が抜けていき、少年はそのまま気を失ってしまった。







「……う…ここは…」

少年が目を覚まし辺りを見回す。

周りはピンク色の肉壁で覆われている。そして少年は全裸で、手足は肉壁に埋もれて動かす事は出来ない。

「目が覚めた?」

突然、辺りに声が響いた。

すると、少年の目の前の肉壁が蠢きながら形を変え、やがて一人の女の姿となった。

「…え!? 貴女は…」

少年は目の前の女に見覚えがあった。

先程の巨大なカタツムリ。

その上半身の女とそっくりだった。

「…ぼ…僕をどうする気ですか?」

「クス、言ったでしょう。御礼がしたいと」

そう言って、女は足下にあった丸い肉の塊を手に取った。

「クスクス…じゃあ、始めるわよ」

女は肉の塊を少年のペニスに押し当てた。

グヂュッ

「え…な……アァッ!!…」

暖かい肉の塊は少年のペニスを包み込む。

「クス、さあ、出しなさい」

女は肉の塊を激しく動かした。

グジュッグジュッ

「―――!!」

少年は声にならない声をあげた。

そして女はその反応を見て、さらに肉の塊を激しく動かした。

「……あっ!!…だ、だめ!!…で…出るッ!!」

ビクッビクッ

少年のペニス脈打ち、肉の塊に精液を放った。

「クスクス、気持ち良かったでしょう?」

少年は返事をする事も出来なかった。

「クスクス、いい事を教えてあげる。貴方が射精したコレは私の卵なのよ。私は子供を残すのに、人間の精液が必要なの」

「…卵?…精…液?…」

「貴方みたいな優しい人なら、きっといい子が生まれるわ」

女は少年が射精した卵を愛おしそうに抱きしめた。

「さあ、まだまだ卵は一杯あるから頑張ってね」

見ると女の足下には、30個以上の卵があった。

「…そ…そんな……無理…」

「だ〜め」

女は再び卵を取り、少年のペニスに押し当てた。

「アッ!!…ヒッ!!…アーッ!!」

「クスクス、こんな快楽を味わいつつ子孫を残せる。最高の御礼でしょう」







その後



「…アッ!!…アッ!!……ヒッ!!」

少年のペニスは、太いホースの様な触手に飲み込まれている。

「だ、だめ!!……出る!!…」

ビクッビクッ

少年の放った精液は触手に吸われていく

カタツムリ女はその様子を見ながら少年に口付けをする。

そして口移しで食事を施す。

生きていく為に必要な栄養と、精力剤を。

「―――ングゥッ!!」

ビクッビクッ

少年が再び射精するのを見ながら言った。

「貴方のおかげで一杯子供達が生まれたわ。クスクス、その御礼をしなくちゃいけないわね」

これからも少年は、カタツムリ女の御礼を受け続けるだろう。




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