乙女戦隊セリオン☆ファイブ
「……!」
僕は素早く身を翻し、非常口へと掛け出していく――
次の瞬間、奇妙な金縛りに襲われた。
「え……!?」
走っているポーズで制止したまま、動かなくなる僕の体。
手も足も、まるで動かすことができない。
「これは――」
僕は、昨日見せられた映像の内容を思い出していた。
セリオン・ホワイトは糸を自在に操り、敵を絡め取るのだ――
「あら? 粗忽者が罠に掛かったようですね」
「えっ、生き残りいたの? ラッキー!」
セリオン・グリーンとセリオン・ホワイトは広間から出てくると、非常口前で動きを封じられている僕の方に視線をやった。
見付かった――!!
覆面のせいで、僕の素顔は向こうから伺えない。
セリオン・ホワイトは、十分に幼さが残る顔に笑みを滲ませていた。
「う、ぐ……!」
僕はななんとか逃げ出そうと、身をよじらせていた。
「無駄ですよ。もう逃げられません――」
セリオン・ホワイトははくいっと右腕を横に薙ぐ――その瞬間、僕の衣服が引き裂かれた。
素肌には傷一つ付けずに、覆面以外の着用物を下着に至るまで斬り裂いたのだ。
僕は二人の少女の目の前で、たちまち全裸にされていた。
「ねぇ沙雪ちゃん。その……この人も『裁く』の?」
セリオン・グリーンは、おずおずとセリオン・ホワイトに尋ねる。
「ええ、邪悪な者ならば。更正の余地があるならば、別ですが」
「どひゃー、あんま見たくないなぁ。私は先に帰っていい?」
「ええ、どうぞ。情報は引き出しておきますので、ご心配なく」
セリオン・ホワイトは、いかにも清楚に微笑む。
一方でグリーンは軽くため息を吐き、身をよじる僕に顔を近付けてきた。
「ご愁傷様……五体満足なうちに、全部喋っちゃった方が良いよ」
そして、いかにも同情したかのように告げるセリオン・グリーン。
「じゃあ任せたよー」
そのまま彼女は、その場から歩み去ってしまった。
「失礼な言い方ですよね。まるで私が、蛮行を働くかのような――」
軽くため息を吐き、セリオン・ホワイトは僕の前に立つ。
「でも、セリオン・グリーンに捕まらなくて幸運でしたね。
あの人に捕らえられたら、人間としての尊厳を失うほどに責め嫐られるのですから」
そう言って、セリオン・ホワイトは酷薄な笑みを浮かべる。
あどけない、清楚な顔に浮かぶその表情――それはどこか、嗜虐的な笑みでもあった。
「さて――知っていることを喋って貰いましょうか。それとも、体に聞いた方が早いですか?」
「……!!」
声は出せない。
セリオン・ホワイト――白川沙雪は、僕の声を知っているのだ。
……いや、もうこんな状況では今さらどうしようもないか。
「喋る気はないと? では――」
しゅっ、とセリオン・ホワイトは両腕を動かす。
「……ッ!!」
その瞬間、僕の全身に巻き付いてきた糸がきつく全身を締め上げてきた。
ぎしぎしと細い糸が絡み、腕や足、胴を締め付けるのだ。
「ぐ、ぐぅぅ……!!」
「ふふ、苦しいでしょう……?」
セリオン・ホワイトは、なおも空中で糸を紡ぐ。
僕の体には、しゅるしゅると何重にも糸が巻き付いていった。
そして容赦なく、きつく締め上げられる――そんな苦痛に、僕は表情を歪めて悶絶する。
「どうです、私の糸は? もっとじっくり締め上げてあげましょうか?」
僕を責め嫐りながら、酷薄に口の端を歪めるセリオン・ホワイト。
その冷たい表情は、清楚な顔付きに驚くほど調和している。
彼女は、蜘蛛だ。
捕らえた獲物を糸で嫐り、責め上げる蜘蛛だ――
「では、苦痛に歪む顔を見せてもらいますね」
ぴっと人差し指を動かすセリオン・ホワイト。
一筋の糸が鋭利な刃物と化し、僕の覆面をすっぱりと切断する。
その下から現れた素顔――それは、セリオン・ホワイトにとって予想も出来ない顔だっただろう。
「龍一様!? なぜ――」
セリオン・ホワイトの一瞬の驚愕は、みるみる冷たい表情にすり替わっていく。
それは、期待を裏切られた――という感情でもあった。
「なるほど、分かりました。ゾルゾムの手先である貴方は、私達に接触して様子を探っていた――そういうことですね」
「ち、違う……! 偶然なんだ……!」
それは断じて違う。
僕にそんな騙すような意図はまったくない、あれは完全な偶然だったのだ。
しかし沙雪ちゃん――セリオン・ホワイトは、聞く耳を持たない様子だ。
「貴方を、善なる者と――そう思っていたのに」
セリオン・ホワイトは軽く右腕を引き、僕の全身はぎゅぅぅぅぅといたぶられる。
「あが……がぁ……!」
全身にみっしりと巻き付いた無数の糸が、僕をぎちぎちと締め上げていた。
こんな清楚で可愛らしい少女が、じっくりと僕の全身に糸を絡めて責め嫐っているのだ。
それは苦痛と屈辱そのものであり、そして――
「あら……?」
そして、僕の肉棒はみっともなく隆起していた。
「どうしたのですか、これ。もしかして、性的に興奮してしまったとでも……?」
セリオン・ホワイトは蔑んだ表情を浮かべ、その手を僕の股間に伸ばしてくる。
そして、その小さな掌がペニスの先端に触れた。
完全に勃起したにも関わらず、三分の二ほど皮が被った亀頭。そこにセリオン・ホワイトの手が――
「皮かむり……子供のペニスですね、恥ずかしい」
嘲るような表情で、少女は俺のペニスをさする。
亀頭の下、裏筋の辺りをさわさわと――まるで、猫の顎を優しく撫で上げるように。
「あ、うぁぁぁぁぁ……!」
少女の、小動物を可愛がるような手付き。
興奮しきっていた僕は、その刺激だけで絶頂してしまった。
「……きゃっ!!」
どく、どく、どく……!
