第5講 〜種族と転種〜

 

 

 

それでは、今回は種族と転種について講義しよう。
これらは転職と極めて似たシステムなので、理解は容易じゃろうな。


全てのキャラは、なんらかの職業と種族に就いていると言っていたな。
それに、職業と同じく種族にもレベルがあるとか……


うむ、もう一度見返してみるとしよう。



 



僕自身のレベルが2で、見習い勇者のレベル2、人間のレベルも2だったっけ……
僕の種族は「人間」っていうことだね。



 



あたしの種族は「スライム」、レベルは2だよ!


種族レベルも、職業経験値を得る事で上がっていく。
最高レベルは10で、10に達すればマスターした事になるのじゃ。


うむ、やはり職業と同じだな。
種族レベルも、上昇するごとに技能が覚えられるのだろう。


そして予想通り、イリアス神殿にて種族の変更も可能なのじゃ。
これを転種というのも、察しはついておろうな。


じゃあ、僕もスライムに転種できたりするの……?


あたし、ドラゴンになれるかなぁ……?


転種は、転職と比べて条件が厳しくてのう……
種族の壁を大きく越える転種は、原則的に不可能じゃ。







イリアス神殿に行ってみたけど、スライムにしかなれないよう……


まずは、一般種のスライムで修行を積むのみじゃ。
そして、スライムをマスターしてみるがいい。


うん、わかった!



 〜一ヶ月後〜



スライムをマスターしたよ!
イリアス神殿に行くと、どうなるのかな……







わーい! 上級種に転種できるようになってる!
転種できる種族が、3つも増えてるよ!


いわば、種族として進化していくような感覚じゃな。
こうして、より強いスライムに転種できるわけじゃ。


職業と同じく、種族も一般種、上級種、最上級種という区分があるのじゃ。
上級種として修行を積めば、最上級種にも就けるようになるぞ。



例)
 スライム → メガスライム(正統進化)
       → 肉食スライム(攻撃タイプ、消化系の技を多く修得)
       → 癒しのスライム(回復タイプ、回復系の技を多く修得)
 魔獣   → ルナティックビースト(パワータイプ、パワーを活かした技を多く習得)
       → スピードビースト(スピードータイプ、スピードを活かした技を多く習得)



なるほど、上位種に進むと特色も異なってくるわけか。
むろん別の種族に転種しても、レベルはそのままなのだろう?


うむ、一度上がった種族レベルが下がる事はない。
また、転種回数にも特に制限はないぞ。


そこら辺のルールは、転職と同じようなものなんだね。


しかし……種族の壁を越える転職は本当に不可能なのか?
スライムはスライムとして生き、死ぬまでスライムのままか?


例外的に、複数種族の遺伝子を備えた魔物も存在する。
魔王様も、そのタイプのはずじゃぞ。







なるほど、余は多くの種族に転種できるようだな……
しかしこれは、あくまで例外的な遺伝特質だろう?


あたしは、他の種族になれないのかな……


世の中には、全く別の種族に生まれ変わる技術が存在するというが……
まあ、冒険がかなり進むまでは無理じゃろうな。


そうなのか……
それじゃあまずは、生まれついた種族で努力しないとね。


職業と同じく、種族によってもステータスが変わる。
魔獣なら素早さが高め、人魚なら魔力と精神力が高め……などじゃな。


また、属性耐性や状態異常耐性も就いている種族に依存するぞ。
サキュバスなら快楽耐性が高い、吸血鬼なら炎に弱い……などじゃ。


そして装備可能防具は、就いている種族によって決まる。
これも、なかなか重要になってくる点じゃのう。


装備可能武器は職業によって決まると、前の講義でチラリと聞いた気が……


うむ、装備に関しては後の講義でまとめて説明しよう。
種族ごとの使用可能スキルも、後の講義でまとめて扱う予定じゃ。


職業によって使用可能スキルが異なると聞いたが、種族もまた違うのか……


サキュバスなら「淫技」、ドラゴンなら「ブレス」などじゃ。
そして、その種族が使えないスキルは覚えていても使用不可能じゃな。


例えばサキュバスは「ブレス」を吐けんし、ドラゴンは「淫技」が使えん。
もちろん、職業による使用可能スキルは考えない前提じゃがな。


それに関しては、また後の講義でまとめてやるんだよね?


うむ、種族に関する講義はこれで終わりじゃ。
職業とシステム的に似ている事、分かってもらえたかのう。


わかった〜!


なおゲーム中に存在する種族の数は、約200じゃ。
豊富な種族が、冒険に彩りを与えるじゃろう。


すごい数だね、育成に頭を悩ませそうだ……


くどいようじゃが、好みを優先させて問題あるまい。
全員同じ種族などの無茶をさせない限り、どうにでもなるはずじゃ。


さて、次回はいよいよスキルに関しての講義じゃな。
職業と種族に関して理解していないと、おそらくついてはいけんぞ。


ふん、余裕だ……


僕は少し自信がないかな……
でも、がんばるぞ!


 

 第6講 〜スキル〜