ミイラ娘


 

 「……わ、分かりません」

 僕は、おずおずとそう口にしていた。

 「ほう……? このような単純な謎掛けすら分からんか? それとも、分からん振りをしているのか……?」

 女王は、包帯の隙間から覗く目を猫のように細める。

 それは包帯の上からでも分かる、いかにも淫靡な微笑だった。

 「ともかく、罰は受けねばならんな……シェルミュフレ! シェルミュフラ!」

 「はっ……」

 脇に控えていたさっきの女官と、そしてもう一人、玉座の後ろで控えていた女官が動き出す。

 彼女達は姉妹なのか、まるで顔が瓜二つ――そして二人は僕を挟み撃ちにするように、左右から迫ってきた。

 たちまち僕の両腕は、彼女達に抱きすくめられるようにして封じられてしまう。

 「は、離して……」

 そんな力ない懇願も虚しく、ズボンと下着が強引に下げられてしまった。

 あらわになった肉棒は、すでに限界まで隆起している。

 余りにも非日常的なこの状況に、僕は興奮しきっていたのだ。

 何より、フェミアのあのぬぬるぬるの手。

 あれが股間に這い回ると聞かされ、興奮しないはずがない。

 

 「ふふ……ペナルティを期待しておるのか?

  フェミア、強引に射精させる必要はない。優しく、丹念に塗ってやれ」

 「はい、了解しました……」

 怪しげな粘液の満たされた壷を片手に、ゆっくりと近付いてくるフェミア。

 彼女は二人の女官によって拘束された僕の眼前に立つと、壷を足元に置いた。

 そのまましゃがみ込み、両手を壷に付けてゆっくりと掻き回す。

 その白魚のような両手には、まるで水飴のように粘液がねっとりと絡み付いていた。

 「……では、失礼します」

 「あ、ああ……」

 ゆっくりと、両掌が怒張しているペニスに迫ってくる。

 まずは、サオの部分を支えるかのように左手が触れてきた。

 ぬちゅ……と、数本の指が胴体の部分に取り付く。

 「うあ――」

 根本に近い部分だけに、さほど敏感ではない――にもかかわらず、そのぬめった感触は気持ちいい。

 そして、ねっとりと粘液の絡み付いた右手が亀頭の部分に迫ってきた。

 「あ、ぁぁぁぁ……」

 「……」

 ぬるぬるぬる……すり、すりすり……ぐちゅ。

 フェミアは僕の股間を覗き込み、まるで小動物をいたわるかのように亀頭をすりすりと撫でる。

 粘液にまみれた掌が亀頭粘膜を優しく擦り上げ、僕は思わず身をよじっていた。

 「あぐ……! ひぃぃ……!」

 「ふふ……どうだ? 熟練した奴隷の手技、そして最高級の催淫粘液……この世のものとは思えぬ快楽だろう?」

 フェミアの左手はサオに添えられ、ペニスの角度を巧みに調節している。

 そして亀頭をソフトに撫でていた右掌が、不意にみっちりと密着してきた。

 掌のくぼみの部分が亀頭に押し当てられ、そして右手が亀頭全体を覆って包み込んでしまう。

 「ひぃ……! そ、それ……!! 気持ちいい……!!」

 ぐちょぐちょぐちょと、フェミアは右手を小刻みに捻り始めた。

 その掌にみっちりと包まれている亀頭は、右へ左へとねじられるような刺激を受ける。

 ぐちゅぐちゅと粘液が音を立て、そして亀頭に塗りたくられていた。

 粘液を塗り込む動作と、押し包むような愛撫が一体になった動作だ。

 「あぅ……! あ、ああぁぁ……!」

 不意にフェミアは手の形を変え、亀頭に滑らせながら親指と人差し指でのリングを形作っていた。

 その指のリングは亀頭の先端に押し当てられ、まるでリングの中にねじ込まれるように挿入させられる。

 「お、おおぉぉ……」

 指の輪は亀頭を締め付けながらその表面を滑り、そしてカリの部分を捕らえた。

 くちゅくちゅくちゅ、と指のリングがくびれの部分を小刻みに上下し、カリにえも言えない快感が浴びせられる。

 その小刻みな動作と、粘液でぬるぬるの感触が男の性感を巧みに刺激し――

 「あ……! あ、もう……!」

 「……」

 僕が射精の予兆を感じ始めたと同時に、フェミアの右手がペニスからすっと離れていた。

 いったん肉棒を解放した右手は、僕の股下へと向けられ――そして、ぶら下がった陰嚢を包み込む。

 「うあ……」

 ぬるぬるの掌で陰嚢を優しく包み込まれ、喘ぎ声をもため息ともつかない声を漏らしてしまう僕。

 さらにその手はぐちゅぐちゅと蠢き、優しく袋全体を揉み込んできた。

 その動作を続けつつ、五本の指が陰嚢の付け根をさわさわとくすぐるように這い回る。

 「この部分にご奉仕するのは初めてです……これでよろしいのでしょうか?」

 この世界には、女性とふたなりしか存在しない――すなわち、フェミアは陰嚢という器官を知識でしか知らないのだ。

 それでも、その動作は練達した愛撫そのものだった。

 「き、気持ちいい……」

 ペニスはぴくぴくと快楽に震え、その先端からは唾液のように先走り液がだらだらと垂れている。

 その様子は、玉袋ばかりではなく陰茎への刺激を懇願しているかのよう。

 もはや僕は、フェミアの手で弄ばれて精液を出したいという一念にとらわれていた。

 

