蛇巫女の贄


 

 瞬太は、蛇巫女に捧げられる宿命だった。

 とある村に君臨する名家、その妾の子として瞬太は生まれた。

 その家は大いに栄えていたが、繁栄には大いなる代償があった。

 男の子を一人、当主が代替わりするたびに、朽縄神社の蛇巫女に捧げねばならなかったのだ。

 愛する息子を、喜んで生贄にする親は少ないが――

 望まれぬ子だった瞬太は、生まれながらに贄となるべき宿命だったのである。

 

 「瞬太、今日は何して遊ぼっか?」

 朽縄神社の長い長い階段の上から、鈴音は無邪気に言った。

 そして、階段を上がってきた瞬太の元にてくてくと駆けてくる。

 そのまま瞬太の顔を覗き込み、鈴音はにんまりと微笑んだ。

 「うち、今日は鞠つきがしたいな!」

 「うん……」

 「それとも、鬼ごっこしよか?」

 「うん……」

 いつでも上機嫌の鈴音とは裏腹に、瞬太は二歩も三歩も引いた風に見える。

 だが、これが彼の普段通りだった。

 鈴音以外に、友達は誰もいない。

 村では、彼に近付く者は決していなかったのだ。

 十二の齢に達したら、蛇巫女の贄になる少年――

 そんな存在が、村人に歓迎されるはずもない。

 彼は、腫れ物に触るかのように扱われていた。

 

 「じゃあ、かくれんぼしよ! うちが鬼やで!」

 「え……、あ……」

 いつものように、瞬太がまごついている間に遊びが始まる。

 鈴音は後ろを向いて自分の目を隠し、さっそく数を数え始めていた。

 慌てて瞬太は、その場から離れる。

 大きめの木を見つけ、その後ろに回り込んでいた。

 「も〜い〜かい!?」

 「もういいよ……」

 鈴音の呼び掛けに遠慮がちに応え、そして平太は息を潜める。

 がさがさと、鈴音の袴が落ち葉や木々に擦れ合う音が聞こえた。

 

 瞬太は、村で腫れ物のように扱われたが――それは、家でも変わらなかった。

 彼の部屋は、広い邸宅の離れ。

 彼が生まれる前は、物置だった部屋だ。

 妾だった瞬太の母親は、彼が産まれて程なくして死んだ。

 当然、瞬太を思いやる者など誰も居なかった。

 家族でさえ、瞬太に目を合わそうとはしなかった。

 父も兄も、瞬太と口を利くことはほとんどない。

 村はもちろん、家の中でさえ瞬太は腫れ物扱いだったのだ。

 瞬太を思いやる者は、皮肉なことに鈴音ただ一人なのである。

 

 「瞬太、み〜つけた!」

 「あっ……」

 木の裏に隠れていた瞬太は、あっさりと見つかってしまう。

 こんな場所では、見つからないはずもなかった。

 「見つかっちゃったね……」

 申し訳なさそうに、瞬太は口にする。

 彼が見つかった以上、当然ながら他に隠れている者はいない。

 そしてかくれんぼは、あっという間に終わってしまうのだった。

 しかし、二人だけのかくれんぼが楽しいのだろうか――

 そう思う瞬太だったが、鈴音にとっては楽しいのだ。

 友達がいないのは、彼女も同じ。

 鈴音こそが、朽縄神社の主である蛇巫女なのである。

 そして瞬太が十二歳になる時、彼の身は鈴音に捧げられるのだ。

 

 「村の人が、おはぎ供えてくれたんや。

  二つあるから、瞬太も一緒に食べよ!」

 「うん……」

 気の抜けたような、瞬太の返事。

 これが喜んでいる声だと分かる者は、鈴音以外にいないだろう。

 瞬太は村人からも家族からも顧みられない十一年で、すっかり内気になっていたのだ。

 そして二人は、階段に並んで腰を下ろす。

 肩を寄せ合うように座り、一緒におはぎを食べた。

 「おはぎ、おいしいな!」

 口元をあんこで汚しながら、鈴音はにんまりと笑う。

 瞬太にとって、彼女は自分より二つ年上の快活なお姉さんだった。

 自分は来年、彼女に捧げられる――その実感は、全くなかった。

 捧げられる、という意味さえ今ひとつ分からない。

 だが、それは自分の生まれた家に宿命づけられた昔からの契約だという。

 

 「何考えてんの、瞬太?」

 不意に、鈴音が顔を間近まで近付けてきた。

 「暗い顔、してたら嫌やで。」

 彼女が声を放つたび、その息が瞬太の頬をくすぐる。

 吐息に伴う温もりと、そして甘い香り。

 鈴音が瞬太に話し掛ける時は、いつも息の香りが感じられるほどに顔を近付けてくるのだ。

 瞬太はそれに慣れる事なく、そのたびに戸惑ってしまうのだった。

 「鈴姉……蛇の巫女って、本当なの?」

 おずおずと、瞬太は尋ねる。

 その目は、鈴音の下半身に注がれたが――

 そこに映るのは、間違いなく人の足が通った緋袴だった。

 「ほんまやで、うちは蛇の化生なんや。

  今はヒトの足やけどな、ほんまは蛇や」

 あっけらかんと言うその口調は、冗談のようにも聞こえる。

 しかし彼女は、紛れもなく朽縄神社に奉られている蛇巫女。

 その正体は、人間でなく蛇神――村では、それが周知の事実だった。

 「瞬太も、巻いたるからな」

 微かに目を細め、鈴音は言う。

 相変わらず顔は近く、その暖かな吐息は瞬太の頬をくすぐった。

 「蛇の体で、瞬太に巻き付いたるからな。

  じっくり締め付けたるわ、ふふっ」

 冗談か本気か、鈴音はそう告げた。

 「そ……そんなの、怖いよ……」

 「大丈夫、怖くないで。

  うち、楽しみやわ……瞬太に巻き付くの……」

 そう言いながら、鈴音は無邪気に笑う。

 「鈴姉……僕、姉ちゃんの贄になるんだよね。

  巻き付かれて、痛い事されるの?」

 「怖がらんでええんよ、瞬太……」

 鈴音は、瞬太の頭を優しく抱き留める。

 「瞬太は、うちのお婿さんになるんや。

  だから、ずっと一緒にいられるんやで」

 「ずっと……?」

 幼子のようにあやされながら、瞬太はおずおずと言った。

 「そう……ずっと、ずっと……

  うちと瞬太は、永遠に一緒になれるんや」

 「……………………」

 大好きな鈴姉と、ずっと一緒にいられる――

 彼女の胸の中でそう聞かされ、瞬太は安堵に浸るのだった。

 

