妖魔の城
「さあ、いらっしゃい――」
蠢く膣内を見せ付け、淫らな素振りで挿入を誘うアルメール。
「あ、ああ……」
俺は気が付けばズボンを下ろし、完全に勃起した肉棒をさらしていた。
アルメールの膣の具合を味わいたい……そんな思いが、俺の脳を埋めていたのだ。
絶対にサキュバスの誘いに乗ってはならない――そんなウェスエンラの忠告は、どこかへ消え失せていた。
「貴方のおちんちん、押し包んで搾り尽くしてあげる……」
アルメールはいかにも艶かしい動作で廊下に腰を着き、両足をM字に開いて女性器を見せ付けた。
ひくひくと蠢く内部の膣壁に誘われ、俺は理性を失ってしまう。
「……!」
俺はどこか夢うつつのままに、アルメールにのしかかっていた。
そのまま正常位で彼女に体を重ね、前戯もないまま一気に挿入しようとする。
狭い入り口に押し入り、そして腰を沈める――
にゅ、ぬちゅちゅ……
「ふふ、入れちゃった……」
くすりと笑うアルメールの声も、もう俺には届かない。
「あぐ、うぅぅ……! あああぁぁぁぁぁ……!!」
一気にペニスの根元までをアルメールの膣にうずめ、俺は情けない喘ぎ声を漏らしていた。
信じられないほどに柔らかく、彼女の膣穴は俺の肉棒を受け入れてしまったのだ。
そしてその肉壁はペニスを優しく包み込み、きゅっ、きゅっ、と締め上げ始める。
「う、ぐ……!」
みるみる下腹部から込み上げてくる快感をこらえながら、俺は腰を動かそうとした。
「あら、なぁに? もしかして、私を感じさせようとしてるの……?」
アルメールは俺の鼻先まで顔を近づけ、いかにも悪戯気な表情を浮かべる。
「ふふ、健気で可愛いわね。人間風情がどれだけ頑張っても、サキュバスをイかせることなんてできないのに……」
「え……?」
では、セックスバトルというのは……?
単なる、戯れの言葉に過ぎないのか……? そうだ、ウェステンラがあれだけ言っていたじゃないか……!
「理解したようね、自分の置かれている状況を……」
しゅるり、と、アルメールは両足を俺の腰に絡める。
一見すると、俺が正常位で彼女を組み敷いている体勢。
しかしアルメールの足は俺の腰に巻き付き、離れることができない――
「こうなってしまえば、貴方は吸い尽くされるか、飼われるかのどちらか……」
「く、この……!!」
俺は、アルメールから離れようと体をよじる。
しかし、きゅん、きゅん、と彼女の膣奥に侵入しているペニスからはとろけそうな快感が伝わってくるのだ。
「う、うぁぁぁ……」
その甘い感触に、たちまち力が抜けていってしまう。
そんな俺の様子を、アルメールは勝者の優越のこもった視線で眺めていた。
「どんな強者でも、ここに入れてしまえばもう終わり。サキュバスの思うがままに射精に導かれるのみ――
逃げることのできない快楽、教えてあげる」
にゅぐ、にゅぐ、にゅぐ……
アルメールの内壁が収縮し、俺のペニスを搾り始めた。
愛液がぬめり、ヒダの一枚一枚がぐにぐにと亀頭を刺激し――
「あぐ、ううぅぅぅ……!」
その甘い刺激の前に、俺は歯を食いしばって射精をこらえていた。
それをあざ笑うように、アルメールの膣は収縮しながらうにうにと締め付けてくる。
「では……まず一回、私の中で漏らしてもらいましょうか」
「そんな……あうっ!!」
ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっと、まるで手で握られているかのごとくリズミカルに膣内が収縮する。
そして、快楽でひくつく亀頭をヒダの一枚一枚がにゅちゅにゅちゅと舐め上げてきた。
まとわりつき、締め上げられる快感にさらされ、俺は抵抗の意志も失ってしまう。
「さあ、イかせてあげる――」
淫靡に目を細め、悶える俺の顔を眺めるアルメール。
彼女の膣内は、アルメールの意思で自在に動かすことができる――そう、自分で言っていたのだ。
こんな刺激、到底耐えられるはずがない。
「うぁッ……! ああ、あああぁぁぁぁ……!!」
天にも昇るような甘い感触の中で、俺は果てていた。
どぷっ、どぷっ、どぷ……とペニスが脈動し、快楽と屈服の証を吐き出す。
アルメールの膣内に、ドクドクと大量の精液を溢れさせてしまったのだ。
「ふふふ、射精しちゃったわね。気持ちよかったでしょう?」
「あぐ、ああぁぁぁぁ……」
くすりと笑うアルメールの女性器に、俺は一回分の精液を搾られてしまった――
彼女の膣は、ぬるぬるぐにゅぐにゅと俺のペニスを刺激し続けていた。
「……?」
果てた後、口の中に甘い味が広がっているのに気付いた。
これは確か、奥歯に仕込んだカプセル――ウェステンラから貰った、精液を上質ではないものに変換する薬とやらだ。
快楽で我を失った瞬間、誤って噛んでしまったのだろう。
「……精の味は並、大したことのない獲物のようね。さぞかし上質の獲物に見えたのに、なんて期待外れ――」
俺のペニスを呑み込んだままのアルメールの目に、冷酷な色が点る。
この薬の効果は、どうやら事態を好転させることはできなかったようだ。
「傍に置いておく価値もない獲物――今ここで吸い尽くしてあげる。気も狂わんほどの、天国の快楽の中で……」
「や、やめてくれ……!! あぁぁ……!」
ぐちゅぐちゅと蠢く膣内。
いかに体をよじろうとも、しっかりと俺の腰を挟み込んだアルメールの両足は緩むことはない。
それどころかアルメールの両手が俺の首や背中へと回り、下からしっかりとしがみ付かれている体勢となった。
離れることも突き放すこともできず、俺は快感のままにアルメールの体を抱き締めてしまう。
ぐちゅぐちゅぐちゅ……!
