マーメイド
友人達と共に海水浴に来ていた僕。
海でひと泳ぎした後、砂浜でのんびりと波を眺めていた。
周囲には、遊泳客がごった返している――
「……ん?」
すると、水着姿の可愛い少女が一人。
年齢は、16から17といったところか。あどけなさの残る可愛い顔付きだ。
「う〜ん……」
誰か人でも探してるのか、少女は砂浜にたむろしている人々の顔を眺め回している。
「どうしたんだい、君。逆ナンパ?」
「え、えっと……何ですか?」
彼女にまじまじと眺められた男達は、様々な反応を返していた。
しかし少女はすぐに興味を失ってしまうようで、次々と別の男の顔を眺めつつ駆け回る。
そして彼女は、波打ち際に立つ僕の顔をもまじまじと覗き込んできた。
「あの……何だい?」
「ルックスはまあ普通。潜在能力は高めかな――」
少女は僕の体を値踏みするように眺め、ぶつぶつと呟いている。
「あんまり高望みするのもアレだし……よし、キミでいいや」
「え……?」
何か分からないが、僕でいいらしい。
そして少女は、僕の腕をぐいと掴んできた。
「じゃあ、ちょっと来て」
「へ? どこへ――」
「いいからいいから。取って食う訳じゃないし」
戸惑う僕の腕をぐいぐいと引く少女――間近で見ても、彼女は端整な顔をしていた。
くりくりした目に、つんと高い鼻。
いかにもプライドが高そうな美少女が、いったい僕に何の用なのだろう。
宗教? セールス? それとも――
いつしか僕は遊泳場からかなり離れ、岩がゴツゴツしている海岸にまで引っ張られた。
「これ以上、海水浴場から離れると危ないんじゃないか……?」
見ると、すっかり人気はない――そこは遊泳場ではなく、もはやただの海岸だった。
砂浜も消え、海面は膝あたりまで達している。
そして目の前には切り立った崖――その壁面には洞窟が見え、海水が中に流れ込んでいるようだ。
「ここが私の巣穴ね。人間を招待するのは初めてだから、感謝するように」
可愛い少女は可愛げもなく告げると、僕を洞窟の中へと引き込んでくる。
「す、巣穴……? え……?」
さっぱり理解できないまま、僕は洞窟の中に立っていた。
その洞窟はけっこう狭く、学校の教室が二つ分といったところか。
中には海水が流れ込んでいるが、その水位は膝の辺りまでとかなり浅い。
そして奥の方はというと地肌が見え、陸面が露出している。
洞窟の半分ほどは膝までの深さの海、そして半分ほどは陸地となっている構造のようだ。
いったい、なんでこんな場所に僕を――?
「その……いったい、何を? 君は?」
「私はメーヌ。人間じゃなくて、人魚――マーメイドなのよ」
少女は、海の部分と陸の部分を分かつ波打ち際に立った。
「は? マーメイド……?」
あっけに取られた僕に対し、少女は深々とため息を吐いた。
「やれやれ……これだから人間って嫌いなの。
自分達の知ってる小さな世界以外の存在は、頭から認めようともしない――」
不意に、水着姿の少女の下半身が淡い光に包まれていた。
その輪郭がゆっくりと崩れ、そして二本の足が融合していく――
みるみるうちに彼女の下半身は姿を変質させ、その体色まで変化していた。
魚類そのもの下半身を覆う、一面の鱗。
その先端はぴちぴちと跳ね、尾びれの形状と化している。
全体がクリアブルーで、淡く美しい色彩――
少女の姿は、まさにマーメイドそのものだった。
「はい、これで信じたでしょ?」
メーヌと名乗った少女は、あっけらかんと言う。
一方の僕は驚きのあまり、その場にへたばっていた。
膝の高さだった海面に腰が浸かる冷たさ――それも忘れ、僕は呆然とする。
「ほ、本当に、マーメイドだなんて……」
そんな生物が実在するだけでも信じられないのに、それが眼前に立っている――
恐怖とは少し違う。
彼女はこれっぽっちも恐ろしくなどなく、むしろ綺麗だった。
ただ、目の前の光景が信じられないのだ。
「夢か……? これは……」
「もう、いつまでも現実逃避しない。ほら、ちゃんと二本足あるんだからしっかり立ってよ。
用事があるから、わざわざ巣まで連れてきて正体バらしたんだからね」
そう言いながら、魚の下半身でぱちゃぱちゃと海面を移動するメーヌ。