 

 

 昨日も今日も、瞬太は鈴音の待つ朽縄神社に遊びに出掛ける。

 ほとんど、鈴音の元に入り浸りの毎日であったが――

 それでも、家族は咎めようとはしなかった。

 なにせ将来の贄の通う先は、蛇巫女のところ。

 家族にとって、止めるいわれは何一つなかったのだ。

 

 「今日は、鬼ごっこしよか!」

 「う、うん……」

 相変わらず吹けば飛ぶような瞬太の返事。

 だが彼にとって、鈴音に振り回される事も悪くはなかった。

 「うちが鬼、ほら逃げや!」

 「わぁっ……!」

 慌てて、その場から駆け出す瞬太。

 いつも鈴音が鬼で、瞬太が逃げる側だった。

 そして――

 「瞬太、捕まえた!」

 「ああっ……」

 あっという間に捕まってしまうのも、いつもの常。

 瞬太は動きが鈍く、俊敏な鈴音の相手にはならないのだった。

 それなのにいつも楽しそうに、鈴音はこうした遊びに興じていた。

 すぐに捕まってしまう瞬太が、申し訳なく思ってしまうほどに――

 「もう一回、うちが鬼な!」

 「うん、分かった……」

 鈴音以外の誰も、この返答がいつも以上に力が入ったものと気付かないだろう。

 瞬太は思いっきり足を動かし、木々の間を走り抜けようとした。

 しかし、みるみるうちに鈴音が追い付き――

 「瞬太、捕まえた!」

 そして、あえなく捕まってしまうのだった。

 

 「瞬太、指から血が出てるで」

 肩を寄せて階段に座った際、ふと鈴音は瞬太の指先に目を留めた。

 相変わらず顔を間近まで近付け、その甘い吐息で鼻先をくすぐってくる。

 「ああ……大した事ないよ」

 さっき夢中で走った際、木の枝で傷付けたようだ。

 僅かに血が滲む程度で、言われなければ気付かなかった。

 「ほら、うちが舐めたるわ」

 不意に、鈴音は瞬太の左手を取った。

 温かく柔らかな掌が、ぎゅっと彼の手を包む。

 その指先に、鈴音は口を寄せ――

 れろっ……と、桃色の舌が指先の傷に這った。

 「あ……っ」

 その、くすぐったい感触。

 思わず瞬太は、掠れた声を漏らしてしまう。

 「傷が早く治るように、いっぱいツバつけたげるな」

 鈴音はきゅっと唇を閉じ、もごもごと口を動かす。

 口の中で、唾液を多く集めているのだ。

 そして――唾液のたっぷり乗った舌を、瞬太の指の腹に這わせてきた。

 「んっ、れろっ……」

 一度のみならず、舌が何度も指先に這ってくる。

 ねっとりと、大量の唾液が指に塗りつけられる。

 自分の指が、温もりを帯びた液体にまみれていく。

 瞬太は戸惑いながら、甘い疼きのようなものを感じていた。

 「鈴姉……指、くすぐったい……」

 そう言いながらも、瞬太は指を引こうとしない。

 されるがまま、鈴音の舌に任せていた

 暖かくぬめった舌が、ねっとりと指先に這う感触。

 それを、少しでも長く味わっていたかったのだ。

 瞬太には、まだ全く性の知識がない。

 だから今、妖しく昂ぶる感覚の正体がなんなのか知る由もない。

 

 「ん、ちゅっ……」

 さらに鈴音は、瞬太の指先に唇を当てた。

 そのまま、ちゅぅっと吸い付いてくる。

 「え……? それ、なに……?」

 「んふふっ……」

 鈴音は目で笑い、なおも瞬太の指を吸う。

 指先を軽く唇に挟み、小刻みに吸い付いたのだ。

 戸惑う瞬太だが、それは明らかに心地が良かった。

 鈴音は面白がるような目で瞬太を眺めつつ、軽く何度も指先を吸う。

 しかし、鈴音の悪戯はそれにとどまらなかった。

 唇を深く滑らせ、指の第一関節まで口で咥え込んでしまったのだ。

 「あっ……」

 指先を浸す、ヌメヌメした感触。

 その温もりに、瞬太は狼狽した。

 「じゅる、じゅるる……」

 鈴音の口内で、舌がねろねろと指先にまとわりつく。

 指の腹を、何度かねっとりと舐め回し――

 そして、いったん指から口を離した。

 「瞬太のちんちんも、こんな風に舐めたるわ」

 「え……?」

 「瞬太が、うちに捧げられてからの話やで。

  来年までは、お預けやけどな……」

 そう言って、再び瞬太の指を咥え込む。

 唾液のねっとり溜まった口内に迎え入れ、指の腹をねろねろと舐め上げる。

 ちんちんを、こんな風に舐める――?

