妖魔の城


 

 いや――マイと協力など、できるはずがない。

 この少女は、僕をメイの仇とみなしているのだ。

 僕は廊下の向こうからゆっくりと近寄ってくるネメシアを見据え、途方に暮れるしかなかった。

 

 「……っ!」

 そしてマイも、かなり混乱している様子だった。

 彼女は、僕とネメシアは仲間だと思い込んでいるのだ。

 マイにとっても、かなり窮地の状況――

 そんなマイに、小さな影が近寄ってきた。

 

 「やっほー、マイちゃん♪」

 「え……? メ、メイちゃん……!?」

 そいつは――ネメシアに取り込まれた、メイの姿だった。

 「な、なぜ……? あいつに食べられたのでは……?」

 「えっへっへー♪ それがねぇ――」

 メイは楽しげな笑みを浮かべながら、マイに抱き付こうとする。

 「おい、そいつは――!」

 そんな僕の警告に、マイが耳を貸すはずもなく――

 ――いや。耳を貸していても、もう間に合わなかっただろう。

 メイはマイの右腕にすがりつき――その両腕が、触手と化してマイの体に絡んでいった。

 「あ、あぁぁぁぁ……! メイ、ちゃん……?」

 「マイちゃんも、こっちにおいでよ……とっても気持ちいいんだよ……」

 両腕から伸びた触手を、マイの体に絡めながら――メイはそう囁く。

 「あ……! あぁぁぁぁぁぁぁ……」

 か細い悲鳴を残しながら、マイの体は無数の触手に巻き付かれ、覆い包まれていき――

 そしてメイは、その体から伸びた触手でマイの体を呑み込んでしまったのだ。

 「えへっ……♪ これで、マイちゃんも一緒だね……♪」

 マイを呑み込んでしまったメイの触手は、たちまち小さな腕の形の姿に戻り――

 そのまま、少女はてくてくとネメシアの方に駆けていった。

 そしてメイは、ネメシアに体当たりするように密着し――

 にゅるり……と、その身をネメシアの細身の肉体に沈めてしまう。

 こうして、マイもメイも同化させ――ネメシアは何もなかったかのように、こちらへと歩み寄ってきた。

 戸惑う僕を、感情のない目でまっすぐに見据えながら――

 

 「く、くそ……」

 通常兵器では倒せない。

 手持ちの武器では歯が立たない。

 どうする――

 「……」

 ひるむ僕に対し、ネメシアは両手をこちらに突き出してきた。

 その腕が数本の触手と化し、にゅるにゅるとこちらに伸びてくる――

 「くっ……!」

 それを避け、後方に飛び退こうとする――そんな僕の足下の床が、ぴしりと割れた。

 「え――!?」

 そこから這い出したのは、また別の触手。

 その触手は僕の両足首にしゅるしゅると絡みつき、膝から太股にまで這い上がってきた――

 「う、うわぁぁぁぁ……!」

 そのまま僕は床に引き倒され、仰向けに転ばされてしまう。

 そこに、ネメシアの両腕の触手がぎゅるぎゅると絡みついてきた。

 まるで、僕の体を蹂躙するかのように――

 「や、やめろぉぉ……」

 衣服が引き裂かれ、僕の全身をぬめった触手がにゅるにゅると這い回る。

 その不気味な感触に寒気さえ覚えながら、僕は必死で抵抗しようともがく――

 だが、そんな動作すら触手に封じられてしまった。

 「う、うぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 うじゅるうじゅると這い回り、僕の体に巻き付き、覆い包んでくる触手。

 ぐちゅぐちゅと濁った音を立てながら体中を這い回られるのは、信じられないほどの快感だった。

 腕も、足も、胴も――たちまち細い触手に巻き上げられてしまう。

 その触手の一本一本がうにゅうにゅと収縮し、にゅるにゅると這い回り――

 「あ、あひぃぃぃぃ……!」

 たちまち大きくなったペニスをも、触手はしゅるしゅると巻き取ってしまった。

 先端から根元までぐるぐる巻きにされ、うじゅるうじゅると這い回られる。

 カリや尿道口をいたぶり、裏筋をくすぐり回し、締め付け、嫐る――

 僕のモノを触手で弄ぶような、そんな激しい責め。

 あまりの快感に、僕の頭の中は真っ白になり――

 「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 たちまちのうちに、僕は白濁を吹き上げてしまった。

 ドクドクと溢れ出した精液を、触手が舐め取るかのように吸収していく。

 「あぅぅぅ……」

 瞬く間に触手でイかされ、恍惚に浸ってしまう僕。

 そして――そんな僕を見下ろすように、ネメシア本体が僕の側に立った。

 