ここは彼女の巣穴――つまりメーヌの本当の姿でも、この洞窟内では問題なく移動できるのだろう。
メーヌは僕の前に立ち、ぐいと腕を掴んで引き起こした。
「用事って……まさか、僕を食べる気か?」
彼女に引き起こされながら、僕は恐る恐る告げる。
「キミねぇ……」
いかにもうんざりした風に、大きなため息を吐くメーヌ。
「人間を食べる人魚なんて、聞いたことある? 普通は逆でしょ。人間の方が、人魚の肉を食べたがるんじゃないの?」
「そ、そうなのかな――」
そうこうしつつ、ようやく僕も平穏を取り戻していた。
メーヌは人間ではないとはいえ、こうして喋っている分には普通の少女と何ら変わりないようだ。
「で、用事って……? できることなら、力になるよ」
良く分からないが、こんな綺麗な人魚なら助けてあげたくもなる。
人間に害をなす人魚なんて聞いたこともない――だとすれば、仲良くしたところで困ることは何もないだろう。
「そう……人間なのに、優しいんだね」
無愛想だったメーヌだが、微かに笑みを見せたような気がした。
「実はね……キミに、種付けしてもらいたいの」
「種付け――って?」
「ほら、あれ見てよ」
メーヌの指差す先――洞窟内の波打ち際、その平たい岩の上に妙なものがあった。
カズノコのような細かいつぶつぶが集まり、ゲル状の粘体を形成していたのだ。
その粘体は、ねっとりと岩にこびりついているようだ。
「あれ、私が産んだ卵なの。あれにキミの精子をぶっかけてほしいんだけど」
「えっ――!?」
精液を、メーヌの産んだ卵にかける……?
僕は思わず、サケなどの放精をイメージしていた。
いや……それはイメージなどではなく、そのものの行為じゃないか?
「それって、もしかして受精――」
「だから、そう言ってるじゃない。あなたの精子で、この卵を受精させてほしいの」
メーヌは僕の腕を掴んで、岩の上に産み落とされた卵の方へと引き寄せる。
「ほら、別に減るもんじゃないしいいでしょ。オシッコみたいに、精液ピュッピュッってかけちゃってよ」
「そ、そんな……」
僕が狼狽している間にも、メーヌによって卵の脇まで引っ張られてしまった。
この卵に精液をかけろとか、急に言われても――
「さっさとやっちゃってよね。私、正直言ってあんまり人間には関わりたくないんだから」
面倒そうに言いながら、メーヌはずるりと僕の水着を引き下ろしてきた。
たちまち下半身は露出し、ぽろん、とペニスがこぼれ出てしまう。
それは当然ながら、全く大きくなっていない状態だった。
「わわっ、ちょっと……! まだ、心の準備が……」
「何よ、興奮してないの? 子作りする時って、人間の男は興奮しないもんなの?」
恥ずかしさやら何やらで狼狽する僕を見据え、メーヌは眉をひそめる。
「まあいいや。そのまま卵をまたいで、四つ這いになって。オチンチン、刺激ぐらいはしてあげるから」
「え……?」
とにかく強引に、僕の意向など関係なく話を進めていくメーヌ。
彼女はぐいと僕の背を押し、卵の上で四つ這いの姿勢を取らせてしまう。
背後に立つメーヌは、僕のあまりにみっともない姿を目にしていることだろう。
そして彼女の手が、僕の背後から股間へと回ってきた。
「あ、ちょっと……!」
「手で刺激すると、放精するんじゃなかったっけ?」
メーヌの温かい掌に握られ、ペニスはむくむくと大きくなっていく。
「あ、大きくなった――握って、上下に動かせばいいのよね?」
きゅっきゅっと掌に軽く力を込めながら、そう尋ねてくるメーヌ。
その柔らかい掌からは、彼女の温もりがじんわりと伝わってくる。
「あ、あぅ……」
快感で緩む僕の顔を一瞥し、メーヌは微かに笑った――気がした。
「じゃあ、コスるね……」
しゅこしゅこしゅこしゅこ……
メーヌはペニスを握ったまま、手首のスナップを利かせて軽快に上下運動を行う。
マーメイドである彼女の指と指の間には、薄い皮で形成された水かきが備わっていた。
ペニスを握って上下に扱くメーヌの右手――その親指と人差し指の間の水かきが、絶妙の刺激を生み出す。
手を上下させるたびに、皮膜が亀頭を滑り、カリを擦り上げ、時には亀頭全体を包み込むのだ。