 鈴音の言葉は、意味不明ながら妖しく響く。

 股間のモノが大きくなるのは、瞬太にも経験があった。

 ふとした拍子に、固くなってしまう事がある。

 しかし今の瞬太には、そうなる理由も目的も全く知らなかった。

 

 「瞬太のちんちん、こんな風にされるんやで……」

 そう言いながら、鈴音は指を妖しくしゃぶり続ける。

 指の腹をねろねろと舐め回し、時には指に沿うように舌を滑らせ、爪の方を這い回る。

 口内で巧みに動く舌が、指の周囲を回転するように舐め回す。

 その動作は、瞬太を不思議な心地に浸らせた。

 彼の幼い肉茎は、びんびんに固くなってしまう――

 「とどめは、こうや」

 鈴音は目を細め、上目遣いで瞬太の様子をうかがいながら、口の動作を変化させた。

 カリ首に見立てた第一関節に、唇での往復刺激を与えている。

 唾液でぬめらせた指は、唇で扱き上げられ――独特の感触を瞬太に与える。

 一分ほど、その動作が続けられただろうか。

 鈴音は満足した風に、ようやく指から口を離した。

 温かい口内から出され、外気がひんやりしたものに感じる。

 何をされたのか分からず、瞬太はただ戸惑いの目を鈴音に向けた。

 

 「うちの舌遣い、覚えといてな。

  瞬太のちんちんも、同じようにしたるからな……」

 「僕の……ちんちんを……?」

 いったいなぜ、そんな事をするのか分からないが――

 ようやく彼は、自分のモノがはちきれそうなほど膨らんでいる事に気付いた。

 なぜか気恥ずかしくなり、瞬太は二度三度と首を振る。

 あらためて、鈴音にひとしきり舐めしゃぶられた指先に視線をやった。

 そこは、べっとりと鈴音の唾液にまみれている。

 「……うちの唾、舐めてええよ」

 「えっ……?」

 自身の指先を凝視していた瞬太は、目を軽く見開いた。

 そして、命じられるがままに――鈴音の唾液にまみれた指先を、口に含む。

 鈴音の唾は、甘い味がした。

 「うちの唾、好き?

  契りの時に、たっぷりあげるな」

 そう言って、鈴音は笑った。

 

 

 

 それから数ヶ月――

 

 「おい瞬太、今日も神社でお遊びか。毎日毎日、精が出るのう」

 瞬太は家を出る際、玄関で兄に行き当たった。

 普段なら兄は瞬太を一瞥するだけで、滅多に声など掛けなかった。

 だが、その日は機嫌が悪かったのだろう。

 兄は、挑発的な言葉を投げかけてきたのだ。

 「す、すみません……兄様」

 おどおどとした口調で、瞬太は謝る。

 そんな様子は、ますます兄を苛立たせたようだ。

 「ふん、いい気なもんやな。自分の身分、分かっとるのか?

  お前が遊び歩けるのも、今年までや。来年はお前も十二歳やからな。

  そうなったら、お前はあの気味悪い蛇娘に食われて――」

 「……うちが、どうしたんや」

 突然に、玄関の戸が開き――顔を出したのは、なんと当の鈴音だった。

 「あ……!?」

 途端に兄は言葉を失い、その目が泳ぐ。

 「いえ、その……これは……」

 「気味悪ぅて、悪かったな」

 「ち、違います……その……」

 その時、荒々しい足音がその場に現れた。

 玄関先での騒動を察知したのか、父が駆け付けてきたのだ。

 彼は、この名家の当主。村で最も尊敬される人物である。

 父は兄や鈴音、そして瞬太の顔を見回し、ここで起きた事を察したようだ。

 「申し訳ありませんでした、巫女様!」

 父は鈴音の前に躍り出て、そのまま土下座をした。

 「うちの息子がご無礼を……どうか、ご勘弁下され!」

 さらに兄の頭を掴み、床に押し付けるように土下座させる。

 瞬太は惚けたように、並んで畏まる父と兄を眺めていた。

 鈴音も、冷たい目で二人を見下ろしている。

 「まだ分別もつかぬ、愚かな息子の申した世迷い言。

  なにとぞ、どうかご勘弁を――」

 「……別に、取って食うたりせぇへんわ」

 つまらなそうに言うと、鈴音はくるりときびすを返す。

 「行こ、瞬太」

 「う、うん……」

 戸惑いながらも、鈴音に手を引かれ――

 瞬太は、自分の家を後にしたのだった。

 

 「今日は、何して遊ぶ?」

 いつもの神社の境内で、鈴音はそう口にする。

 しかし何かの提案が出る前に、鈴音は傍らの地面に開いた小さな穴に目を留めた。

 「あっ、アリの巣や……」

 にんまり笑うと、鈴音はその場から風の如く駆け出し――

 そして、水の入った手桶をぶら下げ戻ってくる。

 「それっ、水責めや!」

 その水を、アリの巣に注ぎ込む。

 鈴音は楽しそうに、くすくすと笑った。

 「あははっ、溺れとる、溺れとる」

 「アリが、かわいそうだよ……」

 「優しいなぁ、瞬太は」

 そう言って、鈴音は笑みを見せるのだった。

 

 それから、いつものように二人は階段に座る。

 肩を寄せ合い、瞬太は鈴音の体温を感じる。

 「来年、僕は鈴姉に捧げられるんだよね……」

 その期日も、あと数ヶ月。

 正月が終われば、すぐに儀式が始まるという。

 「そうやで。うち、ほんまに待ち遠しいわ」

 顔を間近まで近付け、鈴音が告げる。

 その甘い吐息は、相変わらず瞬太を不思議な気持ちにさせた。

 「その日が来たら、瞬太はうちのものになるんやで。

  そうなったら、うちが瞬太を犯すんや」

 「犯す……?」

 やはり、意味は分からない。

 「鈴姉が、僕を……犯すの?」

 意味は分からないが、聞いてみる。

 「そうやで……うち、ちゃんと練習してるからな」

 そう言って、鈴音は珍しくはっと慌てた顔をした。

 「もちろん、練習は張り型使ってるからな。

  うち、瞬太以外の男になんか触ったりせぇへんよ」

 「…………?」

 鈴音が慌てた理由も分からなければ、言っている事も分からない。

 「そうやね……瞬太は、まだ分からんでええんよ。

  でも、ちょっとだけ教えたるわ……」

 鈴音は不意に、瞬太の左手を取った。

 そして、なんと自分の袴の中に引き込んでくる。

 「えっ……?」

 「怖い事せんから、大人しくしてるんやで」

 そのまま鈴音は、自らの股間に瞬太の手を導いた。

 袴に潜り込んで素肌に密着する彼の手は、妖しい温もりと柔らかさに包まれる。

 「瞬太、指立てて……うん、そう……」

 そして鈴音は、瞬太の人差し指を自らの秘所に導いた。

 前に、鈴音に散々に舐めしゃぶられた人差し指だ。

 温かい肉の割れ目に、その指先があてがわれ――

 