 「……」

 ネメシアは拘束服をはだけ、その下半身を露出させる。

 人間のものと、全く変わらない女性器――

 それを指で開いたとき、そんな感想はたちまち打ち崩された。

 「……うあっ!」

 その中にじゅるじゅると蠢いていたのは、無数の細かな触手。

 また、ピンク色の不気味な粘膜がうねうねと脈打ち、収縮している。

 舌のような、怪しげな軟体が何本も蠢いている――

 女性器の内部は、まさに未知の生物の体内そのものだった。

 「や、やめろ……こんな……」

 こんな器官で犯されてしまうと想像しただけで、寒気が走ってしまう。

 ここまで異様な器官の中に、自分のモノが咥え込まれてしまうなんて――

 「……」

 しかし――ネメシアは無情にも、僕の腰を跨いできた。

 そして膝を折り、ゆっくりと腰を沈めてくる――

 「やめてくれ……あぁぁ……」

 ――あの人外の女性器で、僕のモノを包み込もうというのだ。

 肉棒を包んでいた触手は解け、いつしか肉棒をさらしている。

 そんな亀頭に、女性器の入り口が密着してきた――

 

 「あ、あぁぁぁぁぁぁぁ――!!」

 その中から細かな触手がうねうねと伸び、亀頭に襲い掛かっていく。

 尿道口や裏筋をくすぐり、亀頭のあちこちへ絡んできたのだ。

 それだけでなく――舌のような軟体が穴の中から這い出し、肉棒に巻き付いてきた。

 「や、やめ……! あぁぁ……あぁぁぁぁぁ……!!」

 生温かくぬめった、実に異様な感触。

 そんなものに弄ばれているというのに――僕のモノは、快感という感覚を伝えてきた。

 「あ、あぅぅぅ……こ、こんな……」

 「……」

 ネメシアは、そんな僕を見下ろした後――無情にも、一気に腰を沈めてきた。

 「あひ……! ひぃぃぃぃぃぃぃ――!!」

 異様な感触に、僕のモノは包まれる。

 それは、筆舌に尽くしがたいほど異様な蠢き。

 妖しげなうねりが、ペニスを巻き込んだまま蠢く。

 ぐちゅぐちゅとシェイクされているかのような、まさに異界の感触。

 「あぁぁぁぁぁ……なにぃ、これぇ……」

 寒気がするほどおぞましい器官に男の象徴が包み込まれ、異様な責めを受けている。

 それなのに――不快感でも嫌悪でもなく、ペニスは男の悦びを伝えてくるのだ。

 気持ち悪いものに、気持ちよくしてもらうという背徳感――

 こんな不気味なものに男性器を包まれ、気持ちよくなってしまっている自分――

 それは、男としての敗北感さえ生み出していた。

 「あ、あぅぅぅぅぅぅ……! はぁ、あぁぁぁぁぁぁ……」

 そんな僕を追い詰めていくように、ネメシアの内部の蠢きは段々と激しくなっていく。

 肉棒が、じゅるじゅるぐちゅぐちゅと嫐り抜かれ――

 のたうち回ってしまうほどの快感にさらされ、僕は身をよじらせて喘ぐばかり。

 一気に射精感が沸き上がり、甘い疼きがこみ上げてくる――

 「あひ、あひぃ……う、ううっ……!」

 あまりの快楽にこらえきれず、たちまちのうちに僕のモノは屈服していた。

 僕の中の「男」は、おぞましい膣の与える異様な感触に歓喜し、精液を注ぎ込む判断を選んだのだ。

 「あ、あ、あぁぁぁ……」

 ネメシアの女性器の中に、ドクドクと精液が放たれていく。

 「女」の機能を果たすのかどうかさえ分からない器官に、種汁を注ぎ込んでいく――

 僕はまるで、自分が「男」であるという事実さえ蹂躙された気分になっていたのだった。

 

 「……」

 僕に馬乗りになっているネメシアは、おそらくそれを確信的に味わわせたのだろう。

 これが、お前に与える責めだ――と。

 感情も何もないと思っていたネメシアの目は、確かにそう言っていた。

 もしかして――何体もの淫魔を同化させる過程で、この怪物にも感情のようなものが芽生えたのか。

 しかし――そんなことは、もうどうでもいいことだ。

 僕はネメシアの膣に精を吸い上げられながら、自らの辿る運命を悟っていた。

 