その独特の快感に、僕は腰をガクガクと揺すっていた。
「ねぇ、これでいいの? 痛くない?」
「ああ……気持ち、いい……」
「ねぇねぇ、なんで人間の男の人って、気持ちいいと放精しちゃうの?」
しこしこと手を動かしながら、メーヌは無邪気に尋ねてくる。
こころなしか、その頬はやや上気しているようにも見えた。
「わ、分からないけど……あうっ!」
正直なところ、メーヌの疑問に答える余裕はなかった。
彼女はしこしことペニスを扱き続け、単調ながら僕を着実に追い詰めていくのだ。
「だいたい、なんでオチンチンをコスったら気持ちよくなるのかも良く分かんない……
ねぇ、こんなので本当に気持ちいいの?」
「あ、う……」
ぬちゅぬちゅぬちゅぬちゅ……と、ペニスを擦り上げる音が変化していた。
尿道から先走り液が溢れ、それがメーヌの指や掌、水かきを濡らしていたのだ。
「わっ……なに、これ……?」
メーヌは掌で異常を感じ、眉を寄せる。
それは嫌悪というよりも、好奇心の方が優先されている感じだが。
「放精は、もっとビュービュー出るんだよね? おしっこ……?」
「いや、先走り……気持ちよくなってくると、出るんだ……」
息を荒げながら、僕は答える。
「ふーん、変なの。でも、気持ちいいんだね……」
メーヌはにんまりと笑い、四つ這いになっている僕にのしかかってきた。
背中に体重が預けられ、ふんわかした乳房が押し付けられる――
そして僕の太腿や足には、魚そのもののヌメヌメした下半身が密着していた。
「ほらほら、精子出して出して〜♪」
「あう、う……う……」
にゅこ、にゅこ、にゅこ……
少女の柔らかい手で握られ、扱きたてられる快感――
それに加えて水かきが亀頭表面を滑る刺激に、僕はとうとうこらえきれなくなった。
「あ……! も、もう……」
「あ、可愛い顔。放精しちゃうの? いっぱい出してね♪」
射精直前の恍惚に緩む僕の顔を覗き込み、笑みを見せるメーヌ。
「あ、イく……! あぁぁぁぁ……!」
そして彼女の手で嫐り上げられ、僕はそのまま果ててしまった。
びゅるびゅると放たれた精液が、股間の真下にあるカズノコのような卵にボタボタと降りかかる。
「わっ、すごい……! こんなに出るんだ……!」
驚いた顔を浮かべながらも、メーヌは掌での刺激を緩めなかった。
脈動しているペニスをしこしこと上下し、射精を助長するように刺激し続ける。
「あ、う、あぁぁ……」
美少女に四つ這いにされ、のしかかられ、そして精液を絞り出される――
非常に屈辱的なシチュエーションで、僕は信じられないほど大量に射精してしまった。
そして白濁液を、眼下の卵にたっぷりと振りかけてしまったのだ。
「……よし、これでいいかな?」
メーヌは僕から離れると、精液と混じり合っているオレンジの卵に手を伸ばした。
そして、それを掌ですくって波打ち際へと放す。
「みんな、元気に孵るんだよー」
たちまち卵は波に呑まれ、洞窟の外――海へと流れ出てしまった。
「え……? あれでいいの?」
「うん。私達は、子育てする種族じゃないからね」
そう言いながら、メーヌは僕の方を振り向く。
その清々しそうな表情からは、刺々しい様子がすっかり消えていた。
「キミは、子作りどうだった? 嫌じゃなかったでしょ?」
「え――?」
僕は、思わずメーヌの顔をまじまじと眺める。
そうだ。目の前の可愛い女の子と、子供を作ってしまったのだ。
「嫌じゃなかったよ……すごく気持ちよかった」
さっきのは性交なんてものじゃなく、手コキでイかされただけだけれど――
それでも僕は、満足した感覚を抱いていたのだった。
「ねぇ、キミ。放精ってまだできそう……?」
メーヌは僕の正面に立ちながら、おもむろに質問を投げ掛けてくる。
今までの彼女にはない、伏せ目がちな、遠慮がちな尋ね方。
「え……!? できる、と思うけど……」
「さっきキミの放精を手伝ってた時にね、ちょっと興奮しちゃったんだ……」
さわさわと、メーヌは白いお腹を撫でる。
「それでつい、また卵を作っちゃったの。これも受精させてほしいかな、なんて――いいよね?」