「お、おおぁぁぁぁ……!!」
アルメールの膣肉が、ねっとりとペニスを搾り始めた。
きゅうきゅうと締まって肉棒全体を嫐り、ヒダがにゅるにゅると蠢いて亀頭全体――特にカリを擦り立てる。
「あう……中が、動いてる……!」
「ふふ、サキュバスのここは凶器。獲物のおちんちんを包み込んで、蕩かして、搾り出すの……」
きゅぅぅぅぅぅ……と膣壁が収縮し、ペニス全体をみっちりと搾る。
「あ、あああぁぁぁ……!! ああああぁぁぁぁ――ッ!!」
「ふふ……どう? 溶けそう? とろけてしまいそう?」
「き、気持ちいい……! も、もう……!」
腰からは、早くも射精の欲求が高まってきていた。
熱い痺れがじんわりと広がり、ペニスを這い上がろうとしている。
「じゃあ……昇天させて、あ・げ・る」
にゅぐにゅぐにゅぐにゅぐ……!!
アルメールの膣内が狂おしいまでにうねり、俺のペニスを嫐り尽くす。
「う、あああああぁぁぁぁぁぁ――ッ!!」
その甘く執拗な刺激に、俺は身を震わせながら絶頂していた。
どくどく、どくどくと漏れ出る精液。
一滴たりとも結合部から溢れず、全て彼女の膣奥深くに吸い上げられる。
ペニスが優しく貪られ、精液を吸い出されていく――
「やっぱり、大したことのない精ね……貴方を見た瞬間、上玉だと思ったのだけれど」
俺にしがみ付いたまま、アルメールは微かに眉をひそめる。
「ただの勘違いだったよう。私の中で果て続けなさい――その命を吸い尽くしてあげるから」
ぎゅっ……!
うにゅうにゅうにゅ……!
にゅぐにゅぐ、ぐちゅぐちゅぐちゅ……!!
「あ……! ああああぁぁぁぁぁ……!!」
ペニスを包む膣の感触が、一気に変化した。
膣壁がぎゅうぎゅうと締まり、ペニスを圧迫したり緩めたりと揉みしだかれているような感触。
何重にもなったヒダがぐにぐにうにゅうにゅとペニス全体を這い回り、嫐るように刺激する。
膣全体がペニスを吸い込むように蠢き、奥へ奥へと引き寄せられていく――
遠慮も容赦もなく、ただ純粋な搾精のみを目的とした甘い蠕動。
「で、出る……! ああああぁぁぁぁぁ……!!」
ドクドクと精液を噴き上げ、俺は瞬く間に絶頂していた。
「ふふ……まだまだ。全てを出し尽くすまで、終わりはしないわ」
「あぐ、がぁぁぁぁぁぁ……!!」
膣内の蠢きは、射精してもなお止まる気配を見せない。
狂おしい快楽を与えるように蠕動し続け、俺の精液を残さず搾り取る。
「も、もう……やめてくれ……!!」
「もう音を上げるの? 言ったはずよ、貴方が本当に昇天してしまうまで終わらないと」
うにぃ……ぐちゅぐちゅ。
にゅぐ、にゅぐにゅぐ……!
「あ、あ、ああああぁぁぁぁぁ……!!」
アルメールの膣内は残酷なまでに蠢き続け、俺に痺れるような快楽をもたらし続ける。
間髪おかず、次の射精が込み上げてきた――
「で、出る……! あがぁぁぁぁぁ……!!」
「はい、四回目……」
「ま、また……!!」
「ふふ、五回目ね」
びゅく、びゅく、びゅくびゅくびゅく……
射精と射精の間すら定かではない、ただ精液を漏らしている状態。
アルメールにしがみつかれたまま、俺は精液を注ぎ込むだけの存在に成り下がる。
「あぐ、あぁぁぁ……」
これが、サキュバスの捕食なのだ。
愛情でも奉仕でもなんでもない、精を啜り尽くすという純粋な捕食行為に過ぎない。
俺はそのための吸精器官に、不用意にペニスを挿入してしまったのである。
ネズミを丸呑みにしようと大口を開ける大蛇の口内に、自分から飛び込んでいってしまった――
「あぐ、ぐぅぅ……! あがぁぁぁぁぁ……!!」
どくん、どくどくどく……
「幸せな気分でしょう。サキュバスに吸い尽くされて、果てることができるのだから……」
そんなアルメールの声も、みるみる遠くなっていく。
視界がボヤけ、意識が遠ざかっていく。
はっきりしているのは、全身が溶けてしまいそうな快感のみ。
俺の生命そのものが、アルメールの体内へと注ぎ込まれていく。
数え切れない絶頂の中で、甘い快楽にまみれて俺の生命が流出していく。
「……まだまだ、全部吸い尽くしてあげる」
「うぁ、ああぁぁ……」
どく、どくどくどく……
ぼんやりとモヤがかかったかのように、薄れていく意識。
全身を包む、とろけそうな快楽。
まるで、天国にいるかのような夢心地。
甘い甘い快感に満たされ、俺は昇天していく――
「ふふ、ごちそうさま――」
そんな声が、遠くから聞こえたような気がした。
−BAD END−
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