メデューサ


 

 「み、見たい……です……」

 異常なのは分かっていた。

 ペニスを包む妖しい感触は、尋常のものではない。

 明らかに指による刺激ではなく、ぬるぬるの触手が絡んでいるような感触なのだ。

 それでも――僕は、見たかった。

 御咲先輩が何をしているのか――いや、先輩が何なのかを知りたい。

 「そうか、仕方ない。それも君の選択だ……」

 そう呟きながら、御咲先輩は僕の目の部分を隠している掌をゆっくりとずらしてきた。

 光の戻ってきた視界――そこに映ったのは、想像以上に異様な光景。

 

 ――蛇だ。

 

 親指程度の太さの蛇が数匹、ペニスの根本からカリまでにみっちりと巻き付いているのだ。

 目もウロコもない、ただし口はある異様な蛇。

 そんな奇妙な生物が肉棒に絡み付き、身をうねらせながら締め上げている――

 そして蛇のとぐろから露出した亀頭部分、その敏感な部分も責めを受けていた。

 蛇はぱっくりと口を開け、突き出したピンクの舌で亀頭をチロチロと舐め回しているのだ。

 そんな無数の蛇達は、僕の背後から伸びている――

 「ん、んんんんんッ――!!」

 僕の悲鳴は、口から外に出ることはなかった。

 さっきまで僕の視界を塞いでいた御咲先輩の掌は、僕の口許に当てられていたのだ。

 口が塞がれ、悲鳴を上げることすらできない――

 「だから、見ない方が良いと言った」

 「ん、ん……!」

 僕は横目で、背中に寄り添う御咲先輩に視線をやる。

 その蛇は、なんと御咲先輩の髪から伸びていた。

 先輩の長い髪が無数の蛇と化し、僕の股間にまとわりついているのだ。

 「んんん! んんっ!」

 「そんなに怯えるな。これも、私の体の一部なのだから」

 「んんん――ッ!」

 まるで僕を黙らせるかのように、カリを引っ掛けるように蛇の胴がざわざわと蠢く。

 蛇の体からしみ出している粘液が潤滑油となって、サオの表面を妖しく滑る。

 奇妙な蛇がペニスに取り付き、股間を這い回る甘い感触。

 嫌悪感と快感で、僕は身を震わせていた。

 「さっき君は、こうされて射精したんだぞ? 巻き付かれて、舐められて――ふふっ」

 囁きかけるように顔を寄せ、妖艶に微笑む御咲先輩。

 早くも僕は、次の絶頂に向かって押し上げられつつあった。

 しかし嫌悪感も強く、僕は顔をぶんぶんと左右に振ることで反抗の意を示す。

 「おぞましいか? しかし快感は極上――」

 それでも御咲先輩の掌はぴったりと僕の口を塞ぎ、離れようとしない。

 「――妖蛇に嫐られ、果てるがいい」

 「ん、んんん……!」

 蛇の這い回る股間――その刺激から逃れるように、僕は顔を逸らしていた。

 そんな僕の頬に先輩の手が添えられ、強引に正面へと向けられる。

 ざわざわと蛇に嫐られている肉棒が、再び視界に入ってきた。

 「今さら、目を逸らすことは許さない。蛇にイかされるところを、しかと見ておくがいい――」

 「ん、んん……!」

 まるで見せ付けるように、蛇の舌の動きがねちっこくなった。

 尿道に浮かぶ先走り液をちろちろと素早く舐め取り、亀頭に螺旋状に這ってくる。

 それを補助するように、ぬめった胴の部分がにちゃにちゃとサオを絞り、締め付けてくる。

 自分のペニスが容赦なく責め嫐られ、そして絶頂へと追い立てられていく。

 おぞましい妖蛇によって、ねっとりといたぶられながら。

 僕はそれを何も出来ないまま凝視し、目を逸らすことすら許されない――

 「ん、んんんんんんん……!!」

 そんな屈辱とおぞましさ、そしてそれを上回る快感に翻弄され、僕は達していた。

 蛇に絡まれたまま、びゅくびゅくと白濁を噴き上げて屈服するペニスを僕は見せ付けられる。

 溢れ出す精液は妖蛇がすかさず舐め取り、僕は亀頭を這う快感に悶え続けるのだった。

 

 「……次は、精巣が空になるまで啜り取ってやろう」

 蛇の一匹が頭をもたげ、そしてくぱぁ……と口を開けた。

 そのまま妖蛇は、僕のペニスへと頭を寄せてくる。

 亀頭を咥え込もうとしている――それは、混乱している僕でも理解できた。

 「ん! ん――ッ!!」

 「妖蛇に男性器を貪られる快感、存分に味わうがいい」

 僕に、抗う術はない。ただ怯えきった顔で、妖蛇に咥えられようとしている肉棒を眺めるのみ――

 

 くちゅ、くちゅくちゅ……!

