序 『妖魔の城』〜『淫魔大戦』


 

 

            ※            ※            ※

 

 

 東欧の片田舎、とある村の外れ――

 そこに建つ一軒家を入り口として、その地下に広大な研究施設が存在していることを知る者は少ない。

 そこは、ヴェロニカ研究所の本部。

 倫理も道徳もかなぐり捨て、神に反逆するかのような研究をも厭わない者達――

 世界でも最高クラスの知性が集まった、まさに最新鋭の研究所。

 それは、人目を避けるように存在していたのだ。

 

 「……あそこね」

 羽を広げて飛翔し、アレクサンドラはその家へと降り立った。

 学者の道を志して間もなく、父に連れられてここに来たことがある。

 ヴェロニカと敵対する沙亜羅や深山優さえ知らない、敵本部中枢――

 そこへと、アレクサンドラは足を運ぼうとしているのだ。

 

 「……」

 家の中の様子は、以前と変わった様子はない。

 そのままアレクサンドラは地下のワイン蔵へと進み、その最奥にある扉の前に立った。

 ドアノブのところに、無造作に吊された古い鏡――これこそ、最新鋭の生体認証システム。

 アレクサンドラは、その鏡の表面に掌を軽く当てた。

 すると――小さな電子音が鳴り、扉のロックが外れる。

 以前に父に連れられてやって来たとき、アレクサンドラの生体データも登録してもらったのだ。

 つまり――本部への門戸を開いてもらった、そういうことである。

 その頃からアレクサンドラは、天才科学者の片鱗を覗かせていたのだ。

 そんな彼女が今、淫魔としてここに立つとは――実に数奇な巡り合わせである。

 「さて――」

 扉が開き、正面には研究施設への廊下。

 それを前にして、アレクサンドラはその背から美しい蝶の羽根を広げた。

 鱗粉がひらひらと散り、周囲へと舞う――そこに含まれているのは、大量のH-ウィルス。

 アレクサンドラは、H-ウィルスを地下施設の中へと散布し始めたのだ。

 感染した女性を、淫魔に極めて近いクリーチャーに変異させてしまう悪魔のウィルスを――

 

 

 

 

 

 「う、うわぁぁぁぁぁ……!」

 「くすっ、うふふふふ……」

 「こ、これは……! そんな――」

 「ら、楽裏市の……! あれに、状況が酷似して――あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 「あはは、あはははははは……」

 突如発生したバイオハザードに、広大な研究所内はパニック状態に陥っていた。

 女科学者達がH-ウィルスに感染し、次々とクリーチャーに変異していく――

 「ひぃぃ……!」

 「た、たすけてぇ……!!」

 そんな惨状の中、男達は逃げ惑うしかなかった。

 このヴェロニカ研究所での職員は女性が大部分だが、ごく少数ながら男の科学者や職員、警備員も存在する。

 しかし彼らの研究所内での地位はあまり高くなく、下手をすればモルモットと隣り合わせ。

 淫らな研究の日々の中で、自分から人造淫魔の餌食になってしまう――そういう者も決して少なくない。

 そして、こういう危機的状況で餌食になってしまうのも――哀れなことに、男性である彼らだった。

 

 「う、うわぁぁぁぁぁ……」

 二十代の男性科学者デリックは、必死で通路を走って逃げていた。

 楽裏市で起きたバイオハザードの一件は良く知られており、今同様の出来事が起きているのかも分かる。

 分かっていながら、対処策はない。逃げることしかできない――そんな絶望が、デリックの逃げ足を鈍らせた。

 「な、なんで隔壁も、非常用の空調も動かないんだ――!」

 危険なウィルスを扱う施設である以上、バイオハザードに対する備えは万全のはず。

 しかし隔壁も空調も滅菌設備も、感染防止策の全てが作動していなかった。

 そこに従事する作業員を、アレクサンドラはH-ウィルスを通じて真っ先に操ったのだが――

 そんな事実、デリックは知るよしもないのだ。

 

 「ひ、ひぃぃぃ……」

 デリックの後ろから、もう一人の男性科学者が一目散に駆けてきた。

 恐るべき逃げ足の早さで、彼はデリックを追い越していく――

 「ひ、ひぁぁぁぁ……!」

 その次の瞬間――壁を突き破って、大きな生物が姿を現した。

 あれは――

 「ハ、ハンタータイプ!?」

 巨大なカエルの頭部から、少女の上半身が突き出たクリーチャー――

 そいつはカエルの口をあんぐりと開け、長い舌を伸ばしてくる。

 「あぁぁぁ……!」

 デリックの先を逃げていた科学者が、その舌に巻き取られ――

 あむん……と、一呑みにされてしまった。

 男一人を丸呑みにし、満足そうな笑みを浮かべるハンター娘。

 カエルの口がむぐむぐと蠢き続け、じゅぶじゅぶと淫らな音が響く――

 「う、うぐ……」

 ハンター娘は、しばらく口や胃の中で獲物を弄ぶはずだ――

 デリックは、そうした習性をレポートで知っていた。

 「ひ、ひぃ……」

 そのまま彼は満足げなハンター娘の横を忍び足で通り抜け、非常口へと進むのだった。

 

