妖魔の城


 

 「う、ぐ……」

 俺は、すっかり魅惑にあてられてしまい――

 言われるがまま、マルガレーテの足下に跪いてしまった。

 

 「あら。実に簡単に堕ちてしまうのね……」

 マルガレーテは玉座に座ったまま足を伸ばし、足下に跪く俺の股間をつま先で撫でてくる。

 そして――ぎゅっと圧迫された瞬間、ドクドクと精液が漏れ出してしまった。

 軽く踏まれただけなのに――じんわりと広がる快感に耐えられず、射精してしまったのだ。

 「あ、あぁぁぁぁぁぁ……」

 「ふふ……こんなので漏らしてしまうなんて」

 マルガレーテの足の下で、俺は甘い快楽を味わっていた。

 もう、戦意など沸いてこない。

 このまま、いいように弄ばれたい――

 「け、啓……!」

 ウェステンラは、そんな俺に慌てて駆け寄ろうとする。

 しかし――マルガレーテは、掌をかざしてウェステンラを制した。

 「……あなたは、そこで見ていなさい」

 「あ、姉上……!」

 マルガレーテが指を鳴らすと、ウェステンラの足下に魔法陣が発生した。

 そこから形を成した光の檻のようなもので、ウェステンラは閉じこめられてしまう。

 あれは――メリアヴィスタ戦で見た、魔縛の術とやらと同じものか。

 「――!!」

 ウェステンラは何かを叫びながら檻を叩くも、内部から崩れる気配はない。

 淫魔の女王が自ら繰り出した封印術なのだ、とうてい内部から破れるものではないだろう――

 「ふふ……意外とあっけない幕引きね」

 俺の股間から足を離し、マルガレーテは微笑んだ。

 そして――玉座から、静かに腰を上げる。

 まるで天女のように美しい淫魔の女王が、微笑みながら俺の前に立った。

 

 「では――愚かな妹に、見せつけてやりましょう」

 おもむろに、マルガレーテは俺を押し倒してくる。

 「戯れに、犯してあげる――」

 「う、うぅぅ……」

 すっかり魅了されきった俺は、なすがままに彼女を受け入れていた。

 淫魔の女王に相手をしてもらえるという幸福感に、俺は興奮していたのだ。

 俺はされるがままに押し倒され、マルガレーテの小さな体にのしかかられた。

 「あら……もう、大きくして――」

 ドレスを纏ったまま俺に覆い被さり、マルガレーテはくすくす笑う。

 「ふふっ……せいぜい手加減してあげないとね。

  淫魔の女王たる者が本気で男を犯したら、その相手を数秒で搾死に至らしめてしまうのだから――」

 そのままマルガレーテは、フリルで彩られた豪華なスカートをまくり上げた。

 さらに純白の下着を下ろし、その魅惑的な秘部をさらけ出す。

 「う、あぁぁぁ……」

 秘所を前にして、俺は興奮に打ち震えた。

 その入り口は控え目で、割れ目はぴっちり閉じている。

 それでいながら、気品ささえ伺わせるような恥丘――

 高貴さとあどけなさ、卑猥さが同居する、魅惑の女性器だった。

 「ここに挿れたい……?」

 「はい……」

 もう、自分のモノをこの中に挿れることしか考えられない。

 淫魔の女王に、ドレス姿のまま犯してもらえる――それを上回る幸福があるのだろうか?

 マルガレーテは、俺を見下ろしながら微笑むと――

 じわじわと、じらすようにしながら腰を落としてくる。

 「この世で最も極上の快感、しかと味わいなさい。男を狂わせる、この蜜壺を――」

 「あぁぁ……」

 俺は身を震わせながら、肉棒に迫ってくるマルガレーテの膣口を見据えるのみ。

 この中に挿れてしまったら、俺は壊れてしまうという絶望的な予感があった。

 それが分かっていても、挿れてみたい――

 光の檻の中で叫んでいるウェステンラなど、もはや目にも入らなかった。

 そして――

 

 ずにゅ。にゅるるるる……

 

 「あ――」

 その瞬間、俺は天国に旅立ったと錯覚してしまった。

 ふわふわとした、不思議な感触が肉棒にまとわりつく。

 柔らかくとろけた肉がペニスにぴっちりとくるみ込み、締め付け、揉みしだかれる――

 「あぁぁ……あぅぅぅぅ……」

 温もりに満ちた、夢のような快感。

 繊細なヒダのようなものが、亀頭やカリにしゅるしゅると擦れる。

 ザラザラした感触が、亀頭表面にじっくりとまとわりつく。

 まるで、膣内でペニスが溶かされていくような気分だ――

 「あ、あぁぁぁぁぁ……」

 マルガレーテの蜜壺の中には、男を狂わせる機能が幾つも詰まっていた。

 包み込む機能――

 締め付ける機能――

 絡みつく機能――

 揉みしだく機能――

 撫で回す機能――

 扱きたてる機能――

 こね回す機能――

 吸い付く機能――

 舐め回す機能――

 その全てが総動員で、俺のペニスをいたぶりにかかった。

 マルガレーテの中はぐちゃぐちゃに蠢き、俺を天国に連れて行こうとする。

 「あ、あひぃ……あぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 それだけ多彩な責めを受けながらも、その快感はぬるま湯のような安らぎに満ちていた。