 にゅるっ……

 

 「んふふふっ……」

 鈴音の笑い声と共に、瞬太の指は熱い感触に包まれた。

 指の根元まで、ぬめった液に満たされている。

 中はうねうねとしていて、まるで生き物の口の中のようだ。

 「あったかい……これ、何?」

 「んふっ、うちのまんこや」

 「えっ……?」

 いったい何が起きているのか分からず、瞬太は目を白黒させる。

 「瞬太のちんちんが、ここに挿るんやで」

 「僕の、ちんちんが……?」

 「そう、契りの時が来たらな……

  でも今は、指が瞬太のちんちんの代わりや」

 そう言いながら、鈴音は下腹に軽く力を入れた。

 きゅぅぅっ……と膣内が締まり、四方から指を圧迫してくる。

 「大きな体の大人でも、蛇神のまんこには耐えられへんのや。

  瞬太なんて、イチコロやで」

 くすっ……と笑いながら、鈴音は瞬太の指を締め付ける。

 鈴音の膣に備わる、段状になった筋肉。

 それを根元から奥まで、独立して収縮させる。

 瞬太の指の先端が、中程が、そして根元が――別々の動きで、きゅうきゅうと締められた。

 「あ〜あ……かわいそうな瞬太。

  おぼこいちんちん、こんな風にされてまうんやで。

  瞬太、あっという間にオモラシするやろな」

 「お、おもらしなんてしないよ……」

 珍しく、瞬太は鈴音の言葉を否定する。

 大好きな鈴姉に、お漏らし小僧と思われるなど、彼にとっては心外だったのだ。

 「言うたな、瞬太……なら、これでも耐えられるか?」

 鈴音はにんまりと目を細め――そして、膣奥を妖しくうねらせた。

 指の腹を柔肉が包み込み、くちゅくちゅと揉みしだく。

 指の先端部をこねるような、揉み潰すような刺激を与えてきたのだ。

 「こうしてやれば、耐えられるわけあらへん。

  瞬太、みっともなくオモラシするんやで」

 「し、しないよ……!」

 ムキになって否定するものの、鈴音はくすくすと笑うだけだった。

 「瞬太のオモラシ、楽しみやわ……

  どんな顔して、漏らすんやろか……うふふっ……」

 そう言いながら、鈴音の膣肉は締まっては緩まってを繰り返す。

 その不思議な刺激は、瞬太の下半身を疼かせた。

 彼の肉棒は、すでに最大限まで張り詰めている。

 鈴音は、僅かに盛り上がる彼の袴の部分を見据え――

 「瞬太、やらしい……」

 くすり……と淫靡に笑ったのだった。

 

 そして、淫靡な戯れは終わった。

 二人は再び、神社前の階段で肩を寄せ合う。

 「瞬太の初めての子種は、うちの手の中で漏らすんや。

  うちが瞬太を精通させたるからな」

 「精通……?」

 初めて聞く言葉に、瞬太は首を傾げる。

 「だから瞬太は、絶対に自分でちんちん触ったらあかんで。

  来年、うちに捧げられるまで……我慢できるな?」

 「うん……」

 何を我慢するのか、よく分からないけど――

 要は、ちんちんを触らなければいい事だ。

 「契りの日まで、もうすぐやな……うち、楽しみにしてるで」

 「うん……」

 何もかも分からないまま、瞬太は頷いた。

 ただ、鈴音が楽しそうならばそれで良いと思えた――

 

 

 

 

 

 そしていよいよ、正月が来た。

 離れにある瞬太の部屋へと、立派な膳が運ばれてきた。

 これまで見た事がないほど、豪華な食事である。

 そして父も兄も、珍しく笑っていた。

 瞬太に対し、温かい言葉を掛けてくれた。

 正月の間、瞬太は美味しいものをたらふく食べ、快適に過ごしたのである。

 

 そして――

 

 いよいよ、瞬太が蛇巫女に捧げられる日。

 儀式というのは、非常に簡素なものだった。

 瞬太は清められ、正装に改められた後、輿で朽縄神社に運ばれていく。

 ただ、それだけだった。

 印象深いのは、神社の長い階段で輿が激しく揺れ、難儀したという事だけだった。

 

 「ずっと待ってたよ、瞬太」

 神社で彼を待っていたのは、普段と変わらない巫女姿の鈴音だった。

 正装を着ているというより、着られている瞬太を見てくすくす笑う。

 「瞬太、おかしな恰好。どうせ脱がされるのにな……」

 「えっ?」

 「こっち、こっち。床は整ってるからな」

 こうして瞬太は、朽縄神社の中へと招かれたのだった――

 