首をかくっと傾け、そう尋ねてくるメーヌ。
「あ、ああ……もちろん!」
僕は、この少女に愛情にも似た感情を抱いていた。
「じゃあさ……直接、お腹の中に放精してほしいんだけど」
「え……!?」
メーヌのとんでもない言葉に、僕は思わず硬直する。
直接注ぎ込む――それは、つまり……
「産卵する穴にオチンチン突っ込んでもらって、そのまま放精してもらうっていうやり方があるんだって。
私はやったことないから、良く知らないんだけど――」
そう言いながら、メーヌは自身の股間部分に視線を落とす。
彼女のヘソから下は、魚の半身と化している。
そして股間部分には、女性器のような縦スジが入っていた。
そこは微かに膨らみ、そしてぴっちりと口が閉ざされている。
いかにも控え目で、慎み深い器官だった。
「そ、そこに……?」
僕は、ごくりと唾を呑み込んだ。
メーヌはそんな僕の様子を見て、不安を抱いているものと誤解したらしい。
「あ、大丈夫だよ。痛くないからさ……たぶん」
彼女は僕の右手を取り、そして中指を自身の股間へと押し当てた。
そのまま僕の指先を、強引に自身の生殖孔の中に収めてしまう。
くちゅり……と、僕の中指は狭くてぬるぬるの蜜壷に包み込まれていた。
「ほら、痛くないでしょ? オチンチン入れても大丈夫だから……ね?」
「あ、すごい……」
その中は温かく、まるで天国のよう。
ぬめりが非常に多く、ヒダが幾重にもなって指先へと絡み付いてくる。
それは、男をたちまち絶頂へと誘う蠢きだった。
この穴にペニスを包み込まれ、果ててみたい――
そう思わない男は、この世にいないだろう。
「卵を産む時みたいに中をキュッキュッてしちゃえば、その刺激で放精しちゃうんだって。
先輩のマーメイドから聞いた話だけど――」
僕の指を蜜壷から抜きながら、そう呟くメーヌ。
肉棒はたちまち反応し、むるみる頭をもたげていく。
「あ……大きくなっちゃった。準備できたみたいだね」
メーヌは微かな笑みを浮かべると、そのままゆっくりと体を預けてきた。
僕は、両腕で彼女の細い肩を抱き留める。
「じゃあ、入れて……中に入ったらキュッキュッてしてあげるから」
「あ、ああ……」
僕は恐る恐る、怒張の先端を生殖孔の入り口にあてがっていた。
ぬるりとした質感が亀頭を滑り、それだけで爆ぜてしまいそうになる。
「あ……」
その快感をこらえながら、僕は一気にペニスを突き入れた。
メーヌの生殖孔の、奥深くへと――
根本までが蜜壷に包み込まれ、僕とメーヌの下腹部同士が密着する。
「あは、入っちゃった……♪」
「あ、う……」
ペニスを包み込む、あまりに甘い感触。
さっき指で味わった刺激を、今度は敏感な肉棒で味わう――
ヌルヌルのぬめり、そしてざわめくヒダがペニスを優しく歓迎していた。
ただ挿入しているだけでも、射精してしまいそうだ――
「じゃあ、キュッキュッするからね」
にこり……とメーヌは笑った。
「あっ、待って――!」
そんなことされたら、たちまちイかされてしまう。
もっと、この中の感触を味わっていたいのに――
しかしメーヌは僕の言葉に耳を貸さず、そのまま生殖孔を締め付けてきた。
「卵を産む時みたいに……こんな感じかな?」
きゅっ、きゅっ、きゅっ……
ぬめりとうねりを伴いながら、嫐るように締め付けてくる蜜壷。
「あ、あぐ……! あああああぁぁぁぁぁ……」
そして僕は、あえなく白濁液を迸らせていた。
「え……? もう、出しちゃったの?」
きょとんとした瞳で、恍惚に緩む僕の表情を覗き込んでくるメーヌ。
精液をドクドクと彼女の体内に注ぎ込み、そして胎内奥の卵へと混ざり込む。
「あ、はぁぁぁ……」
ちょっと締められただけで、たちまちイかされた――
そんな屈辱を味わう余裕もなく、僕は射精の快感に浸ったのだった。
「あは、可愛い顔……♪ 男の人が放精する時の顔、好きかも」
メーヌはにっこりと微笑みを見せた。
そのまま僕の腰は崩れ、ペニスが彼女の生殖器から抜けようとする――
すかさずメーヌは僕の腰に両腕を回し、へたばりそうになる体を支えていた。
「あ、逃げちゃ駄目。念のため、もう一回放精してもらうから」