 肉棒が――それだけではなく、全身が――いや、心までが溶けていきそうな快楽だ。

 俺のペニスは、マルガレーテのプレゼントしてくれる快感に歓喜していた。

 「どう……? 私の与える快楽、気に入ってもらえたかしら……?」

 「あぁぁぁ……す、すごい……」

 理性を保つことさえ困難なほどの快感。

 俺はマルガレーテの体の下で、びくびくと体を震わせた。

 「では……快楽の代償に、精を捧げなさい……」

 「は、はい……あぁぁぁぁ……」

 きゅぅぅぅぅ……と、マルガレーテの蜜壺はきつくせばまってしまう。

 俺のモノに、ぬめぬめした温かい粘膜がぴっちりと密着してきた。

 そのまま、きゅん、きゅん……と狂おしい吸引の刺激が与えられる。

 それは、まるで悪魔との盟約。

 素晴らしい快楽を与えてもらった代償に、捧げるのは魂――

 「ふぁぁぁ……あ、あぅぅ……あぁぁぁぁぁぁぁ――」

 そして――快楽のままに、魂が吸い出された。

 そのまま俺は、マルガレーテの膣内に精を注ぎ込んでしまったのだ。

 「あ、あひぃ……」

 肉棒が脈打つたびに、甘くとろけるような快感が全身を駆けめぐる。

 まるで、体中がドロドロに溶けていきそうな放出感――

 自分の魂が、狭い蜜壺の中に吸われていくような恍惚感――

 マルガレーテの中でドクドクと射精しながら、俺は快楽に悶え続ける。

 それは、自分の魂を排出してしまうような破滅的な放出感だった。

 

 「ふふ……こんなに加減しているのに、もう夢心地ね」

 俺を見下ろしながら、勝ち誇った表情を浮かべていたマルガレーテ――

 その細い腰が、やんわりとくねり始めた。

 「あ、あぅぅ……」

 その刺激により、蜜壺の内部もじゅるじゅると蠢き始める。

 ドレスのスカートが俺の腹や腰、太股にさらさらと擦れ、とても気持ちが良い。

 マルガレーテに包まれている肉棒は、安らぎに満ちた甘い蠢きを受け続ける――

 また、魂が漏れ出てしまう――

 「はう……!」

 ほとんど耐えることができず、俺はまたも射精してしまった。

 天国のような蜜壺の中で、ドクドクと溢れ出ていく精液――まるで、魂まで抜き取られていくかのよう。

 頭の中には白いモヤが掛かり、心までが溶けていく。

 このまま、マルガレーテに心が溶かされていく――

 

 「見ているかしら、ウェステンラ。この男は、私に心を奪われてしまったわ」

 「――――!!」

 光の檻の中で、ウェステンラが何かを叫んでいた。

 その声も、もう俺には届いていないし――そんなの、どうでもいい。

 今はただ、この甘く狂おしい桃源郷の快楽を味わっていたい――

 「ふふ……脆いものねぇ、人の心というのは……」

 そう囁きながら、マルガレーテはじっくりと腰をくねらせる。

 膣内に収めた俺のペニスを、存分にいたぶるかのように――

 蜜壺の中は大量の粘液が染み出し、粘りとぬめりに包まれていた。

 その中を泳がされ、とろけていく俺自身――

 「あ……あぅぅぅ……あぁぁぁぁぁぁぁ……!」

 ドクドクと、精液が漏れ出ていく。

 甘い快感の中で、ドロドロと溶けていく自分。

 このまま、マルガレーテに身も心も奪われていく――

 「ふふ……精を吸い取られ、悦びに浸りなさい。自分が壊されていくということに気付かぬまま――」

 俺の体が、がくがくと悦びに震える。

 精液が、どぷどぷとマルガレーテの膣内に搾り取られていく――

 俺自身が溶け出し、マルガレーテの中に吸い尽くされていく――

 心はドロドロに溶け去り、マルガレーテへと流れ込んでいく――

 心も、理性も、何もかも、みんな――

 俺が俺として存在している要素は、全てマルガレーテに溶かされてしまった――

 

 「あ……うぅぅぅぅぅ……」

 そして俺は、生ける屍。

 もう、何も考えられない。

 何をしているのか、何なのか――何も分からない。

 「ふふ……こんなものね。楽しませてもらったわ……」

 マルガレーテは腰を上げ、秘部から俺のペニスを抜き取る。

 そして、廃人となった俺を抱え上げると――光の檻の中にいる少女の前に投げ出した。

 「返してあげるわ……それ」

 「け、啓……! けい……!」

 次の瞬間に光の檻が消滅し、少女は泣き声を上げながら俺にすがりつく。

 こいつは、誰だ……?