 通された部屋には、布団が敷いてあるだけだった。

 瞬太は、その布団の上に座らされる。

 身を寄せて肩を並べ、鈴音が瞬太の隣に座った。

 まるでいつもの、神社の階段で一服している時のようだ。

 「うふふっ……いよいよ、契りやね。

  うち、ずっと楽しみに待ってたんよ」

 ひときわ顔を近付け、目を細めて鈴音は言う。

 その吐息は、相変わらず甘い香りがした。

 「う、うん……」

 しかし瞬太は、これから何が行われるのか全く分からない。

 「契り」とは、どういう儀式なのだろうか。

 「大丈夫、全部うちに任せといて……」

 そう言いながら、鈴音はふぅっと瞬太の顔に息を吐き掛けた。

 その甘い香りが、ますますきつくなる。

 まるで、わざと息を浴びせ、瞬太を酔わせているかのようだ。

 「瞬太……うちの息、嗅ぐの好きやろ?」

 「えっ……?」

 「いつも瞬太、うちの息吸い込んでるもんな。

  んふふっ……分かってるんやで」

 艶めかしく囁き、なおも鈴音は息を吐き掛ける。

 温かな吐息が頬や鼻先をくすぐり、瞬太はどんどん妖しい気分になっていった。

 「瞬太の精通は、うちの息を吸いながらやな……」

 鈴音は、瞬太の着衣に手を伸ばした。

 そして、袴をゆっくりと下ろしてくる。

 「鈴姉、何を……!?」

 「うちに任せとくんや、瞬太。

  袴履いてると、契りができんからな……」

 「う、うん……」

 この儀式に必要というなら、拒むわけにはいかない。

 恥ずかしいのも我慢し、鈴音によって袴を脱がされた。

 すでに肉茎は、大きくなっている。

 それを鈴音に見られてしまうのは、とても恥ずかしい事に思えた。

 「わぁ……」

 露わになった瞬太の股間を前に、鈴音は喜びの声を上げた。

 「瞬太のここ、もう大きくなってるんや」

 「……………………」

 鈴音の甘い息を嗅いでいると、自然に大きくなってしまった。

 なぜこういう現象が起きるのかは、よく分からないが――

 「これから、瞬太のちんちんをうちの手で弄ったるからな」

 「弄る……って?」

 「んふふっ……いっぱい揉んで、気持ちよくするんや。

  そうすると、瞬太はうちの手の中でオモラシするねんで」

 「そ、そんな……オモラシなんて、しないよ……!」

 前にも、同じような事を言われた気がする。

 いずれにしろ、まだ子供の域を出ない彼にとって、お漏らしなどは屈辱だった。

 まして鈴音の前で、その手の中でなど――考えられない。

 「ふふ……うちに揉まれて、オモラシ我慢できるっていうんか?」

 「出来るよ……子供じゃないから、おもらしなんてしないよ」

 ムキになんて、瞬太は言う。

 「よく言うたな……じゃあ、試したるわ」

 鈴音は目を細めると、瞬太の肉棒にゆっくりと手を伸ばした。

 その唇を瞬太の顔に寄せ、甘い息をじっくりと浴びせ掛けながら――

 ぎゅっ……と、鈴音の右掌が肉棒を握り込んだ。

 

 「あっ……」

 その不思議な感触に、瞬太は思わず声を漏らす。

 他人が触るのは初めてなのはもちろん、自分で触れた事もほとんどない。

 そんな未熟なモノを、鈴音はじんわりと握る。

 軽く力を入れ、じっくりと締めるようにしながら――

 鈴音は、瞬太の肉棒に掌の感触を教え込んだ。

 「うちの手、温かいやろ?」

 「う……うん……」

 初めて味わう、穏やかな快感。

 肉棒を柔らかな掌が包み、温めながら握り込まれる感触。

 さらに鈴音は、甘い息をふんだんに瞬太の口や鼻に浴びせてくる。

 その生々しい芳香は、未熟な少年をますます昂ぶらせていた。

 「それじゃ、ちんちん扱いたるわ。とっても気持ちいいで……」

 いよいよ鈴音は、肉棒を握った手を上下させ始めた。

 やんわりと握り込みながら、ゆっくりと扱き上げる――

 「あ……う、うぅっ……」

 不意に瞬太の声が、甘い色合いを帯びた。

 それは、初めて味わった男の快感。

 疼くような感覚が、じんわりと腰に渦巻く。

 鈴音にちんちんが揉まれているだけで、みるみる気持ちよくなっていく――

 瞬太は未知の感覚に脱力し、肩を寄せている鈴音に体を預けていた。

 「気持ちいいやろ、瞬太?

  最初は、優しくいかせたるからな」

 「んんん……」

 瞬太は体を緩ませ、鈴音の手淫に身を任せていた。

 その動作は、肉棒を握った手を上下させる単調なもの。

 しかし、その柔らかな握り具合は絶品だった。

 巧みな圧迫感を持って、男のモノをじんわり締めるのだ。

 さらに、指の輪がカリ首を巧みに上下する。

 上下運動で皮を剥き下ろした際、指の輪がくびれをきゅっと締めるように刺激する。

 瞬太の未成熟な肉棒は、鈴音の手淫で男の悦びを教え込まれた。

 尿道口からは、たらたらと先走りがこぼれている。

 「瞬太のちんちん、先っちょ汁垂らしとる。

  それに、情けない顔やね……」

 瞬太の緩んだ顔を覗き込み、鈴音はくすくす笑った。

 彼女も興奮しているのか、吐息がますます艶めかしくなる。

 その甘く生々しい芳香は、ますます瞬太を酔わせた。

 「鈴姉の息、甘いよぉ……」

 「んふふっ……瞬太、うちの香りを覚えながらいくんやで」

 はぁっ……と、鈴音は瞬太の顔に温かな息を吐きかけた。

 ますます濃厚になる、鈴音の甘い芳香。

 瞬太は、鈴音の息だけを肺に取り入れているような錯覚にかられていた。

 脳までとろけていく少年を、絶妙な手淫が追い詰めていく――

 

 「す、鈴姉……なんか、変な感じ……

  ちんちんから……漏れちゃいそう……」

 不意に瞬太は、切迫した呻きを漏らした。

 甘い快楽の中で、疼きがこみ上げてくる。

 「んふふっ……瞬太、オモラシせんって言うてたんと違うか?」

 くすくす笑いながら、鈴音は意地悪にも手の動きを早めた。

 「でも……これ、何これぇ……あぁぁ……」

 最初のうちは、漏らすまいと頑張っていたようであったが――

 そんな我慢も、鈴音の甘い手淫によって崩されていく。

 「だめぇ……鈴姉の手の中で、漏らしちゃうよぉ……」

 瞬太は上擦った声で呻き、腰をがくがくと震わせ始めた。

 その様子が、ますます鈴音を昂ぶらせる。

 少女は甘い吐息をたっぷりと吐き掛けながら、肉棒を扱く手に力を込め――

 「ほぉら、うちの手で漏らしてまえ……」

 瞬太の耳元で囁き、カリ首をくにゅくにゅくにゅ……と小刻みに刺激した。

 敏感な箇所に重点的に刺激を送り、とどめを刺したのだ。

 「あぁぁ……出ちゃう、あぁぁぁ……!!」

 鈴音に預けていた瞬太の体が、ぶるっと震え――

 同時に、肉棒がびくんびくんとのたうち――

 

 びゅるっ、びゅるっ、びゅっ……

 

