妖魔の城


 

 「あなたが頭に描いた姿――それが、あなたの望みなのです」

 まるで、僕の脳内のヴィジョンを読み取ったかのようにエミリアは囁く。

 「あ、ぁぁ……なに、これ――ぁぁぁぁぁぁ……!」

 「な、何が……?」

 僕としっかり抱き合ったまま、荒い息を吐いていた沙亜羅――その体が、淡いピンク色の光に包まれ始めた。

 「始まりましたね。なんて安らかな生命の光……」

 僕と沙亜羅を密着させているエミリアの羽根が緩み――

 「う、わっ……」

 支えを失った僕は後方に転げ、床に尻餅をついていた。

 沙亜羅の体はピンクの光に包まれたまま、まるで胎児のようなポーズでふんわりと浮き上がる。

 オーラのようなものが部屋を満たし、温かい光となって室内を照らした。

 まるで、小さな太陽が出現したかのようだ。

 「ここまで素質を秘めていたなんて……」

 エミリアは沙亜羅を見上げ、そう呟く。

 今、おそらく沙亜羅の体は遺伝子レベルで作り替えられ、そして――

 「さ、さあら……」

 沙亜羅の両腕に、無数の触手がにゅるにゅると生えていく。

 下半身からは、吸盤の備わったタコそのものの触手が何本も這い出した。

 唐突に光が止み――沙亜羅の体は、ゆっくりと降下して床面に降り立つ。

 上半身は沙亜羅のままだが、その腕――肘から先は、イソギンチャクのような形。

 そこにはイソギンチャクそのものの口と、そして無数の触手が備わっている。

 下半身はというと、タコのように太い触手が何本もうねっていた。

 それは、上半身に沙亜羅の姿を残した――異形の淫魔そのものの肉体だったのだ。

 

 「……私、は?」

 どこか夢うつつの様子で、沙亜羅はそう呟く。

 「おめでとうございます、沙亜羅様。あなたは、我々の同胞となられました」

 困惑した様子の沙亜羅に、エミリアはうやうやしく語りかける。

 「全ての調教は終わり。これで貴女様は、人間を越えた存在なのです」

 「私が、淫魔に……?」

 きょとんとした顔で、自身の新たな触手腕を見据える沙亜羅。

 その目はやや熱を帯びながらも、意識ははっきりしているようだ。

 口調も、普段の沙亜羅とほとんど変わった様子はない。

 「それでは――これより私は、マルガレーテ様の元へ報告に参ります。

  おそらくマルガレーテ様は、あなたを最高の客人として迎えられるでしょう。

  それまで――しばらくお待ち下さい。その方の精でも味わいながら……」

 「うん、分かった……じゃあ、適当に待ってるね」

 沙亜羅の返答は、普段通りのあっけらかんとしたもの。

 人間であったときの性格も記憶も何もかも、そっくり残したままで淫魔化したようだ。

 ただ、淫魔に対する敵意はすっかり消えたように見えた。

 「では、失礼します――」

 エミリアはそう言い置き、静かに部屋を出て行った。

 この場に残されたのは、僕と――そして、異形の淫魔と化した沙亜羅のみ。

 

 「さ、さあら……?」

 僕は尻餅をついたまま、生まれ変わった少女を見上げるしかなかった。

 「新しいカラダ……かぁ。なんか、不思議な感じ――」

 沙亜羅は僕を見下ろしながら――ちろり、と舌なめずりをする。

 その仕草は、息を呑むほどに妖艶だった。

 これから自分が餌食にされることが、ありありと分かってしまう――

 「この触手、自在に動くみたいだよ……ほら、ほら……♪」

 「お、おい……! やめろ――!」

 沙亜羅の両腕に備わった触手がしゅるしゅると伸び、僕の体を巻き上げてきた。

 腕や足、胴に絡み――そして、ぐにゅぐにゅと締め付けてくる。

 「やめろ……沙亜羅――」

 「触手に襲われてる優、可愛いよ。ここにも、いっぱい巻き付いてほしい――?」

 すでに大きくなっている肉棒を眺め、沙亜羅は淫靡に笑った。

 そして――股間にも、しゅるしゅると無数の触手が伸びてくる。

 「あ、ぅぅ……やめ――」

 妖しく絡みつかれ――僕の肉棒は、たちまち沙亜羅の触手の餌食となった。

 ぬめった触手が先端から根元までを巻き上げ、文字通りその掌中に収められてしまう。

 「あぁ……あぁぁぁぁ……」

 肉棒を絡め取ったまま、呼吸しているかのように収縮する触手。

 締め付けられるような、うねうね蠢くような感触がたまらない。

 もう、このまま果ててしまいそうなほどに――

 

