女給仕エミリア


 

 「あ――! あぅ、あぅぅ……あぁぁ――!」

 いつしか青年は搾精される快感に酔いしれ、エミリアへの謝罪などどうでも良くなってしまった。

 ただ、サキュバスに尻尾で吸われるという快楽を味わうのみ。

 当然ながら、エミリアは青年の心情の変化を敏感に察する。

 

 「あらあら、ご主人様……この程度のお仕置きで、堕ちてしまわれるなんて……」

 エミリアの瞳に、さっと冷たい色が差す。

 「ならばお望み通り……このまま吸い尽くして差し上げますね」

 肉棒を包み込んでいるエミリアの尻尾の表面が、ドクンドクンと波打った。

 その度にペニスはきゅっ、きゅっ、と圧迫され、じっくりといたぶられ――

 ヒダヒダがいやらしく亀頭やカリに絡み、にちゃにちゃと擦り立てられ――

 ペニス全体をにゅくにゅくと肉壁で揉みしだかれ、ちゅうちゅうと吸い付かれ――

 多彩な刺激を受けながら、青年は連続射精を体験するしかなかった。

 「う、うぁッ! あ、あ……!」

 快楽の悲鳴と共に、どく、どく、どく……と垂れ続ける精液。

 こんな射精は、今まで体験した事がない。

 股間に力が入らず、このままとろけてしまいそうだ。

 濃い紫色の尻尾にくちゅくちゅとペニスを貪られ、魂まで吸い尽くされる――

 青年は、自らを襲う強烈な快楽に恐れをなしていた。

 

 「や、やめ……も、もう……」

 「加減は致しません。それに、ご主人様もこうしてほしかったのでしょう?

  そのおちんちんをたっぷりと嫐られ尽くし、精液を吸い尽くされたかったのでしょう?」

 「う、あ…… うぁぁぁ……」

 どくん、どくどくどく……

 ねっとりと搾りたてられ、どくどくと溢れ出る精液。

 イってもイっても、解放されない強烈な快感。

 生きた搾精機の責めを延々と受け続け、青年の体は激しく痙攣する。

 「たすけ……し、しぬ……」

 「何を言っているのです、ご主人様。この程度、死に至る快感とは言えません――」

 エミリアの瞳を、この上なく冷酷な色が支配した。

 その瞳が真紅に染まっていることなど、青年には気付く余裕さえない。

 「――死に至る快感とは、このようなもののことを言うのです」

 エミリアが繰り出した動作は――それは、獲物の生死を問わず、ありったけの精液を搾り取る技だった。

 尻尾での吸引力が増し、取り付かれているペニスをグチュグチュにいたぶり回していく。

 それは巧妙で巧緻、そして凄絶で狂おしく、微塵の容赦もなかった。

 

 「あ、あぁぁ――ッ!!」

 まるで花火のように快感が何度も弾け、射精するよりも早いスピードで精液を吸い取られる。

 精液を射出する肉体の動きよりも早く、直接的に精液を吸い出されているのだ。

 「が、がぁ……! ああぁぁ!」

 「サキュバスというのは気紛れな生き物。傍に置いておこうと思った相手でも、つい食べてしまう事もあるのです」

 地面に転がって快感に悶える青年の体を見下ろしながら、エミリアはくすくすと笑う。

 そのスカートから伸びた尻尾で、彼のペニスを弄びながら――そして、精を容赦なく吸い立てながら。

 エミリアはもはや、男を捕食してしまう態勢に切り替わっていたのである。

 「あ、あああぁぁ……」

 快感の余り、青年の目からは涙がぼろぼろとこぼれ出た。

 「ふふ、無様なご主人様。気持ちよすぎて泣いてしまわれるなんて……」

 

 ずちゅ、ずちゅ、ずちゅ……

 

 エミリアの尻尾は、内壁を蠢かせながら狂おしい吸引を続ける。

 精液を吸い取り、吸い出し、男のことなど構わずに徹底的に搾り取る――

 その動作によって青年に与えられる快感は、心身を壊してしまうほどのものだった。

 「あ、あ、ああ……! ぐぐ、あがが……!」

 青年はただ腰をガクガクと揺らし、その責めに対してひたすら精を捧げるしかなかった。

 彼のペニスは、ただの蛇口に過ぎない。そこに吸引器具を取り付けられ、ひたすら白濁液を吸い出されるのだ。

 このまま精も魂も搾り尽くされ、そして自分は終わってしまう――

 「あぅぅ……あぐぅ……あが、が……あぁぁぁぁ……!」

 まるで、大口を開けた大蛇の前のネズミのように――

 快楽の涙を流しながら、彼は自らの最期を悟ったのである。

 

 「あぐ、ああぁぁぁ……!」

 「なんと美味しい精……全部吸い尽くしますが、よろしいですね?」

 「あ、あぐぅぅ……、あぅぅ……」

 青年には、もはや理性は残っていなかった。

 ただ、目の前の快感に全てを委ねていたい――そのまま、魂を吸われてしまったとしても。

 「では、これで最後です。思いっきり吸って差し上げますから、たっぷりと快感に悶えて下さいね」

 エミリアは、凍てついた笑みを見せ――そして、最後の搾精を行った。

 青年に与える、本当に最後の快楽だ。

 

 ちゅう……ちゅるるるるるるるるるるるるるるるる――っ!

 ぐちゅ、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ……!

 ぎゅぽぎゅぽ、ちゅうううう――っ!

 

 一気にすぼまる内壁。甘い蠕動にさらされ、ぐちゅぐちゅに揉み尽くされる肉棒。

 「あ、ああああああああぁぁぁぁぁぁぁ――っ!!」

 青年は苦悶とも快感とも取れる声を上げ、全身をわななかせる。

 ペニスの先端からは白濁液がじょろじょろと尿のように溢れ、そのまま尾の吸精孔に啜り尽くされた。

 花火のように連続で弾ける快感に、青年の脳は焼き尽くされてしまう。

 「あ、あああああぁぁ……」

 ひときわ激しく精を放った後、彼の体はがっくりと弛緩した。

 小刻みに痙攣していた指先や足も、たちまち動かなくなってしまう。

 こうして彼は、最高の快感を得た代償に――本当に昇天してしまったのである。

 

 

 

 

 

 「……」

 エミリアの尻尾が青年の股間から離れ、しゅるしゅるとスカートに戻っていった。

 屍となった青年を見下ろすエミリアの視線には、満足感と寂寥感が同居している。

 この人間に、かなりの愛着を持っていたのは嘘ではない。

 いや――強い愛着を持っていたからこそ、その精を吸い尽くしたいという本能を抑えられなかったのだ。

 それこそが、サキュバスという生物の宿命。

 純粋に思えば思うほど、対象を啜り尽くしたくなる欲求も肥大する。

 

 「……ごちそうさまでした、ご主人様」

 そう呟くエミリアの言葉は、どこか寂しげだった。

 週に一度の休日が終わり、エミリアを待っているのはいつもの勤め。

 しかし彼女が帰宅する邸宅に、迎えてくれる者はもういない。

 そんな日々が、本来からそうであったかのように続くのである。

 

 

 −BAD END−

 

 

 



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