抜けかけたペニスが、再びぬめめめ……と彼女の蜜壷に呑み込まれる。
そして根本から先端までが、にゅるにゅると蠢くヒダに包み込まれていた。
「あ、あああぁぁぁ……!」
それはまるで、ヨダレのたっぷりと滴ったぬるぬるの舌。
そんなのが何百何千にもなって、ペニス全体にねっとりとまとわりついているのだ。
それだけで、もう射精してしまいそうなのに――
「じゃあ、キュッキュッするね」
そう言いながら、メーヌは容赦なく蜜壷内を締め付けてくる。
「あが、ああああぁぁぁぁ……!」
きゅっ、きゅっ、きゅっ……
リズミカルに収縮し、肉棒を締め上げてくる内壁。
たちまち僕はその刺激に押し流され、二度目の絶頂を体験させられたのだった。
溢れ出た精液は、彼女の体奥に吸い上げられていった――
「やっぱり、キュッキュッってしてあげたら出しちゃうんだ。男の人の扱いって、かんた〜ん♪」
メーヌは勝ち誇った表情で告げ、にっこりと笑った。
「ちゃんと受精したよ、キミと私のコドモ……♪」
「あ、う……」
互いを慈しみ合う、性の交わり――などでは、決してない。
包み込まれ、弄ばれ、搾り取られるような性交渉。
それでも僕は、彼女と子をなす悦びに浸りきっていた。
「じゃあ、受精卵を排出しないと。このままお腹の中で育ててあげるには、ちょっと数が多いしね。
……誰かさんが、すごくいっぱい放精しちゃったから」
くすりと笑い、そう告げるメーヌ。
「産卵の穴、キミのオチンチンで塞がってるけど……いいや、このまま産んじゃえ」
「え――?」
にゅく、にゅくにゅくにゅく……!
肉棒を包み込んでいる生殖孔が、激しく蠕動を始めた。
それは、体奥にあるものを体外へと排出させるための動き。
まるで生物の消化器官のように、筒状の器官全体がうねっている。
「あ、ああああぁぁぁぁッ――!!」
その蠢きにさらされ、僕はとてつもない快感を味わっていた。
生殖孔全体の蠕動にしたがって、ヒダがにゅるにゅると肉棒表面を激しく滑る。
撫で回すようにヒダ全体が蠢き、肉壁全体もうねうねと波打つ――
「だめ……! で、出る……! あぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」
そしてその刺激にこれっぽっちも抗えず、僕は射精していた。
「あれ、また放精しちゃったの? ちょっと中動かしたら、すぐ漏らしちゃうんだね」
ニヤニヤと、メーヌは目を細める。
「まあいっか。このまま卵産んじゃうよ」
「や、やめてぇぇ……」
快感にむせび泣く僕を追い詰めるように、にゅるにゅるした何かが体奥から迫ってきた。
それは生殖孔に囚われたペニスの、亀頭先端にぬるりと触れてくる。
「ひあ――!!」
「オチンチンに、卵あたっちゃった? まあ私の孔を塞いじゃってるんだから、仕方ないよね」
メーヌの卵は体奥からにゅるにゅると溢れ出し、そして僕のペニスに絡み付いてきた。
まるで、粘度の高いローション――そして、カズノコのように細かいツブツブがたっぷりと混じっている。
そんなものが粘りながら、ねちゃねちゃとペニスにまとわりついてくるのだ。
それも先端だけではなく、徐々に亀頭全体にも広がり始め――
「あひ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」
ザラザラとにゅるにゅるの同居した感触がペニスに絡み付き、その快感に狂わされる。
メーヌの卵は次々と奥から溢れてきて、彼女の産卵孔をみっちりと満たしていた。
そしてその孔を塞いでいるペニスに、妖しくまとわりついてくるのだ。
「ん……」
そしてとうとう、僕とメーヌの連結部から卵がダラダラと溢れ始めた。
オレンジ色のそれは、ねっとりと粘りながら彼女の魚の下半身を伝う。
そればかりか僕の太腿をも伝い、足元の海面へと垂れていった。
「あぐ、あうぅぅぅぅぅ……!」
ペニスに絡んでいた卵が、粘りながらずずずず……と体外へ排出されていく。
尿道から根本までを、流れるように卵が這う刺激――それに耐えきれず、僕は射精していた。
ドクドクと溢れた精液は、オレンジ色の受精卵にまみれてしまう。