 「フェミア。射精を欲しておるようだ。望み通りにしてやれ」

 「はい、では……」

 フェミアは、僕の股間からいったん両腕を離した。

 そして、その粘液でぬめった両掌で肉の筒を形作る。

 その筒を形作る指がやわやわと動き、粘液はねっとりと糸を引いていた。

 それは、まるで女性の蜜壷。

 あんなのに包み込まれてしまえば、ひとたまりもないだろう――

 「では、失礼します……」

 「あ、そんな……」

 ぬるるるるる……と、僕のペニスはその筒をくぐらされていた。

 信じられないほどにぬるぬるで、信じられないほどに温かく、信じられないほどに心地よい。

 その筒の狭さは絶妙で、ペニスをみっちりと包み込んでくる。

 それは膣圧のような締め付けとなって、肉棒を甘く絞ってきたのだった。

 ぐちゅり、ぐちゅり……と異様に淫らな粘音が、ペニスを咥え込んだ掌筒の中から漏れ出ている。

 「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ――」

 その快感に脱力し、もはや立つことすら出来ない――

 僕の腰は完全に崩れ、左右の女官によって支えられていた。

 腰の力が抜け、白い渦のようなものがゆっくりと沸き上がってくる。

 これ以上は、もう我慢が――

 「もう限界のようだな。フェミア、天国を味あわせてやれ」

 「はい――」

 ぐちゅぅぅぅぅぅぅぅぅ……

 両掌は筒の形を保ったまま、十本の指が僕の肉棒に絡み、巻き付いてきた。

 「あ――あああぁぁぁぁぁ!!」

 まるで、軟体生物が股間に取り付き、柔らかい触手がペニスに這い回っているかのよう。

 粘液にまみれたフェミアの十本の指は、それぞれがまるで別の生物のように肉棒を弄ぶ。

 掌の筒は保たれたまま、ペニス全体がその温かい中に包み込まれていた。

 そのままサオを擦り上げられ、扱き立てられ、カリを締め上げられ、亀頭粘膜に指が這い回り――

 「あ……! いく、いく……!!」

 白い快感の渦に屈し、ペニスが掌筒の中でびくびくと脈動を始めた。

 同時に、びゅくびゅくと白いしぶきが上がる。

 「……」

 その掌の中で射精の脈動を感じるフェミア。

 彼女は、ぐちゅぐちゅぐちゅ……と、まるで石鹸を泡立てるかのようにペニスを両掌で擦り合わせて愛撫してきた。

 「あ、はぁ……! あああああぁぁぁぁぁ――!!」

 射精中のペニスに浴びせ掛けられる、余りにも甘い愛撫。

 白濁液を漏らしながら肉棒をぬるぬると弄ばれ、僕は身をよじらせて喘ぐのみ。

 こうしてフェミアの掌筒の中に、尿道に残る精液まで搾り出されたのである。

 「……終わりました」

 粘液と精液でべとべとになった自分の手に嫌悪感を見せず、彼女は射精が終わったことを確認した。

 そして、フェミアはペニスから手を離す――彼女の手により、僕の肉棒はすっかり粘液でべとべとにされてしまった。

 余りに強い快感の残滓が後を引き、僕は恍惚にひたってしまう。

 これが、性的奉仕を義務づけられているという奴隷の手技――

 

 「さて、第一の罰はこれで終わりだ」

 女王はがそう宣言すると同時に、フェミアは壷を片手に広間の隅へと引っ込んでいく。

 「残る問いは、あと四問――我を満足させる解答を提示した時点で、汝を客人と認めよう。

  しかし間違えるごとに、先のように汝を辱める。そして四問全てを間違えた場合――さて、どうしてくれようか?」

 にやり、と女王は目を細めていた。

 僕はというと、射精後の恍惚感、脱力感から徐々に覚醒しつつある。

 二人の女官は、僕の両腕を左右からしっかりと拘束したまま。

 この座興が終わるまでは逃がさない――ということのようだ。

 「言っておくが、さっきの質問――あの最初の問い掛けで、汝をこの座興から解放するつもりでいた。

  しかし汝が余りにも愚者だったのか、それとも罰を受けたかったのか――汝は解答を誤った。

  汝は、この座興からいとも簡単に抜けられるチャンスを失ってしまったのだ」

 「う……」

 女王の言葉に、僕はごくりと唾を飲み込んでいた。

 「しかし、第二の問いではもう遊ばんぞ。次からは、我が好奇心と探求心をもって汝の世界について質問する。

  されど、我も人間界について無知ではない。果たして、我を満足させる解答が得られような?」

 「……」

 もしかしたら、さっきの問題がこの座興を抜ける最後のチャンスだったのだろうか?

 いや、たとえ相手が女王だろうが何だろうが、僕達の世界については僕の方が詳しいはず。

 古代に生きた人物が疑問に思う程度のことなら、難なく答えられるはずだ。

 僕は軽く深呼吸し、次の質問に対して身構えていた。

 

 

 To Be Continued...

 

 

 



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