 そして、廊下を駆けるデリック。

 外部に脱出できる非常口が目前へと迫ったその時――

 不意に頭上からガタガタと音がした。

 「な、なんだ……?」

 デリックが頭上に視線をやった瞬間――

 天井の通風口から、六本脚の虫型クリーチャーが現れたのだ。

 「う、うぁぁぁぁぁぁ……!!」

 ノビスタドール娘――その大きな乳で獲物を弄ぶ、恐ろしいクリーチャーだ。

 「ふふっ……」

 そして彼女は、デリックの頭上から襲い掛かってくる。

 「ひ、ひぃ……来るな……!」

 変異したばかりなのか、そいつの体はそう大きくなかった。

 それに応じて力も弱く、両手をぶんぶんと振り回すデリックになかなか組み付けない。

 頭上から押さえ込もうとしてくる六本の脚を、必死で振り払うデリック。

 しかし、不意に――ノビスタドールの乳首から、びゅるびゅると大量の乳液が降り注いだ。

 「う、うわぁ……!」

 粘ったミルクを、頭から浴びてしまったデリック――

 異様なほど粘着性の強い乳液に、たちまち彼の体は絡め取られていく。

 「あぅ……」

 さらにその甘い匂いに意識がとろけ、体から力が抜けていった。

 そのままデリックは、ねっとりとしたミルクにまみれながらその場にくずおれてしまう。

 「やめろ……やめろぉ……」

 「ふふ……」

 そのまま、デリックにのしかかって六本脚で動きを封じるノビスタドール娘。

 鋭い爪で邪魔なズボンを切り裂き、肉棒を露出させる。

 その先端に乳首をあてがい――どっぷりとミルクを浴びせてきたのだ。

 「あぅぅ……」

 ペニスをミルクまみれにされ、デリックは抵抗も忘れて脱力してしまう。

 温もりとぬめりが肉棒にまとわりつき、夢心地の気分にされたのだ。

 「ふふ、ふふふふふ……」

 「あ、あ……あひぃ……」

 さらに、ペニスはミルクを何度も浴びせられ――そのたびに、彼は脱力していく。

 股間をミルクまみれにすることで、ノビスタドール娘はデリックを弱らせているのだ。

 とうとう抵抗もできなくなり、快楽に身を任せてしまったデリック。

 もはや、彼の運命は決まってしまった。

 男として生まれてきたことを後悔するか、それとも感謝するか――どちらかなのだ。

 

 そして――抵抗できなくなった彼の肉棒を、ノビスタドール娘は豊満な乳房で挟み込んできた。

 「あぅ……」

 あちこちが昆虫化した体と、哺乳類特有のふくよかさが同居した肉体。

 その中でも最も柔らかな胸で、男の弱点を挟まれているのだ。

 ヌルヌルのミルクがこすれ、さらに心地良い摩擦感を生み出す。

 たぷたぷとノビスタドール娘は乳房を動かし、挟み込んだペニスを弄んだ。

 「あ、あぁぁ……もう、出る……!」

 その柔らかな温もりを感じながら、デリックは追い詰められていき――

 たちまち、その胸の谷間へと精液を撒き散らしてしまったのである。

 

 「ふふ……」

 最初に乳房で射精させた後、ノビスタドール娘は乳首を指先で広げ――

 その中に、デリックの肉棒をねじ入れてきた。

 「あ……! あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――!!」

 乳首にぴっちりと男性器を包み込まれ、デリックは快楽の悲鳴を上げる。

 そこは、男の精液を容赦なく搾り尽くす悪魔の肉穴。

 肉壁がメチャクチャに絡みつき、母乳まみれにし、何度も何度も射精に導くための器官――

 そんなところに男性器を咥え込まれれば、干物になるまで果て続けるしかないのだ。

 「あ――ッ! あぁ――!!」

 耐える暇もなく、ドクドクと精を迸らせてしまうデリック。

 そのお返しのように、乳首の中で母乳が亀頭部へと吹き付けられた。

 乳肉が食い込んでくるような締め付け、そして激しい蠕動――

 デリックは、あえなく二度目の射精に追い込まれてしまう。

 「あひ……! あ、あぁぁぁぁ――!!」

 ドクドクと精液を搾り取られながら、デリックは唾液と涙を垂れ流していた。

 ノビスタドール娘の餌となる悦びに溺れ、精液を乳首に注ぎ込むだけの状態となったのだ。

 「あ、がぁ……! あ、あぁぁぁぁぁぁ――!!」

 後は、根こそぎ精を吸い尽くされてしまうのみだった。

 また一人、ノビスタドール娘の乳の餌食となってしまったのである――

 

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