 「あはは……♪ 大変だね、優♪ 触手におちんちん巻き取られちゃって……♪」

 触手で肉棒をいじくりながら、沙亜羅はおかしそうに笑う。

 しかし――沙亜羅がはしゃいでいる一方で、僕はもう切迫していた。

 「ああ……もう――」

 ペニスを捕らえ、締め付け、這い回る触手の感触――

 そのあまりの心地よさに、あっさりと限界を迎えてしまう。

 肉棒の先端からは、びゅるびゅると屈服の体液が漏れ出てしまった。

 「え……もう、漏れちゃったの? まだ、巻き取っただけじゃない……」

 沙亜羅にとっても、不本意な射精だったらしい。

 しかし呆れたような顔も、みるみるはしゃぎ顔に戻っていく。

 「これならどう……? たぶん、この触手も気持ちいいよ……」

 にゅるにゅると迫ってきたのは――下半身の、蛸のような触手。

 人間の太股並に太く、吸盤のような突起がびっしりと備わっていた。

 「ほらほら〜♪ 優、巻き付かれちゃうよ〜♪」

 「あ、あぁぁ……」

 その太い蛸足は僕の胴をゆっくりとくるみ込み、巻き上げていく。

 そしてもう一本は、股間へと伸びてきた。

 しゅるりと肉棒に絡み、亀頭をきゅっと締め上げ――

 先ほどのイソギンチャクのような細い触手とは違い、かなりの圧迫感だ。

 「この触手の表面、きもちいいでしょ……♪」

 「あぁ……すごい……」

 備わった無数の吸盤が、亀頭粘膜にざらざらと擦れ、えもいわれぬ快感を生み出す。

 吸盤の一つ一つが軽く吸い付き、あむあむと口を開閉するように収縮している――

 「あぅ……ぁ、ぁ……」

 僕は沙亜羅の触手に巻き上げられたまま、だらしなく脱力するしかなかった。

 

 「はい、降参しちゃったね……♪ じゃあこのまま、出しちゃおうか……♪」

 「あぁぁ……さあら……」

 触手に備わった繊細なイボが、亀頭をにゅるにゅると擦り始めた。

 敏感な亀頭を巻き上げるようにしながら、そのイボで磨くように擦ってくる。

 さらにボリュームある触手が、圧迫するように締め付けてきて――

 「ほぉら……イっちゃえ……♪」

 「あぅ……さあらぁ……」

 沙亜羅の触手に抱かれたまま、僕はドクドクと射精していた。

 触手は肉棒をじっくり締め付け、まるで搾り出すかのような動きを見せる。

 溢れた精液を、吸盤でじゅるじゅると吸収し――

 「はい……優の精液、搾り出しちゃった……♪」

 ひとしきり吸い取った後で、沙亜羅は無邪気な笑みを浮かべたのだった。

 