 こんな女より、マルガレーテに抱いてもらいたいのに――

 

 「ふふ……その男は、私の虜。あなたが取り返したいなら――再魅了することね。

  二度も強烈な魅了を受けたら、その男の心など完全に壊れてしまうでしょうけど――」

 「あ、姉上……!」

 その少女は歯ぎしりをし――そして、ぎゅっと俺の体を抱いた。

 そして――おもむろに彼女は、俺の口へと唇を重ねてくる――

 「ん……んんん……」

 頭の中が、ピンク色に染まっていく。

 そして――俺の心は、バターのようにドロドロと溶けてしまった。

 

 

 

 

 

 ――ここは、どこだ?

 人里離れた、どこかの小さな一軒家のようだ。

 なんだか知らないが、俺はベッドに寝かされている。

 よく分からないし、分かる気もない。

 何もかも分からないし、どうでもいい――

 

 「ん……啓、目を覚ましたのか?」

 ベッドの隣に椅子を置き、本を読んでいた少女――

 彼女が、静かに視線を上げた。

 そう――俺は、この少女とここでずっと暮らしている。

 彼女が誰なのか、どうしてそうなったのかは分からない――

 不意に、俺の腹がぎゅるぎゅると音を立てた。

 この感覚は、どこか覚えがある。

 そう――腹が減っている、と言ったか。

 

 「む……腹が減っているのか? 少し待っていろ」

 少女は本を置くと、奥にある台所に消え――

 しばらく経って、盆に出来たての食事を携えて戻ってきた。

 そして、ほとんど体の動かない俺を抱き起こしてくる。

 そう言えば、確か――これも、いつものことだ。

 「ちょっと熱いな……ふー、ふー……」

 少女はスプーンでスープを掬い、丹念に冷ますと――俺の口の中に、優しく流し込んでくる。

 「ん、んん……」

 俺の口の中で、じんわりと広がる美味しい味。

 口の端から、飲み損なったスープがたらりとこぼれた。

 「こぼしているぞ、行儀の悪い奴め……」

 少女は苦笑しながら、ナプキンで俺の口許を拭う。

 そうこうしながら、俺は少女の手で食事を与えられた。

 そう――この少女は、ずっと献身的に俺を世話し続けているのだ。

 

 そして、不意に――もどかしさにも似た感覚が下半身に沸き上がった。

 「ん……オシッコか?」

 少女は布団をまくりあげ、てきぱきと俺のパジャマを脱がせる。

 そしてベッドの下から尿瓶を取り出すと、俺のモノをその入り口に収めた。

 「ほら、そのまま出すがいい……」

 そう言って、優しく俺の腹を撫でる少女。

 「あぅぅ……」

 同時にじょぼじょぼと尿が溢れ出し、俺は開放感に包まれた。

 

 「ふぅ、すっきりしたか……?」

 少女は尿瓶を脇に置き、柔らかい紙で俺のモノを包んだ。

 そのまま、さわさわと雫を拭き取る――

 すると、不意に腰の奥から妙な疼きが込み上げてきた。

 くすぐったいような感覚と共に、肉棒がむくむくと硬さを増していく――

 「ふふ……刺激に反応したのか?」

 少女は俺のモノに顔を寄せると――あむっ、と口の中へ咥え込んだ。

 肉棒が、ぬめぬめして温かい口内へと包み込まれる――

 「ん……むぐ、ん、じゅるるるるるる……」

 口の中がきゅっとすぼまり、舌がねっとりと絡んでくる。

 肉棒全体が、口内でねろねろと舐め回されているのだ――

 「あ、あぁぁ……」

 こみ上げてくる快感に、俺はがくがくと身をよじった。

 このまま、何かが漏れ出してしまいそうだ――

 「あむ、ん……じゅる、じゅる……じゅるるるる……」

 そんな俺を上目遣いで見上げながら、少女の口は俺のモノに快感を与え続ける。

 じゅばじゅばと舐めしゃぶられ、口内粘膜で締め付けられ――

 「ふぁ……あ……」

 そして、快感が頂点に達したとき――とくん、とくんとペニスが脈動し始めた。

 とろけそうな快感と共に、尿道口から何かがびゅるびゅると迸る。

 「んぐ……ん、ん……」

 それを少女は、ゴクゴクと飲み干してしまった。

 そしてちゅるちゅると尿道に残った分を吸い出した後、口を離す。

 「ん……今度こそ、すっきりしたな」

 唇を拭き取り、少女は柔らかな笑みを浮かべる。

 そして――乱れた寝床を整え、俺を丁寧に寝かせた。

 

 「すまん、啓――我のせいで、こんな――」

 ベッドに横たわる俺を見下ろし、少女はそう口にする。

 その瞳は潤み、小さな肩が震えていた。

 「あんなに強かったお前が、我のせいで――」

 「……」

 静かに泣いている少女の横で、俺も何か悲しい気分になった。

 なぜ、彼女が泣いているのか分からない。

 俺のために泣いてくれるのか、それさえも分からない。

 「お前は、我が面倒を見続けるから……ずっと、一緒にいるから……」

 少女は俺の手を取り、きゅっと抱き締めていた。

 なぜだか分からないが、この少女は俺にとって大切だったような――そんな気がした。

 

 今日も俺は、この人里離れた一軒家で少女に世話をされ続けている。

 明日も、明後日も、その次の日も――ずっと。

 

 

 −END−

 

 

 



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