 鈴音の手の中で、瞬太の男茎が弾けた。

 びくびくと痙攣しながら、断続的に精液を放出する。

 生まれて初めて放った白濁は鈴音の手を汚し、さらに畳にまで撒き散らされた。

 「んふふっ……瞬太の子種、いっぱい漏らしよった」

 鈴音はにんまりと勝ち誇ったように笑いつつ、手の動きを徐々に緩めていく。

 それでも、射精が終わるまでは手淫を止めたりしない。

 精液を吐き出す肉棒に、鈴音は最後まで優しく刺激を与え続けたのである。

 

 「何、これ……白いの、漏れちゃった……」

 鈴音の手を汚し、畳にまで粘り着いた白濁。

 自らの放った得体の知れないものを前に、瞬太は戸惑う。

 頭はぼうっとして、うっすらと白いモヤが掛かったかのようだ。

 「これが、瞬太の子種や。

  初めて子種を出す事を、精通って言うんやで」

 「今のが……精通……」

 「そう、瞬太の精通はうちの手の中で迎えたんや。

  だって瞬太は、うちの贄やもんな」

 「……………………」

 鈴音の手の中で、白いものを撒き散らした気恥ずかしさ。

 そして、放出の後の力が抜けるような感じ――

 何もかも初めてで、瞬太はぐったりと脱力する。

 見れば鈴音は、掌を汚す精液をぺろぺろと舐め取っていた。

 その手や指に、丹念に舌を這わせ、白濁を口内に含み――

 こくん……と飲み込む。

 そして鈴音は、にっこりと笑った。

 「えへへっ……瞬太の子種、おいしい……」

 「これ……おいしいの……?」

 「贄の子種は、おいしいんや。

  だからうち、もっと啜らせてもらうで……」

 鈴音は、まだ大きいままの肉棒に視線をやる。

 そして、じゅるっと舌なめずりをした。

 「次は……瞬太のちんちん、口で犯したるわ」

 「口で……?」

 「前に、瞬太の指を舐めたったやろ?

  あれ、覚えてるか……?」

 そう言いながら、鈴音は瞬太の肉棒に顔を近付けていく。

 「あの時みたいに、ちんちん舐めたるからな」

 「……………………」

 瞬太の脳裏に、あの時の指の感触が蘇る。

 唾液でべとべとにされ、舐めしゃぶられる感覚。

 あの時は、何の事か分からなかったが――今は、男の快感を知ってしまっている。

 あんな風に舐めてもらったら、とても気持ちいいだろう。

 それを、今からしてもらえるのだ――

 「んふふっ……瞬太のちんちん、ちょっと臭いよ」

 亀頭に鼻を寄せ、すんすんと嗅ぐ鈴音。

 そこで喋られれば、温かな吐息がさわさわと肉棒をくすぐった。

 瞬太は黙り込んで、ただ快感を待ち望んでいる。

 あの時に指で味わった刺激を、今から肉棒に与えてもらえるのだ――

 「んっ……れろっ」

 舌を伸ばし、鈴音は亀頭をれろりと舐め上げる。

 唾液のたっぷり乗った舌が、艶めかしく先端を這った。

 「ああっ……」

 その感触に、瞬太は身を震わせる。

 指を舐められた時とは、気持ちよさが段違いだった。

 「んふっ……」

 鈴音は瞬太の顔を見上げ、目を細める。

 そして、唾液まみれの舌で亀頭をねろねろと舐め回してきた。

 温かくぬめった唾が、肉棒の先端部に塗りたくられる。

 舌のザラザラ感が、敏感な亀頭に這い回る――

 「あ……! あぁぁぁっ……!」

 くすぐったいような快感に、瞬太は身をよじらせた。

 少女の唾で、亀頭をドロドロにされる快感――それは少年には早すぎた。

 身に余る快感を受けてしまった未熟な男性器は、あっという間に音を上げてしまう。

 みるみるこみ上げてきた放出感が、瞬太の下半身を痺れさせた――

 「ま、また……漏れちゃう……」

 「だめ、瞬太……」

 予想より早い、射精の予兆――

 すかさず鈴音は、肉棒の先端部を口の中に咥え込んだ。

 そして、亀頭にねろねろと舌を絡みつける。

 亀頭の周囲を回転させるように這い回らせ、素早い舌で舐め尽くす。

 射精直前にこのような舌遣いを与えられては、たまったものではなかった。

 「はぅ……あ、あぁぁぁ……!」

 

 びゅく、びゅる、びゅるるっ……

 

 鈴音の口内に、粘っこい精液が溢れる。

 しかし、少女は動じなかった。

 それどころか、ちゅぅっと亀頭に吸い付いていた。

 「あぁぁぁぁぁ〜〜!!」

 身も世もない、快楽の悲鳴が上がる。

 射精中の男根に、じゅるじゅると吸い付かれたのだ。

 まるで、根元から精液を吸い出されてるかのよう。

 瞬太の味わった快感は、凄まじいものだった。

 早すぎる快楽に悶えながら、彼は鈴音の口内に精液を吸い出されたのである。

 

 「あ、あぁぁ……」

 ようやく脈打ちが収まり、射精が終わる。

 しかしなおも、鈴音は亀頭を咥え込んだままだった。

 温かい口内の感触が、肉棒の先端を包み続け――

 甘い快感を味わいながら、瞬太は戸惑ってしまう。

 「んふふっ……」

 おもむろに、鈴音は瞬太を上目遣いで見上げ――

 その目が、悪戯げに笑った。

 「え……あ、あぁぁっ!!」

 次の瞬間、瞬太の悲鳴が上がる。

 鈴音は肉棒を口から離さず、そのまま唇を上下に滑らせたのだ。

 カリ首を、唇で扱きたてるようなその動作。

 さらに口内で、舌が亀頭に絡み続ける。

 鈴音は射精直後の肉棒に、ねちっこい口技を繰り出したのだ。

 「あぁぁぁぁ――!!」

 瞬太にとって、それはたまったものではなかった。

 どんな男も軽くイかせるであろう、鈴音の練達した口遣い。

 それを、精通したその日に受けているのだ。

 未熟な少年にとって、あまりにも早すぎる体験。

 瞬太はあまりの快感に悶絶し、少女の口技に翻弄された。

 「あうっ! あぁっ! はぅぅぅぅ……!」

 「んっ……じゅぶ、じゅるるっ……」

 唾液にまみれ、亀頭に這い回ってくる舌――

 カリ首を擦り上げ、ねっとり扱きたてる唇――

 肉棒全体を包み込み、しゃぶり抜く口腔粘膜――

 そんなものに、少年が長く耐えられるはずもなかった。

 「あぁぁ……だめぇ……! あぁぁぁ――!!」

 甘い悲鳴を上げながら、少年は体をぶるぶると震わせ――

 