間欠泉のように噴き出した白濁液が、セリオン・ホワイトの右手に降りかかる。
少女は思わずペニス先端をぎゅっと握ってしまい、その感触は快感を加速させた。
「あ、あぁぁぁ……」
セリオン・ホワイトにきつく握られたまま、どくどくと射精する――
それは、自分の手では体験したこともない甘美な快感だった。
そして僕は、最後の一滴まで少女の手の中で精を出し尽くしたのである。
「……」
射精が収まり、ペニスから腕を放し――
その細く白い右手に精液が粘り着いているのを見据え、少女は黙り込んだ。
その険しい表情は、怒っているようにも動揺を悟られまいとしているようにも見える。
「私の手を、汚しましたね――」
しゅしゅしゅ、とセリオン・ホワイトの両腕が空中で躍る。
そして僕のペニスには、ぎゅるぎゅると糸が絡み付いてきた。
「あう――!」
ぎっちりと肉棒に巻き付く細い糸。
股間に触れないまま、ひらりと舞うセリオン・ホワイトの両手。
まるで、糸の渦にペニスが巻き込まれてしまったかのようだ。
「こんな悪さをするペニスは、お仕置きしてあげます。
欲望が渦巻いているのでしょう? 全部、吐き出させてしまいますから――」
「あ、やめ――」
ペニスに絡み付く糸は、苦痛ではなく快楽を伝えてきた。
包皮の部分にしゅるしゅると輪となって巻き付き、そのまま皮をずり下ろしてくる。
たちまち皮はカリの下にまでずり下がり、亀頭が露出してしまった。
「ふふ、先端が綺麗なピンク色です。ここを弄られたら、耐えられませんよね?」
「や、やめて……!」
しゅるり、するするする……
何筋もの糸が、ペニスにしゅるしゅると絡み付いてくる。
セリオン・ホワイトは嫐るように十本の指を動かし、その動作はペニスへと伝わってきた。
先走りに溢れた亀頭の表面粘膜を、細い糸がぬるり……と滑っていく。
「あう……!」
まるで、羽毛でさわさわと擦られているような刺激。
そして、こちょこちょとくすぐられているかのような感触。
かと思えばカリの部分に糸が巻き付き、ぎゅうぎゅうと締め付ける。
それは、細い糸で行っているとは思えないほど変幻自在の刺激だった。
「ほらほらほら……私、床上手でしょう。殿方の扱いは心得ていますから」
セリオン・ホワイトの腕の動きは、徐々に激しくなってくる。
それに従い、ペニス全体をさすり、締め、くすぐり、弄ぶ刺激も激しくなってきた。
まるで天女の羽衣を股間に被せられ、ふわふわとまとわりつく感触。
思い出したかのようにぎゅうっと締まり、その快感で僕は腰を揺すらせてしまう。
「どんな気分ですか? 年端もいかないような少女に、ペニスに糸を絡め取られるというのは?