 「ん、んんんんん――!!」

 そして妖蛇は、ペニスをぬめった口内にむぐむぐと納めてしまった。

 妖蛇は親指程度の太さなので、ペニスを咥え込むには明らかにサイズが過小。

 それでもその口や顎がゴムのように伸び、強引に肉棒を口内に収めてしまったのだ。

 妖蛇の頭部から喉までが変形し、口内に納めている肉棒の形がくっきりと浮き出ている。

 その口内はぴっちりと締まり、粘膜が密着し、うねうねと妖しく蠕動していた。

 「ん、んんんんんんんん……!!」

 僕はもはや、涙目で悶えるのみ。

 崩れそうになる体を背後から先輩が支えているため、倒れることすら許されない。

 「どうだ、気持ちいいだろう。満足か? こういう事がしてほしかったのだろう?」

 「ん、ん……」

 ペニスは奥へ奥へと引き込まれ、ちゅぅぅぅぅぅと吸引を受ける。

 それに従って亀頭を包んでいる粘膜が収縮し、ねっとりと密着してきた。

 肉棒が溶け出してしまいそうな快感に、僕はおぞましさも忘れて悶えるのみ。

 「これが、昨日の晩に君が見た行為。こうやって男性器を刺激し、精液を吸い出す――いわば食事だな」

 

 ――食事。

 御咲先輩に、食べてもらっている――なぜか僕は、その言葉に昂ぶってしまった。

 先輩にペニスを啜られ、精液を吸ってもらう――

 「ん、んんんんんんんんんん……!」

 どくっ、どくどくどくん……

 それを意識した瞬間、ペニスが蛇の口内で弾けた。

 妖蛇はちゅうちゅうと吸い付き、溢れ出した精液を嚥下していく。

 「ん、んん――」

 蛇なんかにイかされた僕は、それでも恍惚感を味わっていた。

 強制的に絶頂させられ、御咲先輩に食餌を捧げる――それは悦びにすり替わっていたのだ。

 

 「ふふ、出してしまったな……」

 「え……? あああぁぁぁぁ……!」

 ちゅぅぅ、ちゅるるるるるるる……!

 ペニスがひたすらに吸い嫐られ、射精が収まらない。

 にゅぐ、にゅぐ、にゅぐと、蛇の口内は僕の肉棒を搾り続けている。

 まるでストローで吸い出されるかのように、ペニスが吸引され続けているのだ。

 延々と射精を続け、精液を吐き出し続ける肉棒。

 射精の快感と吸精の快感が入り交じり、僕は体をよじる。

 「あ、うぁぁぁぁぁぁぁ……や、やめてぇ……」

 いつしか先輩の掌は僕の口から離れていた。

 ようやく自由になった僕の口から漏れ出たのは、懇願にも似た喘ぎ声。

 御咲先輩は目を細め、そんな僕の様子を眺めていた。

 その視線からは、今までにないゾッとするような冷酷さが現れていた。

 何かが、先輩の心に火を付けてしまった――僕はそう直感していた。

 

 ちゅるる、ちゅるるるるるるるる……!!

 「や、やめ……! ひぃっ! あああああぁぁぁぁぁぁ……!!」

 「なんて可愛い喘ぎ声。もっといじめ抜いてあげる」

 ペニスが容赦なくしゃぶられ、吸い立てられ、精を吸い上げられる。

 これはフェラチオなんかじゃない。精液を啜り取られているのだ――

 「や、やめ……死んじゃう……」

 「ふふ、こうされたかったのだろう? 男性器を弄ばれて、精を吸われたいと――」

 「あ、あああぁぁぁぁぁぁ――!!」

 ちゅるるるるるるる……!

 どく、どくどくどくん……

 まるで、生きた吸精器。僕の精液は、その蠢きに翻弄されるまま吸い出され続ける。

 あまりに甘美な搾精、そして延々と続く射精。

 快楽で脳が溶け、理性も思考も損なわれていく。

 残るのはただ、先輩にペニスを啜られる快感のみ――

 

 「君のことを想っていた――そんな気がした」

 闇に落ちていく意識で、僕は御咲先輩の声を聞いた。

 「しかし、それも一時の気の迷い。永劫の時を生きる中で、ほんの少し寂しくなる時もある。

  そんな隙間に、ほんの少しだけ君の笑顔が住み着いていた――それだけの話」

 「あ……うう……」

 「このまま吸い尽くしてやろう。君の生命ごとな」

 

 このまま御咲先輩に吸い尽くされる――それでも、僕は本望だった。

 大好きな先輩の糧になることができるのだから――

 そんな僕の意識も、ゆっくりと暗い闇に落ちていった。

 

 

 



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