 「あ、あ……はぅ、うぅぅぅぅぅ……!」

 不意に、ネメシアの膣内がぐちゅぐちゅと激しく蠢き始めた。

 中がメチャクチャにうねり、咥え込まれている肉棒に尋常ではない快感を与えてくる。

 「……」

 そして、悶える僕を観察するように見下ろすネメシア。

 それはまるで、自らの膣の性能を確かめているかのようだった。

 精神的に僕を蹂躙した後、肉体的に陵辱する――そういう意図を持って、自らの「女」の機能を試しているのだ。

 「あぁぁぁ……あぅ、うぁぁぁ……!」

 締められ、くすぐられ、絡められ、巻き付かれ、揉みしだかれ――

 ペニスに多様な刺激を与えられ、僕はびくびくと身悶えする。

 特に、ネメシアの膣内の絡みつきは異常なほどだった。

 イソギンチャクやクラゲのような捕食生物が、獲物に触手を絡みつけて嫐っているかのよう。

 「あ、あひぃぃ……あぐぅぅぅぅぅぅ……!」

 そして今の僕自身も、ペニスをネメシアの体内で貪られているような気分を味わっていた。

 その感触に促されまま、とくんとくんと射精が始まってしまう――

 「あぁぁぁぁぁ……」

 すると膣内の絡みつきは止むどころか、たちまち激しくなってきた。

 中で迸った精液を感知し、本格的な搾精動作が始まったかのようだ。

 まるで、体液を吸い取っているかのように――ネメシアの中はうじゅうじゅと蠢き、連続射精を促し続ける。

 その中に捕らわれた僕のモノは、それこそ僕の意思など無視したように精を捧げ続けているのだ。

 「あ、あ、あぁぁぁ……あひぃぃ……!」

 「……」

 無表情で、僕を見下ろしていたネメシア――その肉体が、おもむろに変化し始めた。

 その足が、太股が、腰が、腹が――にゅるにゅると解け、触手や軟体となって僕の体を包み込んでくる。

 毒々しいピンク色の粘膜が、まるで僕を呑み込んでしまうかのように覆い包んでくる――

 「あひ――! ひぃぃ……!」

 うじゅるうじゅる、ぐちゅぐちゅと――僕の全身に浸食してくるかのように、取り付いてくる柔肉。

 そう――今まさに、僕はネメシアに丸呑みにされようとしているのだ。

 肉棒を、膣に咥え込まれたまま――

 精液を、ひたすら搾り出されたまま――

 「あ、あ、あぁぁぁ……!」

 じゅるじゅると、僕の体に巻き付いてくる触手。

 重なるように覆ってくる、大きな舌のような器官。

 ぬめった粘膜に全身が覆い包まれ、異様な感触に浸らされてしまう。

 その快楽に肉棒は悦び、吐き出す精液の量をさらに増加させた。

 精神も肉体も蹂躙され、その挙げ句に食べられてしまうなんて――

 そんな目に遭わされながらも、僕の「男」は悦んでいることがたまらなく惨めだった。

 

 「ひ、ひぁぁ……あ、あああぁぁぁぁぁぁ……」

 そして――恐怖の叫びも、快楽の喘ぎに掻き消されていった。

 全身をネメシアの触手にたかられながら、僕はうっとりとした気分に酔いしれていく。

 ネメシアの肉体には、取り込んでいく過程で獲物を陶酔に浸らせてしまう効果でもあるのか――

 僕は一転して、幸せな気分を味わっていたのだ。

 このままネメシアに食べられたいという、異様な欲求さえ沸き上がってくる――

 

 にゅるにゅる、うじゅうじゅうじゅ……

 

 「あ、あぅぅぅぅぅ……」

 とうとう全身が、ネメシアの異形の肉体に包まれてしまった。

 粘膜がぴっちりと全身を覆い、柔らかく粘った肉にくるみ込まれ――

 そして、妖しい愛撫を受けているかのような感触。

 またペニスは異様な穴に嵌り込み、にゅぐにゅぐと嫐られ続けているようだ。

 「あ、あひぃ……あぁぁぁぁぁ……」

 そして――ネメシアの中で、じっくりと僕の体は貪られ始めた。

 妖しげな粘液に浸され、触手に絡まれ、粘膜に包まれ――

 浸食され、蹂躙されながら溶かされていくのだ。

 これが、快楽と幸福感にまみれたネメシアの捕食――

 

 「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」

 ネメシアに食べてもらえるという悦びを満喫しながら、僕の肉体はじっくりと溶けていった。

 こうして僕は、この異様な妖女の一部となってしまうのである――

 ドロドロに溶かされていき、ネメシアにじわじわと吸い取られていく体。

 それでも僕は、ネメシアに食べてもらえて幸せだった。

 

 

 −BAD END−

 

 

 



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