 どくっ、どくどく……どくっ……

 

 少女の口から抜かれないまま、二度目の射精に導かれる。

 そして今度も、射精中の亀頭がしゃぶり抜かれた。

 「はぅ……! あっ! あぁぁぁっ!」

 亀頭がべろべろと舐められるたび、瞬太は体を跳ね上げて悶える。

 精液の放出が収まるまで、少年は狂おしい責めを受け続け――

 そして射精が終わった頃には、ぐったりと脱力してしまった。

 

 「気持ち良かったか、瞬太……?」

 鈴音はようやく肉棒から唇を離し、にっこり笑った。

 その口に放たれた精液は、全て飲み干してしまったようだ。

 「はぅ……う……」

 「もっともっと、やりたいワザがあったのに……

  瞬太が早すぎるから、やるヒマなかったわ」

 「……………………」

 なんだか、鈴音の声が遠くから聞こえる気がする。

 それに、目の前がぼんやりしているような――

 「少し休もか、瞬太。

  あんまり短い間に何度もイかせたら、ちんちん壊れてまうもんな」

 「……………………」

 鈴音の顔を見ながら、瞬太は意識を失ってしまった――

 

 

 

 「うぅ……」

 それから、しばらく後。

 瞬太は、失神したのと同じ部屋で目を覚ましていた。

 その隣には、やはり鈴音が座っている。

 「起きたか、瞬太。調子はどうや?」

 「え? うん……大丈夫」

 ぼんやりした頭も、みるみる元に戻っていく。

 瞬太は、言われるがままに頷いた。

 「それじゃ、いよいよ契りや……」

 にんまりと笑う鈴音。

 その下半身に視線をやり――瞬太は、異変に気付いた。

 腰から下は、人間のものではない。

 ――白い蛇体。

 鈴音の下半身は、巨大な蛇のものと化していたのだ。

 

 「あ……わぁぁっ!」

 瞬太は驚愕し、思わず悲鳴を上げる。

 尻餅をつき、咄嗟に逃げようとする――

 「逃げたら、あかんよ」

 しゅるるるっ……と、退け腰の瞬太に蛇体が巻き付いてきた。

 みっしりと、体を包み込む圧迫感。

 瞬太の体は、鈴音の蛇体が作ったとぐろに捕らわれてしまったのだ。

 「あ、あ……! あぁぁぁぁっ……!」

 「落ち着いて、瞬太……」

 鈴音は、瞬太に顔を近付けた。

 そして、いつものように甘い吐息を吐きかける。

 ――それは、大好きな鈴姉の匂い。

 ――とろけそうなほど甘い芳香。

 「す、鈴姉……」

 瞬太の恐慌は収まり、みるみる心が安らいでいく。

 自分の体を巻き取っているのは、大好きな鈴姉の体。

 それなら、怖い事なんてない――

 「鈴姉、本当に蛇の巫女様だったんだ……」

 「そうや、これがうちの本当の姿」

 きゅぅっ……と、蛇体が瞬太の体を強めに締め付ける。

 まるで鈴音に抱き締められているようで、瞬太はむしろ安堵した。

 いや――安堵だけではない。

 妖女のとぐろの中で、男の本能がざわざわとくすぐられていく。

 「あ、あぁぁ……」

 彼の分身が、むくむくと頭をもたげた。

 白蛇の胴体に、まだ未熟とも言える肉棒が押し付けられてしまう。

 「んふふっ……興奮したんや、瞬太。

  うちに種付けしたくなったん?」

 「たね……つけ?」

 「そう……今から、契りをするんや。

  瞬太のちんちんが、うちのまんこに挿るねんで」

 「え……?」

 以前にも、鈴音はそんな事を言っていた。

 そして、瞬太の指を女性器へと導いてきた。

 同じように、今度は自分のちんちんを――?

 「そうやって、うちと瞬太がひとつになるんや。

  それで、うちのおまんこの中に瞬太が子種を漏らすの。

  白いのを、たっぷりドクドクおもらしするんやで……」

 「……………………」

 オモラシなんてしない、とはもはや言えなかった。

 また自分は、鈴音によってあの白い体液を搾り出されてしまうのだ。

 しかも、次は鈴音の女性器の中で――

 それは、とてつもなく淫靡な気がした。

 「鈴姉の中に、ちんちんを……」

 「うちのまんこ、あっという間に男を射精させるように出来てるんやで。

  それも、一回搾って終わりちゃうで。根こそぎ搾り尽くすまで離さんのや」

  そう言って、鈴音はくすくすと笑った。

 「瞬太も、可哀想やなぁ……初めてのまんこが、うちのやもんなぁ。

  どれだけうちが加減しても、あっという間にいかせてしまうんや。

  瞬太、気持ちよすぎて泣くかもしれへんで」

 ぞくぞくっ……と、瞬太の背に寒気が走る。

 凄まじい快楽刺激への恐れと、その期待だ。

 「それじゃあ、犯したるわ……」

 鈴音は瞬太の肉棒に手を添え、自らの秘所に導く。

 亀頭が入り口にあてがわれ、ぬめった温もりが伝わってきた。

 そのまま鈴音は、腰をくねらせ――

 

 ずぬぬっ……

 