 「次は……これ、試してみよっか」

 沙亜羅の腕からしゅるしゅる伸びてきたのは、先端にイソギンチャクのような器官が備わった触手。

 次々に手を変えながら僕を弄ぶ――まるで、好奇心たっぷりに新しい体を試すかのようだった。

 「これでおちんちん包んで、精液吸っちゃうんだよ。どう、優? 気持ちよさそうでしょ……?」

 「あ、ぅ……」

 イソギンチャクの口がパクパクと蠢き、異様な淫らさを醸し出していた。

 中の柔壁は蛇腹状になり、細かな触手が奥までびっしりと備わっているようだ。

 さらに、ぬめった粘液のようなものがダラダラと垂れている。

 女性器にも似た外見に、異様なまでの蠢き、内部の細かな触手――僕は、ごくりと唾を飲み込んだ。

 「どう? この中に、おちんちん入れたい?」

 「いれ……たい……」

 「じゃあ、これで食べてあげるね……♪」

 そのイソギンチャクはしゅるしゅると股間に伸び――にゅるりと肉棒を咥え込んだ。

 ペニスは、たちまち根元までぬめった温もりに包まれる。

 そして――ぐちゅ、ぐちゅ……と、甘い蠢きが伝わってきた。

 また、細かな触手がざわざわと蠢いている。

 敏感な亀頭をくすぐり、舐め回すように――

 「あ、あぅぅぅぅぅ……!」

 「優……もう、そんなに感じちゃってるんだ♪」

 触手の口がぐっちゅぐっちゅと収縮し、僕はたちまち脱力してしまった。

 むにゅむにゅと咀嚼するように、柔らかい肉壁がペニスを揉みしだく。

 細かい触手がにゅるにゅると亀頭表面をくすぐり、這い回る――

 僕は全身を触手に絡め取られたまま、身悶えしていた。

 「あはは……可愛いね、優。触手まみれで喘いじゃって……♪」

 くすくす笑う沙亜羅に見守られながら、僕の体はいいように弄ばれた。

 全身を太い蛸足が巻き取り、細かな触手がサポートして体中を這い回る。

 そして肉棒はイソギンチャク状触手に咥え込まれ、ぐっぽぐっぽと貪られているのだ。

 「おちんちん気持ちいい? もぐもぐするだけじゃなくて、吸ってあげようか……♪」

 「あ、あぅぅぅぅぅぅ……」

 ちゅぅぅぅぅぅぅ……と、触手の口が吸い付いてきた。

 柔らかい肉壁が一気に狭まり、ぎゅうっと肉棒に密着してくる。

 その吸引のまま、ペニスはびゅくびゅくと脈動を開始し――そして、白濁を吐き出していた。

 「あはっ……ちょっと吸われただけで漏らしちゃって……♪ だらしないなぁ、優」

 「う、うぁぁぁぁぁぁぁ……」

 ぐっちゅぐっちゅと、触手は肉棒を内壁全体で甘噛みする。

 亀頭を揉み洗いされているかのような、凄まじい刺激。

 時にはちゅうちゅうと吸われ、舐め回され――まるで食物のように、僕の肉棒は貪られる。

 「あは……すごい顔してるよ、優……私以外の人には、そんな顔は見せられないね……♪」

 「あ、やめてぇ……さあらぁ……」

 「だ〜め……♪ いっぱい漏らしちゃえ……♪」

 どく、どく、どく……と精液を吸い取りながら沙亜羅は笑う。

 その触手に吸い取られるまま、僕はひたすらに射精させられていた。

 出せば出すほど、沙亜羅は精を渇望していく。

 淫魔の本能に目覚め、さらに精液を欲するように――

 「ぁぁ……ぅ、ぁぁ……」

 「美味しい〜♪ 優の精液、もっと飲ませて……ほらほらぁ♪」

 まるで地下水をポンプで汲み上げるように、イソギンチャクは肉棒から精を搾り続ける。

 何度も何度も、精も根も尽き果てるまでに何度も。

 意識が薄れ、気を失ってしまうまで――

 

 

 

 それから――

 僕は、スキュラと化した沙亜羅に延々と責められ続けていた。

 ノイエンドルフ城には沙亜羅の個室が与えられ、そこで僕の精を貪り食らう毎日。

 「ほらほら〜♪ 気持ちいい?」

 たくさんの触手が僕の体を絡め取り、じっくりと締め付けてくる。

 まるで、触手の渦に抱擁されているかのようだ。

 「あぅぅ……さあらぁ……」

 じゅるじゅると全身を這い回り、妖しくうねる触手。

 大きくなった肉棒に、イソギンチャク状の触手がぱっくりと食らいつく。

 「ほ〜ら、食べちゃうね……♪」

 悪戯っぽく笑う沙亜羅に見下ろされながら、僕は触手に抱かれたまま身悶えた。

 そして――触手の口の中で、僕のモノは転がされ、吸い付かれ、舐めしゃぶられる。

 たちまち、僕の頭の中は快楽で真っ白になってしまった。

 「あぁぁぁぁぁ……出るよぉ……」

 ドクドク溢れ出した精液は、ちゅうちゅうと吸い上げられていく。

 「出しちゃったね、優……美味しい精液……♪」

 一回射精した程度では、この交わりは終わらない。

 触手は僕の体を優しく締め付け、這い回り、じっくりといたぶり続ける。

 精をドクドク吸い上げられ、僕は徹底的に触手で犯し尽くされるのだ。

 

 「ああ……さあら、さあらぁ……」

 「ほらほら……もっと搾ってあげるね……♪」

 異形と化した沙亜羅に弄ばれ、陵辱され、搾り取られ――

 それでも僕は、沙亜羅と愛し合っているような感覚にとらわれていた。

 触手の渦に捕らわれ、抱かれながら、沙亜羅に愛し尽くされているような――

 「幸せだね、優……こうやって、私の触手で愛してもらって……♪」

 「さあらぁ……あぅぅ……あ、あ、あぁぁぁぁ……!」

 今日もノイエンドルフ城の一室で、僕は沙亜羅の触手に溺れるのだった。

 

 

 −END−

 

 

 



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