「あは♪ オチンチン、卵まみれにされて出しちゃった……
キュッキュッだけじゃなくて、ねとねとされても放精しちゃうんだね」
メーヌはぐちゅぐちゅと卵を絞り出し、にっこりと笑った。
どうやら、彼女の放卵も終わったみたいだ。
足元に垂れた卵は、全て波に洗い流されてしまっている。
「……ねぇキミ。もう少し、繋がっていようよ」
「あ、あぁ……」
夢うつつの僕を、メーヌはゆっくりと押し倒してきた。
そのまま僕は波打ち際で仰向けに倒され、その上に彼女がのしかかってくる。
ペニスを、しっかりと生殖孔に咥え込んだままで――
そして彼女の魚の尾の部分が、しゅるりと僕の股間をくぐった。
股の間へと、ぬるぬるの魚尾を割って入らせたのだ。
さらに尻尾は僕のお尻の方へと抜け、しゅるりと腰のくびれの部分に絡んできた。
股間からお尻、腰の部分に尻尾が絡み込み、挿入したまま腰が引けないようにされてしまったのだ。
「つっかまえた〜♪ えへっ、これでもう離れられないね」
そのままメーヌは、ぎゅっと僕の上半身を抱き締める。
そしてペニスは、彼女の生殖孔に埋もれたまま。
もう、産卵も済んだはずなのに――
「私、キミのことが気に入っちゃった。次の産卵期まで、ずっと繋がっていようよ」
にっこり笑って、メーヌは言った。
「マーメイドと交わっていると、その人間は不老不死の状態になれるんだって。
だから疲れないしお腹も減らないし、半年くらいすぐだよね」
「え――?」
メーヌは、恐ろしいことを言った。
次の産卵期まで、あと半年もあるということか?
その間、ずっと挿入したままで――
「あっ、イヤな顔したな〜」
きゅっ、きゅっ、きゅっ……!
「あぐ、うぅぅぅぅぅ――!」
彼女の蜜壷内が、断続的に収縮し始めた。
間違いない、メーヌが締め上げているのだ――
「や、やめて……! 出る――」
「いいよ、出しちゃって♪」
メーヌは薄笑いを浮かべるだけで、僕の哀願を聞き入れる様子は皆無。
「あっ、あ、あああぁぁぁ……」
そして僕は身を震わせ、彼女の中で果てていた。
どくどくどく……と精液が溢れ、生殖孔の内部にぶち撒けられる。
もはや、僕はメーヌの手玉に取られきっていた。
彼女が射精させようとすれば、僕は我慢することも出来ず絶頂するしかないのだ。
まさに、生殺与奪を握られている状態――
「男の人、こうやって放精させるの楽しい……」
うっとりとした表情を浮かべながら、メーヌは断続的に蜜壷内を締め上げてくる。
「あぐ……! あ、うぁぁ……!」
僕はその蠢きと締め付けに翻弄され、彼女の求めるがままに精を捧げてしまった。
「ほらほらほら〜♪」
「あ、ああああああぁぁぁぁぁ――ッ!!」
亀頭を舐め回すヒダ、収縮してサオ全体を締め付けてくる内壁――
そんな妖しい蠢きにさらされ、僕は悶え続けるしかなかった。
彼女の中に、絶え間なく精液を注ぎ込みながら――
「今年の産卵期も、もうそろそろだね……」
「あぐ、あぁぁぁ……」
僕はメーヌに下半身をがっちりと捕らえられ、上半身を抱き締められたまま呻いていた。
当然、ペニスは生殖孔に埋もれたまま。
もはや、何万回射精したかも分からない。
あれから何年が経っただろうか。
産卵期を何回重ねても、メーヌは僕を解放してくれなかった。
彼女は僕をしっかりと抱き締め、そして精液を搾り取り続ける。
生殖に使うとか、そうでないとか関係ない。
もはや、交わり続けることのみが目的になっているのだ。
「もっと出して……もっと……」
「あぁぁ……気持ちいい、気持ちいい……」
そんな状態に絶望するどころか、僕はその悦楽に浸りきっていた。
彼女の蜜壷は、天国のような快楽を与え続けてくれているのだ。
吸い出されても、吸い出されても終わらない射精の快感。
腹が減ることも疲れることもなく、その悦楽は無限の時間として続く。
「ずっと一緒にいようね。ずっと、ずっと……」
そう囁いて、メーヌは僕の唇にキスをした。
こうして僕は、心までもメーヌに捕らえられてしまったのだった。
僕とメーヌの交わりは、世界が終わるまで続くのである。
この娘さんに搾られてしまった方は、以下のボタンをどうぞ。