 肉棒が、鈴音の膣に沈み込んでしまう。

 そして瞬太は、極楽を垣間見た。

 膣内の体温は、肉棒がとろけそうなほどに熱い。

 中は愛液で満たされ、ぬめった感触が絡み付いてくる。

 きゅぅっ……と肉棒全体を甘く締め付けてくる膣肉。

 きつく締められながらも、その肉の感触は柔らかだった。

 「ふぁ……ぁ……」

 瞬太はとろけた顔で、口をぱくぱくさせた。

 挿入しているだけでも、たちまち男を天国に導いてしまう魔性の肉穴。

 童貞の少年が味わうには、あまりにも強烈すぎた。

 「んふふっ……」

 挿入したまま惚けている瞬太の顔を眺め、鈴音は艶めかしく笑い――

 くにゅくにゅくにゅっ……と、膣内を軽く蠕動させた。

 それだけで、瞬太の理性は吹き飛んだ。

 「あ……あ、あぁぁぁぁ――!!」

 

 どくっ、どくどく……どくん……

 

 瞬太は鈴音にしがみつき、そのまま大量の精を放っていた。

 「んんっ……瞬太の子種、出てる……」

 鈴音は膣内に溢れる精液の感覚を感じ取り、愉悦に震えた。

 そして、精を放つ際の瞬太の顔を愉しむ。

 その悦びは膣肉の甘いうねりとなり、精を吐き出している男根をますます締め付けた。

 「は……あ、うぅぅ……」

 瞬太は、あまりの気持ちよさに涙目となってしまう。

 その口はすっかり半開きになり、涎がこぼれていた。

 とろける感触を味わいながら、瞬太はようやく射精を終えたのである。

 

 「瞬太、秒殺や」

 少年のとろけた顔を見て、鈴音はくすくす笑う。

 「ちょっと中を締めたら、イチコロやったな」

 「はぅぅ……」

 返事も出来ないまま、恍惚に浸る瞬太。

 無理もない、彼の肉棒はまだ鈴音の膣に咥え込まれたままなのだ。

 「んふっ……」

 鈴音は、瞬太に顔を近付け――

 そのまま、ねっとりと口を重ねてきた。

 「ん……んんんっ……」

 唇を唇で塞ぐかのような濃厚な接吻に、瞬太は目を見開く。

 鈴音の芳香が、一気に濃くなった。

 甘い唾の味が、口内にみるみる広がっていく。

 まるで、唾液を与えるような接吻だった。

 そして唇を吸ったまま、鈴音は膣内をきゅぅっと締め付ける。

 「ん、んんんん〜!」

 接吻から逃れる事もできず、瞬太は目を見開いて悶える。

 凄まじい快感の前で、少年はあまりにも無力だった。

 蛇妖の膣壁に備わった、段状になった筋肉。

 根元から奥までそれぞれ独自に動き、肉棒を締め上げる。

 各部がばらばらに収縮するその動きは、まるで膣内で揉みしだかれているかのようだった。

 どれだけ性交に慣れた男であろうと、これにはたまらず果てるだろう。

 まして、数分前に童貞を卒業したばかりの少年では――

 その結果は、火を見るよりも明らかだった。

 「ん、んんんんん〜!」

 

 どく、どくどくどくっ……

 

 たちまちにして、瞬太は果てた。

 狂おしく締まる膣内に、少年の精液が撒き散らされる。

 「んふっ……うちのまんこ、気持ちいいやろ」

 唇を奪いながら、鈴音は目を細め――なおも、膣内をうねらせ続けた。

 中を締めては緩め、またきつく締めての繰り返し。

 さらに、入り口から奥までを別々の動作で収縮させる。

 「ん……んあ……! んんんんん〜!!」

 強制的に与えられる快楽に、瞬太は悶絶していた。

 さらに鈴音は、膣奥を重点的にうねらせた。

 亀頭が柔肉に包まれ、圧迫され、揉みしだかれる。

 そんな刺激を受けては、ひとたまりもなかった。

 

 どくん……どく、どく、どく……

 

 膣内では、三度目の射精。

 瞬太は鈴音に抱かれたまま、体をびくびくと痙攣させた。

 魔性の肉壺が、少年の未熟な男茎から子種を搾り取る。

 咥え込んだ肉棒を餌食にし、一滴残らず精を吸い尽くす――

 「んんんんん〜〜!!」

 瞬太の目からは、涙が溢れていた。

 鈴音が予告した通り、狂おしい快楽で泣き喚いていた。

 そして、大量の精を鈴音の膣へと捧げる。

 蛇妖との交わりは、かくも熾烈なものだった。

 

 「んふっ……瞬太、いっぱい漏らしてる……

  瞬太の子種、おいしい……」

 鈴音の上半身が、瞬太をぎゅっと抱き締める。

 その蛇体が、ぎゅうぎゅうと瞬太を締め上げる。

 全身で抱擁し、鈴音は瞬太を貪り尽くしていた。

 その口は瞬太の口腔を犯し、口内のみならず顔中を唾液まみれにしている。

 その芳香は濃厚で、瞬太は鈴音の唾液と吐息のみしか吸う事が出来ない。

 少女の生々しい甘さは、すっかり彼の頭を麻痺させた。

 そして、妖しく収縮しながら男根を搾りたててくる膣――

 まさしく瞬太は、鈴音に全身を貪り尽くされていた。

 「瞬太、瞬太、瞬太……」

 「んんっ……鈴姉……」

 びくびく痙攣しながら、瞬太は何度となく連続絶頂する。

 それを全て飲み干し、なおも精を求める魔性の膣。

 瞬太は身をよじるほどきつい快楽と、とろけそうな恍惚を交互に味わった。

 精液を垂れ流しながら、瞬太は快楽に溺れ――

 体からは力が失われ、意識は遠のき――

 「瞬太、好き……」

 「んっ……」

 そして彼は、意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 蛇巫女に捧げられた贄が、どうなるのかは誰も知らない。

 だが、その憶測は人々の間で噂として囁かれた。

 ある者は、蛇に巻かれて締め殺されるという。

 ある者は、丸呑みにされるという。

 ある者は、精を吸い尽くされるという。

 そしてある者は、夫として迎えられるという――

 

 どれが真実なのかは、蛇巫女以外の誰にも分からない。

 ただ確かなのは、贄とされた者は戻ってこないという事だった。

 

 



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