そのまま射精に導かれるなど、とてつもない屈辱ですよね?」
「あ、あぅぅぅ……!」
糸での刺激はより執拗さを増し、逃げられない快感が僕を追い詰めていく。
こんな清楚であどけない少女にいたぶられ、嘲笑される――
その屈辱はそのまま興奮となり、絶頂への階段を一気に押し上げていった。
「ふふ、無様ですよね」
しゅるり……と、止めとばかりにカリが擦り上げられる。
「あ、うぁ……! あああぁぁぁ――!!」
次の瞬間、僕は射精していた。
どぷどぷと溢れ出た精液は周囲に飛び散り、糸や床に降りかかる。
「ふふ、耐えられませんでしたか?」
勝ち誇った笑みを見せるセリオン・ホワイトの眼前で、僕は果てたのだった。
糸でペニスを縛られ、この上もなく無様に――
「さて、それでは教えてもらいましょうか。ゾルゾム本部の場所はどこですか?」
そう言いながら、セリオン・ホワイトは十本の指を華麗に躍らせた。
みっちりと、肉棒を包みように糸が何重にも巻き付いていく。
最初に巻き付かせた分も合わせて、糸はもはや束のようになっていた。
「あ……」
まるでペニスを覆うがごとくに巻き付いたこの糸は、少女の意思によって鋭い刃物にも変わる。
そうなれば、僕の肉棒はギロチンにかけられたも同然だろう。
また、この糸でペニスに天国の快楽を与えるのも思いのまま――僕の抵抗の意思は、簡単に消滅してしまった。
「K県の七須加山、その地下……」
僕も案内付きで一度しか行ったことがないから、入り口などの場所は分からない。
それでも、その情報にセリオン・ホワイトは満足したようだ。
「ふふ……素直ですね。更正の余地があるとみなすべきでしょうか。
それとも、もっと弄んでほしいのでしょうか……?」
しゅっしゅっと、セリオン・ホワイトは紡ぐように右腕を躍らせる。
ペニスに絡み付く糸はみるみる量を増し、まるで繭のようになってしまった。
そして少女は、薄笑いを浮かべながらくいくいと十本の指を動かしてくる。
その動きは、繭の中に独特の感触を伝えてきたのだった。
「あう、ああぁぁぁ……!!」
セリオン・ホワイトによって織り上げられた繭はくしゅくしゅと蠢き、天国のような快感を与えた。
ぎゅぅぅぅぅ……と内部がすぼまり、ペニスを優しく締め付けてくる。
かと思えば糸の一本一本が動き、肉棒の隅々までをくすぐるように這い回る。
「情けないですね、龍一様。五歳以上も年下の人間に翻弄され、男性器をなぶりものにされるなんて」
「あぐ……! もう、出る……!」
「あら、気持ちよければどうでもいいみたいですね。そのまま果てて下さい、嫐られるままに……」
しゅるる、くちゅくちゅ……すすっ……しゅるしゅる……
糸の繭の中で、僕のペニスはセリオン・ホワイトの執拗な陵辱を受ける。
「あ、あああぁぁぁぁぁぁ……!!」
そして僕は、快感に流されるままに絶頂していた。
「どうですか、気持ちよかったでしょう」
快楽に緩む僕の顔を見下ろし、セリオン・ホワイトは妖艶に微笑む。
「私見ですが、龍一様はまだまだ更正可能と見ました。では、私の部屋に参りましょうか」
股間に渦巻く欲望の根源を出し尽くし、更正して頂きます――」
「そ、そんな……」
セリオン・ホワイトに、僕の抗議に耳を貸す様子は全くない。
こうして強引に、僕はセリオン・ホワイト――いや、白川沙雪の部屋に連れ帰られたのだった。
それは、彼女によって飼われることを意味していた。
――彼女は、蜘蛛だ。
そして僕は、蜘蛛に捕まった哀れな羽虫だ。
僕は白川沙雪の可愛らしい部屋に監禁されていた。
手足はもちろん、全身に四方から糸が絡み、動くことすらできない。
僕は全裸で大の字にされ、完全に動作を封じられたまま飼われているのだ。
「また、欲望の元を溜めていますね、まったく――」
ため息を吐きながらしゅるりとペニスに糸を絡める白川沙雪。
「これを全部吐き出さないことには、龍一様を解放することはできません。覚悟して下さいね」
そう言いながら、無数の糸がペニスに寄り集まってぎゅうぎゅうと刺激してくる。
くいくいと締め上げられ、僕は瞬く間に絶頂へと導かれるのだった。
そして精液が一滴も出なくなったら、その日の『更正』が終わる。
しかし次の日には、再び精液は溜まっている――男なら当然の話だ。
「ほらほら、全部出し尽くして下さい。そうすれば解放してあげますよ……?」
くすくす笑いながら、糸でペニスを嫐り続ける白川沙雪。
彼女にペニスを弄ばれ、僕は精液を漏らし続けるのみ。
そして一滴も出なくなるほどに搾り尽くされても、翌日にはまた『更正』が始まる――
「ほらほら……まだ出ますね。おちんちんもっと搾ってしまいましょうか?」
丁寧ながら嘲笑に満ちた態度で、僕をじっくりといたぶり続ける白川沙雪。
それは、まさに勝ち誇った勝者そのものの態度である。
「あ、ああああぁぁぁぁぁ……!」
少女の強いる『更正』に終わりはなく、僕は延々と男性器を弄ばれるだけの存在と成り果てた。
――白川沙雪は、蜘蛛そのもの。
彼女は捕らえた獲物を延々と弄び、放つ気は全くないのである。
−BAD END−
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